市民のための名古屋市会を! Ver.3.0

一人の名古屋市民が「地域委員会制度」「減税日本」に対する疑問をまとめるサイトです。(since 2011/3/3)

大村幹事長不信任決議における減税日本の問題点(2)

文章があまりに長くなってしまったので、途中で切りました。

追記:
減税日本ゴヤの市議について、名前だけではピンとこないというご意見をいただきました。
ichi-nagoyajin.hatenablog.com

データを揃えてあります。

名古屋市:会派別議員名簿(市会情報)

こちらは、公式の名古屋市会議員名簿。役職なども載っています。

前回「最後におもしろいことの種明かしをする」と言いましたがおたのしみに。

この問題では幾つもの「ボタンの掛け違え」がみられるので、それを nボタン として指摘してきた。

1B:すでにできることが判っている基金について、その設立を求める要望書を提出するという出来レース

2B:自分たちが要望した基金設立について、本会議で質問にのせ、設立したという形を取るためには、質問以降に設立発表すればいいのにそれを待ちきれずに口にしてしまうという幼児性

3B:担当者である大村幹事長に重要な情報を伝えていなかった情報の欠落を生み出す組織運営上の問題

4B:目の前の問題を早く、火種の内に始末せず、放置しておく怠慢

5月13日までの出来事を振り返ったが、もう一つ注目しておくと、10:30頃、財政局総務課長は減税日本ゴヤの手塚議員に電話をしている。手塚議員は現在会派内では無役でコロナ対策委員でもない、そして午前に行われた対話にも出席していない。財政局としては全く別のチャネルからアプローチしたということだろう。交渉事ではよくある手法だ。

しかし、こうした手法はリスクも伴う。というのも、組織がしっかりしていれば、午前の会議に出席した人々(豊田、鹿島、佐藤、大村)を財政局は信用していないと表明するようなことにもなりかねない。

ここで手塚議員は鹿島市議に確認を行い財政局の意向を伝えている。上記会合の出席者である豊田市議は減税日本ゴヤから財政福祉委員会に所属しており、財政局との窓口になったものと思われる。この臨時会はコロナ対策が主題であるから、会派のコロナ対策委員長である鹿島市議か会派の団長である佐藤市議が質問を行う事になっていたようなので、手塚市議の行動は理解できる。

ここで鹿島ー手塚から財政局への回答は「基金の質問はしない」であった。ところが昼(質問通告の期限)になるも、この質問を出す意向を崩していなかった。


では鹿島市議や手塚市議が嘘をついたのだろうか?そうは思えない。ここで手塚市議に与えられた情報とは異なる事が起きたのだろう。つまり、鹿島市議がこの質問の問題から降りて、佐藤市議の課題となったのだろう。しかしつまり、ここでも減税日本ゴヤから出てきた話が覆るという事例になる。

ここでなぜ減税日本ゴヤがこの質問にこだわったのか。

それは河村市長自身が「ナゴヤ新型コロナ対策でらハートフル寄附金」について本会議で話したくて仕方がなかったからだろう。減税日本ゴヤの要望書によって提案され、「自分が設立した基金」について、得々と語りたかった。完全に成果の横取りであることは12日の記者会見においても明白だろう。ここで河村市長の口から、自民党の斉藤市議や民主党山田市議からの提案について触れられることはなかった。

(5B:本会議など公的行事を自己宣伝の場として捉えるさもしい了見)

そして

(6B:ヒトの成果を我が物にする癖)

果たして、減税日本に「政治」など行えるのか? - 市民のための名古屋市会を! Ver.3.0

でも指摘したが、河村たかしは市長になってすぐに前市長や他の会派議員が進めていた政策を横取りして、あたかも自分の成果であるかのように公言していた。

2009年に行われた名古屋市の水道料金値下げは、河村たかしの成果などではない。減税日本ゴヤの市議は、こんな事実も知らなくて市議をやっているのだろうか、そうであれば、市政を語るに足らないし、市議をやる資格はない。また、こうした事実を知って尚、河村たかしの一派に入って禄を食むとすれば、人間として疑う。

ボタンの掛け違えとしては、これが最も最初のものなのかもしれない。

5月13日の昼に質問通告の期限は訪れたが、減税日本ゴヤの質問通告は提出されないままとなる。その前の段階で作業が止まり、13時13時30分に開催予定の議運理事会は開催されないままとなった。

ここから、今回問題となった大村幹事長の迷走がはじまる。

5月19日午後11時6分に開かれた議会運営委員会の議事録から、不信任動議に対する大村幹事長の弁明を引いて、何が起きたか見てみましょう。(引用文内「・・・・・A」は段落符号として引用者が付加)

会議録表示

(略)
 今臨時会における個人質疑において、減税日本ゴヤとしまして、当初は、名古屋市新型コロナウイルス感染症対策事業基金について質疑を行いたいと考えておりました。

 我々は、4月30日に、市長に基金の設立の要望書を提出しましたが、その後、5月13日の午前中まで、他会派から先に同じ内容で口頭での要望があったとは聞き及んでおりませんでした。・・・・・A

 5月13日の朝10時20分頃、他の会派から個人的に相談を受けているという、我が会派の議員に話があり、それから12時35分頃に、私に対し、議員個人名を挙げて、通告内容の調整の提案を受けました。・・・・・B

 その後他会派の方々と話をさせていただき、ご了承を得ておりましたところ、2時30分頃、小出幹事長、斉藤議員、財政局2名の計4名の方で、局が作成した書面を持って減税控室にお越しになり、我々の質疑について検討するようにおっしゃいました。・・・・・C

 我々としては、質疑を取り下げる必要は感じておらず、葛藤はあったものの、基金に関する質疑は取り下げることといたしました。・・・・・D

 このような調整に時間を要し、理事会が遅れたことに関しては、理事会において何度も謝罪してまいりました。

A:そもそも質問通告が遅すぎたのではないのか。期限が13日の昼で、通告を出したのが12日であり、その際財政局から質問内容の調整が必要であると指摘された。その説明が翌日10時にしか受けられないとなると、そもそも質問の手直しの時間的余裕がない。

これは、別件で伺った話だが、佐藤夕子市議はこうした質問通告をギリギリまで提出しないそうだ。これは国会において野党議員が行う手法で、政府や官僚に調整の時間を与えない戦法のようだが、質問内容が優れているのであればこんな姑息な手段は必要ない。

そして、そもそも減税日本ゴヤは市長与党なのであるから、市の職員が困るような質問を行う必要はなく、野党の国会議員経験があるといってもそんな手法を持ち込む必要など無い。

更に言うなら、減税日本ゴヤは設立以降、幾度となく議会を混乱させ、今回起きたような深夜議会も珍しくない。しかし、それは多大な経費を浪費することにつながる。議会が1時間定時退庁時間を超えると、いったい幾ら人件費、諸雑費がかかると思っているのだろうか。「減税日本は市民の税金を一円もムダにしない」と言っておきながら、実態としては繰り返しムダな議事遅延を起こしているのであって、こうした質問通告をギリギリまで提出しないという「手法」がどの程度のコストをかけるものなのか、理解していないとすればバカと言う以外ないだろう。

B:この発言は正確なのだろうか?

「 5月13日の朝10時20分頃、他の会派から個人的に相談を受けているという、我が会派の議員に話があり」というのは、財政局が手塚市議に宛てた電話の事を指すのだろう。この段階で「他の会派」の議員が減税日本ゴヤの質問内容を知りうるものだろうか?そして、「個人的に相談」する必要があるのだろうか?

「 それから12時35分頃に、私に対し、議員個人名を挙げて、通告内容の調整の提案を受けました」
財政局が減税日本ゴヤに事態の説明行ったのは、13日午前9時30分頃の会合で、「自民党民主党の議員からは減税日本の要望書よりも前に話をいただき、以降、適宜、報告も行っている」と説明している。

アレ?ここも変だね。

自民党の斉藤市議や民主党山田市議に対しては、要望以降財政局は報告を行っているにも関わらず、減税日本ゴヤに対しては4月30日に要望書を提出したにも関わらず、「 5月13日の午前中まで、他会派から先に同じ内容で口頭での要望があったとは聞き及んでおりませんでした」という事は、4月30日の要望書提出以降、減税日本ゴヤと財政局の間で、この基金設立について対話は無かったのだろうか。

無かったんだろうね。理由は2つある。

1つは、4月30日、減税日本ゴヤが要望書を名古屋市に提出した頃には、すでに基金の設立は固まっており、相談するような事項は発生しなかった。いま1つは、減税日本ゴヤの市議にとっては、市長に言われたまま「紙」を市長に差し出しただけで、中身については知ったことではなかったんだろう。自分たちが発案して提出した政策について、4月30日から約半月間、何も質問せず進捗報告も聞かない。これ変ではないの?(ひょっとして、市長は減税日本ゴヤからの要望書を財政局に下ろしていないのか?)

また、財政局はこの9:30の会合で調整の必要性を伝えている。大村幹事長が12:35の「調整の提案」までそうした情報を受け取っていないとすれば、9:30の会合に出ていた豊田議員、鹿島議員、佐藤議員はなぜ、大村幹事長に伝えなかったのか?

また、この時点まで大村幹事長が調整の必要を知らなかったとすれば、それは誰の責任なんだろうか。私は減税日本ゴヤの中に問題があると判断する。

C:この発言は全く理解できない。
「その後他会派の方々と話をさせていただき、ご了承を得ておりましたところ」
いったいどの会派の誰と話をして、何について了承を得ていたのだろう。

予定では13日の13時から議会運営委員会が開かれ、すぐに理事会が開かれる予定だったそうだが、減税日本ゴヤから質問内容の通告が提出されないため、理事会開催ができなくなり、議運理事長である自民党の小出幹事長が調整することになる。

13時15分、小出理事長から庶務係長に電話がかかり、その庶務係長、総務課長との会談が行われ、基金設置の提案に関して当局がやり取りした内容を説明する文書の作成を依頼される。「 2時30分頃、小出幹事長、斉藤議員、財政局2名の計4名の方で、局が作成した書面を持って減税控室にお越しになり」という書面とはこのことだろう。そして、そこで当事者たる斉藤議員も「質疑について検討するよう」要望するとしたら、その前のセンテンスである「ご了承を得ておりました」と矛盾する。

大村幹事長が、他会派の理事にこうした説明を繰り返していれば、そりゃ信用も失うのではないのでしょうかね?

D:結局、取り下げるのだが、その理由がない。質問を行うこと自体になんの信念も無いから、取り下げにも理由がない。この段階(19日)に至っても「 質疑を取り下げる必要は感じておらず」と言うのであれば取り下げる必要など無いし、逆に、取り下げたからにはその理由をちゃんと説明できなければならない。ここは大切なポイントだ。

(7B:議員の職を「自分のもの」と思っている)

河村たかしは言う「人生行き詰まったら選挙に出ろ、間違って当選すれば税金で食って極楽ですわ」

こんな考えに群がっているのが減税日本の議員たちだ。

議席なんてものも「何か知らんけど、議会で立ったり座ったりしていると毎月お給料がもらえて、国内旅行や海外旅行までおまけに付いてくる」ぐらいにしか考えていないんだろう。

自分たちが議員であるのは、有権者の付託を受けて、そういった有権者の代理として権利を行使する為に居るのであって、この事例で言えば、質問を行うという意志を自分たちが示したとすれば、それは有権者の意志なのだ。議員はその代理行動を行っただけだ。*1そして議会内で調整の結果、その質問が行われなかったとするのであれば、それを有権者に説明できなければならない。

「我々としては、必要は感じておらず、葛藤はあったものの、取り下げることといたしました」というのは、完全な主観的発言であって、議員の職を自分の物として私物化するとんでもない間違いである。

少し前に私は、大村幹事長は「悲劇的なことに誤った指導を受けてしまったために議会や政治というものを正しく理解できていない」と書いたが、こうしたところに考え方の誤りが出てくる。

河村たかしという男は、春日一幸からクビを宣告されたわけだが、それ以降一切政治的訓練を受けていない。完全にぬるま湯、税金という極楽に浸かっていただけで、何も判ってはない。(ある意味、世の中を舐めきって暮らしていても、運が良ければなんとかなるという事は知っているのかも知れない。しかし、だからといってそれが常に通るわけではないし、そのようないい加減な者が運良く生きて行けても、その足元では踏みつけにされる人々が生まれるのだ。減税日本ゴヤの市議諸君は、そうした河村たかしに踏みつけにされた人物を見ていないのだろうか?私はそうした人物を数々見てきた。このブログにもいろいろな形で踏みつけにされた人々の姿が書かれている。まあ、せいぜい自分にその「番」が回ってこないように祈ることだ)

河村たかしは、司法試験を9年受けたが受からなかった。
16年がところ国会議員をやったが、政治について結局理解できなかった。
そして、12年以上名古屋市長を続けるつもりだが、市政とはなにかも理解しようとしない。

そして人間を70年以上やっているが、それも判らないのだろう。
本当に、心の底から軽蔑すると同時に哀れに思えてくる。

一体何のために生きているんだろう。
ヒトを騙し、有権者を騙し、口からでまかせを言い続け。

ここまでで文章が長くなってしまったので、またまた続きにします。
検証としては、5月13日の昼ぐらいまでの事象ということになり、ここからいよいよ名古屋市会の重鎮、渡辺義郎自民党市議団団長の激怒事件へと続き、この事象を検討することで、「真犯人」が浮かび上がってきます。

ところで、大村議員は「質疑を取り下げる」と言っていますが、そもそも提出していないのだから、取り下げではありません。

続く

「おもしろいこと」とは、
今回の減税日本が提出した「公開質問状」の内容が、よく読んでも分かりづらいので、「公開質問状に対する公開質問状」を出してみました。

f:id:ichi-nagoyajin:20200602202530j:plain
20200602_公開質問状_1of2

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20200602_公開質問状_2of2

ichi-nagoyajin.hatenablog.com



ところで、いよいよ桶狭間に近づく「麒麟がくる」ですが、番組の冒頭素読されていた論語の一節は、衛霊公15-12 「子曰、人而無遠慮、必有近憂」でしたね。

人にして遠き慮(おもんばか)り無ければ、必ず近き憂い有り。
新自由主義者歴史修正主義者。今だけ、金だけ、自分だけの視野狭窄に陥ると、「近き憂い」が訪れる。


名古屋城住民訴訟について

次回、第七回公判、場所が変わりました。
1階の 1号法廷 です。

第七回公判:
令和2年6月23日(火)午後2時
名古屋地方裁判所 1号法廷です。

名古屋地裁で一番大きな部屋だそうです!

住民訴訟についての動向は、順次お知らせいたします)

peraichi.com


*1:市の職員が議員にかしずくのは議員を恐れるからではない、議員を選んだ有権者、市民を尊重するからだ。公務員は全体の奉仕者であり、議員や市長の雇われものではない。議員や市長が職員を自身の下僕であるかのように扱うとすれば、公私混同である