市民のための名古屋市会を! Ver.3.0

一人の名古屋市民が「地域委員会制度」「減税日本」に対する疑問をまとめるサイトです。(since 2011/3/3)

中村孝道市議元事務所職員と和解

重要な追記が最後にあります。(1月17日20時)


 名古屋市次期総合計画タウンミーティングに参加しましょう!
 名古屋市:名古屋市次期総合計画タウンミーティング(市政情報)



 本日の中日新聞第二社会面に「勉強会来月立ち上げ 減税と維新、結いの党合意」との記事が掲載されていた。名古屋における減税日本はすでにボロボロの状態だが、子どもじみた喧嘩別れによってできた「結いの党」も先行きは見えていない。維新の会にしても昨年末、所属する代議士から診療報酬の過大請求問題が発覚し、代議士の椅子すら危うくなり維新の会の総支部代表は降りたとしている。
 その他にも東国原氏が東京都知事を目指して代議士の椅子を放り出してしまうは、アントニオ猪木は相も変わらず勝手に北朝鮮に向かうは、石原共同代表も猪瀬元都知事任命責任(というか、そもそも徳洲会と猪瀬氏を繋いだのは自分自身なのではないのか?)も放置したまま、またぞろ無責任にも田母神なるハッキリ言って「デムパ系」一歩手前の人物を勝手に後継知事に担ぎ出している。(あの、アパホテル提供の論文コンテストで選ばれた田母神の「作文」を読めば、「デムパ系」一歩手前という評価ですら遠慮がちだと思える。
 "「日本は侵略国家であったのか」 アパグループ:受賞作品"
 田母神俊雄のトンデモツイート集 - NAVER まとめ )

 結局、維新の会や結いの党といっても、「自民党外れ組」の勘違い集団。
 選挙協同組合に過ぎない。

 そこに減税日本がコミットしても「類は友を呼ぶ」としか思えない。

 そもそも、「第三極」など要らない。

 日本のそれも衆議院が「二大政党制」を想定した小選挙区にしたのであるなら、「有産階級」の利益代表である自民党と、「無産階級」「労働者の党」であるべきカウンターパートナーの二大政党でよい筈だ。(または、別に国民を二分する利益相反があるのであればそれにすれば良い)現に、事実上自民党の補完勢力でしかない(というよりも、もっと悪い)「第三極」は、このカウンターパートナーの力を削ぐ働きしかしていない。

(と、言いたいことは山ほどあるがこれくらいに)

 あ!あと一言だけ。
 田山市議、市域の経済を活性化させる場合「可処分所得の増加」はあまり意味がありません。
 Y  = \frac{1}{(1-c)}( C0 + I + G ) - \frac{c}{(1-c)} T
 可処分所得の増加は貯蓄性向(分母のC)という係数がかかってしまいますから。それよりも政府支出(分母は1)を増大した方が市域経済の活性化に寄与します。それはこの一年ほどの「経済拡大策」の効果を見られれば明白だと思いますがいかがか。
 「正しい経済学」が導く減税の意味(後編) - 市長のための市会ではなく、市民のための名古屋市会を! Ver.2.0


 さて、 本日の話題はその下の記事「中村孝道市議元事務所職員と和解」という記事についてです。中村孝道市議の「政務調査費不正疑惑」とは何か、そしてこの訴訟の意味、和解の意味は何かについてお話しします。さらに、この和解は単なる終息ではありません。次なる問題への第一歩なのですが、それについても広く名古屋市民の皆さんに知っていただきたいとの意向を「ある方」から受けましたのでお知らせいたします。

 昨年の8月に減税日本所属の県議が元スタッフから訴えられた。政務調査費によって賄われていたはずの元スタッフの人件費が払われておらず、件の政務調査費請求は架空請求だったという訴えだった。これを受けてこの県議は即座に県議を辞し、問題となった政務調査費についても全額を県に返済した。
 この県議は元々「減税日本」として活動する事には限界を感じていたようで、夏の参議院選挙でも党とは全く異なる活動をしていた。こういった問題を機に、一旦「清算」した方が良かったのだろう。

 実は以前から、中村孝道市議にも同様の問題は持ち上がっていた。

 元スタッフが給与の未払いを訴えていたのである。給与未払いという事であれば、中村孝道市議と元スタッフの間の民事的な債権債務の問題の様にも思えるが、市議のスタッフに対する人件費はその一定比率が政務調査費、公費で賄われている。その政務調査費請求と実際に支払われていた金額に差が有るとすれば公費の不正受給となる。
 この県議が辞職するのであれば、同じ問題を起こした中村孝道市議にも辞職に値する重い問題だろう。

 県議の辞職を受けて、マスコミはこの問題についても再度、当時減税日本ゴヤの幹事長を務めていた中村孝道市議に疑問をぶつけてみた。しかし明快な回答は得られない。ついに8月12日、数社がこの元スタッフを減税日本ゴヤの控室に呼んで、中村孝道市議と直接対峙してもらう事となった。

 この場で中村孝道市議は政務調査費として市に請求した金額と、元スタッフに支払った金額に差がある事を認め「元スタッフか名古屋市に返還します」と明言した。*1

 この中村孝道市議本人の発言を受けて、マスコミ各社は「中村孝道幹事長にも水増し請求」という記事を配信する。
 http://www.47news.jp/CN/201308/CN2013081201001622.html


 県議の問題を迅速に収めた減税日本の党幹事長である広沢県議が即座に中村孝道市議と話し合い、中村孝道市議も辞職の方向で話がまとまり、夕方に記者会見となった。

 この夕方の記者会見で中村孝道市議は前言を翻し、不正を否定。迷走劇がはじまる。

 これが起きた平成25年の8月12日は月曜日であったが、河村代表は外遊中だった。
 外遊先でコメントを求められた河村代表は「税金をごまかすような人は議員をやったらいかん」と語り、両氏を擁立した責任については「僕は(選考には)入っていませんでしたけどね」と人選に関与していなかったことを強調したと報じられている。全くご立派な態度。

 8月14日には中村孝道市議の事務所にリコール署名簿のコピーや受任者受付ハガキが存在していたことも発覚。それまで減税日本の市議県議はこれらを所持、管理していないとしていた減税日本の説明と実態が異なる事が判明する。(今日の文章では昨日の和解に焦点を絞るために、リコール署名簿については割愛する)

 週末に日本に帰国した河村代表は、空港でのぶら下がり会見で「(週明けの)19日に無実を示す具体的な対応が見られない場合、処分」と言明。土日に河村事務所に関係者を集めて協議を行う。特に18日の日曜日には夕方から中村孝道市議本人を呼び、話し合いを持った。

 この席では広沢党幹事長をはじめとする数人が辞職を求めるのに対して、河村代表は釈明を聞くにとどまった。中村孝道市議は釈明として「裁判で身の潔白を証明する」と述べたようである。そしてこの話し合いの結果、21日までに中村孝道市議は身の潔白を証明する裁判を提訴する、それができなければ議員を辞職するという事になったようだ。

 そして8月21日(午後7時)中村孝道市議は弁護士を伴って記者会見を開く。
 趣旨は3点
1)元スタッフがリコール署名簿を事務所より窃盗したとして20日愛知県南警察署に窃盗罪での告訴を行った。(後に、元スタッフが減税日本に署名簿等を引き渡し、訴えは取り下げ)
2)元スタッフが主張する未払い賃金については認められないため、債務不存在の確認を求め民事提訴した。提出先は名古屋地方裁判所
3)減税日本から勧告された議員辞職は不当であり辞職しない。


 本日「和解」となった訴訟はこの(2)である。

 ところでこの中村孝道市議と元スタッフの間で行われている債権債務の問題、または人件費の未払い、政務調査費の不正請求の問題とは何か。これらについて具体的に何が問題であるのかを整理したのが当ブログの次の記事である。
 気さくな和尚55才 中村孝道の主張「税金の無駄使いをやめさせます - 市長のための市会ではなく、市民のための名古屋市会を! Ver.2.0

 中村孝道市議と元スタッフの間で事態が公になる前に話し合いや文書の取り交わしが行われていたようで、その経緯も整理してある。(それどころか、平成23年の12月には減税日本自体が問題を認識していたらしい事まで推量される)

 元スタッフは月給25万円の約束で中村孝道事務所のスタッフとして働き始めた。ところが中村孝道市議は資金が乏しく、給料は支払われなかった。そこで25万円の給料が支払われた事にして元スタッフに領収書を発行してもらい、この領収書を利用して政務調査費を請求し、政務調査費によって賄われる部分(7割、175,000円)を元スタッフに渡した。元スタッフはこの差額は後に清算してもらえるもの、「未払い」と認識していた。
 しかし、中村孝道市議の認識では、その後「千葉分」であるとか「立て替え額」という支払いを元スタッフに行ったのであって、「未払い」は無くなっているというのである。
元スタッフの証言によれば、これらの支払いは例えば陸前高田の被災地に仏壇を送るという中村孝道市議の活動の為の経費の、それも立て替え代金を支払ってもらったものであって、人件費の未払いをもらったはいえないとの事である。

 ところで、元スタッフとしてはなぜ今回の事を公表したのか。それは未払い賃金を支払って貰おうというものではなく、自分が発行した領収書によって、事実上政務調査費の不正請求が行われている現状を鑑み、是正してほしいと思ったからだ。

 中村孝道市議が「債務不存在の訴訟」を起こした理由は、この訴訟を起こさなければ不正を認めることになるという理由で、では、債務不存在の証明ができるのかといえば、それは出来そうもない。提訴後中村孝道市議が公表した「弁明書」
 怪文書「弁明書」 - 市長のための市会ではなく、市民のための名古屋市会を! Ver.2.0
や、それを「公正証書」に仕立てたもの。
 怪公正証書「弁明書」() - 市長のための市会ではなく、市民のための名古屋市会を! Ver.2.0
これらを見ても、元スタッフの証言を否定しえる根拠はない。

 結果としてこの中村孝道市議の提訴自体が成り立っていない。
 元スタッフとしても請求もしていない債権について、その不存在を扱う裁判に時間を取られるいわれはない。(一般人にとって裁判で事実関係をハッキリさせるよりも、裁判に時間を取られること自体が経済的、精神的な負担となる。様々な争いで「裁判になったら、それだけで負け」といわれる所以だ。逆にこれを逆手にとって時間的余裕のある者、経済的余裕のある者は裁判を持ち出す。それは事の黒白をハッキリさせるという事ではなく、経済的な力によって事実を曲げようとしているように見える。日本の司法制度はこのような観点から、事実上機能していない)

 元スタッフとしてみれば、自分の発行した領収書によって支出された政務調査費については減税日本ゴヤの立て替えによって市に返還されている。(中村孝道市議の支払いではないらしい)とするならば、すでに自らの目的を果たしたことになる。

 以上を踏まえ、昨日両者は「和解」した。

 しかし、元スタッフとしては「預かったリコール署名簿を窃盗したと警察に届け出た事や、公正証書にまで仕立てた弁明書に実名を記載して事実と異なる事を書かれた」ことなどを受けて、中村孝道市議に事実の経緯と訂正を含めた記者会見を中村孝道市議の弁護士に求め、弁護士からはこれらの条件を考慮するという回答を得ている。これらについて元スタッフの名誉回復が中村孝道市議からなされない場合は「和解」はご破算だろう。
(元スタッフは本人が対応している。中村孝道市議は弁護士を雇っている。訴訟が長引けば、経済的な負担を負うのは中村孝道市議の方である。濫訴による自業自得といえる)

 更に、元スタッフがこの「公正証書」の件を弁護士に伝えるとこの件は承知していないとの事であった。

 この「公正証書」は中村孝道市議が弁護士と協議して作成したものではない。それどころか「公正証書」を作成し、さらに名古屋市会各会派、報道各社に公表した事も中村孝道市議は弁護士に報告していないようだ。

 この「公正証書」には次のような記載もある。

「元スタッフが不透明な経費請求を始め、極め付けは被災地へ行った際の不透明な*2高額の使途不明金を指摘した。」

 あたかも元スタッフの側に不正があったかのような記述である。更にこの箇所では「元スタッフ」となっているが、別の個所では実名で記述されており、実名を公表してのこのような悪意ある誹謗を名古屋市会各会派、並びに報道各社に配布した事実は十分名誉棄損に当たると思われる。さらにこれらの記載が事実と異なっているようならば、公正証書原本不実記載という事にもなる。これなら刑法違反で5年以下の懲役または50万円以下の罰金であり、元スタッフが不実である証拠を提示して提訴すれば、刑法犯なのだから元スタッフは手間要らずで不正の追求ができる。
(元スタッフにとっては「不実である証拠」を揃える手間はかかるが)


 元々「債権債務の不存在訴訟」というものは、債権を持った者がそれを取り返す訴えを起こし、それに対して債務を負っていると訴えられた側がその債権債務関係の不存在を確認するための訴訟であって、今回の場合は元スタッフに債権を取り立てようという意図はない。更に、中村孝道市議の側には「債務不存在を証明する証拠」なるものは存在しない。
 つまり、元スタッフには債権を証明する意図はなく、中村孝道市議には債務を否定するに足る十分な証拠がない。提訴自体が成り立っていないのだ。

 あのタイミング(昨年の8月21日前後)で、減税日本からは中村孝道市議は元スタッフの訴えが事実無根であるなら、元スタッフを名誉棄損で訴えるべきだという意見も出たようだ。しかし、今となっては中村孝道市議を幹事長から下ろし、当該の政務調査費についても市に返還している。(それでいて、控室は別室に移されているが、会派からは外されていない、党としての処分も一切下っていない)

 この元スタッフに係わる人件費の処理、政務調査費の請求、更にリコール署名簿の所持に関しては「真っ黒」であるにも関わらず、減税日本としては何も対応をしていないに等しい。

 自分たちの党の内部問題ですらまともに処理できないような人たちが、名古屋市の市政だの愛知県政だの、更にはなんですか「日本のあたらしいかたち研究会」?

 バカを言うのもほどほどにしてただきたい。



重要な追記(1月17日20時):
 本日(17日)減税日本ゴヤの控室において、減税日本ゴヤが団会議を開いているところに中村孝道市議が現れ。
「裁判で和解が成立した、身の潔白が証明されたので団に戻してほしい」と述べたそうだ。

 元スタッフは和解の条件として、「和解したとしても訴訟で求められた内容を認めたわけではない。中村孝道市議が潔白である、訴えが認められたなどという発言はしない事」としていたようだ。

 次の報道でもその一端が垣間見える。

政務調査費不正受給疑惑:名古屋市議とスタッフの訴訟和解

 地域政党減税日本」の中村孝道(こうどう)名古屋市議の政務調査費を巡る不正受給疑惑で、中村市議が自らの不正を証言した元事務所スタッフの男性を相手取り、未払い賃金がないことの確認を求めた民事訴訟は16日、名古屋簡裁で和解が成立した。

 元スタッフと中村市議の弁護士が明らかにした。元スタッフは、減税日本名古屋市議団が昨年10月、中村市議の不正受給分として約111万円を市に返還したことを指摘し、「現時点で外形的に債務(未払い賃金)がないことから和解に応じた。訴訟で求められた内容を認めたわけではない」と説明した。一方、中村市議の弁護士は「和解に至った経緯や理由についてはノーコメント」と話した。

 中村市議は昨年8月に提訴した際、疑惑について訴訟で潔白を示す考えを示していた。(【井上直樹毎日新聞 2014年01月17日 07時30分)

http://sp.mainichi.jp/select/news/20140117k0000m040186000c.html

 中村孝道市議側の弁護士が「ノーコメント」を貫いた理由はこの元スタッフとの約束を守って「和解」を成立させたかったからに他ならない。

 そういった経緯を理解して中村孝道市議が団会議の席上「身の潔白が証明された」と述べたのだとすれば重大な信義違反である。

 もし、この条件が理解できていないのであるとすれば、市議どころか社会人として失格だろう。


*1:後に、この言葉は「もしこの疑惑が事実ならば」という条件付きの発言だと言い逃れた。

*2:ママ