市民のための名古屋市会を! Ver.3.0

一人の名古屋市民が「地域委員会制度」「減税日本」に対する疑問をまとめるサイトです。(since 2011/3/3)

0.3%減税 ― 寂しいお山の大将

市長のための市会ではなく、市民のための名古屋市会を!-タイムサービス
 まったく、河村市政、閉店間際のタイムセールよろしく、自らの看板政策である市民税減税の減税率をポコポコ下げている。当初(そして、公約)は所謂「10%」(実体として0.6%)減税であったのが、この11月議会の閉会間際に突然ぶれて「7%」(実体として0.42%)に減税幅が縮小された。そこに「均等部分を減免する」という小手先の修正を加えたものだから、法的にも問題が発生して、この修正案は敢え無く否決の憂き目にあった。
 それだけではなく、わざわざ議会リコールまでしてでっち上げた減税日本ゴヤの市議たちが、自らの公約である「10%減税」に否決すると言う戯画まで演じてみせる事になった(「個別の六人」が居なければこの公約は「全会一致で否決」という事になっていたのを減税日本ゴヤの市議、特に幹事たちは理解しているのかね。していないんだろうね)
 ここで勝負有ったですよ。
 看板公約をぶれて、提出してきた修正案に法的瑕疵があるようでは、河村のスキルがその程度であるということを世間に公言したようなものですから。
 ところが、この男は判っていないですね。
 臨時議会を召集して再修正をかけて提出する。
 それが、「5%」(実体として0.3%)減税案です。

 そもそも市民税(全体でも6%)の10%(0.6%)を減税して、課税率を5.4%に下げるというのが、どういう意味があるのか良くわかりませんでした。ただ、彼が衆議院議員自体時代から言っていた「消費税率1%減税」と「市民税10%減税」では、なんだか「市民税10%減税」の方がインパクトがあるように聞こえますね。聞こえるだけですけどね。実際は、0.6%減税するだけですから、元々インパクトなんかありません。今でもマスコミはこの「10%」とか「5%」とかを使いますが、これ自体が市民の誤解を引き起こした原因でしょう。

 今回の臨時議会において、河村は、減税実現のための条件調整について、市の職員に民主党との折衝を進めさせたそうです(ここも非常に興味深いのですが、普通、与党の議員が居るのであれば、その議員が野党対策、議会対策は進めますよね。それを市の職員にさせているというのが、なんとも味わい深いですね)
 その際に民主党から提示された条件は二つ。一つは「減税幅は財源内で行うこと」二つめは「期限付きの見直しを盛り込むこと」だったそうです。
 その二条件を飲んで、この臨時議会に提示される減税条例は「5%(0.3%)減税」で「3年後に見直し」の規定を加えられているようです。

 どうも、この減税率修正議論の中で、10%減税では財源不足が発生すると言う財政局の提出数字は正しいとされ、議論の前提となっているようです。9月議会、及び11月議会の前半で、河村は「減税のための財源は確保されている」と言明していましたよね。この言葉はいったい何だったのでしょうか?
 まず、この間違いについて認めていただきたいものですね。

 さらに、減税の政策自体は反対しないものとするのは理解しましょう。減税を勧めるとする経済理論は誤りで、減税の実施は失政に繋がると思いますが、それでも大勢の市民が、(実態の無い)減税の効果に期待しています。(これは、上でも述べましたように、マスコミにも責任があります。実体である0.6%とかけ離れている減税率「10%」を喧伝してしまったために、実態以上に減税政策が大きなものであると捉えられてしまったのです。この現実からの遊離が、市民の政治選択に誤解を引き起こしたとしか言いようがありません)
 それでも市民が期待しているのなら少々の期間は実施してみてもいいでしょう。その間、不幸な事件や災害が発生しないことを祈りつつ。それぐらいの失政は飲み込めるほど名古屋は豊かと言うことなんでしょう。

 とりあえず、こうやって減税を実現するとしたところで。今回の様に財源幅で減税率を変えるのであれば、財源から逆算して減税を実施すれば良いのではないでしょうか?

 ところで11月議会において提出された財政局の財政見通しは、それ以降に発生した財政的変化を加えていません。自動車2税の廃止は、重量税の減税だけに落ち着きましたが、それでも名古屋市の歳入に対する影響を持っています。また、先ごろまとめられた名古屋市における生活保護申請者の急増は、いよいよ社会保障費の急増を予感させます。(このあたりは、大阪との関係もあるので近々書きましょう)この2点ほどで0.3%減税をもう少し下げていただいて0.2%にしたほうがより現実的でしょう。

 また、この議論では財政調整基金の取り崩しはそのままになっています。財政調整基金を取り崩すのは当然ながら一回しかできません。一回取り崩せば次の年は取り崩せないのですから。ですので、この取り崩し幅も税率に反映させてあと、0.2%程度減税幅を下げた方が良いのではないでしょうか。

 こうやって考えていくと、来年度は減税の実施をおこなうが、その財源措置を勘案したところ、減税幅は0.0%とする。という、なんだか一休さんのトンチのような減税にされるのが良いのではないでしょうかね?

 河村の公約にも、減税日本の公約にも「10%減税」の言葉はありますが、別に24年度実施とも、即時実施とも謳ってはいません。減税の実施時期は明言していなかったのです。
 ですから、ここで実施時期を重視して減税率を変動させるのならば、そもそも「10%」という数字に何も根拠がなかったことの傍証でしかありません。

 今回、民主党公明党のどちらが「乗る」のか不明ですが。もしも減税が実現するのでしたら、是非お願いしたいことがある。22年度の決算審議で出た問題だが、減税の経済効果を計る指標が設定されていなかったらしい。
 160億円もかけて実施された政策について、それが市民生活にとって有効であったかどうかを計測もせずにお金だけをばら撒いてしまったのが22年の名古屋市でした。
 同じ過ちをしないように、今回は特に、予め誰が見ても明確に「減税効果」が推し量れる指標を設置してから政策の実施をしていただきたいものだと思います。

 さて、公明党民主党か、どちらかは判りませんが。この「0.3%減税案」に賛成して減税実施に大きく舵を切るわけですが。では、その説明責任はこのどちらかの党に持っていただくことになるのでしょうね。なぜ、0.6%でダメで、0.42%でもダメで、今回の0.3%なら乗れたのか。減税日本ゴヤの市議ではそもそも議論の基本ができていないので理由も何も有ったものではありませんでしたが。公明党民主党であれば説明はできるでしょう。期待しております。

 そのような中で、「これ以上の減税議論には議論疲れした」という発言があったやにお聞きしています。どうせ、無責任な風の噂程度のものでしょうが、「議論づかれした」というのは、酷い職業責任の放棄です。路上で交通整理している誘導員が「疲れた」といって職場を放棄したら事故が起きるでしょう。料理人が「疲れた」からと店を閉めますか?
 プロとして歳費を貰って仕事をしている以上、疲れて職務を放棄するのであれば、その前にバッチを外すべきです。

 私としては、「疲れた」どころか、上に挙げたように、減税の是非は置くにしても「1.財源から逆算した場合、本当に真っ当な減税幅とは何%なのか(0%?)」「2.減税の経済効果を立証できる測定ポイントの設定」を減税条例の成立に伴って議論していただきたい。それらが具体化するまでは(減税はするという前提で)減税条例の成立はするべきではない。と思っています。継続審議するべきです。

 公明党にも民主党にも、来年度実施をするのであれば、すると決めるだけの大義名分が必要でしょう。これは勝負ではありませんが、群衆の中で勝負を決するのは「大義名分」です。これがあるものが勝利を得、これがないものは最終的には敗北を喫します。



市長のための市会ではなく、市民のための名古屋市会を!-仏様が5%
 「今日の読売新聞を見ろ!」とご連絡をいただきました。
 早速、コンビニで買ってきましたが。腰が抜けました。

 減税「仏様が5%と」という発言が大見出しで踊っています。
 公明党との折衝を捉えての発言とは明言していませんし、その発言の真意は不明です。永田町でもこの会期末、閣僚の不用意な発言で内閣は攻撃を受けていました。この段階で、こういった発言をする河村を内閣に迎えようという奇特な人物は居ないでしょう。
 つまり、河村はテレビ芸人として勘が鈍り、名古屋でお山の大将を続けて、いい加減な発言ばかりしてきたので、決定的にスキルが落ちています。「総理を目指す」どころか「閣僚も危うい」


 実は別件で過去の新聞記事を見ていましたら、河村の次のような発言を見つけました。
2009年6月24日 中日新聞市民版「河村ウォッチ23日」
(24日に河村市政としての本格的なスタートである六月定例会が始まる。代表質問に対する回答を用意する勉強会が始まるのを前に)「ほかの議員に嫌われ、無視された議員時代のむなしさに比べたら考えてきたことが話せるんだからうれしいね」


 代議士時代、まともな政策議論から離れて、議員宿舎の問題であるとか議員特権という自分の身の回りの話題ばかりをあげつらっていた。これは、勉強をしようという姿勢が無かったのもあるだろうが、周囲にブレーンや情報を流してくれる官僚との協力関係も築けなかった証左である。で、あるのでよりセンセーショナルに、上にも書いたような消費税減税を言ってみたりした。しかし、それらの政策はお粗末そのものだった。河村には総理候補として推薦の同僚議員20人が集まらなかっただけではなく、こういったブレーンや同士、支持する人々も居なかった。

 それは彼が間違った場合、その指摘に対して耳を貸さなかったからなのではないか?

 こうやって、議論に耐えられない主張を甘いチェックのままに世間に提示する。その為に同僚議員や有識者に無視されていく。その結果、より一層エキセントリックでセンセーショナルな主張に傾く。

 著書「復興増税の罠」で官僚、議員、学者、マスコミを陰謀論の主の様に捉えてみせたのは、このような自らの姿勢が原因なのではないだろうか。

 このようなエキセントリックでセンセーショナルな主張をテレビは喜ぶ。単純に面白いからだ。「テレビタックル」では、ちやほやされるけれども、それは発言が正しいからではない。単に面白いからに過ぎない。

 この「むなしさ」の原因を知らず、同じことを繰り返してみた。
 今、自ら党まででっちあげてお山の大将になっているけれど。

 ・・・・なんだろうね。中学生が同級生に無視されたので、公園で小学校の低学年を集めてガキ大将を気取っているようで、見ていて痛々しい。


追記:
本論と全然関係ないが、

まぶちすみおの「不易塾」日記 2011年12月13日 (火) 「難癖」とは何事か!
http://mabuti-sumio.cocolog-nifty.com/blog/2011/12/post-1937.html

が、猪瀬直樹の「眼からウロコ」nikkei BP net の
民主党は「高速道路無料化」の看板をおろせ
外環道を当初計画どおり早期に整備し、首都災害に備えよ」
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20111212/293418/?ST=business&P=1

に噛み付いていた。

議論の内容も面白かったが、
「高速道路のあり方検討有識者委員会」の資料を見ていて面白いものを見つけた。

今後の高速道路のあり方 中間とりまとめ
平成23年12月9日
高速道路のあり方検討有識者委員会
http://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/hw_arikata/chu_matome2/matome.pdf

(3) 整備・管理の基本的な考え方
? ミッシングリンクの解消

一方、東京外環、名古屋2環などの大都市部の高速道路は、緊急性や周辺
ネットワークとの整合性から、利用者負担による有料道路方式での整備を基
本とすべきである。その際、様々な工夫を行ってもなお高速道路の利用者負
担だけでは足りない分については、事業主体の責任を明確にしつつ、税負担
も活用することが必要である。


名古屋にとっては、ラッキーって事かな?