市民のための名古屋市会を! Ver.3.0

一人の名古屋市民が「地域委員会制度」「減税日本」に対する疑問をまとめるサイトです。(since 2011/3/3)

堀川導水事業の今

・・・垣見ちゃん、垣見ちゃん、垣見ちゃん。
違うだろ、違うだろ。違うんじゃないのかい?

え~っと、まず確認しよう。
表現活動、当ブログは私の表現活動であって、主観の表明でしかない。
なので、私の主観の表明が、私の個人的な欲求の発現であれば、そんなものを第三者が読む必要もないし気に掛けることもない。あえて言えば、少々変わった人物の独り言を聞くような事だ。

なので、客観性、公益性をもった議論とするためには、(1)その論点が公のものでなければならない。また、こうした公の物に対する主観的な願望を語るのではなく、(2)共通の目標、共通の価値観を出発点にしなければ議論にはならない。

例えば、議論の対象が「名古屋城」であったり「堀川」であれば、この(1)については満足させられる。しかし、「名古屋城は木造復元がいい」であるとか「現在の名古屋城天守建物を文化財として保護すべきだ」または「遺跡の本質的価値を取り戻すためには、レプリカ木造など論外、現天守建物も解体して、石垣のままおくべきだ。城といわれれば天守閣を求めるなどとは幼稚にすぎる」というような価値観を異にする主張は、相互に議論にはならない。

山口百恵がイイ!とか、桜田淳子が好き、とか、いや俺は森昌子だというに等しい。(というか、例が古すぎる)

しかし、「堀川をきれいにすること」についてはどうだろうか、名古屋市民の大部分は賛成をしてくれるだろうし、垣見ちゃんも賛成してくれるのではあるまいか?どうだろう?賛成してくれるかな?

「堀川をきれいにすること」が公益性を持ち、たぶん、垣見ちゃんも個人的に「そりゃきれいな堀川のほうがいいと思う」と言ってくれ、その垣見ちゃんが名古屋市の誇る大ブロック紙である中日新聞の市政記者で、その堀川をきれいにしようという市民のボランティア活動である「堀川1000人調査隊」が、「第二十一回日本水大賞」の国土交通大臣賞を受賞したとすれば、この記事は無いのではないかな?

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堀川1000人調査隊 国交大臣賞

残念に過ぎる。

そもそも「堀川1000人調査隊」はどのような経緯で作られたものなの?

名古屋市:堀川の浄化(暮らしの情報)

木曽川からの導水「堀川導水事業」の環境影響を調べるために、堀川周辺の広範な市民の協力を仰いで結成されたものではなかったのでしょうか。

そりゃ、もちろん。堀川周辺の住民や、そこに土地などを持っている人からすると、堀川の清流化は、土地価格の上昇や住居または店舗の価値の上昇を促し、経済的にも利点がある事でしょう。しかしそれ以上に、堀川に触れる一般の名古屋市民や、名古屋を訪れる人々に与える影響は大きいものでしょう。

なによりも、都市の誇りではないのでしょうか。

都市のど真ん中に、どぶ川が流れている都市がいいのか。清流が流れる方がいいのか。

記事では「堀川1000人調査隊」の方々の調査の結果、「覆砂」によって「ヘドロ」の影響が少なくなったことであるとか、調査隊や周辺住民の方々の清掃によって、ゴミが減った事が紹介されており、私もそうした活動には敬意を表するものですが、そうした活動に匹敵するほど。(本当は、本質的影響といいたいけれども、そういってしまうと、現在活動を続けておられる人々の事を軽んじるように取られかねないので、どちらが貴重とはあえて書かない)重要な要素であろう。「堀川導水事業」はどうなったんだろうか?

少なからぬ市民は「堀川導水事業」の再開を望んでいるし、そうしたことを知らない市民は、相変わらず堀川は汚いとみなしている。

納谷橋周辺で、月に一度夜市が開かれているが、堀川沿いに椅子を設置しても座る人が少ない。
冬は風が抜けるからだろうが、夏は「臭い」からだ。

こちらにそうした報告がある。
http://www.horikawa-lions.com/ps/bbs/bbs.cgi#top

最新の報告は7月3日のものだが、悲惨なものだ。

「水の汚れ:きたない
雨上がりでかヘドロ片がみられた
水辺に立った時の臭い:ややにおう どちらともいえない どぶの臭い 」

文字通り「どぶ川」だ。


名古屋市上下水道局職員で構成している自主研究グループの2002年の報告がある。

「名古屋の都市河川 ・堀川浄化に関す る一考察」 2002年

堀川は人工的な運河であり、主要水源が都市下水で、水流は滞留してしまう。そのため「堀川の水環境改善のためには、補給水源の手当と下水道(合流式、水処理)の改善が必要である」という結論が導かれる。

こうした研究を踏まえ、周辺市町の理解のもと始められたのが、名古屋市の持つ木曽川の水利権を使って堀川に導水する「堀川導水事業」であり、それは現在停止している。

おかげで堀川の水は滞留し、臭く汚くよどんでいる。

なぜ、「堀川導水事業」が停止されたままなのかというと、それは「木曽川導水路事業」にかかわってくる。

横井利明オフィシャルブログ:堀川浄化の社会実験と木曽川水系連絡導水路事業 (2010/3/30)

横井利明オフィシャルブログ:堀川浄化社会実験を取り巻く現状はかなり厳しい。 (2010/3/31 )

横井利明オフィシャルブログ:名古屋市の水道水源対策 (2) (2012/5/31)


木曽川水系連絡導水路事業の概要 @愛知県
木曽川水系連絡導水路事業の概要等 - 愛知県

水利権の問題ではない。権利としては名古屋市は「堀川導水路事業」を細々とでも続けられるだけの水利権は持っている(といっても、河口から先の伊勢湾岸周辺地域の同意という問題はある)

木曽川に利水権を持つ周辺自治体や、河川管理を担う国交省の信頼を失っている。交渉ができなくなっているということが、名古屋市の問題なのではないだろうか。また、「堀川導水事業」「木曽川導水路事業」さらに、「徳山ダムの負担金問題」も含めた、議論が全く行われていない。これが問題なのではないだろうか。

http://www.city.nagoya.jp/zaisei/cmsfiles/contents/0000114/114730/31kigyoumeisai.pdf

徳山ダム建設事業における水道用水取水に係る費用の負担(昭和51年第119号議決)
・ダム建設事業に要する費用のうち、本市が負担すべき額から国庫補助金を控除した額及び利子相当額

平成10~30年 : 28,049,806千円
平成31~42年 : 13,548,200千円

平成30年までに280億円、これから平成42年までで135億円。
名古屋市徳山ダムの建設費用を負担する。
これは何の効果も生み出さない金だ。徳山ダムを造ったところ*1で、それによって揖斐川水系の水利権を名古屋市が持ったところで*2、肝心の水を運ぶ「木曽川導水路」の予算を止めてしまっているために、その水は一滴も手に入れることはできない。(こういうことを知らない名古屋市民もいるのだろうが、それは知らない名古屋市民の問題なのだろうか、伝えない地元紙の問題なのだろうか)

市長、河村はこうも言っている。

平成26年7月14日 市長定例記者会見

今の現状の中で、本当に何トンぐらい要るんだろうかということを考えたときには、まあまあ、そう大規模なそういうものは造らんでも済むんじゃないかと。導水路みたいなものは。しかし、造ってまったんだから、伊勢湾の浄化ぐらいに何とかならんかなと。環境用水で。ドーッと揖斐川から下りてくるわけだけれどね。

名古屋市:平成26年7月14日 市長定例記者会見(市長の部屋)

まさに「環境用水」として、揖斐川水系の水を、徳山ダムの水を名古屋にひいて、堀川の導水を再開し、堀川の水質を改善させるべきではないのか?

少なくとも、市民の中でこうした議論は継続的に続けられるべきではないのだろうか?
なぜ、名古屋市民の中で議論が起こらない。垣見ちゃん、中日新聞が書かないからだよ。
名古屋市が広報しないからだろうよ。そして、市長が忘れ去っているからだろうさ。

無残な話だ。

中日新聞は嘘は書かない。しかし、本当のことも書かない。垣見ちゃん、お前も*3あなたも、堀川の水質が上がることについては賛成していただけるんだろうね。それならば、「堀川導水事業」の再開も望むのではないのか?少なくともその議論ぐらいは喚起すべきだろう。それなのに、「堀川1000人調査隊」の記事を扱いつつも、この導水事業の再開問題について触れないというのはどうしたことだろうか。この問題を書けば、それにつながる「木曽川導水路事業」さらに、「徳山ダムの負担金問題」にも触れなければならないために、市長に「忖度」しちゃったってことなのだろうか?

それとも、純粋に忘れちゃったんだろうかね。

議論としては、「堀川導水事業」と「木曽川導水路事業」の話題だけで充分、河村市長の無能さは明白だろう。
河村市長のおかげで、今年の夏もヘドロで臭い堀川になりそうだ。ヘドロ市長と呼んであげましょう。

ちなみに、10%減税が実現しなかったら堀川に投げ込んでくれと言っていたじゃない。投げ込んであげるから都合のいい時をお知らせください。

もう一つ、書いていて思ったんだけど、河村市政になって、名古屋市は初めて霞が関から「天下り」を受け入れた。国土交通省から局長を受け入れたんだよね。これは主目的は「リニア開通」に伴う、名古屋市JR東海の調整のようでしたが、さすがに国交省のキャリア、能力が有り余って中志段味土地区画整理事業まで対応してしまった。
ただ、残念なことは完全解決ではなく、先送りぐらいにしかなっていないようだけれども。
それでも、着手して何らかの成果を生み出すのはすごい。

ワーワー騒ぐ割に、何も成果を残せない無能とは大きな違いだ。

で、名古屋市は継続的に国交省から天下りを迎え入れることと相成った。(一般に「植民地」と言われます)

ここでさ、気の利いた政治家なら、天下りまでは仕方ないにしても、お土産ぐらい持ってきてもらえばいいのに。「堀川導水事業」なんて、ちょうどいい事業なんじゃないの?(もっとも、周辺市町への了承の取り付けぐらいあらかじめこちらでやっておかなけりゃならないでしょうし、そうした交渉事ってのはこのヘドロ市長の最も苦手分野なんでしょうけどね)

さて、この「木曽川導水路事業」についてもう一つ、問題を思い出していただきましょう。

平成23年、24年ごろ。河村市長は「放射線対策」をうるさく言っておりましたね。

名古屋市:平成24年10月29日 市長定例記者会見(市長の部屋)

やめるってよ - 市民のための名古屋市会を! Ver.3.0

河村市長の最近の無能 - 市民のための名古屋市会を! Ver.3.0

しかし、結果として国から「放射性物質拡散シミュレーションの試算結果」が出ても、防災計画にそれを転記したぐらいで特段の対策はしていない。というか、そもそもこの「拡散シミュレーションの試算結果」について議論する会議に市長は出席していない。(と、当時ブログに書いたら、「そんなこと書かれると、参加するといわれると困る」と逆に指摘されましたが)

言いっぱなし、任せっぱなし。

結論としては、河村市長が事前に「ギャーギャー」騒いでいたような影響、水源地への影響も含めて、否定的なシミュレーションであったわけだが、こうした災害、それに直接的な渇水対策など、水源地の多重化というのは非常に重要なのではないだろうか*4木曽川水系だけに頼っている名古屋市にとって、新たな水源を得られる機会が、「木曽川導水路事業」だったのではないだろうか。

でね、こうしたことの是非について、市民に材料を提示するのが、メディアの責務ではないのだろうかと思うわけですよ、垣見ちゃん。



追記:

togetter.com

非常に露骨な言葉、どぎつい言葉で申せば、新聞記者の無知と不勉強は犯罪だと思います。私はそれを骨身にしみて教えられました。



追記:
本文には加えられなかったが、ちょっとおもしろい視点を。

木曽川庄内川と、ご用水、黒川、お堀、堀川をつなぐ「三階橋」

http://doushigawa.blog.fc2.com/blog-entry-188.html?sp
http://www.horikawa-lions.com/siryou/cd-rekisi-013-sankaibasi/sankaibashi.htm
http://masaitou.o.oo7.jp/rekisi/kawa/kita~yadagawafusekosi/yadagawa_fusekosi.htm
https://blogs.yahoo.co.jp/area19192003/47136601.html
https://sohorikawa.exblog.jp/13516228/

この「三階橋」も、全国的に、いや、ひょっとすると世界的にも珍しいんじゃないのかな。
扱い方次第だと思うけどね。


*1:もうできているが

*2:もう持っているが

*3:「お前」というのは中日的にアウトなんだろうね

*4:それこそ、水源地の確保なんて数十年、100年に一度のチャンスというものだろう