市民のための名古屋市会を! Ver.3.0

一人の名古屋市民が「地域委員会制度」「減税日本」に対する疑問をまとめるサイトです。(since 2011/3/3)

中村孝道市議に見る河村政策の誤り

 本日ある方から「こんなものが郵便受けに入っていた」と中村孝道市議の「コードー力」なるパンフレットを渡された。

 カラー刷り、A3二枚折りの立派なパンフだ。(イメージでは内3ページ分を表示しました。また一枚目の赤い下線(2本)と電話番号等のモザイク化以外は手を加えていません。クリックすると拡大表示されます)


 いくつも「ツッコミどころ」が思いつくのだが、今日は2点だけ指摘しておきたいと思う。

 まず、この1面の下「元スタッフとの賃金未払いトラブルの和解報告」という部分。

 この部分は重大な「論理のすり替え」がある。

 中村孝道市議は元スタッフに支払った人件費、特にその政務調査費で支払われた部分について正しく支払われていなかったとして批判された。結果としてその「不正」を認めて政務調査費を返還している。(減税日本ゴヤからも会派除名されているんでしたよね)

 この「元スタッフとの賃金未払いトラブル」という訴訟/論点は、中村孝道市議が「言い出した事」であって元スタッフも「未払い賃金を払え」とは要求していないし、マスコミ報道等が指摘し批判している「政務調査費の不正請求」とも違う。

 中村孝道市議元事務所職員と和解 - 市長のための市会ではなく、市民のための名古屋市会を! Ver.2.0


 典型的な「論理のすりかえ」である。

 また「付帯条項」云々も、「付帯条項」という形であろうとなかろうと、当時の報道においてもこの元スタッフが「訴状の内容は認められない」と明確に回答している。


 一般の市民が訴訟を構える事は大変な負担だ。
 今回の中村孝道市議の訴訟はそれを見越した「濫訴」であって、「未払い賃金」と批判された「政務調査費の不正請求」とは論点が違う。

 このチラシについては元スタッフもすでに存在を知っていて、中村孝道市議のこの誠意のない態度に怒りは感じておられるようだ。しかし再度訴訟を起こす苦労はしたくないとの事だった。

 もう一度指摘しておく。

 この訴訟は元スタッフ側が提訴したものではない。

 元スタッフに対する未払い賃金が有ろうと無かろうと、政務調査費の不正な請求、受領の事実は揺るがなく、その政務調査費は市に返還されている。つまり、会派としての減税日本ゴヤは中村孝道市議の「政務調査費の不正な請求及び受領」を認めているのであって、この不正が「多くの混乱を招いた」のである。


 恥ずかしくないのか。



 2枚目の「三大公約の今」も論理の破綻が楽しいのですが、今回はスルーしておきます。




 3枚目の「コードー力!政策!」から一点だけ指摘しておきましょう。

 本当は「すべてに」ツッコミが入れられます。
 そもそも「減税政策」を掲げるからには市場原理主義的な、新自由主義的なイデオロギーに立っている筈です。ところが市民病院、最低賃金、敬老パスなどの各施策に高福祉政策を訴える態度は、こうした市場原理や新自由主義とは相いれないものです。つまり、矛盾が直ぐに露呈するのです。現に、この2枚目と3枚目で幾つも矛盾が見つかります。

(ムハハ、今日はそこは指摘しておかないよ、T君、T君だろ?これ書いたの。T君は高福祉政策に舵を切りたいんだね。なら、減税政策を否定しなければ無理だよ)


 今日、問題にしたいのはこの中の「最低賃金を世界水準に引き上げ!」です。
 「世界の最低賃金に比べ日本はかなり低額です。フランスなどでは時給約1400円。イギリスでも約1000円です。企業の負担ではなく、仕組みを変える事で実現します。」ときた。

 結構結構、確かに日本の最低賃金は非常に低いレベルにある。
 (最近、新自由主義の旗手(?)であるユニクロの経営者、柳井氏はこれ以上に下げようと提唱しているようだ。その内、ユニクロの従業員は車だけではなく、ユニクロの服さえ買えなくなるのかもしれない)

 2011-08-08 - シェイブテイル日記


 特に「ひとり親の貧困」は早くちゃんとした対策を取らないと、少子高齢化にも影響を及ぼす「亡国の無策」となる。

 http://blog.shuheikishimoto.jp/archives/54853322.html
 日本の貧困率は最悪~ひとり親世帯で(OECD): エムズの片割れ


 なのでT君*1、着目点は良いと思うんだよ。

 けれど、「仕組みを変える事で実現します。」って何だい?

 こんな説得力のない言葉は無いね。

 具体的な政策が無いのなら、いっそもっと別の書き方もあるけどね*2

 そして、一番の問題はさ、なんなの?中村孝道市議は市議を辞めて、県政に鞍替えでもするの?*3

 何故って?

 最低賃金についてコミットしているのは名古屋市ではなくて愛知県だからね。

 愛知県の最低賃金 - 愛知県
 厚生労働省

 もしも、中村孝道市議が政策として「最低賃金」を変えていこうというのであれば、県政に打って出て「地域別最低賃金」を引き上げるようにしないとね。




 河村市長は市議の多選を批判している。何年も議員をやっている事が腐敗を生むと批判している。しかし、こうやって3年議員をやっても、その政策の担当分野が市なのか県なのか、はたまた国なのか理解していない状態だ。こんな事ばかりで良いのか?

 河村市長はこんな素人ばかりで実りのない(空回りばかりの)政策レベルで良いと思っているのだろうか?*4



追記(6月13日16:45):
なんですかこれは?

減税日本ギフ」元代表、詐欺ほう助罪で起訴
 地域政党減税日本」の地方組織「減税日本ギフ」(既に解散)元代表の岸上あおい被告(49)(東京都港区)が、ダイヤモンド取引を装う詐欺事件で逮捕、起訴されていたことがわかった。
(略)
岸上被告は2011年の岐阜県議選に減税日本公認で立候補し、落選した。岐阜県選挙管理委員会によると、減税日本ギフは13年12月に解散し、最後まで岸上被告が代表を務めた。

(2014年06月13日 11時40分 読売新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/national/20140613-OYT1T50067.html

Power Up GIFU !! 岸上あおいブログ

キャッシュ
https://archive.today/IVhaq

もはや「引きが良い!」という言葉しか浮かばない。



河村市政の裏表

河村市政の裏表

*1:中村孝道市議ではなく

*2:教えないけどね

*3:報酬も市議より県議の方が良いからね

*4:まあ、実は河村市長自身、名古屋市に権限の無い事柄を「市長マニフェスト」と市長選挙に出ているので、T君や中村孝道市議を攻められはしないけどね