市民のための名古屋市会を! Ver.3.0

一人の名古屋市民が「地域委員会制度」「減税日本」に対する疑問をまとめるサイトです。(since 2011/3/3)

11月定例会 丹羽市議の質問資料

 いくつか追記があります。

 名古屋市会11月定例会の最終日、28日に自民党の丹羽議員が登壇し、河村市政に対して様々な問題を投げかけた。
 名古屋市会本会議中継 (リンクを開くと同時に動画が再生されます。音が出ます)

 この質問の中で黒川市議の政務調査費の問題が取り上げられ、実際に黒川市議と大家さんの間に入って家賃未納について交渉した人から事情を聴かれたらしい。河村市長からこの関係者へかけられた電話の会話も示され、非常に生々しいものとなっている。

 この質問の中で丹羽議員は「これらの資料は必要があればマスコミの皆さんにも提供します」とおっしゃっていたので、マスコミではないが当ブログも「見せてください」と要請したところ見せていただくことができ、「掲載してもいいですか」と確認したところ了承を得たのでここに示します。もちろん、個人情報などについてはモザイク処理をかけてあります。

 ことの経緯について10月4日の黒川市議自身のマスコミ向け資料を参照して振り返っておきましょう。*1

「事務所家賃の件」
・該当期間は平成23年9月分、平成24年7月分までの11か月分家賃。
・毎回現金にて大家さんに振込をしていたが、振込用紙を紛失し、先方に領収書発行を依頼すべく電話したがつながらず、政調費処理の締切が迫っていたために、自分で領収書を作成して提出しまった。*2
・金額は額面37000円×按分率70%=政調費受給額25900円×11か月=284,900円
・昨日、大家さんに正しい領収書を発行して頂いた。
・不正利得はなかったものの、けじめとして当該期間の家賃全額284,900円を市に返還します。

 となっています。

 今回、丹羽市議より預かった資料はこの間のものとは若干異なり、当該不動産(事務所)について、黒川市議が家賃未納に至って、退去、清算するまでのやり取りについての資料となっています。


未納家賃の通告書








非常に生々しい手書きのFAX






















そして「退室確認・精算表」
(追記:初期掲載時、次の資料が掲載漏れしており、説明が入れ違いになりました)



















 これは仲介業者の管理表のようです。本人や保証人の氏名、住所などが記載されています。注目して頂きたいのは「勤務先」で「河村事務所」となっています。関わりの深さを感じさせるではありませんか。















 さて、ここまでお示しした資料の中でおかしなところはありませんでしたか?

 黒川市議の「経緯説明」では家賃領収書の不適切措置期間は「平成23年9月分、平成24年7月分まで」となっていました。しかし上記「通知書」では滞納期間が「平成24年7月分から」となっています。

 つまり、平成24年7月分の家賃について、政務調査費で請求していたにも関わらず、実際の家賃は支払われておらず、滞納していたことになっています。



未納家賃の通告書明細




















 平成24年7月分の家賃について、「振込をしていたが、振込用紙を紛失し(略)政調費処理の締切が迫っていたために、自分で領収書を作成して提出しまった」という説明は成立しないことになる。

 河村市長は10月15日の市長定例会見でこう述べている。

 電話しましたのでね。私、大家さんに。内容については、「そのとおりに、お金は頂いております」ということを言っておりましたが。

名古屋市:平成25年10月15日 市長定例記者会見(市長の部屋)

 こんな発言もある。

 いやいや、それはあんたらの、それはどつぼにはまるで簡単に答えませんが。対応についても含んどるのかどうかについては、「お金の結論さえ、帳尻が合っとればいいのかどうか」ということが言いたいんだろうと思いますけれど、そういうことについては、ちょっとまあ。

名古屋市:平成25年10月15日 市長定例記者会見(市長の部屋)

 河村市長は直接大家さんや関係者に電話をしていたという事だ。
 そして何を話したのだろうか?(事実関係の確認や調査ということではなく、「穏便に済ませてくれ」とある意味「隠ぺい」を依頼したのではないかと勘繰りたくなる)

 「どつぼにはまる」であるとか「 そういうことについては、ちょっとまあ」など歯切れが悪い発言は、歯切れが悪いというよりも、すでに違法性を認識していての態度ではないのだろうか。

 名古屋市:平成25年10月15日 市長定例記者会見(市長の部屋)

 以前にも書いたように、私は黒川市議には同情的だ。
 彼は元々アナウンサーであって政治に関しては全くの素人だ。

 よくわからないまま立候補して、よくわからないまま報酬半減、年800万円に賛成してしまった。しかし、報酬800万円では名古屋市の市会議員は務まらない。

 結局、このように開設した事務所を維持することもできないようになり、家賃未納という事になる。

 なんでも富口君や山田君は厳しいことを言っているようだ。
 しかし、その富口君や山田君は事務所を開設していない。

 まだ、事務所を開設しようとして地元市民との交流を図ろうとした黒川市議の方が立派だ。(そういえば富口君は公約の月例市政報告会は、いったいいつになったら開催するのか)

 市議報酬が半額800万円で充分等というのは妄想にすぎない。

 黒川市議はその河村市長の「嘘」に踊らされた被害者だ。

 追記(重要なこと):丹羽市議の本会議質問によると、平成24年7月の未払い分。つまり、その後の説明での誤りについて、黒川市議本人は認めているそうだ。

 直接大家に電話までかけて「調査」したという河村市長はいったい何を「調査」したのか。
 それとも、その市長の発言自体「嘘」ではないのか。
 私は河村市長の発言に対して信憑性を持つに足ると思えない。名古屋市長の発言に信憑性がないなどとは何という事だろうか。

 この春、河村氏に「市長」としての投票をした市民44万有余の方々に問いたい。
 この一連の事実を見ても、まだあなたは河村氏を市長として信任できますか?
 その投票行動は正しかったと言えますか?

 そしてその河村市長は結局、自身の責任も取らないまま、言を左右に逃げ回る。

 この10月15日の定例会見など、論点をぼかし、ずらし、逃げ回ってばかりいる。市民に対する「説明責任」という言葉は、何を意味するのか判ってなどいないのだろう。


 さて、その減税日本ゴヤでまたまた トンデモ系 の動きが発生した模様だ。

 ところで減税日本のHPは非常に楽しい。
 減税日本ナゴヤ平成25年度の人事が決まりました。 | 投稿 | 減税日本ナゴヤ市議団

 これを見ると幹事長は中村孝道市議のままだ。

 また、
 役員の変更について | 減税日本

 これを見ると11月15日に党としての副幹事長は中村孝道市議から鈴木市議に移っていることが判る。

 この夏に中村孝道市議の問題が噴出して市議会の幹事長を中村孝道市議から鈴木市議に移したはずだ。

 どうも、その鈴木市議が幹事長を降りる/降ろされたらしい。

 今回の「受任者名簿を選挙利用しないことを求める決議書」の採択、さらにそれにかかわる湯川市議への問責決議。この流れの中で会派内で鈴木幹事長の責任が追及されたらしい。(また、この決議に対して退席した減税日本ゴヤの市議2名というのは、鈴木幹事長と当時副議長だった田山市議だそうだ、湯川市議は自身で発議した決議書に反対表明していることになる)

 この件では市会は当たり前の事を言っているに過ぎない(だから自民党から共産党まで決議に賛成し、湯川市議に問責しているのだ)
 鈴木市議は幹事長として、市会の理事として当たり前の行動している。

 ところが減税日本ゴヤという会派ではそれが責められるのだろう。

 湯川市議の問責決議に反対討論をした富口君は次のように述べている。

 湯川議員が発議者として署名をすると鈴木幹事長が理事会に報告したのは、手続き上、署名をしなければならないのであれば止むを得ないという意味でした。しかしながら、必ずしも署名をしなければならないわけではなかったので、自らの政治信条に基づき、発議者としての署名を拒否したものです。けして虚偽の報告をしたものでも、意向を翻したものでもありません。

 つい昨日、土木交通委員会において「相生山問題」についての住民からの請願審査で減税日本ゴヤ松山市議は「住民投票に拘らないといったのは、制度上の住民投票という事です」と「後付の前提条件」を持ち出してきた。ここで富口君も「手続き上、署名をしなければならないのであれば止むを得ない」という「後付の前提条件」を持ち出している。

 この「後付の前提条件」で思い出すのは橋下大阪市長の著書「図説・心理戦で絶対に負けない交渉術」だ。この中で橋下氏はこう述べているそうだ。

 具体的には自分の言ったことに前提条件を無理やり付けるのである。(中略)前提条件は、相手がその時点で満たしていないもの、満たしようがないものをわざとつくる。いわば仮装の条件である。満たされないような条件をわざと付け、今、満たされていないのだから、一応オーケーしたことでもこちらは約束を果たせないという論法で逃げる。(中略)
 前提条件を無理やりつくるという他に、オーケーした意味内容を狭めるという方法もある。
橋下徹著「図説・心理戦で絶対に負けない交渉術」第2章「相手を言いくるめる詭弁の極意」)

 実際に橋下氏の問題、発言を追っていくとこの「後付の前提条件」が頻繁に出てくることに気が付く。

 交渉において非常に重要なのが、こちらが一度はオーケーした内容を、ノーとひっくり返していく過程ではないだろうか。まさに、詭弁を弄してでも黒いものを白いと言わせる技術である。"ずるいやり方"とお思いになるかもしれないが、実際の交渉現場ではかなりの威力を発揮するのだ。
橋下徹著「図説・心理戦で絶対に負けない交渉術」第2章「相手を言いくるめる詭弁の極意」)


 橋下氏は「ずるいやり方」と自覚をしている。減税日本の論法、河村市長の論法に同様のものは散見されるのだが、彼らは自覚しているのだろうか。

 この「後付の前提条件」を付ける人は、必ず「言った言わない」論に発展する。
 周囲の様々な人と「言った言わない」の問題が起こるのだ。

 非常に無責任で面倒くさく、付き合いたくない人々だ。

 こんな環境で幹事長を務めれば、まともな人間なら辞める/辞めさせられる事になる方が自然だ。

 さて、このように辞職が噂される減税日本ゴヤの鈴木幹事長だが、この後任が凄い!

 この情報については確認が取れ次第ご報告させていただく。

 現在、手元に届いている情報のまま幹事長が変わるとしたら、減税日本ゴヤは正気とは思えない。


追記:これも記載漏れだった。

丹羽市議の質問の中に次のような発言があった。

 河村市長が、庶民の中から選びに選び抜いた28名の減税日本の議員による不祥事を見ると、「庶民革命」と銘打った事に市民からは「庶民を名乗るとは失礼千万」との声もいただいております。また「ポルシェで当て逃げをしたにもかかわらず、なぜ辞職させないんだ!」と市民から苦情も頂いております。

 この発言に対して河合市議から「私は『当て逃げ』はしておりません、発言の撤回を求めます」との意見が出された。

 結果、丹羽市議自身の発言ではなく、そう丹羽市議に伝えた市民が居るという事実を述べたことであると、質問自体はそのままとなった。河合市議の異議部分は割愛されたようだ。

 この件に関しては私は河合市議に同情的だ。

 私の調査では確かに河合市議は意図的に「当て逃げ」をしたとは思えない。逆に「当て逃げ」という表現は人口に膾炙しやすい表現で出来事を大げさに扱ったのではないかというきらいもある。

 ちょっと話は飛ぶが本日の「リーガル・ハイ2」*3というドラマは興味深い話だった。
 堺は弁護士で殺人罪に問われている女性を弁護している。世間ではこの女性を「毒婦」と決め、裁判所では彼女の死刑を求めるデモ隊まで出ている。
 社会の風潮、「民意」に反して、堺雅人扮する弁護士古美門研介は女性の弁護を行う。

 「圧倒的な民意」に阿るのは簡単だ。(市場原理主義*4はこの圧倒的な民意に阿る姿だ)
 しかし、この社会にはその時々の移ろいやすい「民意」などには揺るがすことができない真実があるはずだ。「疑わしきは罰せず。疑わしきは被告人の利益に」という法の大前提を覆してはならない。

 今でも覚えている。2011年6月20日。河村市政を自分なりにつぶさに検証し、そのあまりの無茶苦茶さに匿名批判を捨てて実名で、実社会でも活動を始めた頃を。

6.20 ActAgainstKawamura! 河村たかし名古屋市長の暴走を止める - 市長のための市会ではなく、市民のための名古屋市会を! Ver.2.0

 あの頃は様々な知り合い、友人に声をかけても理解してもらえなかった。

 衆議院議員を長年務めて、「圧倒的な民意」で市長を務めている人が言う「減税論」に根拠がないわけないでしょう。市長が「正しい経済理論」と言うのなら、誰かの理論なんでしょう?(その後、誰の理論でもないこと、河村市長独自の論理(?)理屈であることが判ったが)と言われた。

 地域委員会制度についても、河村市長が一所懸命広めてくれるのなら、良い制度になるのでしょう。などとも言われた。
 その河村市長の口から、このところ「地域委員会」という言葉をついぞ聞かない。

 リコールを受けた市議、議会も、「民主主義の破壊」などと批判を浴びせられた選挙管理委員会も、「民意」と呼ばれる圧倒的な圧力に、それでも抗して、移ろいやすい世間には、揺るがすことができない真実を守ろうとしてきた筈だ。

 ここで河合市議を「ポルシェで当て逃げ」呼ばわりする事は簡単だ。しかし、真実はそこにない。そうであるならば、彼の弁明にも耳を傾けるべきではないか。私はそう思う。

 ・・・と、実はそういった弁明を彼自身がすべきではないかと私は思っているのですけどね。


*1:追記:「マスコミ向け資料」ですが、その後同様のものが市会理事会に提出されている。理事会に提出されているものは行政文書で公文書なので公開対象となる、これはそれを参照している

*2:ママ

*3:話題作、「半沢直樹」で主役を務めた堺雅人の主演作で、今期の視聴率も良いようだ

*4:新自由主義者市場原理主義者の誤りはここだ。企業はその場その場の売り上げや企業価値の向上を考えればいい。販売とは長期的な視野に立つよりも、単年度、単月、単日の利益確保、売り上げ確保、市場における支持確保が必要となる。例えばユニクロの柳井氏、ワタミの渡辺氏の発言には短期的利益追求重視の姿勢がうかがえる。企業として、特に市場において競争にさらされている企業運営者としては正しい姿かもしれない。しかし、社会の設計者としてはふさわしいとは思えない。社会は中期的スパン、長期的スパンで社会の在り方、国家の姿が描けなければならないからだ。