市民のための名古屋市会を! Ver.3.0

一人の名古屋市民が「地域委員会制度」「減税日本」に対する疑問をまとめるサイトです。(since 2011/3/3)

無能市長河村という事実

名古屋市内で現在、名古屋城天守木造化についての「説明会」が行われており、
同時に「特別史跡名古屋城跡保存活用計画(案)」がパブリックコメントに掛けられている。

 名古屋市:平成29年度開催 名古屋城天守閣木造復元 市民向け説明会・シンポジウム(観光・イベント情報)
 http://www.city.nagoya.jp/kankobunkakoryu/page/0000101416.html

上の説明会については昨年の説明会よりも内容が後退しており、何の為に実施されているのか理解不能な「説明会」となっている。
簡単に指摘するなら、名古屋市は「史実に忠実な木造化」をするために木造天守にはエレベーターを設置しないとしている。しかし、(1)それでは公共施設のバリアフリーを求めた「ハートビル法」に反することとなる。また、(2)木造復元の時点は確定しておらず、それに伴って瓦の色が確定していないとしている。そして、(3)完成時期は2022年である。
この(1)法遵守(2)復元時期の想定(3)完成時期は全て竹中工務店が「優秀提案者」となったプロポーザルの中に条件として明記してある。
これらの条件が「反故」になったのなら、事業者の公募をし直さなければならないだろうし、竹中工務店としてもとうの昔に確定している筈の要件が無効にされ、話が一年以上も手戻っていることに戸惑っていることだろう。

また、パブリックコメントを求めている筈の「特別史跡名古屋城跡保存活用計画(案)」については、説明会の会場で、書面もなければ内容の説明も無かった。初めて具体的な「保存活用計画」に「天守木造化」が明記されたはずだが、そうした説明もない。説明もないままパブリックコメントを求めて「市民の民意を得ている」と言えるのだろうか。市民を排除した行政の暴走という以外にない。

お城の話はまた別の機会に書きましょう。

さて、減税日本は昨年末、2019年の統一地方選挙の候補者を公募するという告知を出した。

 2019年統一地方選挙 公募要項 発表 | 減税日本

私が見る所、まともな知性の有るものは、誰も応募することはできないだろう。
なぜなら、この応募資格が達成不能だからだ。

2. 応募資格
1) 当該選挙の被選挙権を有する25歳以上の方
2) 推薦人(3名)と選挙活動への支援者(10名)の名簿を提出できる方
3) 河村たかしマニフェストを理解し共鳴できる方

この3番めの「河村たかしマニフェストを理解し共鳴できる方」
そんな人がいるのだろうか?

河村たかし市長候補には主要な「マニフェスト」だけで3種類ある。

 河村たかしの名古屋政策「庶民革命・脱官僚」(2009)
 市長選マニフェスト(解説付き)
 20170405マニュ最終稿

この中には相互に矛盾する項目もあれば、「忘れ去られた」かのように放置されている項目も有る。(地域委員会もそうなら、そもそも減税も10%→5%→3.75%とその比率を下げ続けている)

こういった姿を「理解」しようとすれば、この一言ぐらいしか思いつかない。

 エドマンド・バーク - 偽善者は素晴らしい約束をする、約束を守る...



こうした口から出まかせのように並べられた「公約」という名の「ウソ」の羅列を改めて見てみれば、怒りも起きないし、呆れもしない。単にこうしたウソにウソを重ねて誤魔化しながら、到底回避できない歴史の検証、嘲笑に気が付かない、気の小さな、知的程度の低い人物の言動に憐れみを感じるだけだ。

虚心に上の「マニフェスト」なるものを読み、現状を眺めれば、いったいこの名古屋で何が起こっているか、判りそうなものだろう。

地域委員会はすでに影も形もなく、減税も3.75%の実施に縮小され、そもそもその経済効果はネガティブにしか効かない(公共経済学の常識からいえば当然の帰結
その他の「公約」にしても、換骨堕胎。市民の為に資する政策など無いに等しい。(ゼロとは言わない。形となった政策がある。しかしそれらには共通する理由がある・・・・)

なぜ、こういった次第になるのか。


ある事例をご覧いただこう。(もう、この事項は不可逆的な時期に至っていると思われるので、公表してもいいだろう)


平成26年。名古屋市当局から「敬老パス」制度の見直し案が議論となった。
一つには交付率、利用率の減少を受けて、地域間格差や利便性の向上、敬老パスの対象交通機関の拡大が必要なのではないか。
また、その財政的負担から、交付時、及び利用時の一部負担金を求めるべきではないかといったような議論が起こった。

この時のキーワードが「敬老パスの持続可能な仕組みとする為の改革案」が必要だというものだ。河村市長もこのキーワードを使って「改革案」を提示すると明言した。

その為、私は次のような情報開示を行った。

「平成26年11月頃河村市長より示された『敬老パスの持続可能な仕組みとする為の改革案』又はそれに類するもの」

すると、名古屋市健康福祉局高齢福祉部高齢福祉課より「平成26年11月19日 財政福祉委員会説明資料」なるものが示された。これはすでに市民情報センターにおいて公開されている情報であり、誰でも(どこの記者でも)同センターに行けば閲覧することができる。

この中で示されている「市長の考え方」は次の3つ。

・利用者の一部負担金を引き上げるつもりはない。
市民に負担を求める前に交通局の経営努力が先にあってしかるべきであり、そのために、プライスキャップ(敬老パス負担金の上限額※1)を導入すべきである。
・敬老パスは公共交通網の維持に役立っている。多くの方々に乗ってもらいたい。
・乗車人員増は敬老パス制度があることによって生み出されたものであり、それをそのまま交通局の収入にするのは疑問である。

※1 この「敬老パス負担金」とは、利用者の支払うものではなく、名古屋市健康福祉局が交通局に支払っている負担金のことである。

こんな方針が「持続可能な仕組みとする為の改革案」とはとても思えない。
特に「プライスキャップ」については、この資料でも学識経験者の意見として。

プライスキャップの上限を超えたときには交通局は乗せる努力をしなくなるため、ずっと固定は良くない。

と、「プライスキャップ」の考え方自体が「持続可能性」と矛盾するという指摘を受けている。当然といえば当然だ。

結果として、
1.交通局に対して、敬老パス負担金の積算方法の見直しが求められた。
 具体的には昼間の敬老パス利用者に対して「昼間割引単価」が適応される。(割引減額)
2.暫定上限額(テンポラリー・プライスキャップ)の設定
 142億円を上限とする。
 敬老パスの事業費が予算において、 暫定上限額を超えると見込まれる場合には、新たな見直しを行う。

 つまり、(1)一時的に「値切って」(2)問題を先送りしたにすぎない。

 しかし、 平成31年にはこの 暫定上限額を超えることは明白であるし、これ以上(1)のように「値切る」ことはできない。

そもそも敬老パスにはその他にも、地域による不公平性などの問題(地下鉄がない地域では利用率も低い)もあり、改正すべき問題点は様々にある。


河村市長は昨年の市長選挙におけるマニフェストで「敬老パス値上げ絶対ストップ タクシー割引、買い物割引への利用導入へ。敬老パスで元気に。名鉄、JR などへの利用導入を検討」などと謳っているが、当局への指示、政策提案は無い。

※昨年4月名鉄タクシーが「敬老パス割引」を実施すると報道されたが。
名古屋市健康福祉局の敬老パス担当者の発言として「名鉄タクシーが報道発表するまで敬老パス割引を導入することは知らなかった。また、名鉄タクシーは従来から高齢者(70歳以上)、障がい者、幼児等の料金1割引サービスをおこなっており、あらたな割引制度を設けたというより、マナカのICカード化にあわせてマナカを対象に加えたにすぎない。ましてや名古屋市が予算対策等を講じて実現したものではなく、あくまでも名鉄さんの独自の判断である。」

河村市長が名鉄に同制度について導入(?すでに有ったわけだが)を求めた形跡もない。

名古屋市会の議事録を読むと面白いことに気付かされる。

平成27年2月16日 名古屋市会2月定例会
市長、河村たかし「高齢者福祉では、敬老パスの持続可能な制度に向けてのあり方を検討するとともに、敬老パス・福祉特別乗車券のICカード化に向けたシステム改修などを予定しております」

平成28年2月19日 名古屋市会2月定例会
市長、河村たかし「高齢者福祉では、敬老パス・福祉特別乗車券をICカード化するとともに、引き続き敬老パスの持続可能な制度に向けてのあり方を検討いたします」

平成29年2月22日 名古屋市会2月定例会
市長、河村たかし「高齢者福祉では、敬老パスのICカード化に伴う期限更新機器の設置等を予定するとともに、引き続き敬老パスの持続可能な制度に向けてのあり方を検討いたします」

私は情報開示請求の結果が示された際に、当局に「平成26年11月以降今日まで、ここに示された市長の考え方以上の指示は無かったのですか」と問うた。

その答えは「特にありません」であった。

マニフェストや記者会見、さらに名古屋市会本会議で大見得を切っては見せても、実態的な政策実現能力には欠けている。そもそもやろうという素振りすら見せない。どうせ、市民は見ていない。マスコミも書かないからだろう。

これが名古屋市河村たかしの姿であり、こうした怠業によって、名古屋市政は様々な矛盾を抱えることとなっている。


当ブログは、今後も河村市政の矛盾やウソを暴き続けるつもりだ。
しかし、河村市政の「穴」を、目についた都度指摘などしない。
場合によっては見て見ぬふりもする。
問題を指摘することによって改善が図られても、その問題の根源を改善するつもりがないのなら、そうした「弥縫策」に手を貸すことは、却って名古屋市民の助けにならないと身にしみて分かったからだ。
それらの問題が抜き差しならない段階に至った時、嘲笑を込めて問題を明らかにする(かもしれない。あるいは、明らかにしないまま単に嘲笑を投げかけるだけに留まるだろう。問題を明らかにする義務を当ブログが負っているわけではないからだ。それは名古屋市民の損失でも有るだろうが、同時に有権者として河村氏を市長として選んだ責任でも有る)

なんにせよ、名古屋市の行政において、様々な矛盾が有り、ウソが蔓延っている。
こうした矛盾やウソを暴き、質すのは、本来、議会やマスコミの仕事だ。

議会や一部マスコミは確かに指摘している。
議会の総体や、マスコミの一部はそれなりに機能していることは認めよう。

しかし、議会のこうした動きを市民は知らない。
一部マスコミの報じたことも、大部分の市民は知らないまま過ごしている。

なぜか、名古屋市民の大部分が目にし、耳にする巨大メディアが、こうした問題から目をそらし続けているからだ。河村市政に対して健全な批判精神を失っているからだ。

メディアはウソは書かない。しかし、大切な事実を紙面に載せないことは日常的に発生する。そうして名古屋市民は歪んだ現実を送りつけられる。有権者はバカではない。歪んだ情報を与えられれば、歪んだ結論に行き着くのは当然の結果だ。

 2014-11-14 「名古屋のSTAP細胞」と言われませんように /減税5%の検証シミュレーションについて(前編)

減税の効果と言われた年1128億円の『経済効果』とやらは、どこへ行ってしまったのだろうね? 名古屋市民のどれほどの有権者が、この経済学的には根も葉もない「ブードゥー経済学」を信奉し続けているのだろう。そしてその原因はどこに有るのだろうか。


当ブログは今後も事実を摘出していく。そうした中で、当ブログが指摘した「無能市長河村」という言葉が、揶揄でも嘲笑でもなく、単なる「事実の指摘」であることが明白となるだろう。
20120323220811




追記:
河村市長は事あるごとに「名古屋は国に上納金を上げている」というような事を言っている。
税による「再分配」を否定し、豊かな名古屋はその豊かさを国に上納せず、名古屋だけで使うべきだという理論なのだろうか。

豊かな地域が、自身の地域だけに豊かさを使い、他に再配分しない。
こうした姿は、すでに米国では現実の物となっているようだ。

“独立”する富裕層 ~アメリカ 深まる社会の分断~ - NHK クローズアップ現代+

地域、都市、国も、自分たちだけでは存続は不可能だ。
物理的にも、時間的にも広く視野を広げ、皆が共に豊かに成っていかなければ、満足は得られない。
それが人間というものではないのか。

リーダーの歪んだ思想に引き摺られれば、組織は歪んだ方向にしか進みようがない。