市民のための名古屋市会を! Ver.3.0

一人の名古屋市民が「地域委員会制度」「減税日本」に対する疑問をまとめるサイトです。(since 2011/3/3)

減税日本スリーアウトチェンジ

 10月10日の中日新聞市民版に減税日本ゴヤの幹事長、中川市議が幹事長を辞任したという記事が掲載された。(以下面倒なので、「減税日本ゴヤ」を単に「減税日本」と表記するし、有権者に虚偽を述べるものを当ブログは公職者と認めていないので、河村たかし名古屋市長も単に「河村たかし」と表記する)

 本年度に入って、減税日本では大村市議、鈴木市議と幹事長辞任が相次ぎ、ここで中川市議まで辞任ということになると、3連続で幹事長が辞任したということになる。特に中川市議の幹事長就任は9月29日だったそうで、10月9日に辞職ということになると、たった10日しか続かなかったということになる。

 当ブログでは、5月臨時会における「議案横取り問題」を取り上げ、大村幹事長の動向を細かく観察したが、そこで得られた知見は佐藤夕子減税日本ゴヤ団長の異様な振る舞いだった。

5月28日減税日本公開質問状 - 市民のための名古屋市会を! Ver.3.0
大村幹事長不信任決議における減税日本の問題点(1) - 市民のための名古屋市会を! Ver.3.0
大村幹事長不信任決議における減税日本の問題点(2) - 市民のための名古屋市会を! Ver.3.0
大村幹事長不信任決議における減税日本の問題点(3) - 市民のための名古屋市会を! Ver.3.0
大村幹事長不信任決議における減税日本の問題点(4) - 市民のための名古屋市会を! Ver.3.0
大村幹事長不信任決議における減税日本の問題点(5) - 市民のための名古屋市会を! Ver.3.0
大村幹事長不信任決議における減税日本の問題点(6) - 市民のための名古屋市会を! Ver.3.0

この場合は、議案自体を取り下げているので、混乱は議会内にとどまり、大村幹事長も辞職とまでは至らなかったようだ。

その後、6月定例会において減税日本ゴヤは「議員報酬半減/800万円特例条例案」を提出する。

現在、大村知事リコールにかこつけて、河村市長があちこちで街頭演説を行っているが、「議員報酬を半減する」と訴えると、少なくない聴衆が拍手を送る。議員報酬や公務員給与を引き下げることを喜ぶメンタリティ、こうした「引き下げデモクラシー」を支持する考え方は、あまりにも劣悪だ。経済学的にも間違っている*1ばかりではなく、「他人の足を引っ張れば、自分の足も引っ張られる」という当然の因果を理解していない無明の民の行いだ。

以前、「Allegory of the long spoons」という話を引いた。

ichi-nagoyajin.hatenablog.com

議員やら公務員、こうした他者の給与引き下げを望み、喜ぶものは将に、ここで描かれた地獄の亡者の姿であり、あさましく、卑しい。こうした「引き下げデモクラシー」を望む者たちのおかげで、日本経済は底なしのデフレスパイラルに落ち込んでいるかと思うと、なんとも暗澹たる気持ちにさせられる。

しかし減税日本河村たかしにとってはありがたい「政策」ということになるだろう。上で描いたように、今に至るも「議員報酬半減」といえば喜ぶ者は少なくないし、こうやって形だけ条例案を提案したってどうせ通るわけはない。つまり、「自分たちは改革しようとしているが、自分たちの報酬にしがみついている既存議員たちの抵抗で、議員報酬半減は実現しなかった」と言えるわけだ。こうやってモーションだけ起こしていれば、地元では支援者から支持を得られる。

減税日本の議員は本気で議員報酬半減なんぞ望んでは居ないし、現に800万円を超える「超過分」について、受け取りを拒否もしていない。*2

明白に「課税分は使っている」としている上に、この「超過分」を積み残してあるという通帳の中身は開示されていない。残高証明ぐらい提示して見せればいいだろうに、それもできない。事実上「積立退職金」に過ぎない。

ichi-nagoyajin.hatenablog.com

彼らの「議員報酬半減条例」などイカサマでしかなく、こんな子ども騙しに騙される有権者はバカという以外にないが、まあ、この社会のマジョリティはバカなので、いくら騙しても支持者(ネタ)には尽きないということだろう。

河村たかしが、「国会議員年金は議員特権である、自分は1円も受け取らない」としながら、今、受け取っている姿に、減税日本ゴヤの市議たちは見習っているに過ぎない。完全にイカサマだ。河村たかしは「受け取っていない」と言っているが、記者会見で記者に向けて通帳を提示して「ここに積み上げてある」と公言したそうではないか。本当に「積み上げてある」なら、自己宣伝の鬼である河村たかしが公表しないのは何故だろうか。

genzeinippon.com

一説には細君から「議員年金の話は絶対に出さないでくれ、あなた(河村たかし)が亡くなった後、残された私はどうなるの、国会議員年金から切り替わる遺族年金だけが頼りなんだから、国会議員年金の受取拒否は公言しないで。それを公言したら離婚よ」などと言われているとも聞く。

ことの真偽はわからないし、細君は一個人なので、批判の対象ともしないが、河村たかしが受け取っていると推測される国会議員年金については、このように十分疑わしいし、減税日本の市議報酬、800万円オーバー分の「積立金」にしてもまったく納得がいかない。任期途中で辞職し、再度公職の候補者になることはないであろう中区選出の佐藤敦元市議の積立金について、預かったままであるとか、同様に落選中の議員についても「通帳を預かったまま」というのはあまりに怪しい。「通帳がある」事は嘘ではないのだろうが、そこに「残高がある」かどうか、誰にもわからない。

「議員報酬半減条例」提出に伴い、財政福祉委員会総務環境委員会でこうした「積立金」の実態を追求された余語市議は、現在自宅療養中となって、議会に出席していない。説明ができなくなっているのだろうと推測する。

また、当ブログではすでに論考したが、名古屋市会は先の一期、議員報酬を800万円としてみた。河村市長は「議員報酬を市民並みにすれば、市民はこぞって議員になろうとする」と言っていたが、仕事の報酬を下げて、その仕事につこうとする者が増えるなどとはキチガイの戯言としか思えない。実際にその後の市議改選で立候補者は多くもならなかったし、少なくもなっていない。また、議員報酬を800万円に下げて、市議の質が上がったとも思えない。減税日本の市議が居座っている分、確実に質は下がっているだろうというのが私の見立てだ。*3

つまり、議員報酬半減などというものは、減税日本河村たかしイカサマであり、実際に実施した結果もなんら効果なく、意味がない「政策」でしかない。そもそも、こんなものを喜ぶ者など相手にする気にもならない。


今回減税日本ゴヤが「議員報酬半減条例」を提出した理由説明は次のようなものだった。

名古屋市 令和 2年  6月 定例会 06月26日-15号
https://ssp.kaigiroku.net/tenant/nagoya/SpMinuteView.html?council_id=547&schedule_id=5&minute_id=1&is_search=true

議長 (略)日程第29、議員提出議案第7号「名古屋市議会の議員の議員報酬の特例に関する条例の制定について」を議題に供します。
 この場合、提案者の御説明を求めます。

鈴木孝之君 ただいま議題となりました議員提出議案第7号につきまして、提案者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。(略)

 このような状況下において、市民の代表である市会議員として何ができるのか。自ら身を切ることで、苦しんでいる市民の皆様に寄り添い、共にコロナと闘い抜く決意を示すことではないでしょうか。ひいては、財政調整基金が年度末には5000万円にまで激減する見込みの本市の財政状況において、報酬削減分をコロナ対策の一部に充てることにもつながります。
 以上により、本年8月より令和5年3月末までの間、議員報酬を年額800万円とする条例案を提出するものでございます。(略)

議員報酬を800万円としても、640万円✕68人=4億3520万円にしかならない。

今般、感染症の影響で市中の経済が冷え込み、名古屋市の歳入欠陥が400億円にのぼろうという時に、「コロナ対策の一部」としてもほとんど意味がない。それよりも、例えば「コロナ対策、減税日本市民電話相談」なりを設置して、感染症相談や生活相談、事業相談などを展開したほうが、よほど「市民の皆様に寄り添」うことになるのではないだろうか。ところが減税日本の市議など、事務所にいくら電話をかけてもでやしない、ばかりか、そもそも連絡先すら設置していない議員も少なくない。「市民の皆様に寄り添」うなんてのが口先だけのことであるのは明白だろう。

また「共にコロナと闘い抜く決意を示す」というのであれば、原資はいくらあっても邪魔にならない。報酬を受け取り拒否するのではなく、そうしたお金を使って「闘う」方策を具体化するべきではないのだろうか。

こうした「共に~闘い抜く決意」とか「皆様に寄り添」うなんて甘ったるく手垢にまみれた言葉は、嘘くさくて仕方がない、というより、上で述べた通り嘘なんだからわかりやすい。こんな言葉に騙されて、河村たかし減税日本に票を入れるバカには呆れる以外にない。

しかしこうしてみると、河村たかしは本当に無能だ。

何かを主張する時に、その主張に道理が有り、自信があるのであれば、ブレることなくその主張を続ければ良いだけだ。
議員報酬を半減することが、地方議会の改革、質の向上に繋がるというのであれば、そう主張し続ければいい。しかし、すでに書いたように。どのような職業であっても、その質を向上させようとするのであれば、その職の報酬を引き上げるのが当然の在り方であって。質の向上を期して、その職業の報酬を下げるなどという主張は、常識的に成立しないことは明白だ。

河村たかしは、自らの主張に説得力がないと思うと、どんどん理由を盛る。あっちやこっちから理由を持ってこようとする。今般の大村知事リコールでも、当初主張していた「少女像」だけでは説得力がないとみると、大浦作品を捕まえて「昭和天皇の肖像を燃やした」だの「サンダルで踏みつけた」だのと言ってみたり、それでも足りないと中垣さんの作品を「バカな日本人の墓」と曲解してみたり、Chim↑Pom↓の作品まで持ち出してみたり。よくよく見てみれば、発言がブレブレで信念がないことは明白。口先だけの説得力のない発言を繰り返しているに過ぎない。

話を元に戻そう。議員報酬半減そのものに説得力がないことを意識してか、現下のコロナ禍を理由として、「財政調整基金が年度末には5000万円にまで激減する見込み」との財政状況を理由に盛ってきた。

しかし、呆れることに、この質問の前日に同じ名古屋市会本会議場において、この問題が取り上げられ、「5000万円激減」は事実ではないとの回答が名古屋市当局より為されている。

名古屋市 令和 2年  6月 定例会 06月25日-14号

https://ssp.kaigiroku.net/tenant/nagoya/SpMinuteView.html?tenant_id=207&council_id=547&schedule_id=4

斉藤たかお君 6月13日の地元紙、中日新聞におきまして、「名古屋市「貯金」激減」との見出しが社会面1面を飾っておりまして、記事の中では、そのあまりの激減ぶりから余裕がないと危ぶむ声があると報道されたのは記憶に新しいところであると思います(略)報道を目にした市民の皆様から、本市の財政状況を危惧する声が届いております。
 一方で、財政局長から答弁をいただいたとおり、この6月補正における財政調整基金の取崩しを含めても、なお基金の残高は、全て合わせておよそ2644億円であるとのことであります。(略)財源不足を理由に新型コロナ対策が進まないということは決してあってはならないと考えますが、本市の財政をつかさどる伊東副市長に御見解を求めます。


副市長(伊東恵美子君) (略)新型コロナウイルス感染症対策につきましては、国や県の交付金補助金など、できる限り活用するもの(略)市会の意見書の提出や指定都市市長会による緊急要請などの結果、国の地方創生臨時交付金も増額をされました。加えて、令和元年度の決算剰余金につきましても一定程度見込まれるということもありまして、これらにより当面の対応は可能であるのではないかと考えております。(略)今後の新型コロナウイルス感染症対策に当たり、その財源確保につきましては、国に対し適宜要請を行ってまいりますとともに、必要な対策にしっかり取り組んでいけるよう的確に対応してまいります(略)


この発言にあるように「財政調整基金5000万円まで激減」とは、6月13日の中日新聞に載った話題ではあるものの、6月25日の議会(本会議)で名古屋市当局は明確に否定している。にもかかわらず、その「財政調整基金5000万円まで激減」というデマ(?)を理由として翌日の6月26日に、条例が提出されたのであれば、その条例の提出理由というものは成立するのだろうか?

事実誤認を理由とする条例など、成立する謂れがないことは明白ではないだろうか。

つまり、こうした虚偽を根拠とした主張。デマを元にした政治的主張。(減税日本河村たかしのお得意技である)を起点に、大村光子、鈴木孝之、中川あつし、減税日本の三人の幹事長が次々と辞職に追い込まれることとなる。

(続く)


genzei758.com

しかし、こうした事情を市民に説明しようともしない姿勢は、いったい何なんだろうな。


*1:小泉構造改革から始まった、縮小均衡論がこの30年間で何を生み出してきたか、まだ判らなければ馬鹿だろうが、その竹中平蔵のフォロワーである高橋洋一が内閣参与と聞いて呆れている

*2:名古屋市会議員の制度に定められた報酬は年間1600万円である。現在自主的に1割をカットして1440万円に減額している。減税日本の市議はこのうち、公約である年収800万円を超える分について「超過分」として、800万円分とは別の通帳を用意して市議報酬を二分割して受け取っている。市会の議論によって、余語市議は受け取らない644万円分にかかる所得税については、この「超過分」を使って納税していると回答している。

*3:伊勢湾台風のおかげで名古屋の街がきれいになった」などという暴言を吐いた人物はまだ、市議として居座っており、会派は放り出されたものの旅行等は一緒にでかけているようで、東庁舎内では「偽装離婚」と呼ばれている