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一人の名古屋市民が「地域委員会制度」「減税日本」に対する疑問をまとめるサイトです。(since 2011/3/3)

有権者は今:シリーズ「名古屋・河村減税の是非」毎日新聞

有権者は今:シリーズ「名古屋・河村減税の是非」毎日新聞

有権者は今:名古屋・河村減税の是非/1 勝田明さん

 ◇役所も身を削るべし−−南大津通商店街振興組合副理事長・勝田明さん(79)

 減税、是か非か−−。名古屋市の11月定例市議会では、河村たかし市長と野党会派の減税論議がかみ合わない。両者の「民意」のとらえ方が違うからだ。市民税10%減税を掲げた河村市長が圧倒的な支持を集めた2月の市長選。そして起こった3月の東日本大震災。「減税より防災対策を」との声も上がる。果たして民意は変わったのか。商店主、DJ、大学生ら5人の有権者に語ってもらった。

 減税は商店街にはあまり関係ないね。10年に1年間減税やったときも、売り上げが上がった実感はない。富裕層に多額の税が戻るから百貨店はいいかもしれないけど。河村さんは「百貨店から商店街に寄付してもらえばいい」と言うけど、彼らもためこんじゃうからね。

 でも、減税には賛成なんです。もちろん経済効果はあるだろうし、役所は収入が減らないと業務を見直さないでしょう。民間企業は苦しくなれば、人を減らし、事業所を減らす。血のにじむ思いでね。市も当然、そうすべきだ。役所には「この人何やってるの?」という人がいっぱいいますよ。

 河村さんは減税や議員報酬年800万円の公約を掲げて市長に当選した。それはまさしく民意。東日本大震災が起きた後も、それは変わらないと思う。市議も「民意で選ばれた」って言うけど、市議は政策というより地元の付き合いで選ぶから。市長選の民意とは違います。

 河村さんは商店街の催しによく来てくれるね。おかげでイベントは盛り上がるし、庶民的でいいんじゃないですか。減税条例が否決されたら住民投票をしたいらしいね。それだって常識的に考えたら当たり前ですよ。


有権者は今:名古屋・河村減税の是非/2 辻愛子さん

 ◇「防災」が今は最重要−−AIKOフラワー教室主宰=名古屋市名東区・辻愛子さん(41)

 市民税10%減税をしても、私たちのような一般市民の財布には大して影響がなく、収入の多い人が得をする。一方で本当に必要なところにお金が回らないのでは、と心配です。

 東日本大震災の被災地で、がれき撤去などのボランティア活動に取り組んできました。台風15号で被害を受けた名古屋市守山区の復旧作業も手伝っています。

 防災対策の強化が今は何より重要です。堤防のかさ上げ工事だけでなく、周辺自治体との連携強化も必要。命を守る政策にお金を使ってもらいたい。

 被災地に行き、全国から集まったボランティアの多さに驚きました。役所だけではできないことがたくさんあります。名古屋でも大災害発生時に動けるボランティアを育成・支援するため、税金を投入すべきです。

 私の希望は、弱者にも目が行き届く市政にしてもらうこと。本当に減税できる状況ならしないよりした方がいい。でも、税の減収分を補えないならやめた方がいい。

 減税条例が否決されても、減税への賛否を問う住民投票には反対です。多額の費用がかかるし、市民は雰囲気に流されがちだから。市議会でよく議論して決めてほしいですね。


有権者は今:名古屋・河村減税の是非/3 磯谷祐介さん

 ◇市民の意識が変わる−−ラジオDJ=名古屋市中区・磯谷祐介さん(27)

 市民税減税が実現すれば、今まで税金の使い道を役所に頼りすぎていた市民の意識が変わると期待しています。市議会は、減税の実現を前提に議論をしてもらいたい。

 大事なのは、減税分のお金を市民がどこに回すか。そのまま個人でためたり、飲み食いに使ってしまうのではもったいない。福祉のために寄付してもいいし、被災地支援に役立ててもいい。一人一人が使い道を決められる仕掛けづくりが必要です。

 河村たかし市長の地域政党減税日本」のホームページには「公益的な活動に寄付が集まる社会を目指す」とあります。でも残念なことに、その社会をどうやって実現するのか具体的な提案がありません。

 私は東日本大震災を機に仲間と任意団体「できること@名古屋」をつくり、寄付の方法や仕組みについて学ぶワークショップを高校・大学などで開いています。自分のお金を有効に使い、どう社会に貢献するかを決めるきっかけにしてもらえれば、との思いがあります。

 減税実現は早ければ早いほどいい。たとえ減税条例が市議会で否決されたとしても、市長には、もう一踏ん張りして公約実現に向けてチャレンジを続けてほしい。住民投票にも賛成です。


有権者は今:名古屋・河村減税の是非/4 大井友文さん

 ◇なぜ「恒久化」なのか疑問−−名古屋大文学部2年=名古屋市名東区・大井友文さん(20)

 来年4月からの市民税の恒久減税には、どちらかといえば反対です。減税のための財源を確保しようとすれば、どこかにしわ寄せが来ますよ。本当に無駄な部分だけを削り続けていけるのか、現段階では市民に見えません。それに、1人当たり数千〜1万円程度減税されたぐらいではあまり意味がないでしょう。まとまった額を教育や福祉の充実に役立ててもらった方がいい。

 なぜ「恒久化」なのか疑問です。市は毎年、無駄を削減できた額を示し、余裕があればその分を減税する仕組みにしては。減税を見送る年もあるでしょう。

 県議の事務所でインターンシップをした経験があります。河村たかし市長は、従来は市政にあまり関心がなかった人たちの人気を集めました。私も昨年の市議会解散請求(リコール)署名活動での市長の主張に共感しました。ただ、議員報酬の年800万円化は印象に残りましたが、減税は「しないよりしてくれた方がいい」というぐらいの感覚です。

 減税を巡っての住民投票には賛成です。でもそれなら、リコールではなく、議員報酬や減税について住民投票をすればよかったのでは、とも思います。


有権者は今:名古屋・河村減税の是非/5止 北村明美さん

 ◇短気起こさず説得を−−弁護士=名古屋市西区・北村明美さん(63)

 税金はとっても大事。税金を出すから、いろんな政策を実行してもらえる。でも政治家の腕の見せどころは、少ない税金でいかに優先順位を決めて進めるか。そしていかに無駄を省き、財源を増やすかです。

 東日本大震災があって、所得税などを増税することになったでしょ。でも増税は誰でもできる。今の税制の問題点をなぜ検証しないの?

 政治家で、今一番元気がいいのが河村(たかし名古屋市長)さん。確かに市民税減税で経済効果がそれほどあるとは思えないけど、国の硬直した税制に風穴を開けるきっかけになりますよ。

 あと、名古屋しか減税を主張していないというのも大きい。企業や人が移ってくる可能性は高いでしょ。今後は人口が減り、経済も縮小する一方。名古屋を活性化する武器になると思いますよ。現に、私は減税目当てに名古屋に引っ越した文化人を知ってます。

 「減税分のお金を防災に」と言うけど、それなら無駄なハード事業をやめればいい。河村さんは短気を起こさずに「減税するとこんなにいいことあるよ」って議会を説得すればいい。でも住民投票はやめて。数億円かかるなら、それを市民に配ってほしいわ。


 当ブログは河村流減税政策には批判的なので、これらの意見にコメントを加えると、どうしても色つきのコメントになってしまう。
 なので、あえて私のコメントは付けずにおきたいが、それでは引用の要件を満たさない。
 ということで、著作権者の「お目こぼし」の期間だけ、ここに掲載できると思う。