市民のための名古屋市会を! Ver.3.0

一人の名古屋市民が「地域委員会制度」「減税日本」に対する疑問をまとめるサイトです。(since 2011/3/3)

大村幹事長不信任決議における減税日本の問題点(1)

では、前回のエントリーに続いて、大村光子減税日本ゴヤ幹事長への不信任決議と、それに対して28日に提出された減税日本からの「公開質問状」について、考察を加えていきます。

最後に、前回のエントリーでもお知らせした「おもしろいこと」の種明かしがあります。また、前回のエントリーでは12,13日の出来事に焦点を当てましたので、前後関係などを補間します。


28日の「公開質問状」には一言も触れられていませんが、今回の発端は名古屋市が設立した「名古屋市新型コロナウイルス感染症対策事業基金(通称:「ナゴヤ新型コロナ対策でらハートフル寄附金」)」と、この基金設立について、減税日本ゴヤが5月15日の名古屋市臨時議会における個人質疑の議題として取り上げようとしたことにあります。


ここで大急ぎで2点補足すると、その1として、結果としてこの個人質疑は実現しなかった。減税日本ゴヤは質問通告も出していないので、「取り下げ」でもない。なので、一部で言われているような「減税日本ゴヤの行おうとした質問を、議会が邪魔をした、言論の自由への侵害である」というような批判は成立していない。


などと書いても、ネトウヨ歴史修正主義者(名古屋城木造化推進派もこの一派)などに代表される最近の劣化著しい「政治的言論空間」においては「減税日本ゴヤが結果として質問通告を行えないように圧力をかけたことが言論弾圧なのではないのか」ぐらい言ってきそうだが。こりゃ典型的な「藁人形論法」であることを理解しなければならない。減税日本ゴヤにおいて、質問すべき主張があるにも関わらず、質問通告を出さなかったということは、減税日本ゴヤ自身が、表明すべき言論を封殺したということだ。逆に、議会他会派からみれば、出されてもいない質問通告に対しては「弾圧」することもできない。議会他会派にとっては、実行困難不能な行為である「弾圧」に対して批判をされても、抗弁することもできない。つまり、もしも本当に減税日本ゴヤ言論弾圧であるというような主張を行いたかったのであれば、質問通告を出さなければならなかったのである。こうした行為もなく上記のような反論不可能の批判を行うのは卑怯な行為である。

こうした論理的な思考ができないので、バカな対米追従の日本礼賛論を「右翼的言論」と勘違いしてしまえるのだろうし、歴史破壊、文化破壊行為である「名古屋城木造化」にも賛成できてしまえるのだろう。

減税日本河村たかしの文章を読めば一目瞭然だが、その文章には論理的思考能力の欠如が見られる。またその主張のよって立つ根拠も脆弱であり、自己矛盾も来している。こうした混乱した思考のまま、南京問題発言や、名古屋城木造化、昨年のあいちトリエンナーレの騒動、更に名古屋市政における様々な問題を、混乱に陥れている。問題を解決するのが社会のリーダーであるのなら、ただ単に混乱と問題ばかりを作り上げる者はなんと言えば良いのだろうか。「70歳児」とでも言うべきだろうか。


補足のもう1点は大村幹事長への不信任決議の理由は、この基金設立やそれへの質問ではない。(つまり、名古屋市会は「減税日本が成果を盗もうとしたから、幹事長に辞職を求めた」などという子どもじみたケチくさい行為はしていないのであって、こうした構図で話す事も、子どもじみてケチくさい発想と言える)議会理事会、つまり、自民党から共産党(特に、今回の大村幹事長の行為には共産党の幹事長が強く怒りを表明している)、公明党民主党まで含めた全会派が共通して問題としたのは、大村幹事長の説明に一貫性がなく、発言が信用できないということにある。では、大村幹事長に虚言癖でもあるのかというと、そんな事はないと思う。ある意味オッチョコチョイであり、悲劇的なことに誤った指導を受けてしまったために議会や政治というものを正しく理解できていないが、悪意をもって虚言を弄するような人物であるとは思えない。

ここで注目すべきは、やはり減税日本ゴヤが議会に対する対応が行き詰まった先例である「議運離脱宣言」であろう。

減税日本ナゴヤ終了のお知らせ - 市民のための名古屋市会を! Ver.3.0

この事例においても、当時の団長である浅井市議と、幹事長である余語市議は対応が行き詰まり「議運離脱宣言」を行うこととなる。これは彼ら減税日本という政党そのものが「交渉による政治解決のできない政治家である」と宣言するようなもので、そうであるのなら市議も、市長も辞職すべき行為だろう。

前回の離脱宣言でも、今回の大村市議の対応、発言が矛盾する理由も、その全ては河村たかしにあるのであって、このバカの指示が矛盾だらけ、失着だらけなので、結果として大村市議が幹事長として責任を取ることとなるのである。*1


前回のエントリーである12,13日に至る経緯も含めて、そうした事情を考察してみよう。


まず、事の発端は前々回のエントリーで書いたように、斉藤たかお市議(自民党・中村区)が地元企業からの発案を受けて、基金設立を名古屋市財政局に提案したことに始まる。前後して山田昌弘市議(民主党千種区)からも同様の提案がなされる。斉藤市議は河村市長にも電話で基金設立について要望を出している。

これらが遅くとも4月中旬頃の事である。

追記:
情報公開によって時系列が判明した

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行政文書公開請求書
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基金設置にかかる議会からのご提案について(自民党減税日本

財政局において基金設立の案が固まったのが、4月の末頃。

減税日本ゴヤから基金設立について「要望書」が提出されたのは4月30日の事になる。この「要望書」については、文案も含めて河村市長から減税日本ゴヤに「指示」があったとされる。(文章を起草したのも名古屋市の職員ではないかと推測される)

これが最初のボタンのかけ違えだ。(1B:すでにできることが判っている基金について、その設立を求める要望書を提出するという出来レース

そして基金設立について、河村市長から記者発表があったのが5月12日となる。

(2B:自分たちが要望した基金設立について、本会議で質問にのせ、設立したという形を取るためには、質問以降に設立発表すればいいのにそれを待ちきれずに口にしてしまうという幼児性)

5月臨時会における個人質疑は15日に予定されていて、その質問内容の通告期限は13日の昼となっていた。前日の12日午後3時頃に、減税日本ゴヤ豊田議員から当局に質問事項の骨子が提出されて、その内容に記者発表のあった基金設立が含まれていたために、財政局が減税日本ゴヤ基金設立の経緯も含めて説明する。

そして、13日午前の減税日本ゴヤと財政局との対話。出席者は、減税日本ゴヤ:豊田、鹿島、佐藤、大村(途中退席)、当局:財政局総務課長、庶務係長となっている。ここで財政局から減税日本ゴヤに「減税日本ゴヤの要望書よりも先に、自民党斉藤市議や民主党山田市議から要望を受けている。斉藤市議は市長に直接電話でも要望している」という事実を告げられる。この重要な情報について大村幹事長は途中退席したために把握していなかったのかもしれない。

その後、午後に再度、減税日本ゴヤと財政局は対話を行う。この際の主席者は、減税日本ゴヤ:佐藤、大村、当局:財政局総務課長、庶務係長となっている。この場でも、財政局から具体的に議員の名を上げ、減税日本ゴヤでは誰が対応するのか聞いているが、単に大村幹事長が斉藤市議、山田市議と対話するようなお膳立てをしただけで、この両氏が「減税日本ゴヤの要望書よりも、先に要望を行っている」(というか、事実上基金の設立はこの両市議の要望によるものであって、減税日本ゴヤの要望書は後出しに過ぎない)という、重要なポイントについて大村幹事長は認識していなかったのではないか。これが後々、18日の渡辺義郎自民党市議団団長と、佐藤、大村対談において大きな問題となって来たのだと思われる。

(3B:担当者である大村幹事長に重要な情報を伝えていなかった情報の欠落を生み出す組織運営上の問題)

13日午前の財政局と減税日本ゴヤの対話を見ると、減税日本ゴヤとしては「他会派から設立の要望が出ていたとしても、減税日本ゴヤのように『要望書』として出されているものではないから、そうした要望を行った議員に事前に説明する必要はない」と考えていたようだが、これはあまりに得手勝手な考え方だろう。そんな規則などあるわけでもなく、常識で考えても通る話ではない。そもそも質問者である佐藤市議なり、鹿島市議が斉藤市議や山田市議に一言告げれば、それで済む問題ではないのだろうか?当然、その場で嫌な顔はされるかもしれない、あるいは質問しないでくれと言われるかも知れないが、それを強制する事はできないのだから告げることに問題があるとは思えない。告げることによってその場で嫌な顔をされることを回避するにしても、どうせ質問自体はするのだから、事後に嫌な顔をされるのは当然のことだ。つまり、ここで「他会派は要望書を出していないのだから」という理由にもならない理由で「事前に説明する必要はない」というのは、典型的な「ダメな人」の対応だろう。面倒を先送りする、または「砂嵐の前に頭だけ砂に埋めるダチョウ」のようなもので、問題を見ないよう、聞かないようにするだけで、問題を解決するヒトの行うべき対応ではない。いやしくも政令指定都市である名古屋の市会議員が、この程度の見解しか持たないとするなら、それは酷い劣化だ。

(4B:目の前の問題を早く、火種の内に始末せず、放置しておく怠慢)


続く(「おもしろいこと」の種明かしも先送りです)


名古屋城住民訴訟について

次回、第七回公判、場所が変わりました。
1階の 1号法廷 です。

第七回公判:
令和2年6月23日(火)午後2時
名古屋地方裁判所 1号法廷です。

名古屋地裁で一番大きな部屋だそうです!

住民訴訟についての動向は、順次お知らせいたします)

peraichi.com


*1:おお、殆どこの考察の答えはこれだ