市民のための名古屋市会を! Ver.3.0

一人の名古屋市民が「地域委員会制度」「減税日本」に対する疑問をまとめるサイトです。(since 2011/3/3)

平成28年12月5日市長定例記者会見

河村市長が打ち出している名古屋城天守閣木造復元計画が迷走している。

各区で住民説明会という広報を打って、2万人アンケートという宣伝をかけても、名古屋市民の圧倒的多数には、なぜ今、名古屋城を木造化しなければならないのか、理解できないだろう。

そもそも東北の復興を優先しなければならないような場合に、名古屋だけ505億円もかけて今あるお城を木造で造り直すという「贅沢」を他の地域の人々はどう受け止めるだろう。

またその後、熊本で地震が発生し、多大な被害が生じ、熊本城を始めとする史跡にも大きな傷跡を残した。熊本市民や日本国民が熊本城の再建を願っているときに、急ぐ必要もない名古屋城の木造化を強行して、その再建の障害になりはしないだろうか。




最近、名古屋城にこのような看板が掲げられた。

 現在の名古屋城天守閣は、1959年(昭和34年)に再建されたもので、既に半世紀以上が経過し、コンクリートの劣化や設備の老朽化などが進行しており、耐震性能が不足しております。
 なお、本市では天守閣を木造復元することにより、耐震性能を確保することを検討しております。
 緊急地震情報発表時や地震発生時には、警備委員等スタッフの指示に従い、避難いただきますようお願いします。
 ■耐震診断の評価(Is値 0.14、Ct・Sd値 0.07 )
 ・震度6強程度の大規模の地震に対して倒壊し、または崩壊する危険性が高い。 

 つまり、危険性が高いけれども、自己責任で入れよということか?

 最近、河村市長は名古屋城天守閣木造化の理由のトップに耐震性能を持ち出しているようだが、この耐震性能の毀損は、実は名古屋城だけにとどまらない、名古屋市の所管する市営住宅や他の施設にも当てはまる。

 そして、名古屋城に対して耐震補強が必要なことは、平成18年(2006年)に提案されている「名古屋城全体整備計画」においても指摘されている。

http://www.city.nagoya.jp/kankobunkakoryu/page/0000007591.html

 つまり、河村たかし名古屋市長は、就任以前に全体整備計画で指摘された名古屋城の危険性を無視し、今まで何らの手を打たず、突然今になって危険だ、大変だと騒いでいるのだ。

 気は確かだろうか。

 もはや正気を疑う整合性の無さだ。


 さて、その天守閣木造復元計画は、2020年7月までに行うということで竹中工務店が優秀提案者ということになった。大手ゼネコンの中には2020年7月という工期では責任ある施工ができないと提案を見送った企業もある。

 ところがところが、そうして選別した後になって、名古屋市は完成時期を2022年まで伸ばすという。2022年であれば可能なのに、2020年が期日ではと、諦めた企業は居なかったのだろうか。

 公共工事参入の公平性の原理からしてこの期日の変更は法的に問題はないのだろうか。

 こうした懸念も含めて、12月5日の市長定例記者会見では記者から厳しい質問が投げかけられた。果たして「パブリック・サーヴァント」を自認する河村市長は説明責任を果たしているだろうか。

勝手にダイジェスト

オリジナル

 人間、図星を突かれると激昂するものだと思う。


 2022年完成とした場合のタイムテーブル

 17年7月 天守閣 入場禁止
 18年5月 文化庁から許可
   10月 エレベーターの撤去

 19年4月 天守閣 解体
 20年1月 着工
 22年7月 完成


 会見では「金シャチ横丁」の名前も出ていた。
金シャチ横丁を整備しても、暫くの間は天守閣がない状況が続くのではないのだろうか?
それで横丁出店者は商売がもつのだろうか?


 記者会見で河村市長が触れていた「中区の区政さんたち」というのは、実体はこちらの方々だろう。

名古屋城の天守閣を木造で復元し、旧町名を復活させる有志の会公開グループ | Facebook

河村市長の同窓生も含めた、今となっては残り少ない支援者の方々だ。

名古屋市民の中からはこうした動きも出てきている。


名古屋城天守を「戦後復興市民のシンボル」に - 学校 - 愛知県 名古屋市 - レビュー19件 - 写真1,440件 | Facebook