市民のための名古屋市会を! Ver.3.0

一人の名古屋市民が「地域委員会制度」「減税日本」に対する疑問をまとめるサイトです。(since 2011/3/3)

雪が教える政治に必要なもの

 名古屋は雪になりましたね。日曜日は汗ばむぐらいの陽気であったのに、春の天気もめまぐるしいものです。なんでも桜田門外の変も3月の桃の節句(調べてみると旧暦の3月3日で新暦でいうと3月24日になるらしい)に雪が降るなか起こったそうだ。

 さきほども深々と雪が降り注ぐ中を歩いて、3・11を明日に控え、東北を再度思い起こせと言われているような気持になりました。津波に襲われる街の風景を写したニュース映像には、やはりこういった雪が降り注いでいましたからね。映像からは寒さを感じることはできませんが、芯まで冷える寒さの中、全てを飲み込んでいく津波を目の当たりにして、ただそれを見守る事しかできなかった方々の心情はとても想像ができません。また、その厳しい寒さの中、津波に流された人々もいらっしゃいましょうし、今現在もまだ、仮設住宅で暮らしている方々もいる。そうした思いを3月の雪が届けているのかなと感じました。

 人間が人間で居られるのは、こういった他人の痛みを思う事が出来るからではないのかと思う。他人の痛みを思うから、自分の「もしもの時の備え」も考えることができるのだろう。自分自身が様々な痛み、辛さを乗り越えてきているから、その記憶が同情となって、他人を助けることができるのだろうし、そうした在り方が自分自身を助ける社会を作ることができる。人間は人間である以前から、群れで生活する事によって、お互いを庇いあう習性があったそうだ。ましてや優れた記憶を保ち、将来の予測をたてる知性を備えてからは、こうした共感や同情といった心の働きは、その群れ(さらに、それ以上の枠組みとしての社会)を構成する重要な要素になっていたのだろうと思われる。

 この社会がどのようにできているのか。それを理解するうえで、こうした共感やデリカシーというものの働きを理解できなければ、社会そのものが理解できていないに等しい。また、そのような理解に乏しい者が、社会をより良くしていくだとか、社会の問題点を把握できるわけがない。つまり、いやしくも政治を志す者の最低の条件は「ひとの心が判ること」であろう。こうした共感の回路が壊れているような者、デリカシーの無い者、我が儘で身勝手な者が、社会を理解できないのは理の当然だ。

 ちょっと例を引くと、こういった文章がどうだろうか。
 減税発祥の地ナゴヤの挑戦 | 減税日本


 私には得手勝手な「言い分」と自己弁護に終始した「言い訳」にしか聞こえない。
 またこの文章を「話者の視点」という観点で読んでみると、一度として河村氏の外に出ていないことに気付かされる。河村氏の文章を読んでいて気恥ずかしくなるのは、彼の文章の構成が自分の視点から自分の事を自賛する非常に厚顔な構図になっているからだろう。

 2段目のセンテンスにおける「これ(減税政策)は(略)『地域主権』を最も具現化する政策と言える」とは、果たして誰が言っているのか?

 3段目のセンテンスは「私自身は(略)意味を見出している」と自分の「言い分」そのものであって、それの押しつけでしかない。

 「『一律減税は、お金持ち優遇である』との指摘もあるが」からのセンテンスでは、まずその責任を「地方税は単一税率とされているため」と批判の矛先を法の問題に逃げている。話は全く逆なのであって、であれば国政から市政に移るのではなく国において地方税の改正を行うべきだろうし(市長として国に「意見書」でも出したという事も聞かない)そもそもそういった地方税という社会の仕組みの上で、減税という施策が正しいのかという議論をしているのであって、論点すら理解していない。
 さらに、それを国民健康保険料の軽減であるとか、水道料金の引き下げで逃げるなど、全くの詭弁でしかない。この両者とも河村市政の成果ではないじゃないか。
 国民健康保険料 高い自治体(市、区) ランキング
 さはしあこ議員が本会議で予算の組み替え動議を提案 - 日本共産党名古屋市会議員団


 まあ、アホな文章をこれ以上弄っても仕方がない。いよいよ名古屋市会も閉会となり、統一地方選挙も本番モードに入ってきたわけだが、この選挙期間中、減税日本がどのような妄言をばら撒くか、非常に興味深い。


 さて、その名古屋市会、総務環境委員会における北角秘書の問題で、前回の記事に追記をしましたが、金城議員がツイッター上のコメントを削除し、謝罪を掲載しております。

 削除されたコメントのキャッシュ
 yutaka-kinjo (@yutakakinjo) | Twitter

 https://twitter.com/yutakakinjo/status/574793890886111232:twitter:detail:left

 この謝罪について、総務環境委員会で鹿島委員が報告をした際、鹿島委員自体が「内容については承知していない」という発言をしていた。
 どうしたものでしょうね。減税日本ゴヤにありがちな「とりあえず謝っておけ」というような非常に誠意のない対応に終始しているようですね。

 どのような発言をして、どういった点が問題であるのか。それが判っていなければ謝罪にはならないでしょうし、こうやって本当の問題を追求、考慮せず、外面だけ取り繕ってばかりいるので同じような問題を繰り返すのでしょう。
 (けれど、結構です。どうぞ続けてください。名古屋市民が判断するでしょうから)

 この金城議員の発言は大きく2つの問題点を孕んでいます。

 1つ目はもちろん、名古屋市会が委員会の席上で一人の人間を「いじめ」るということがあって良いわけがないからです。いやしくも名古屋市会は教育も所管している訳で、その中の大きなテーマが「いじめ」であるのは当然の事。その名古屋市会が「いじめ」を行うなどあってはならない。これは各党、各委員が怒って当然の暴言です。

 2つ目は、もし減税日本ゴヤがこの委員会の在り方を「いじめ」だと認識しているのであれば、なぜその現場にいる委員が何もしなかったのでしょうか?鹿島議員は塾を経営しており、公約に「子どもたちが行きたくなる学校作り」という言葉があります。子どもではありませんが目の前で「いじめ」が行われているというのであれば、それに何の反応もしないというのは在り得べからざる事なのではないのでしょうか。


 今回の統一地方選挙は中々面白い展開があります。

 最もトンデモないのは次世代の党でしょうかね。幸福実現党よりも良く判りません。

 次世代の党 統一地方選挙 公認・推薦第二次公認
 
 こんな者たちは、この名古屋市会が生んだスター(?)である、あの「ポルシェ・河合」議員に言わせても「みんな、バカ野郎ですよ!」という事になりそうです。

 特に、その「ポルシェ・河合」議員と同じ緑区で立候補する予定の筬島とかいう候補。
 この名簿では職業が「元団体職員」となっていますが、当初は「愛知県労働組合総連合 事務局員」と表記されており( 参考 )、おかげで愛労連からこのようなコメントが出されています。

 【談話】愛労連事務局員・筬島直人氏の立候補報道について:愛労連(愛知県労働組合総連合)

 また、当ブログでも度々取り上げた東裕子県議も減税から次世代に華麗な転向をされるようですね。
 減税日本離党のごあいさつ 2015/3/7 | 東ゆうこ(ひがしゆうこ)オフィシャルブログ「小さなチャレンジ、大きな未来!」Powered by Ameba

 この文章を読んでも減税日本から離脱した理由がサッパリ判りませんけどね。

 さて、そんな中でちょっと注目すべきなのが民主党から東区の県議として出る国政さんでしょうね。
 http://www.dpj.or.jp/candidates/assembly/%E6%84%9B%E7%9F%A5%E7%9C%8C%E8%AD%B0%E4%BC%9A

 民主党の公式な発表までブログで取り上げるのは控えておりましたが。

 この方、元はかの「ミスター減税」こと三宅県議とともに活動されていたようで、名東区の市議に立つ予定だったようです。三宅県議とともに河村事務所を訪れて、減税日本からの推薦も要請したようですが断られたといいます。名東区には減税日本の市議現職が居ますからね。三宅県議が市議に新人を立てようとしたのは、三宅県議とこの現職市議の不仲が原因だともっぱらの噂です。(また、三宅県議からクレームが来るかな?)
 結局、三宅県議は無所属で県議に立候補、この国政さんも無所属で市議に立候補するつもりだったようですが、それを名東区民主党、日比市議が聞きつけ、国政さんに民主党から東区の県議に出ないかと提案されたようです。日比市議の立場に立ってみれば、ライバルは一人でも少ない方が良いのでしょうからもっともな提案。国政さんとしても無所属で名東区の市議に立つよりは、民主党から東区の県議に立った方が「硬い」と思われたのでしょうね、これももっともな判断だろうと思います。

 さて、この動きを聞いて青くなったのが減税日本です。減税日本は東区に県議の議席を抑えています。元々河村代表のおひざ元。どうしても確保したい議席です、そこに民主党が若くてイキの良い候補をぶつけてきた。そこで慌てて国政さんに「港区の市議候補として、減税日本から出てくれないか」と「三顧の礼」をもって依頼したと言います。
 (この話がまた、どこでどうねじ曲がったか。「減税日本が現在守山の市議をやっている冨口さん(結局、減税日本からはじき出されるように公認、推薦を受けられなかった)に『港区から出ないか』と『三顧の礼』をもって提案されたが、冨口さんが断った」という話になっているようです)

 こうしてしつこく「港区の市議として出てくれ」と減税日本から提案された国政さんですが、最初、三宅県議と訪ねた時には冷たくあしらわれたのにと思っている事でしょう。

 なんとなく、減税日本、河村代表はやる事なす事が全て裏目に出ているようですね。

 自分の得手勝手な「夢」に固執し、「負けるものか」と意固地になり、我執するばかり。

 他人の心を忖度しない、そんな人物には政治はできない。
 わがままで自分勝手なだけの人物は、政治の世界では支持を失っていく。

 日本の社会は、そこそこ「自浄作用」というものがあるのでしょうね。



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