0.42%減税を受けて
―公明党市議団、減税日本ナゴヤ市議団の皆さんへ
ラーメン屋であれば、血のにじむような努力をしてプライスレースに参加していることでしょうね。プライスレースをする経営者が立派とは思えませんが、いったん、「安売り」を謳ったからには、降りるわけにはいかないんですよ。「安売り」で売り出した業者は、「安売り」以外の付加価値を付けたって、その付加価値自体が「安く」見られるものですからね。
というわけで、世にも奇妙な話です。例えて言えば「開店記念セールで、ラーメン一杯100円引きをやりますよ!100円引きぐらい、総予算の1%ですから、そんなこともできない経営者は最低の経営者ですよ」
と言っていたラーメン屋のオヤジが「100円引きはチト無理だ。70円で勘弁してチョウ」と言っているような話ですね。
この70円引き。じゃなかった。0.6%減税から0.42%減税への減税率の変更について、色々と聞き込んだ事を書きます。
この減率に関しては、減税日本ナゴヤの市議団はまったく寝耳に水だったそうだ。
なんと、公明党市議団も寝耳に水で、新聞ではじめて知ったと言う市議も居たそうだ。
名古屋市当局の中の人たちも、キツネにつままれた様だという事です。
ここから、特に不確かなので、話7%程度で聞いていただきたいのですが。
名古屋市当局も一枚岩とはいえません。
特に、ここのところ総務局の動きが微妙だそうです。仕分けについても前のめりですし、減税財源についてもおかしな話を持ち歩いているのは総務局です。財政局は独自の見通しを持っていたのに、この減率案でその目論見も崩れたようです。
総務局のアル方と、公明党のアル方がお話して、個人質問でも率の見直しについて質問した。そして、市長もそこそこ乗り気な回答をした。この間に総務局のアル方が介在していたそうなんですけど。その方はまた、5%とか、8%とか。様々な案をピンポンしたわけですが。財政的に現実味のある5%には着地しなかった。
これは、また別の方の意見ですが。「財政局が介在していたら、根拠のある5%意外には妥協案なんか考えられないよ。不足が発生するなら、6%でも15%でも同じだよ」ということで、この減率案には財政局の介在はないのだろう。つまり、財政的な裏付けは何も無いという事だそうです。
また、これは別の、一般市民の方の観測ですが。
公明党支持者(某巨大宗教団体S価学会ですが)の活動家というのは所謂「婦人層(最近は、若干高齢化が進んでいるそうですが)」が主力と言うことだそうです。この層は河村との親和性も高く、実際に河村支持団体に足を突っ込んでいる人も多いようです。
東区など公明党の独自市議が居ない区の公明党支持団体の婦人層には「河村さんの減税を実現化させたげやぁ」というような人々も多いようで、県においては大村に対して公明党は与党、更に大阪や中央の影響からも、公明党として河村と事を構えないと言う意思が働いたのではないかと。
公明党市議団としては、いままで散々、定率減税の逆進性(金持ち優遇)を批判してきた手前、低所得者層への配慮を引き出すまでは振り上げたこぶしも下ろしにくいのでしょうが、そんな論理的整合性よりも、組織の「鶴の一声」が効くのが、こちらの特殊な事情でございますので。二階に上がってハシゴを外された市議団の苦渋は私のような不信心者には味わえない深い味わいがあるのでしょうね。南無ナントカカントカ。チーン
で、この間。共産、民主、自民に対しては完全に蚊帳の外。
さて、本会議で75−1(中村議長)となれば。
74が議決数です。
減税日本ナゴヤが28人で、
公明党が12人となれば、計で40人。
74人の半数が37人ですから。4人叛旗を翻せば0.42%案は流れますね。
公明党の市議の皆さんに申し上げますが。
0.6%であれ、0.42%であれ、定率減税には変わりはありません。
金持ちを優遇する税率になるのは間違いありません。
また、22年度の決算結果から見ると、皆さん、市議の方々が、75人総がかりで文字通り爪に火を灯すようにして我慢している市議報酬の半減。800万円×75人分で浮いたお金である6億円が。
事もあろうに法人減税上位3社への減税額で全て消えてなくなっていましたよね。
河村の初期のマニフェストにあったように、「金持ちゼロ」にすれば何も市議全員が報酬半減なんて無茶なことをしなくても済んだんじゃないんですか?
それだけでなく、このマニフェストの言葉を河村が真摯に実行していれば、減税と行政サービスの維持と所得の再分配の全てが解決できたのにね。
公明党の市議団の皆さん。いや、その中の4人の方だけでもいいですけど。
ここは、党本部とか支援団体とか、色々と言われようともご自分の筋を通してみるというのはいかがですか?
さて、お次は減税日本ナゴヤの市議の皆さん。
皆さん方は、それぞれ選挙区の市民に「市民税10%減税恒久化」を公約として訴えて票を入れていただいたんですよね。
そして、「市民税10%減税恒久化」は党議拘束の筈です。
予めの約束もしなかった海外視察について党議拘束でもないのに強権的に実行を止めさせたんですよね。(しかし、この予算執行は市長がハンコ押しているんですよ)
党議拘束でないようなものにまで、こうやって二枚舌の批判を無視してゴリ押ししたのに、明確に党議拘束されているはずの「市民との約束」を反故にするのですか?
そんなに「市民との約束」「公約」は軽いのですか?
今こそ、あなたが「市民のための市議」なのか、
「市長のための市議」なのかが明確になる時です。
あなた方は、28人がそれぞれ独立した人格の筈ですよね。
河村のロボットではない筈です。
「市民税10%減税恒久化」はあなた方一人ひとりが、それぞれの市民とした約束であって、この10%が実施できないと言うのであれば、その説明責任は市長やあなた方一人ひとりにあると思います。
そもそも、今でも河村は減税財源は有ると言っているんですよね。
減税財源があるのであれば、それを示して実施すればいい。
自民党や民主党も、減税には反対できない。
ただ、財源がハッキリしない。と言っているのではないですか。
それとも、やはり、10%の減税をする財源は揃えられなかったのですか?
いったいどちらなんですか?
10%減税をする財源もあるのに、それでも市民との約束を反故にして7%の減税に減率するというのですか?完全に論理破綻していませんか?
もうね、嘘は聞き飽きたんですよ。
ここで、たった一年も経っていない3月に掲げた公約。「市民税10%減税恒久化」を反故にするのであれば、あなた方の言うことなんて誰が聞けますか。誰が信じられますか。
もうね、誤魔化しも飽き飽きなんですよ。
10%減税する財源は有ったんですか?無かったんですか?
有って、それでも7%に減率するんですか?
無くてしかたなく7%に減率するんですか?
というか、7%なら減税する財源は揃っているんですか?
ここで、7%に減率して、更に財源不足でも起こしてその減税も実施困難となったら、・・・・言葉を失いますね。
市議ともなれば、もう、「騙された」では済みません。
ご自分の目と耳と、頭で。キッチリと事実を見つめて、
この具体的で単純な問いに、自分自身ちゃんと納得できる回答を揃えてから、「政治的判断」をしてください。市長だのグルだのに運命を委ねるのは、付託した市民に対して無責任の極みです。もし、判断ができないと思うのであればバッチを外すことです。
あなた方は、まともな説明も、政治やら地方自治についても良く判らぬまま「騙されて」市議選に出て、「騙されて」選挙公報を書いています。
これ以上、あなた方が騙されるのは、あなた方を信じて付託した市民を騙すことだと気が付いてください。
せめて、市民の「民意」の通り「市民税10%減税恒久化」を愚直に主張し続けるべきです。
そしてそれを地方自治の執行権者、名古屋市長に求め続けるべきです。
降って沸いたような0.6%減税から、0.42%減税への市民税減税の後退だが、提案したとされる公明党の内部でもコンセンサスが形成できずに居るらしい。
河村は完全に前のめりで、減税日本ナゴヤ市議団は、自分たちの公約も無視して、河村の言われるままに減税後退の修正案を提出する準備をしているそうだ。実質、一週間もないこの時期にまったく筋も通らない修正案を出して、数の論理だけで成立させようと言うのだろうか?減税日本ナゴヤの市議一年生に言っておくけれども、政治と言うのは確かに融通無碍とは言われるけれども、こんなに「いい加減な事」が何処でも通用すると思ってはいけませんよ。
幸い、全国的に名古屋の市政は注目されていないのでこんな河村の市政運営も露になってしまうけれども、こんなに政策実現能力、根回し=合意形成のできなさは、政治家として致命的といえます。
甘言を弄して大衆を騙し、その支持を取り付ける。
河村の持っている能力はこれだけであるという実証でもある。
さて、その河村の現在の所信について、毎日新聞がインタビューを掲載している。
河村・名古屋市長:市民税減税率圧縮「ぎりぎりまで譲歩」 来年度実現目指す /愛知 ( 毎日新聞 2011年12月1日 地方版 )
名古屋市の河村たかし市長は30日午後、市役所で記者団の取材に応じ、市議会で審議中の市民税10%減税案の減税率を7%に圧縮することについて「来年度から減税を実現するためにぎりぎりまで譲ろうということだ。市民の皆さんのための判断だ」と理解を求めた。一方、「7%」とする根拠については具体的に示さず「政治的判断」との説明を繰り返した。主なやりとりは次の通り。【福島祥】
インタビュー本文について、「−−」毎日記者質問事項。
「◆」河村回答
に加え、一答ずつコメントを加えていきたいと思います。
−−7%とした理由は何か。
◆今までいろんな議論をしてきたので、あらゆる状況を考えて政治的に判断した。10%がベストな案だと思うが、譲歩できるぎりぎりの線だ。
もうここに河村の本質的な問題が垣間見えます。「(7%が)譲歩できるぎりぎりの線」というのは、誰が「譲歩できる」のだろうか?
減税は市民のために行う政策なのではないのか?
市民が「譲歩できるぎりぎりの線」が7%なのだろうか?そのような「民意」はいったい何時どこでヒアリングされたのだろう。(知らない間に住民投票でも行われたのかな?)
冗談はこれくらいにして。結局、減税政策は市民のためのものなんかではないのだ。河村の、河村による、河村のための減税であって、それは結局ポピュリスト河村に、市民からの支持を得るための「方便」でしかないのだ。
で、あればこそここで河村は自分を主語として「譲歩できるぎりぎりの線」と嘯けるのだ。ここに市民の声、市民のため、市民の生活といった視点が欠片でもあるだろうか。
すでに、一問目で完全に馬脚が現れている。
−−それで市民は納得するか。
◆喜んでいただけると思う。来年度から減税が実現されるということは、公約を守ることにもなる。巨大な一歩を名古屋が進めていくことになる。
まず、小さな話から。
何度も言っていますが、減税の0.6%ぽっち、小さな話じゃないですか。河村自身が「総予算の1%の行政改革ができぬのですか。そんなことだったら最低の経営者ですよ、それは」と言っているではないか。何が「巨大な一歩」かね。
更に、これが経済政策であるというのであれば、名古屋市の市中総生産(CDP)から見ると、0.1%の補助金政策なんですよ。「最低の経営者」ですね。これは。
−−「7%減税」は公約と言えるのか。
◆(10%減税を目指して)2年間やってきたが、残念ながら(減税日本の議席が)過半数ないので通らない。来年から減税を実現するというのは最大の公約の一つで、スピード感が非常に重要だ。
減税の実現化には期限なんかありませんでしたよね。ちゃんと河村市政が行政改革を進めて、歳出の削減見通し、減税財源の見通しを提示できればさ来年であろうと、10年先であろうと問題は無い筈だ。「市民税10%減税 恒久化」が公約なんだから、杉並区のように財政のダムを築いて実現化する(となれば、実現は10年とか20年先になる)事だって可能なわけで、「来年度」なんて公約は何処にもありません。
逆に、公約にある文言は「10%」であり、「恒久化」である筈です。
この「10%」も「恒久化」も実現できないということは、完全に公約実現が無理であったと言う事ではないですか。誤魔化しはもう良いですな。
−−修正案は減税日本市議団が提案するのか。
◆どういうふうになるかは、議会が決めることだ。
さあ、さあ。猫の首に鈴をつける役目は減税日本ナゴヤの右も左もわからない市議たちに任されましたね。勉強になりますね。「醜い、無責任な一昔も二昔も古い政治家の姿」がここにあります。
最近では、情報が行き渡っているので、こんなペテンは通用しませんが、減税日本ナゴヤの市議には通用するのでしょうかね?
ここで、修正案を提出する主体になると言う事は、自らの公約を食言すると言う事なんですよ。
ここで公約の食言をしたら、政治家として発言に担保能力がなくなります。
減税日本ナゴヤの市議として、今後3年間政治家として仕事をしようとしても、こんな重要公約を勝手に変えて平気な者に誰が信用を置きますか。
こんな事は、河村にやらせなさい。
−−修正案は市長が出し直すべきではないか。
◆必ずしもそうとは言えない。修正議決は議会ではしょっちゅうあることだ。
は!
バカな事を言っちゃいけない。
というか、事の論点をここまで矮小化して誤魔化すかね。
修正議決は議会ではしょっちゅうですよ。しかしですな。リコールの際の「趣旨説明」から、各市議の選挙公報に至るまで、「市民税10%減税 恒久化」は明言し、掲げられていた筈です。
河村自身、自らの政策の一丁目一番地として掲げ。更には、あなた方の党名はなんですか?
減税日本ナゴヤの市議さん方!
そんな減税条例の減税率が10%から、7%(0.6%から0.42%)へと変えられることが、しょっちゅう起こる「修正議決」と同列に並べられて良いのですか?
この言葉の空虚さ、内容の無さが、河村流です。
−−市民にどう説明するか。
◆来年どうしても減税を実施したい。公約を守るというのはすさまじい努力がいる。
だから、なぜ「来年」なんでしょうかね。
ここで、かわいそうなのは、河村は本気で減税を実施すれば経済効果が現れると思っている節があるところです。早急に減税をして、市民が喜んで総選挙があったときには誰しもが「河村」と投票すると思っているのかもしれない。
完全に、逝っていますが。
22年度の結果を見ていないのでしょうか?
こういった自分に都合の悪い結果については、目に入らない、耳に聞こえない。
自分に都合の良い甘い話だけに飛びついているのでしょうね。
来年、減税が実施されても、22年に減税が実施されて、市民が気が付かなかったように、市民は誰も気が付かないでしょうね。
勿論、経済効果もありません。
22年には、逆に人口も減り、納税事業所も減りましたが、来年減税をしても、実感できる効果なんて期待できません。
また、ここでははしなくも「自白」していますね。「 公約を守るというのはすさまじい努力がいる」だからできない。だから、修正案を出すのは自分ではなく減税日本ナゴヤの市議たちに任す。議会が勝手にやることだ。
減税は、自分が実現化させた。
しかし、その効果が現れなかったのは、議会が勝手に減税率を10%から7%に(0.6%から0.42%に)圧縮したからだ。
もう、今から言い訳のための布石を打っているのでしょうか。
−−公明党が訴えている所得制限を修正案に導入する可能性はあるか。
◆(国が)単一税率に変えた精神から言って、非常に困難ではないか。
つまり、逆進性については現状を容認するのですからね。
こいつは、できることは改革するのでしょうが、
困難なことはやらない「改革者」なんです。
そんな奴です。「最低の経営者」ですから、これは。
−−10%減税が実現できないことについて市民への説明は。
◆本会議の審議も終わり、このままだと大変困難だ。(修正案という)責任ある対応を取らせていただいた方が市民のためだと思った。
「責任?」
ここで、修正案を選択した主体は、自分であることを言っているわけで。やはりどう見ても議会、市議団に修正案を提出させるのは、「自分の手は汚したくない」という身勝手から来る事は明白ですよね。
住民投票をやっても思った以上に支持は得られないから。
そして、減税で足踏みしている間に大阪の橋下や大村に距離を付けられてしまうから。
ここで、減税については幕を引きたいのでしょうね。
そして、ここから残り一年。きちんと市政を見ていくなどと期待してはダメです。
河村が持ち出す論点は120%「議会改革」
つまりは、議員定数削減議論です。
議員定数を削減して、議会と対立構図を作って、市民の支持を得ようと言う姑息な手段に出ます。
そして、そのような支持のある内に衆議院解散があれば、それに乗っかって国政復帰ということでしょう。
減税にしても、議員定数の削減にしても、市民生活には直接なんにも関係が無い話です。河村の目には市民なんか見えていませんし、市民の声はこやつの耳に届きません。
市民は決定的に舐められているのですよ。
しかしね、ここで「議員定数削減」を打ち出したら、その本当の意味も判らずに河村を支援する人々が出てくるんでしょうね。そりゃ、舐められる筈ですし、民主主義は難しい。