市民のための名古屋市会を! Ver.3.0

一人の名古屋市民が「地域委員会制度」「減税日本」に対する疑問をまとめるサイトです。(since 2011/3/3)

減税日本ナゴヤが立証する河村政策の誤り


 名古屋市には現在、河村市長の創設した減税日本に所属する市会議員が17名存在する。

 現在の名古屋市会は、リコール署名によって解散させられ、出直し選挙によって構成された議員で構成されている。その際、減税日本所属市議として選挙を勝ち上がってきた者は28名だったのだが、様々な紆余曲折を経て17名となっている。

 ・・・・というよりも、まだ判らない者が17名といべきか。

 実際には判っていても動けない者もいるのだろう。
 しかし、判っていて動かないというのは、市民に対する背信ともいえる。

 心では判っていながら、選挙戦では心にも無い応援をするのだろうか。

 仕事といえば仕方も無いのだろうが、「減税日本」としての政治的主張のその先に明るいビジョンも無く、ただ口先だけで語る政治の理想はどのようなものなのだろうか。

 そんな砂を噛むような言葉なら、自分の信念に正直に生きたほうが余程良い。


 正直に言いましょう。
 減税日本ゴヤに所属する市会議員に、市会議員が務まるヒトは残っていません。

 これは別に彼らに対する侮蔑ではない、私は彼らの人格までは否定しない。(何人かは、それすら疑わしい人はいるが)

 他の仕事に就けば人一倍の能力を発揮するだろうヒトもいるのだろうし、家庭では良い配偶者、親であろう事も疑わない。

 しかし、政治、特に地方行政における政治についてはまったくお分かりになっていない。

 そもそも河村市長の言動を間近に見て、二年以上も疑問を感じないという感覚が市議失格といえる。

 簡単な事例を二つ挙げましょう。

 6月24日に公明党田辺市議が個人質問を行った。その様子はインターネット録画で見ることができる。30分弱の質問だが、御用とお急ぎの方は23分経過時から見られると良い。
 名古屋市会本会議中継

 質問の趣旨は、北朝鮮が日本に向けてミサイルを発射すると発表した今年の4月のことだ。この発表を受けて日本全土に緊張感が走った。4月10日には総務省消防庁から各都道府県知事に対して、Jアラートやエムネットによる住民への情報伝達体制の確認を要請する文書が出された。
 http://sp.mainichi.jp/m/news.html?cid=20130410k0000e010153000c&inb=mo
 (参照:http://www.med.nihon-u.ac.jp/up_pdf/20130410182147.pdf


 ところが河村市長は、10日、11日、そして12日も午後まで登庁しなかったのである。何をしていたか。自身の市長選挙をしていたのである。

 この指摘事項も破廉恥なものだ。
 そもそも3.11の際にも、事もあろうに大村知事と同じ新幹線に乗って対応が遅れた。その後、防災の責任者としての当事者意識が欠如している事例には事欠かない。
 (津波避難指示が出ているときに防波堤に上って海を見物したり、名古屋市内に出水被害が出ているときに「帰っていいか?」と帰ろうとしたり)

 そして、これだ。
 自らの選挙戦を、市民の安心安全よりも優先させる行為だ。

 この動画を見ていただくと、減税日本ゴヤの園田団長が「議事進行」をかけていることが判る。しかし、動画はここで不自然に飛んで田辺市議の反論で終了しています。

 園田団長は何を「議事進行」したのか。

 動画では良く聞き取れないかもしれませんが、田辺市議の質問中、河村市長が不規則発言を続けていました。つまり、この自身の破廉恥な行動を恥じることも反省することも無く、それを指摘している田辺市議に、根拠も無い野次を飛ばし続けていたのです。

 その野次は減税日本ゴヤの園田団長にも向けられ「おい、園田!お前黙っとっていかんがや、事実と違うこと言われとるんだで、動議ださなかんだろう!」と市長席から指示を飛ばしていました。

 それを受けて園田団長はおっとり刀で手を上げて「先ほどの田辺議員の質問には事実誤認がございますので訂正を願います」と動議をかけたということになる。

 それを受けて田辺市議は「事実誤認はないものと確信している」と反論し、議長を務めるばばのりこ議員は「理事会で精査する」と回答した。

 その結果、今日、この動画を見ると園田団長の発言の方が削除されている。

 この結論だけで十分お分かりいただけるだろうが、理事会のやり取りが漏れ伝わってきました。
 そもそも園田団長が指摘した「事実誤認」というのは、田辺市議の質問のどこかと、減税日本ゴヤの中村幹事長に確認したそうです。
 そうしたところ中村幹事長は「(田辺議員が)市長は何もやらなかった。市長失格だ。と言った。それは事実と違う」と回答したそうです。
 議事録を見直してみても、田辺市議は「何もやらなかった」とか「市長失格」などとは言っていない。

 結局、減税日本ゴヤからは田辺市議の質問に含まれているという「事実誤認」は指摘されなかった。逆に公明党の理事が反発し、園田団長の発言の撤回を求めた。

 指摘事実が無い議事進行を放置するわけにいかないので、共産党の理事まで園田発言の削除を求める事態となり、結果として発言撤回、議事録削除、動画も編集ということと相成りました。

 そもそも、市当局の姿勢を追及する市本会議の議事に、その市の責任者である市長が関与して、結果として事実無根を言い立てて議事進行を妨げたのですから、それこそが問題であろうと思う次第です。

 次の事例。

 ここの所クローズアップされている「不正採用口利き疑惑」ですが、減税日本ゴヤから百条委員会の設置について要請があったという報道がありました。

 その要請書を探しましたが減税日本ゴヤのホームページなどにはありません。
 どうも一人の議員が facebook に掲載しているとの事ですが、そのページは特定のヒトしか見ることができない仕様となっていて私は見れません。

 減税日本ゴヤは、今に至るも情報公開をする気が無いようです。

 さて、あちこちに当たって当該文書を手に入れることができました。

 それがこのイメージです。

 そもそも文章の内容に関して論評するとしたら、一言で終了です。

 「百条委員会というのは行政の問題を解明するための権限です。市はすべての事実関係を精査して処分を下したとしているのだから、これ以上の事実が百条委員会で出るのですか?
 出るのだとしたら、今の処分は事実を見落としたまま下されたということなのですか?」

 文書にも6月18日に処分が下されたとしており、この要請が27日付で出されているのだから、こんな無茶な話は無いだろう。

 同様に百条委員会設置を求める共産党は、処分の結論が出たこの6月には設置要請を見送っている。ちなみに共産党の申し入れ書は山口市議のブログにリンクがある。
 市嘱託職員不正採用事件で新たな展開 自民党市議の口利き?: みなとの山口です

 しかし、こうやってオリジナルの文書を見てみると、減税日本ゴヤの問題はそんなレベルではないことがわかる。

 次の一節。

 「議会として二度とこのような事態が起こらないよう全力で真相究明を行い、このような不祥事件が二度と起こらないように真に有効な再発防止策を講じる義務がある」

 中学生の作文でもこのような表現をすれば指摘されますでしょうね。

 「このような事態が起こらないよう議会として全力で真相究明を行い、真に有効な再発防止策を講じる義務がある」で良いんでしょうからね。*1

 そしてその直後。
 「地方自治法第百条に基づく調査委員会の設置し、」は日本語として文意が通じていません。もちろん「地方自治法第百条に基づく調査委員会を設置し、」が正しい。

 つまり、義務教育修了レベルの文章能力さえないのであれば、条例を作成することもできないでしょうし、様々な問題に誤解をするのも頷ける。河村たかし氏を市長として認められるというのも、その事実認識能力の低さの故なんでしょうか。

 そもそも地方政治というものは狭い地域で様々な意見や価値観、利害関係をもった人々が集まる場だ。その狭い範囲で政治闘争を行わなければならないのだから、厳しい言葉も飛びかねないし、それ以上に礼節が大切でしょう。
 他人を排除していて地域行政は成り立たないし、意見や価値観が異なる人たちとも共棲できなければ地方政治はできない。

 それには他者(意見や価値観を異とする他者)に対する尊重が何よりも大切です。

 こういった文章の誤りは、そういったそのような他者への尊重の欠如を表します。

 文章的に誤っても「許してくれ」と甘えるのでしょうか?
 そうではなく、意を汲み、心を尽くして文章は書かれるべきではないでしょうか。

 そういった誠意がこの文章からは伺えません。

 ようするに、この志のレベルで低い。



 ここでも河村政策の誤りが判る。

 河村市長は市長給与や議員給与を「引き下げる」主張ばかりしていますが、名古屋市会についていうと、年収八百万円では手を上げるヒトはそうそう居ない。
 市会議員の報酬を市民並みに「下げ」れば、市民がこぞって市議会に参画すると河村市長は言っていましたが、これが無茶苦茶なとこはすぐに判るでしょう。

 市議報酬を「上げ」れば、参入者も増えるでしょうが、「下げ」て参入者が増えるわけが無い。実際に今年行われた市議補選においても、南区においては減税日本から候補者を擁立することができなかった。

 今も市長報酬を下げるという「安売り」を主張しているが、これでは市長をやろうというヒトが出なくなる。

 八百万円という市長給与で、名古屋という政令指定都市の市長を勤められるヒトは少ない。幅広く有為な人材に名古屋の市政を託すためにも、市長報酬は「世間並み」レベルは維持すべきだ。口さがない人々は、河村市長は自身の市長という座を守りたいがために、制度的に根拠の無い、低い市長給与を条例で定め、自身の座を脅かす競争者を排除しようとしているのではないかというヒトも居る。

 河村市長はそうやって参入してくる人々が怖いのだろうか?

 アンフェアな行為だ。

 次の市議改選である残り2年以内に、市議報酬を適正なレベルに戻さないと、名古屋市会はママゴトのレベルで終始してしまう。
 名古屋市の市政を健全にするためには、市議報酬を「下げる」のではなく「上げる」必要がある。そしてこの河村政策の誤りは、現在の減税日本ゴヤの体たらくをみれば立証されている。

 最後に、この減税日本ゴヤの園田団長の行状を伝えてくれたヒトが、次のような画像を送ってくれました。

 これは件の田辺市議とのやり取りとは別の日のようです。
 また、市会本会議場で断りもなく写真を撮影することは許されていない筈ですから、どういったルートで出てきたものかは知りません。

 安らかな寝顔のようです。


*1:文意についても問題はあるが、今はそこには触れない。