「名古屋のチベット」
守山区で区制50周年を祝うイベントが開かれたそうだ。
このイベントにとりあえず、河村市長も市長として挨拶をしたそうだが、幾つかの事柄を思いつきのように、細切れに並べただけで、場内は爆笑というよりも失笑が漏れていたそうだ。
特に、「守山は名古屋のチベット」という発言があったそうで、相変わらずのこういった発言に非常識と怒っていた人たちが居た。
河村市政の基本姿勢
河村市政の基本姿勢は「先送り」である。
何事によらず、なるべく今日すぐにやらなくてもいいように理由を探す。
先送りや、人任せ、遅れた場合の他人の責任という口実を探す事にかけては天才的ともいえる。その好例が「原発ハザードマップ」の話しだ。
河村市長は2011年の8月に福井県の原子力発電所を訪れた。
この時に、自分の政治信条が「原発ゼロ」「脱原発」であるのであればそう表明すれば良いようなものだが、そのような責任を負う結論は出さなかった。「原発が事故を起した場合の市民生活への影響、避難の為のハザードマップを国に作るように要望した」ということに成っている。
国がハザードマップを示さなければ自分は何もできないという「口実」だ。
滋賀県はこの一月後、2011年9月には独自に福井県の原発で事故が起きた際の放射能拡散予測図を作って、すでに公表していた。つまり、河村市長が本当に「ハザードマップ」が必要であると思っているのなら、滋賀県の(奇しくも)嘉田知事と同じように、名古屋市も独自に「ハザードマップ」を作ればよかったのであって、動かなかった理由でしかない。さらに、それ以降、ことある毎に「国は遅い」というようなことを言っていたが、その間何も行っていない。
つまり、河村市長にとって「ハザードマップ」は行動を起さない為の「口実」に過ぎなかった。
そして、昨年、そのハザードマップが国から示されると、拍子抜けな事にと言おうか、幸いと言おうか、その危険地域に名古屋市は入っていなかった。
そうしたところ、今度は「水と食料の問題がある」と言い出した。
しかし食料品について、名古屋としていったいどれほどの対応を取れるのか疑問だ。
こういった「想定される放射能拡散事例」ではなく、現に今、福島県における東電の原発事故という事実を受けて、では、その拡散放射能に対して、名古屋だけが全国に比べて突出した基準を打ち出せるものだろうか?
つまり、名古屋だけ他の地域よりも安全な食品を入れるように厳しい基準を設ける?
それは逆に、被災地に対する思いやりに欠ける行為だろう。
また、水の安全については河村市長は自らジレンマに陥っている。この河村市長という人物の無能さが良く判る。
名古屋市民が安全な水を得るためには水源を多重化することが一つの方法だ。
ところが現在、名古屋市の水源は木曽川水系の一つとなっている。
もしも、木曽川水系が汚染されたら一巻の終わりだ。
その為に別の水源を求めておかなければならない。
ちょうど、揖斐川水系というものがあり、名古屋はこの水系に利水権を持っていた。そう、徳山ダムの導水路事業だ。それを潰したのは他でもない河村市長では無いか。
つまり、自分で潰しておいた、水源の多重化という安全策を、今になって「必要な事」と言っているに等しい。そして、それに気付いていない?
なんとも無能だ。
なんにせよ、河村市長のご執心の「ハザードマップ」は国から示された。だから、どのような対応を取るのか?いっこうに河村市長の意向が打ち出されない。
実は、このハザードマップ公表に伴って、名古屋市の当局内で3回の会合が開かれているようだ。9月19日、10月29日、そして12月21日には大学のセンセーを呼んで講演をしていただいたようだ。この3回の内、市長が参加したのは、そう、ご想像の通り0回、ゼロ!です。
河村市長は「災害対策本部会議」を開くと仰ったようで、この10月の会議がそれに当たるようだが、それにすら市長は出ていない。
不正採用問題
さて、最近騒ぎまくっているネタといえば、議会を叩くのに丁度良い、「職員不正採用問題」なんだろうが、それについて、「タレコミ」があったので確認してみた。
皆さんも確認してみていただきたい。
今年の1月4日に行われた財政福祉委員会の審議の模様だ。
ここで減税日本ナゴヤの山田さんがなんとも呆れた言動を繰り返している。
できれば前半の共産党山口委員の追及と続けて聞いていただくとその質問の品質の差がはっきりと判る。が、お忙しい方は48分の辺りまで飛ばされても良いかもしれません。
減税日本ナゴヤの山田さんはまず、この「不正採用(と思しき事例)」で採用された一人が居るのであれば、それではじき出された人がいるだろうと。その人に対して市としてどうするつもりかと問い質している。
ちょっと皆さんにお伺いしたい。あなたならどうしますか?そしてどうするつもりと思いますか?
わたしなら「どうしようもないでしょうね」と言うしかない。
その「ひとり」が明確に特定できて、この就職難の時期にまだ求職活動を続けているのだとすれば、対応の仕方もあるだろうが、なかなかそれは考えづらい。すでに生活の為、活計を得るために次の職についていると考えて無理が無いだろうから何ともしようがあるまい。ましてや140数名の中の誰がその当事者とも特定できないだろう状態では、それを今言い立てていったいどうしろというのだろうか?
こういった対応のとりようも無い批判を言い立てることをクレーマーという。
また、こういった具体的な対応の取りようがない議論こそ、生産性の無い議論と言える。(行政に対しては指定管理者などで「生産性」を求めている筈が、自分の行動には生産性は考えないらしい)
まだこの問題は良い。
それに続く論点はもっと酷い。
この事例では4月に市長ホットラインに通報があり、当局として6月には答案の改ざんなどを確認し、対応を県警に相談したらしい(これが8月?)、県警としては問題の把握のために、事実確認の捜査を続けていたところ、12月にマスコミの報じるところとなり、事が公となって、本人に対しても採用を取りやめる旨を通知したという事のようだ。
つまりご本人は12月のマスコミ報道が起こるまで業務に従事しており、給料ももらっていた。山田さんとしてはそれがお気に召さないらしい。
なんでも6月に市当局が事情を把握した段階で解雇すべきだった。市民から得ている血税を不正就労者に支払う事はまかりならん。ということらしい。
議事のやり取りのなかで4月に通告があった段階で解雇すべきだったというような事も口走っているように思う。
アホか?
そもそもこの事例ではこのご本人の介在、意思はどのように確認されたのかな?
答案を改ざんした職員は、事実も認めているために、その改ざんの事実をもって違法行為となっている。しかし、その採用された当人はこの違法性を知りえたのだろうか?
或いは「今度、コレコレという試験を受けるのです」と顔見知りの市議に、含むところ無く告げたことが、回りまわって答案の改ざんにまで至ってしまったかもしれない。
(可能性が阻却できなければ、推定無罪の原則、つまり「疑わしきは被告人の利益に」という原則を取らざるを得ない)
現に、県警は採用された本人に対してはアクションを起こしていない。
さらに、市当局としては県警の問題としてしまった以上、県警が採用者本人に事情を知らせないで欲しいといっていれば、その事情を理由に解雇は申しだせないのは理の当然となる。
また、4月に通告があった時点で解雇をするようなら労働基準法やら法的常識以前に、一般常識を疑わざるを得ない。
こんな人物が「市議でござい」と俸禄を食む現実のほうが驚きだ。
それ以降も何とも呆れたやり取りが続くが、それはご自分の目で、耳でご確認を願いたい。
特に、オンブズマンの方には、この山田さんの本会議質問が市議会一と判定されたのだから「これで良いの?」とお伺いしたいものだ。
さて、減税の(自称)市議がこの程度であれば、河村市長はもっと酷いようだ。
今回の住田副市長の辞任問題の直接のきっかけはこの問題であったという報告が入っている。
なんでも、県警から告発された3人は現在、有給休暇もからめた休職扱いになっており、その期間に処分が決定する。常識的な範囲であれば、実行者は触法の程度で懲戒解雇からその直前の辞表受理まで含めて、事実上の依願退職が想定される。その上席者も程度に拠るが、なんらかの処分は免れない。結局、依願退職になるだろう。
ところが、河村市長は決定を先送りにしているようなのだ。
休職期間を超えてから、本人たちを散々、さらし者にして、議会やマスコミにアピールをしてから懲戒解雇を申し付けるつもりでいるようだ。
それを住田副市長が早期の処分、そして3人の身の立つような判断を求めたそうで、それを聞き入れない河村市長の態度。つまり、自分の政局的なポジショニングの為であれば、職員の生活も顧みない態度に、ついに辞表となったという。
この報告の通りであれば、こんな人物には市のトップマネージメントは無理だ。故に「無能」と言うしかない。
真偽のほどは定かではないが、そのような報告が入ったとだけ記す。