市民のための名古屋市会を! Ver.3.0

一人の名古屋市民が「地域委員会制度」「減税日本」に対する疑問をまとめるサイトです。(since 2011/3/3)

今後の河村市政予測


本題の前に、世間で喧伝されている「誤解」について書いておきます。

河村市長は「水道料金を値下げした」と発言しています。

確かに、河村市長になってから、2009年の12月に名古屋市の水道料金は値下げされました。しかし、それは同年4月に河村氏が市長になって、たったの8ヶ月後の事です。河村氏がいくら剛腕でもたった8ヶ月で水道事業を黒字化できるものでしょうか?

名古屋市の水道事業は100年を超えていますが、その営々たる営みの中で、元々余剰金があったのです。それは、名古屋市上下水道局職員の努力のたまものです。名古屋市水道局はこの余剰金を使って、名古屋市内の上下水道の耐震化計画を前倒ししようとしていました。ところが、その余剰金を聞きつけた(市長になったばかりの)河村氏が、「余剰金があるのなら、水道料金を値下げすりゃいいがね」と無理やり値下げしたのが実情です。

その証拠に、2009年の河村マニフェストには水道について、「4−2−5」で 「日本一おいしい水ナゴヤ」と書いているだけで、料金の事など触れられていません。代わりに、「2−7−2」において 「市内公共施設の耐震化の推進」と書いてあるにも関わらず、マニフェストのこの方針などは無視して。耐震化を推進するのではなく、そのお金を料金値下げに使ってしまったのです。

この水道料金の値下げはその後、2013年マニフェストに自分の成果として記載されていますし、様々な機会に河村氏は自分の手柄と話しますが。果たして河村市長が話すような「手柄」と言えるのでしょうか。

もう一度言います。水道料金が値下げされたのは2009年12月、河村氏が市長になったのは4月。たった8ヶ月で、いったい河村氏が何をやったから、水道料金の値下げができたというのでしょうか?

「部下の成果は上司の手柄、上司の失敗は部下の責任」まさに、地でいく行為です。


さて、先日、20代・30代の若者が市長候補と討論を行うという場で、河村市長に一人の女性が「日立訴訟で求められている損害賠償金4億円は税金なんですか」と質問したところ、河村市長は酷く激昂したそうです。

主催者が間に割って入って、質問者を退席させなければならなかったぐらいだったそうで、そのくせ帰りがけ、河村市長はまだこの質問者を捕まえて、更に怒ったそうです。よほどこの問題は気に入らないようですね。

まず、河村市長の代わりにこの女性に応えるなら、日立訴訟で求められている損害賠償金4億円は当然名古屋市が支出するお金であれば、それは税金です。

しかし、なんとなく、私は判ってきました。

最近次のような言葉が使われています。「今だけ、金だけ、自分だけ」つまり、何をするにも刹那的で、拝金主義/功利主義で、利己的な考え方。こうした行動をする人々が増えてきたという言葉の様です。これは、日本の社会全体が縮小した結果、経済が行き詰まり、人の心まで蝕まれている結果であるように思えてしまいます。

しかし、刹那的、拝金主義/功利主義、そして利己的な考え方。これは河村市長にぴったりですね。現名古屋城天守閣にまつわる歴史的な重みをまったく無視して、「人がようけ来る、儲かる」と言いながら、自分が市長の時に事業を形にしたい(名を残したい)功名心。将に、歴史を無視する刹那主義。お金でしか物の価値を計れない拝金主義、功利主義。そして、利己主義。河村市長の行動原理は「今だけ、金だけ、自分だけ」この言葉通りの様です。現代的ですね。

それと、もう一つ。この訴訟問題が河村市長をイラつかせる理由があります。
もし、この損害賠償が確定して、名古屋市が日立に約4億円を支払ったなら、その後、名古屋市民から河村市長に対して住民代表訴訟が提起される可能性があるのです。そして、地方自治体の長が行った政治判断によって、個人/法人が被害を被り、その損害賠償を地方自治体が支払った場合、その支払い責任を首長個人に求めうるという司法判断が判例として確定しています。

「国立マンション訴訟」として有名な国立市の事例で、最高裁で市長の個人賠償責任が確定しています。(最高裁が棄却した事で高裁判決が確定している)

裁判の状況/国立市ホームページ


名古屋においても同じような問題が起こる可能性がある。いや、国立市の事例では、市長の政治判断を促す住民運動が確かにあった。けれども、名古屋市の場合には、市民の中に陽子線がん治療施設建設反対の運動は起きてはいなかったし、市長マニフェストに建設の中止は記載されてはいたけれども、工事を中止にした場合、名古屋市が業者から損害賠償を受ける可能性があることは、市民に説明されていない。(更に言うなら、今回、ADRで1億5千万円の支払いで和解するという決定が出ているが、それを名古屋市は蹴った。その判断に至る説明がなされていない。市長が個人的に判断して被害を生み出し、市民に説明もせずその被害額を拡大させたのなら、その支払い責任は市長にあるのが当然だろう)

河村市長がお好きな尾張藩徳川宗春は、死後墓を鎖で縛られたそうですが、河村市長も市長引退後、ツケの支払いに追われるのでしょうか?

さて、そんなことも含めて、私なりに今後、河村市長に起こるであろう出来事を予想してみました。選挙予想ではありません。その先です。もちろん、この予想には絶対的な根拠があるわけではありません。

まず、今回の市長選挙に河村氏が勝つと仮定します。つまり、4選が成立したとします。

すると、名古屋城天守閣木造化計画は走り出します。
本年11月には天守閣は閉鎖されます。

この段階で、名古屋市民は先人が作り上げた現天守閣とは訣別です。もう一度いいます、名古屋市民は本年11月で、戦後復興期に、祖父や祖母、父や母が建てた現在の名古屋城天守閣を失います。

その後、調査設計が進み、文化庁の復元調査委員会が開催され、名古屋市の示した予定でいくと、2018年の10月には文化庁の許可が下りる事となっています。しかしこの予定は、まず無理でしょう。

文化庁が興味を持つのは石垣とお堀です。これが最優先事項ですが、現在の計画でも石垣の保全については検討されているとは言えません。(石垣の中のケーソンについても、その実態はよくわかっていない)

ここで不許可、再設計という事になると、更に業者に調査と再設計を依頼することになります。すでにここで追加予算がかかることになります。つまり、この段階で当初の505億円という建設費の拡大がはじまります。


さて、唐突ですが、来年の12月には衆議院議員の任期が満了します。現在の安倍政権が、任期満了まで追い込まれて解散するか(オプションA)。それとも今年の秋ぐらいに解散を打つのか(オプションB)。

オプションAの場合、ちょうど、この一回目の文化庁判断の直後になります。たぶん、河村市長は激昂することでしょう。「わしが国政に戻らな、名古屋城は木造化できん、文化庁の役人に名古屋城の木造化を認めさせる」と騒いで名古屋市長を辞職、衆議院議員選挙に出馬する可能性があります。重点公約は「名古屋城木造化」。(市長選挙は4億円〜5億円の経費がかかります、任期途中で河村氏が国政転出すれば、次の市長が誰になろうが、この経費は名古屋市民の負担となります。2億4千万円ぐらいではまだ足りないのです)

もう少し、このオプションAの将来予想を続けてみましょう。任期満了総選挙の年も開けて、2019年4月には統一地方選挙が行われます。愛知県議、名古屋市議は改選となります。名古屋市議会は議員定数を削減する決定を行っており、75ある定数が68に減らされます。(現在の制度では有効ではないが、本来の法定定数は88)

対象区は次の通り、対象区:現議席数→減員議席数:減税日本ゴヤ市議

西区:5→4:鹿島
中村区:5→4:(現有議席なし)
昭和区:4→3:大村
港区:5→4:(現有議席なし)
南区:5→4:(現有議席なし)
守山区:6→5:鎌倉
緑区:8→7:余語、増田

鹿島、大村、鎌倉、余語と幹部が軒並み対象区に居る。

また、緑区は現在2議席獲得しているが、共倒れに終わる可能性もある。
何にせよ、減税日本ゴヤ市議団というのは、衰退傾向にある事は明白で、減らすことはあっても増える事は考えられない、更に、市長が任期途中で国政へ転身すればこの傾向は加速するだろう。
(そもそも、減税日本は「多選禁止」を公約として掲げているはずで、ここで出馬すれば一期生は3期目になる。また、「家業化」も禁止している。自分の議席を息子などに譲る行為も公約違反だ。私はこうした行為を興味深く見つめていくつもりだ(関連事項を後述))

議席として3期目に至る以前に、会派として3期に届かないとは、なんともいさぎいい。

さて、オプションBを追ってみよう。

安倍政権が今年の秋に解散を打った場合、ここで河村市長は国政転身するのか?さすがにそれは考えにくい。大義名分が全くない上に、市長選出されて1年も満たないうちに国政転身するとすれば、批判は免れない。この程度の批判は平気だろうが、やはり、転身理由がなければ市長辞任・衆議院出馬は難しいだろう。

ここからは、ただでさえ判らない衆議院解散の、そのまた次の解散を予測する事になるが、今年の秋に解散が行われれば、その次の解散は2019年の9月以降になるだろう。(安倍政権の総裁任期延長問題とかも絡むけれども割愛)表では2020年3月に文化庁の再不許可が示されているが、この時期はもっと早まるかもしれない、そして次の次の衆議院解散はもう少し後ろにずれ込む可能性もある。そうなると、この2019年から翌2020年3月までの期間に、名古屋城天守閣木造化に対する文化庁の判断を大義名分として河村市長は国政転身を謀る可能性はある。

このオプションBでは、2019年の統一地方選挙に、河村代表は市長として市議改選に当たる事になる。
また「市長を助ける男/女」と選挙戦を行う事になるが、すでに述べたように現在の減税日本ゴヤの市議は、大部分3選を迎えることになる。つまり、建前上ここで出馬するのは今、減税日本の主宰する「河村政治塾」に参加しているような人たちになるのだろうが、私はどんなヒトが飛び出してくるか楽しみで仕方がない。

さて、こうしてタイムテーブルを組んでみると、今更ながら気がつかされる。
こういったタイムテーブルには、名古屋の街づくりという姿が一切ない、名古屋市民の生活向上という視点が欠けている。
現在の市長選挙、河村市長の口から出るのは「天守閣、天守閣、天守閣、市長給与、天守閣」だ。
まさしく「今だけ、金だけ、自分だけ」の視野の固着が感じられる。なんて批判を書くと、反論してくるのだろう、半笑いで。「はっ、バカなこと言っちゃいけませんよ、名古屋城天守閣が木造化されたら、これは決定的ですよ、日本で一つだけですから、いや世界でも一つだけでしょう。木造の本物復元。名古屋市民のプライドですよ。名古屋市民が自慢できるものを作るんですから」
自慢したいのは、自分なんでしょう「わしが名古屋城天守閣を木造化した」ってね。


関連事項:減税日本ゴヤ市議団は、多選禁止を真剣に考えているかという問題。
河村代表自身が、ロサンゼルスの例を出して「市長は2期8年まで」という公約を掲げて、3期目(正式には4期)の選挙に出ているという無茶苦茶さなので、市議団のメンバーが多選禁止、家業化禁止について真剣に考えているなどとは到底信用できない。

減税日本ゴヤからいち早く決別して、いまでは河村市長批判の最右翼に居る舟橋元市議は、元々名東区選出である。家庭の事情で西区の実家に戻らなければならなくなり、それも含めて前回の選挙には出なかった。(西区在住の自分が名東区の市議として立つ事を由としなかった)
しかし、またまた事情が変わって名東区で色々と活動を始めている。
そんな中、減税日本居残り組の浅井康正市議と有る場所で同席する事となった。

挨拶のついでに舟橋元市議が浅井市議に「次は名東区で(市議選に)出ようかな」とからかったところ、浅井市議は。
「舟橋さん、それだけは勘弁してください」と応えたそうだ。

・・・・浅井市議、3期目出るつもりなの?

減税日本ゴヤの市議一期生は数度にわたる公認募集で集められている。
舟橋元市議も浅井市議もこの中で「一次公認組」と呼ばれるグループにいる。
「一次公認組」は公認を受けるにあたって「多選禁止(2期8年を超えて市議選挙に出馬しない)」という約束を書面にしている。(2次公認、3次公認と続くにつれて、こういった手続きは無くなっている。こうした手続きのルーズさも、減税日本クオリティといえる)
この誓約書の存在を舟橋氏はよく承知しているだけに、この浅井市議の発言に驚いて呆れたらしい。