市民のための名古屋市会を! Ver.3.0

一人の名古屋市民が「地域委員会制度」「減税日本」に対する疑問をまとめるサイトです。(since 2011/3/3)

中日新聞の猛省を促す

 12月7日の名古屋市会本会議において河村の提案した「市民税0.6%減税条例案」が否決され、それに対してバタバタと提出された「0.42%減税修正案」も否決された。

 この「修正案」が作成された経緯について情報が寄せられた。
 この「修正案」は5日(月曜日)の段階でも文章になっていなかったそうだ。
 つまり、5日午後7時30分頃。減税日本ゴヤの浅井団長が公明党の市議団控え室を尋ね、修正案について公明党の金庭団長に説明をした際には、修正案に盛り込まれる要件のメモだけが渡されたそうである。
 財政福祉委員会において自民党市議団々長の横井委員が、浅井団長に電話を入れたところ「明日の朝刊で見てくれ」と答えた理由は、減税日本ゴヤがじゃぱネットタカタを真似した訳ではなく、この段階では浅井団長本人も修正案をみていなかったからだ。

 それ以降、夜の9時以降に。市当局の財政担当者と減税日本ゴヤの幹事(具体的には山田市議と松山市議)が修正案の中身を組み上げた。
 12時も近づいた頃(つまり、提出するその日)に市会事務局の法制係担当者が参加して法制的検討を行ったそうだ。
 文字通り「一夜漬け」だったわけだ。

 そもそも河村市長の減税条例に市会が反対しているのは、市会が子どもの様に河村市長に対する感情的な反発を持っているからとか、河村市長の政策実現を邪魔して困らせてやろうと思っているわけではない。主にはその減税政策実現に必要な財源が示されていないことが原因であろう事は議論からも明らかだ。減税政策にはその他にも経済効果への疑問であるとか、逆進性の問題であるとか様々な論点はあるけれども、この財源措置が不明瞭であると言うのは賛成できない十分条件と言っていいだろう。

 更に、この修正案についても。
 その提出の経緯についても政治的一貫性等。問題があるとは思うけれども、それらの批判を提出者たちが甘んじて受け入れると言うのであれば修正に応じて、審議をする誠意をみせている。河村市長を選んだのが66万人の市民であり、減税日本ゴヤの市議も皆数千人の支援を受けてバッチをつけている(その一人ひとりに数千人の支援者は、皆「市民税減税10%恒久化」の公約に投票したのだが)
 そうであるならば、他の自民、公明、民主、共産の市議たちも、その後ろにはそれぞれ数千人の市民の付託があるのである。で、あるから審議において誠意を尽くして議論も尽くすのではないだろうか。

 ところで次のようなデータがある。

株式会社 ア・アド・エージェンシー/都道府県別新聞シェア表

 このデータによれば、愛知県における中日新聞の発行部数は174万部、シェアは67.02%(2007.3)となっている。

 また、このようなデータもある。

読売新聞広告ガイド/販売部数 都道府県別上位3紙

 このデータによると、愛知県、全世帯数 2,918,116 件の内、中日新聞の販売部数は 1,720,781部 普及率は 58.97% となる。

 地方紙がある地域では地方紙は強く、大体このような傾向があるらしい。

 名古屋の市民は、その多数が中日新聞を読んで、この街に起こったことを知る。
 しかし、この減税条例の否決、及びその修正案の否決についての中日新聞の報道は酷いものであった。

 「減税修正案否決 名古屋市議会委(2011年12月7日)」として財政福祉委員会での議論の模様が描かれている。
 限られた文字数でまとめるのは大変なのは理解できるが、あの議論の中で、最も問題とされるであろう、地方税法四十五条による県との協議の問題について紙面の何処にも触れられていない。

 再度言うが、この9月議会以降。減税条例案が上程されてからの議論を聞くと、議会は感情的に市長の減税案を否定しようとか、攻撃しようとかはしていない。逆に、市長も言うように多数の市民が減税を期待しているのだろうと、その成立の可能性を探っていたと思われる。けれども、市長の方からその減税財源について明確な提示がなかったので9月は継続審議、11月においても否決せざるを得ないという方向だったのだろう。
 市長は「減税財源は行政改革で確保されている」と語ってきているが、市の財政当局から提示されている数字は76億円の不足を示している。もしも、新聞が書き立てるように感情的な対立であるとか、為にする議論に終始させるつもりならこの部分をつついて、その矛盾をあぶりだしてもいいだろう。(どこぞのブログの様に)
 しかし、お上品な誠実な名古屋市会はそういった無益な対立をすることなく、最後まで減税の成立の可能性を探ったと思う。

 それに対して、上記のような一夜漬けの修正案を出してくる(そして、その中に法的な瑕疵があったり、単純な計算ミスがある)というのは、どうなんだろうか?

 そういった事を報道しない中日新聞も、どうなんだろうか?
 誠意は重要ではないのかな?

 特に、酷い「社説」を逐次批判させていただく。



中日新聞社説「名古屋の減税 政治は歩み寄ってこそ」2011年12月7日

議会との対話で、空転を続ける減税問題を半歩でも進めようとする姿勢に転じたことは評価したい。


 減税問題が空転しているのは、その財源が明確に示されないからである。

防災、福祉、教育など市政の課題は山積みだ。中京都構想も足踏みが続く。


 これらの施策が具体化しない、またはそもそも施策が提案されていないのは、市当局、市長側の問題。

 例えば、待機児童問題一つとっても、今言われているような小学校の校庭に仮設の保育所を作ると言うような市長会見での提案が、どのように具体化しているのだろうか?

 それとも、あの市長会見が「ただ思いつきを述べただけ」ならば、「課題は山積みだ」が「足踏みが続く」原因は何処の誰にあるのか、明白ではないですか?

減税論議がネックとなり、市長と議会の感情的な対立が続けば、市政全体の停滞を招きかねない。


 上にも言ったように、市長と議会は「感情的な対立」をしているのでしょうか?そもそもそのような子どもじみた主観的観察を持ち出すのは、この文章を書いている人物がそのような程度にしか社会を捉えられないからではないでしょうか?

 委員会審議で野党の追及に窮した減税議員が「このような議論が必要なのかと思う」と発言した。言論で説得することが最大かつ唯一の武器である議会人として恥ずかしく思ってほしい。


 ここについては異論は無い。私のブログにもコメントをいただいたが、他にもこの発言に違和感や不快感を持った人は多いようだ。是非反省をし、問題の原因を追究して欲しい。

 市長は、7%減税でも「公約達成」と言い始めた。政治に完璧を求めるのは難しい。議会と議論を重ねたうえで歩を進めることには賛成だ。デモクラシーとは数を競い合うことではなく、市民のために果実をつかみ取ることだ。


 と、以上の社説に議論の中身についての話がない。漠然とした印象論に終始している。事実の積み上げを省みない漠然とした議論ではないのか?
 こんな論説は単なる「床屋政談」「居酒屋政談」の類の話だ。

 河村周辺でも、政治的議論が熟成せず、いつまで経っても「居酒屋政談」レベルに終始している原因の一つが、それら市民に情報を提供すべき中日新聞自体が、この程度の政治認識に堕しているからだ。

 財政福祉委員会においても問題になった、「22年度減税で具体的にどのような経済効果があったか」という指標を市当局は把握していなかった。
 名古屋市の予算を160億円も使った「減税」という事業が、どのような効果をもたらしたか評価されずに居た。
 河村は減税によって人がやってくる、企業がやってくるといっていたが、納税者も事業所も減ってしまっていた。

 中日新聞は22年度の減税による経済効果で、どのような調査をされたのだろうか?

 22年度はたった1年だけの施策だったから効果が現れなかった。と言われているが、そういう根拠もまたない。少なくとも160億円が河村の言うように、市民の可処分所得として市中にばら撒かれたのは間違いないのだから、その減税政策に賛成するにせよ、反対するにせよ効果の実証が必要だろう。そういうことができるのが地元紙なのではないだろうか?

 今回の修正案。「減免」による課税の不公平は住民訴訟の対象となったかもしれない。
 勿論、その原告は市長であるのだが、従犯としての中日新聞の責任もあるだろう。

 私はそう思う。

 政治は歩み寄る前に、事実に立脚しなければならない。中日新聞の猛省を促す。


このタイミングでこの題名ですから、中日新聞が8日の朝刊でやらかした「ミス」を指摘するんだろうと思った方、残念でございました。K島記者は新婚ボケしているんでしょうよ、許してあげましょう。
 そんなミスよりも、わざわざ選出区まで書いてみたり、行動の底に感情的なしこりがあるかのように書いてみたり。だから自分の小さな物差しで他人を計るものではありませんよ。
 そして、名古屋の市民を舐めないでください。
 そんな事よりも「事実」を摘出するように。


追記:富口市議は、私に向かって明白な嘘を言い。
既に公約も実現していないので今更感はありますが。
これはなんでしょうかね?

> 今後も減税条例はあきらめませんので
> よろしくお願いいたします。

って、10%を7%に修正した段階で公約実現は諦めたと言うことなんですけど、
そうはならないんですかね?

だいたい、ってことでよくて。10%も7%も同じって事ですか?
(まあ、確かに、0.6%が0.42%ですからね)

上のタイトルも「10%」のままですから代えたほうが良いですね。