市民のための名古屋市会を! Ver.3.0

一人の名古屋市民が「地域委員会制度」「減税日本」に対する疑問をまとめるサイトです。(since 2011/3/3)

河村たかし氏の情報発信力


 河村たかし名古屋市長の任期満了を控えて、河村市長の評価を様々なメディアが掲載している。その中で「とにかく河村市長の情報発信力は強力だ」という意見が気になった。

 河村市長の情発信力が強力である理由を本日の中日新聞の記事を参考に解説する。


 本日(4月2日)の中日新聞には「論戦 見極めるマル八市長選」の第三回として「市長になったら」と、候補三人に主な豊富を聞いている。この記事の最後で原発政策に対する意見を求められたのに対して河村氏は次のように発言している。

「私は脱原発です。原発は正直言って無理。この地震国では。福井県原発で何かあったら、名古屋の人は水道水が飲めんようになる。全員退去ですよ」と答えている。


 この河村市長は福井県内の原発浜岡原発などでの事故の際の被害想定、つまりハザードマップを求めて騒ぎ続けていた。(参照: やめるってよ - 市長のための市会ではなく、市民のための名古屋市会を! Ver.2.0  )(そもそも滋賀県のように名古屋市でも独自にハザードマップを作ろうと思えばさっさと作れた。この騒ぎは口先で騒ぐだけで、何もしたくない怠惰な河村市長の言い訳でしか無い事は既に指摘した)

 そのハザードマップはすでに提示されている。
 http://www.nsr.go.jp/activity/bousai/measure.html
 "拡散シミュレーションの試算結果(修正)【PDF:25MB】"

 さて・・・・。

 このハザードマップの中で「 福井県原発で何かあったら、名古屋の人は水道水が飲めんようになる」という被害想定はどこにあるのでしょうか?

 被害想定以上の出来事も起こる可能性が無いわけではない。

 今夜寝ている間に、自分の頭の上に隕石が落ちてくる確率だってゼロとはいえない。

 つまり、どのような事柄であれ、起こる可能性がゼロで無いのであれば「 福井県原発で何かあったら、名古屋の人は水道水が飲めんようになる」と言ってもいい。・・・と、いうのであれば、「国民の安心安全のために、全ての国民の頭に隕石が落ちてこないように、国は対策を講じるべきだ」と言っても良い。

 現実の政治家が、現実の政治を進める際には、限られた予算と実現可能性を推し量って、できうる事を模索するのが当然の責務で、口からでまかせ、思い付きをなんでもしゃべっていいというわけではない。(こんな当然の事を今更確認するなどという事自体が恥ずかしく、異常な事態だ)

 こういった発言を読んだ市民は「そうだ!福井県原発で何か事が起きたら名古屋市の水も飲めなくなるし、全員退去しなければならなくなる!」というおよそありもしない想定を基に議論をする事になる。

 これがどれほどのロスを産むか。

 中日新聞はいったいどれだけこういった「飛ばし」に付き合う気なのだろうか。

 そもそも、この3月31日の日曜日に「明日(4月1日)月曜日に河村市長、再出馬の意向を表明」と先行で記事を打ってみたものの、当の河村市長は月曜日に出馬表明しませんでした。結果として中日新聞の「飛ばし記事」ということになってしまった。


 河村市長の出馬表明なんて問題ならどうでも良い。しかし、この一文は、今後のエネルギー政策に対する名古屋市民の民意を歪める言葉となる。

 中日新聞は「 福井県原発で何かあったら、名古屋の人は水道水が飲めんようになる」という発言を検証する義務がある。河村市長のこの口から出任せの発言をこのまま放置しておくのであれば、その結果生じる民意のゆがみに対して、中日新聞は河村市長と共犯関係にある。

 同罪だ。

 いったい何を根拠に「 福井県原発で何かあったら、名古屋の人は水道水が飲めんようになる」などという事が言えるのか?

 結局、河村市長の情報発信力が強いのはこれだ。

 皆が驚き、慌てるような事を、事実であろうと嘘であろうとお構い無しに騒ぎ立てる。

 そして周囲の大人たちが慌てて狼狽する姿を見て笑っているに過ぎない。

 そう、河村たかしの情報発信力とは、狼少年の情報発信力と何も変わりはしない。

 その発言を丁寧に解きほぐしていけば、幼稚で陳腐で低劣な品性だけが顕れる。

 いい加減、こんな人物と付き合うのはごめん蒙りたい。