市民のための名古屋市会を! Ver.3.0

一人の名古屋市民が「地域委員会制度」「減税日本」に対する疑問をまとめるサイトです。(since 2011/3/3)

マスコミ各社に警告する

マスコミ各社に警告する。
河村市長またはその周辺に取材するとき、裏も取らずにそのまま記事にしてしまうと、結果として誤報を垂れ流すこととなる。ひいては名古屋市民をミスリードし、名古屋を混迷に落とし込む元凶ともなりかねない。
事実を積み重ねるべきマスコミの使命を果たすためにも、河村市長またはその周辺の発言には十分に注意し、かならず裏を取り根拠を求めるように心がけること。

ある方からこういった動画の存在を教えていただいた。


(1分47秒頃から再生されます)



どこのニュース素材かは知らないし、誰がYouTubeに掲載したのかも知らない。
女性ナレーターが「市長に初当選した2009年に、この構想を打ち出していた河村市長」とのアナウンスが入り。画面に「河村市長/市長初当選時の2009年に木造復元構想を打ち出す」とキャプションが入る。


このニュースを「垂れ流した」メディアに問いたい。

根拠は?

これは全くの誤報であり、事実は全く逆だ。


根拠を示そう。

超簡単だ。(その気になればこんな裏とりは5分でできるし、そもそも現在の名古屋市政を語る上での基礎資料を踏まえもせずにニュースを流していることになる)


河村たかしの名古屋政策 減税ナゴヤ 庶民革命・脱官僚

このPDFが2009年当時の河村市長の市長選挙マニフェストだ。

つまり、「市長に初当選した2009年に、河村市長が打ち出していた政策」は全てここにつきる。

ここにこうある。

3−(1)4大プロジェクト

「・現在進められている4大事業は、一旦立ち止まって、市民に約束する諸政策との関係を検討したうえで、優先順位、実施時期、規模・内容などを決定する。

名古屋市内の歴史文化施設全体の再生との関わりを重視し、巨額投資が必要な事業にこだわることなく身の丈にあった再生手法も検討する」

3−(3)−②名古屋アイデンティティ

「名古屋の歴史的建造物を活用する条例を定め、名古屋ことばの復権に努め、文化と精神の両面における名古屋のアイデンティティをさらに強固にする」

この4大プロジェクトの内の一つが「名古屋城本丸御殿の建設」だ。


その他にも「(6)名古屋高速道路料金値下げに挑戦」ともある。
こうした施策や減税政策のため、河村市長は4大プロジェクトを止めて財源確保を企図した。(その為、西部医療センターの問題では日立から訴訟を起こされ、木曽川導水路事業(これはこの4大プロジェクトではない)は止めたままだ。(しかし徳山ダムへの負担金は支払い続けている))

2009年当時、河村市長は、総工費が150億円もかかる総木造づくりの「名古屋城本丸御殿」を「贅沢な施設」と否定していたのだ。

もとより、このマニフェストには「名古屋城天守閣の木造復元」などという構想はない。

そもそも「名古屋城」という文字すらない!

(データマンが検索をかける手間さえ惜しまなければ5分程度で確認できることだろう。そもそも記者であれば、このマニフェストの項目ぐらいは押さえて置かなければならないはずだ*1


「 巨額投資が必要な事業にこだわることなく身の丈にあった再生手法も検討する」つまり、巨額投資は止めて、(減税政策などの財源として)、「名古屋の歴史的建造物を活用する条例を定め、名古屋ことばの復権に努め、文化と精神の両面における名古屋のアイデンティティをさらに強固にする」つまり、条例によって古い建築物を残すなどの政策誘導を行い、金をかけずに「精神」的な「名古屋のアイデンティティをさらに強固にする」というのが、庶民革命の方向性だったわけだ。(「文化と精神の両面」という言葉は変な言葉だね、「文物と精神」であれば両面だけど。そもそも文物と精神を繋げるのが文化ではないのかね?その文化と生活を繋げるのは、はい、名古屋の市民なら知っているね?*2

だから当然、それ*3よりも大きな事業である名古屋城天守閣の木造復元なんぞ、当時の河村候補が打ち出すわけがない。

私が記憶するところ、河村市長が名古屋城についての意見を変えたのは、本丸御殿が形になって、内覧会か何かに行ってからだ。

それまで「4大プロジェクト」「贅沢品」と否定的だった河村市長が手のひらを返すかのように本丸御殿を持ち上げ始めた。そして襖絵を現物展示するとか言い出した。

名古屋城の図面の話などを持ち出したのもこの頃からだろう。

この頃、名古屋城の整備計画などを進めようとする市当局の「御講」が「利きすぎ」たのだろう。

そして勢い余って、天守閣の木造復元を口に出し始めたように記憶する。

それでも、「あおなみ線でのSL走行」などが優先であって、巨額な投資が必要となる天守閣の木造復元は、かの「1000mタワー構想」と同程度に根拠もないものだったと思われる。


少なくとも、河村氏が名古屋市長に初当選した頃から、名古屋城天守閣の木造復元を打ち出していたという事実はない。(マニフェストには記載はなく、逆方向の政策が記載されている)

現場の記者が河村市長本人か、その周辺者から「この名古屋城天守閣木造化は、河村市長の市長初当選の頃からの構想ですから」とか言われたのかもしれない。つまり、河村市長は初当選の頃から主張が終始一貫しているとでも言いたかったのだろう。事実は全く逆だが。

しかし、河村市長もその周辺者(河村事務所のご老人お二人とか、減税日本ゴヤの市議とか)の談話が如何にいい加減で事実誤認に満ちているか、そろそろ気が付かないといけない。そうじゃなければ誤報だらけになってしまう。


最近では、昨年の議会リコール運動もあっただろう。

一部の記者は「やるやる詐欺じゃないか」という声も聞こえたが、私は当初から議会リコールなんて成立しないことは判っていた*4。もう少しマスコミが冷静になれば、振り回される市民も減っただろうと思われる。(マスコミ自身も振り回された口かもしれない)


なのでマスコミ各社に警告する。

河村市長またはその周辺に取材するとき、裏も取らずにそのまま記事にしてしまうと、結果として誤報を垂れ流すこととなる。ひいては名古屋市民をミスリードし、名古屋を混迷に落とし込む元凶ともなりかねない。

事実を積み重ねるべきマスコミの使命を果たすためにも、河村市長またはその周辺の発言には十分に注意し、かならず裏を取り根拠を求めるように心がけること。


*1:あなたが記者であれば、4大事業が何かぐらい答えられなければならない。そうでないと今日に至る名古屋市の出来事を見る目が異なってくる。とくに13日に予定されている出来事!

*2:松坂屋」だね!

*3:名古屋城本丸御殿

*4:前回のリコール運動を知っていれば、重大な要因、キーマンが不足していた