市民のための名古屋市会を! Ver.3.0

一人の名古屋市民が「地域委員会制度」「減税日本」に対する疑問をまとめるサイトです。(since 2011/3/3)

河村流電子決済地域キャッシュバックシステムをハック

はじめに。

河村市政の問題点を追求したい方。
あいちトリエンナーレについて、ご意見のある方。
そして、大村知事リコール問題と、そのリコール署名簿偽造問題に興味のある方のための、リンク集を作ってみました。

まだ、事象は流動的ですので、このリンク集も修正をして行く必要があると思います。
このリンク集作成の段階で見落としているものもあるとおもいます。(幾つか、興味深く見ていたサイトが見つかっていません)

なので、不足分については、自薦他薦をコメント欄などにご投稿ください。

ichi-nagoyajin.hatenablog.com

さあ、今日は儲け話をしましょう。

河村たかし市長選挙の当初、対立候補の掲げた「2万円商品券」を「愚民政治」と腐したにも関わらず、減勢日本所属の大村光子市議が「魅力を感じる」と言ったことを受けて、対抗政策として提案したとか、特別秘書(元ソフトバンクに居たのか?)が提案をしてきたとか、思いつきのようにマニフェストに、「電子決済地域キャッシュバック」を公約に掲げてきた。

ひと呼んで「マネ・フェスト」

しかし、こうした自治体における地域限定キャンペーンは Paypay などでは、すでにアチラコチラで展開されている。

paypay.ne.jp

ここで、重要なのは、このキャンペーンは、その地域の商店など、事業者救済が目的で、キャッシュバック対象者を地域限定にすることはできないということだ。つまり、名古屋市が市税でキャンペーンを行おうとしても、名古屋市民に限定して展開することはできない。もう、この段階で、名古屋市民だけに配布される「2万円商品券」の方が優位であることがわかる。下手をすると、下手な制度設計をすると、名古屋市民は消費者として、この「30%キャッシュバック」の恩恵を全く受けずに終わる可能性もある。

それは後述するとして「スマホなど全員が使えるわけではない」「高齢者は電子決済など利用しない」などの批判に、本人自ら使って見せている。

公約であり、市民が選択したからには、どんなバカなことであろうと一度実行してみるべきだとも思う。そこで、以下に述べるような「ハッキング」をかけると、うまくすると大儲けができる。

「ハッキング」といえば、コンピューター(または、そのネットワーク)に対する不正利用と思われているが、元々はコンピューターとは関係なく、一般的な社会資本の不正利用を指す言葉であった。現在ではそうしたものは「ソーシャル・ハッキング」と呼ばれるようになっている。

ある人は河村たかしの行動を「ソーシャル・ハッキング」であると指摘した。

確かに、リコール運動における「ネットワーク河村市長」の受任者名簿をリコール事務局に提供した問題に対して「政治団体の政治目的であれば、個人情報保護法に抵触しない」というような主張や、名古屋城の木造化における「文化財の復元であれば建築基準法の適用除外を受けられる」という言い立てなど「法律に反していなければ、その法律の立法目的を犯しても良い」という考え方は「ソーシャル・ハッキング」の一種である「脱法行為」そのものだろう。

そもそも、政治家河村たかしの存在そのものが「ソーシャル・ハッキング」である。

https://www.hit-u.ac.jp/hq-mag/pick_up/pdf/hq24.pdf

これは一橋大学の雑誌のようだが「値下げをすれば売上が伸びる。商売も政治も大学も基本は同じです」だって。大丈夫かね一橋。商売を「売上」で捉える時点で「商人*1」失格、素人そのものだけれど。プライスレースで、そうした表面的な成功らしきものをもって満足するかのような誤認を、学生に喧伝するとしたら、学校(大学どころか、小学校としても)として落第だ。

一橋大学と言えば、その設立にはあの渋沢栄一が関わっている、商法講習所が前身であるはずなのに、そうした商いの基本が失われているのであれば、日本が衰退するのは当然の帰結だろう。

河村たかしの人生はすべてこの「値下げをすれば売上が伸びる。商売も政治も大学も基本は同じです」なんだろうね、古紙回収業でこれをやって商売を大きくしようとした、しかし、父親に怒られて画廊を始めたり、司法試験を受けようとしたり。名古屋市長として「市税10%減税」として、「行政の安売り」をうたってみたり。「日本一安い市長」と、文字通り自分を安売り(それでも十分高いと思うけど)してみたり。全てプライスレース。

愚鈍の極み。としか言いようがない。

商売に戦略は必要ない。価格にせよ、商品開発にせよ、競争は疲弊する。そもそも競争の必要のない分野、モノを模索すべきである。他の誰かが提供できるようなモノなら、任せてしまえばいい。誰もできないから仕事として意味があるし、会社としても存続できる。そして付加価値も高い。

日本ではこのところ、誰かが成功した後を、巨大な資本で追ってその成功を奪うような経営者ばかりが注目され、もてはやされているように思える。それらは企業家でも起業家でもない。そんな行為は単なる作業であって、企業運営ではない。企みを逞しくするところに詩心があったのではないのか。

こうした社会そのものを切り拓ける経営者が居ないから、イノベーションが起きず、生産性は低い。

上記のインタビューにおいて、河村たかし

「人生の土俵際でうっちゃるには、選挙はええんですよ。なにしろ、一発通ってまやええんだで。(略)ロクでもにゃあ奴でも通ってまう。(略)議員になりさえすればメシが食える」と言っている。これはジャクソン流民主主義において議論された「猟官運動」をそのまま肯定しているだけで、何も新しい考え方でもなく、正しい考え方*2でもない。そして、これこそが「社会資本の不正利用」という意味での「ソーシャル・ハック」そのものである。

世に「オピニオン」を自認する者は多いはずなのに、これほど明白に社会を毀損しようとする発言に異を唱えず、はしなくも学問の府である大学が、称揚するかのような態度で居るとは、将に「牝雞之晨*3」亡国の鶏が鳴く姿だ。

ということで、私は、その河村たかしを「ハック」してかかります。小賢しく、ヒトを出し抜いたつもりでいる者を出し抜くって、面白いでしょう。

この「河村流電子決済地域キャッシュバックシステム」には幾つか問題がります。その一つを提示することで、より歪みのない制度設計がされんことを願います。

さて、私の提唱する「河村流電子決済地域キャッシュバックシステムをハック」は次のような仕組みです。

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ハックプラン

①顧客はマクガフィンを¥16,666で買う

まず、名古屋市内に古物取引可能な事業所を構え、30%キャッシュバック対象業者になります。そして、「マクガフィン」を30%キャッシュバックの限度額、5,000円に合わせた販売価格(16,666円)に設定しておきます。この「マクガフィン」とは、作劇理論などで使われる言葉で、物語を回す事物で、その内容は関係のないものです。この場合もこのハッキングを回すためだけの事物で、具体的には商品券でも最近流行りのトレーディングカードなどでも構わないでしょう。

ネット上に販売、購入窓口を設定し、「1クリックで約2,000円のお小遣いを提供」とうたい、顧客を呼び込む。

②30%キャッシュバック¥5000が支払われる

まず、 16,666円の「マクガフィン」購入で、顧客には30%キャッシュバックの限度額、5,000円が支払われます。

③即座にマクガフィンを中古販売 買取比率85%

16,666円の「マクガフィン」を買取比率85% 14,166円で買い取ります。この代金を「本人限定現金書留郵便」*4で送ると、送料が550円かかりますので、その経費を引いた 13,616円を顧客は手に入れることになります。

実際には顧客は「マクガフィン」に触れる必要はありません。実態的に物が存在しなくても、誰も損はしません。(正確には、名古屋市民は損をしている)しかし、それが違法行為であるか合法かは私には判断できない。商道徳からすればアウトに決まっている。(商道徳から言うと、この行為は単に名古屋市という地方自治体から、個人がお金を抜き取る行為だ。しかし合法だ、なぜなら、その責任者である市長が勧めているのだから。実は、これに似た行為がすでに現実に起きている)

④顧客損益

16,666円の支払いで、キャッシュバック5,000円と買取金額13,616円の計18,616円が手に入ります。インターネット上であれば、購入と販売を一連の操作で行うよう作ることも可能ですから、いわゆる「1クリックで約2000円のお小遣いを提供」が実現されます。顧客は、名古屋市内にいる必要はありません。決済が可能であれば海外でも構わないでしょう。

※買取比率に郵送費を引いて提示する事は、違法ではないかという指摘があった。その場合は、13,616円(買取比率81.7%)+郵送費550円とすればいいだろう。

⑤業者損益

では、この仕組を設定した業者の損益を見てみよう。
業者は電子決済業者にも手数料を支払わなければならない、これを Paypay などの一般的な上限、7%と設定すると、16,666円販売には、1,167円の手数料がかかる。

売上金16,666円に、買取支払い 13,616円と、「本人限定現金書留郵便」の郵送費550円、更に決済手数料1,167円を引くと、1,333円の粗利となる。

作業としては、システムから打ち出される送金先に、 13,616円の入った「本人限定現金書留郵便」を毎日郵送するだけだ。

視点を変えて、全体を整理すると、1回の取引で、5,000円の補助金が出るとされている。それを4年続けて2万円とうたっていた。(対立候補に張り合うために、意味があるのか不明ながら4年と期間を設けたわけだ)

その5,000円は、顧客(名古屋市民とは限らない)へ1,930円(39.9%)分配され、業者(これは名古屋市が認定する)へは1,333円(26.6%)の粗利が配分される。そして、電子決済業者には1,167円(23.3%)が配分され、郵便費としての550円(11%)がかかることになる。

顧客と業者の配分比率は、それぞれの業者の設定で変わるだろう。この例の場合は、1回の取引で、2,000円というそれなりに纏まった金額にならなければ顧客は動かないだろうという想定で、買取比率を85%に設定したためにこの比率になった。問題は電子決済業者の取り分だ。また、取り分として顧客の比率が大きくても、この顧客の中の名古屋市民の比率は大きいとは考えにくい。

世の中にはこうしたサイトが有り。(電子決済のポイント還元、キャンペーンの情報をまとめたサイトなんて、山ほどあるので、一例だけ)

kakakumag.com

こんな人物まで居る。

news.yahoo.co.jp

スマホを7台駆使してクーポン爆取り三昧
「食費にお金は使ってないです」


 無職の(略)さん(39歳)は、自前のスマホ7台を駆使し、無料サービスをこれでもかと活用している。

この人物の行為を云々言うつもりはない、社会がこのようにあるのであれば、それに合わせて生きる生き方もうまれるというだけに過ぎないだろう。問題は、こうした「情報による格差」が歴然とあり、公平であるべき行政施策が不公平な形で展開されるということだ。

推測するに、名古屋市における5,000円キャッシュバック、30%キャッシュバック、この施策も全国のこうした「ハンター」たちに瞬殺されるだろう。1週間ともたないのではないだろうか。それ以降は全国からかかってくるクレーム電話に、名古屋市職員は追われることになるのだろうか。

この施策に100億円使うのであれば、一度実施してみればいいと思う。その四分の一、25億円は名古屋市内の事業者に恩恵を与えるだろう。しかし、大部分の名古屋市民にとっては「騙された」みたいなものに留まるだろう。実際、騙されているんだけれど。

そして、有権者は知るべきだ。こうした施策は、有権者のためなどではない。大阪の維新が、子どもの為に「学習塾バウチャー」を配布すると打ち出したが、あれを純粋に「子どものため」と思っているのであれば、知恵が足りない。(「値下げをすれば売上が伸びる」を喜ぶのと同程度の愚か者である)

ありゃあ、学習塾の為の制度であって、本当に子どものためを思うのであれば、現行制度である学校や、教育委員会を通した施策に予算を配分したほうが、より効果が期待できるかもしれない、その議論を満足にしないまま、まったく新規のものに金を流して、評価確認もしないのであれば、単なる浪費だろう。現行の学校や、教育委員会が、自身の組織防衛に血道を上げ、本来の目的である子どもの育成をおざなりにしているという批判は、確かにある。*5けれども、民間の学習塾が、自身の組織維持よりも子どもの育成を優先するなどという保証はない、更に言うと学習塾の定義する「子どもの育成」の評価項目が、より高い偏差値や、上位校への合格であるとするならば、それは社会の硬直化を生み、有為な子どもの可能性をスポイルするに過ぎず、「ひとの育成」や「ひとによるよりよい社会の成立」には叶ってなど居ない。

同様に、この「河村流電子決済地域キャッシュバックシステム」は電子決済業者を潤わせる結果になっている。上記の想定は、単なる単純化でしかないが、どんなに複雑な仕組みになろうとも、結果、全体のロットとしては、約23%程度の利益配分を電子決済業者が受けるのであろうし、そこから、電子決済事業者のキックバックを引き出したとしても、それを「消費者還元」などと捉えるのは、「商人」ではない。そのキックバックは、電子決済という峻烈な市場競争の中でのシェア争いの為の餌でしかない。企業は最終的には確実に収益を目指す存在であり、施しを行うために存在するのではないのだから。



追記:
河村市長は「マイナンバー」や「住基ネット」に反対するほど、「個人情報保護にはうるさい()」と自認している。しかし、Paypay は大問題を起こしたばかりだ。

news.mynavi.jp

アレの頭の中では、どう整合性が取れているのだろうか。
さらに、「ウーブンシティ」がどうとか言っている。愚鈍の極み。



追記:
本日、5月2日の中日新聞に「市長選 勝敗の分かれ目」という一文が載っている。名古屋学院大学の江口忍教授が書いたということになっているが、大丈夫か? 名古屋大学名古屋学院大学。酷い誤認だ。
ある意味、こういうバカが河村を支持したのだとすれば、仕方がない。

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江口教授のバカコラム

河村氏の案は、二万円✕四年間で最大八万円の還元が得られ、評価しない層には、河村氏の案は横井氏の案より”無駄遣い”が半分以下で済む分、多少ましに見える。

まず、「河村氏の案は、二万円✕四年間で最大八万円の還元が得られ」という理解は、完全な誤解だ。5000円を4年実施することで、2万円(横井案と同等)を行う。
1年あたりの1人への限度額が5000円なので、1年間の施策予算が50億円で収まり、4年分積算しても200億円で済むという話でしょう。

横井案はシンプルで、230万市民に1人2万円の商品券を配るのだから、施策予算は460億円となる。河村案は200億円で済むから「”無駄遣い”が半分以下で済む」ってね。
笑えますね。

お花畑、江口教授の頭の中を敷衍すると、8万円の還元を受けても、200億円の施策予算で済むと思われているんだ。なら、200億円を8万円で割ると25万人になるけど、還元を受けられるのはたったの25万人なんすか?

名古屋学院大学の学生の皆さんに同情します。まず、何事においても、「A案、B案があって、どちらにしてもA案が有利」というような時には、何かがおかしいと思ったほうが良い。上でいうと「バラマキと批判的な層には、河村案は8万円もばらまく案に見え、肯定的な層には、4年がかりで200億円を出動させるよりも、一気に460億円出動させる横井案の方がインパクトが高い」と理解しても良いはずだ。これも、誤認が含まれていますが。つまり、江口教授様の論考は浅く、こういうヒトの言葉をそのまま真に受けていると、浅い論考のまま過ごしてしまうことになる。

さあ、江口教授様、「ディスカッション」であれば、いくらでもお相手いたしますので、反論があればコメント欄にでもご投稿ください。


*1:「あきんど」と読んどくれ

*2:正しくないとするには2つ理由がある。1つはそもそも社会的な目的を阻害する。2つ目は持続可能性がない。道徳的云々以前に、社会制度を毀損する行為でしか無い

*3:男尊女卑を肯定しているわけではなく、ただの慣用句だからね

*4:古物営業規則第15条第3項第3号に基づく

*5:というか、全ての官僚組織は、その目的よりも、組織そのものの自己防衛が優先目的になるのは、制度的性質であり、それを勘案して制度設計を行い、修正を行うのも政治の責任だろう