市民のための名古屋市会を! Ver.3.0

一人の名古屋市民が「地域委員会制度」「減税日本」に対する疑問をまとめるサイトです。(since 2011/3/3)

「名古屋城天守木造化事業差止訴訟」判決を受けて

名古屋城裁判で判決が出ました。
残念ながら敗訴という結果になりました。

名古屋城天守有形文化財登録を求める会」及び「原告一同」としての正式なコメントを引用します。

     敗訴コメント


 私ども、原告市民側の敗訴となりました。


 正確には判決文を精査した後でしか判断できませんが、


 公判の中で名古屋市は公共事業への支払いについて、その必要な検査を軽視していることが示され、そうした実態は地方自治法会計法、そして何より名古屋市自身の契約条例に反していると理解するものですが、裁判所においてそうした実態を認められなかった事には不満が残ります。


 また、業務要求水準書で明白に謳っていた「文化庁復元検討委員会の審査」も、すでに当初の竣工予定である今現在に至るも受理されておらず、契約に明記されている条件を無視する今般の判決は、司法が自ら文書主義を否定するものであり、それは司法自身の自己否定であると感じます。


 こうしている間にも、使われる見込みも不明な木材保管費が消費されていきます。それだけでなく、いつ襲うともしれない南海トラフ地震などの災害で現在の天守建物は毀損してしまうかもしれません。もしそのような悲劇が起こった時に、私たち令和の名古屋市民は、現天守を建てられた昭和の名古屋市民にどう弁解できるのでしょう。10年後、100年後の市民にどのような申し開きができるでしょうか。実現の見通しも立たない木造化よりも先に、現にある天守建物の保護を優先すべきであると皆様に訴えます。


 昭和34年に総工費6億円の内2億円を市民の寄付によってまかない、市民が建てた戦後復興の象徴であり、尾張名古屋の誇り、日本の宝である名古屋城天守建物は、本年6月に文化庁がまとめられた方針に従い、十分な耐震補強等を行い、必要な申請をすれば有形文化財としての登録が可能な建築物であります。そうして末永く名古屋の街に現在の天守建物が残るよう、こいねがうものであります。


 以上のような事を踏まえ、私たちは控訴に向けて準備をしていきたいと考えております。


        令和2年11月5日               
        名古屋城天守有形文化財登録を求める会・原告一同

判決文全文は、会のホームページに掲載しました。

peraichi.com

drive.google.com


判決文については、まだ精査しきれておりませんが、いくつか論理のすり替え、誤認が認められます。
耐震改修と木造復元を比較して、木造復元に優位性が有るというのは、例えば大阪城の平成大改修の事例や、文化庁の本年6月のとりまとめを無視するものです。なかんずく私たちは「耐震改修」と「木造復元」など比較していません。

私たちが触れた事例は、「大阪城の平成大改修」で行われたような、「耐震改修並びに長寿命化」であって、名古屋地裁は木造復元された後、不特定多数の人々を入れた木造天守が震災によって襲われた場合に、大阪城天守に施された「耐震改修」以上の性能があるとどのように保証するつもりなのでしょうか。
「木造復元」によって現代技術と同等の耐震性能をどのように保証するものか、示していただきたいものです。

それに、そうした論点は今次訴訟とは直接関係が有りません。

また、「竹中工務店の義務ではない」という論理のすり替えがありますが、私たちは竹中工務店の責任は追求していません。名古屋市(施主)に責任がある事項であっても、事前に契約に謳われた事柄について充足しなければ業務の遂行ではない。「業務が遂行されていなくても竹中工務店の義務ではない」とする立論は、「業務が遂行されていない」ことは認めるのであれば、その責任の所在が竹中にあろうと名古屋市にあろうと、業務が遂行されていないことに変わりはなく、その段階で業務代金を支払った事は契約違反、名古屋市契約条例違反、地方自治法違反です。

とにかく、控訴します。プンスカ



月例のお城ミーティングを開催します。
11月11日(水)
午後18時30分


名古屋市北区 黒川にある
北生涯学習センター です。

参加は自由、参加費は無料です。