市民のための名古屋市会を! Ver.3.0

一人の名古屋市民が「地域委員会制度」「減税日本」に対する疑問をまとめるサイトです。(since 2011/3/3)

「なぜ(略)に答えてみる」で書き漏らした事など(前編)

 前回のまでのシリーズ「『なぜ日本の金利が低いのか』に真面目に答えてみる」 で書き漏らしていたことについて補足します。

 その前に数点、気になった事を。

若者の「嘘」をたしなめる勇気を

 まず、これは不確定な部分があるのでそれを確認後しかるべき対応をとろうと思っていますが、また減税日本ゴヤの中の「嘘」が出てきそうです。小さな「嘘」と言えば言えないこともないのでしょうが、こうやって空気を吸うかのように自然に嘘を言うというのはちょっと異常な事です。これはこの人物の為にも良くない。

 周囲の減税日本ゴヤの年長者が、こういった「嘘」を放置しているとしたら、それは誤った行為です。少なくともそんな人物には「教育」を語る資格があるとは思えません。

 教育を語るのであれば、若者の「嘘」をたしなめるぐらいの常識と勇気は持って欲しい。

いっそこのまま「置き去り」にして

 中日新聞の社説に次のような一文が載った。

国政政党化 地域置き去りでは困る
(略)
 河村市長の金看板である減税政策に、維新側は違和感を感じている。
(略)
 地域主権を掲げて登場した地域政党には、その原点と過去の政治活動も見つめ直してほしい。
 維新は大阪都構想であり、減税日本は市民税減税や地域委員会、大村秀章愛知県知事とタッグを組んだ中京都構想などである。
 一定の成果をあげた課題もあるが、手つかずに近いものもある。国政政党化しても地域の組織は残る。地域の課題が置き去りのままでは困る。
(中日新聞 社説 2012年11月7日)

http://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2012110702000072.html

 昨日まで論考していたように「河村流減税政策」自体が「根拠のない経済理論」に基づく「誤った経済政策」という以外に無く、維新の側の違和感と言うのは常識的な判断であって、日本全国、どこを眺め回してみても「河村流減税政策」に賛同する政党が居ないという事実は、日本における常識の浸透を現すものとして慶祝の至りといった趣だ。

 この社説の最後の締めは、減税日本の市民税減税や地域委員会、知事との中京都構想があたかも中身があって、正当であるかのように扱っている。しかし、それ自体が中身が空っぽ(中京都構想)か、市民から否定された(地域委員会*1)か、全くの間違った政策(減税)であれば、いっそこのまま「置き去り」にしていただいて、国政でもどこでも行って頂いて構わないというのが本当の所でしょう。

 逆に、中日新聞は社論としてこの3つの政策が正当なものであると「まだ」思っているのだろうか?

有権者を食い物にする「政治屋

 次。

日本維新 中部初の県組織

 橋下徹大阪市長率いる日本維新の会の地方組織として、静岡県議らが「静岡維新の会」を設立する。大阪市内で七日にも、日本維新側と協定を締結する。次期衆院選に擁立する候補者を支援する県単位の組織で、中部地方での設立は初めて。
 設立に加わるのは、柏木健・静岡県議、鈴木望・前磐田市長、海野徹・元民主党参院議員(静岡選挙区)ら。

 鈴木氏は、浜岡原発御前崎市)の再稼働の是非を問う住民投票条例制定を求める市民団体代表だった。河村たかし名古屋市長とも親交があり、(略)
 
 協定書では、維新が決定した候補者の全面支援や綱領「維新八策」への賛同をはじめ、公務員の政治的行為規制条例や教育改革条例の制定、議員の報酬・定数を減らす議会改革の推進、大阪府市と同等の行財政改革の推進−などを静岡県内で実現するよう求める。

(略)
 日本維新の顧問を務める愛知県の大村秀章知事にも、愛知維新の会の設立を要請。岐阜、三重でも地方議員に接触し、設立を模索している。(中日新聞 2012年11月7日)

http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20121107/CK2012110702000067.html

 大阪で進められた「公務員の政治的行為規制条例や教育改革条例」には問題が多い。そもそも「地域の事は地域で決める」はずの地域政党が、なぜ大阪の束縛を受けるいわれがあるのだろう。
 柏木健・静岡県議:柏木たけし行政書士事務所(磐田市)

 「みんなの党」だったわけだ。

 海野徹・元民主党参院議員:http://unno.tv/

 思いっきり「減税日本」のバナーが掲げられている。

 そして、 鈴木望・前磐田市長:http://kenmintohyo.com/first.php

 この鈴木望磐田市長こそ、名古屋市におけるリコール署名を主導した「ネットワーク河村市長」の責任者で、その流用、流出問題について、名古屋市民に一切の説明も対応も取っていない無責任男である。

 原発県民投票・静岡への質問状 - 市長のための市会ではなく、市民のための名古屋市会を! Ver.2.0

 こんな無責任な人間が、静岡で「『原発』県民投票」といってまたぞろポピュリズム的扇動を繰り返している。この名簿はどんな管理がされるのだろうか。

 これをポピュリズムと言う、そしてこういった人物を政治で飯を食う、つまり、有権者を食い物にする「政治屋と呼ぶ以外に、他に言葉を知らない。

減税政策における真の勝者は

 昨日までのシリーズで書き漏らした事。というか、論点がブレるので  、敢えて除外した論点がある。

 「河村流減税」の誤りの最大のものは「歳出の削減」と減税政策を接合した事にある。しかし実は「市債発行の抑制」という部分では一定の効果をもたらしている。

 正直言って、この4年間の河村市政を振り返る時、市長も自業自得ながらボロボロになった、議会も今後修復に何年もかかる手痛いダメージを受け、少なからぬ有為な人材を失ってしまった。結果として勝者は市当局、それも財政局ではないかという気がしている。

 通常、河村氏のようなポピュリスト、市民の人気のみに支えられたような人物が首長の座に座れば、その人気浮揚の為にあっちこっちにばら撒き政策を展開し、財政が破綻しかねない。しかし、「減税実現の為には市債発行はできません」という一事をもって、財政当局がこういった危険を回避したのだとすれば、当局としては勝利と言えるだろう。

 けれども、もう一歩踏み込んで考えてみた場合。

 この名古屋においても一定の経済の減速があったわけで、こういったタイミングで、その経済の減速に対抗する為に、一定の市債発行、財政出動はあっても良かったのではないか。特に事業投資に利するような公的保障制度の拡大などは行うべきではなかったのかという議論はあると思う。
 財政当局内も、本当に名古屋市全体の経済活性の為に、名古屋市自身がこうやって手をこまねいて見ているだけで良いのだろうか。という意識はあったのではないか。

 その意識と、自局の責任である名古屋市財政自体の健全性維持という、相反する要請の狭間に居たのではないかと思う。(というか、思いたい)

 今後も、この減税政策が恒久化されたものとして名古屋市に覆いかぶさるとするならば、名古屋は市債発行による地域の経済活性という選択肢を自ら縛り続ける事になる。

 本当に、これでいいのだろうか?

 良いのだろうかね?ねえ、中日新聞さん。

 ああ、全然本論に行き着く前に予定のページ数に達してしまいました。
 (後編)に続きます。


*1:追記:地域に必要とされているのは執行主体であって、執行主体を抜け落とした議決機関だけの地域委員会制度は、制度設計が間違っている。