市民のための名古屋市会を! Ver.3.0

一人の名古屋市民が「地域委員会制度」「減税日本」に対する疑問をまとめるサイトです。(since 2011/3/3)

平成24年6月定例会背景で何が議論されていたか(後編)

(前編)
1)河合市議@YAHOO智恵袋
2)財政出動
3)地域避暑
4)どこまでも「祟る」議会報告会問題

(中編)
5)議会改革推進会議について
6)論点1:小委員会を公開すべきか否か
7)減税執行部に退陣要求?

(後編)
8)論点2:議会報告会予算要求
9)それは政党の問題か?

論点2:議会報告会予算要求(8/9)

 早い話が、山田市議としては議会報告会の予算要求をしたくないんでしょう。または、全会一致、オール議会で議会報告会の予算要求をするのではなく、減税日本ゴヤだけでも議会報告会の公費による開催に反対したいのだろうと思います。

 その理由はサッパリ判りません。

 敢えて推測するのであれば「河村市長がそう言っているから」としか考えられません。

 さて、いよいよ舞台は6月27日の推進会議小委員会の席上に移ります。

 この議事録も、何故か今手元にあります。(開かれた名古屋市会バンザイ!)

 この席上、山田市議は6月2日の議会報告会を開催するに当たって、当時の横井委員(自民党団長:当時)と河村市長の合意の中で「議員個人の見解を問うような質問はしないこと、選挙活動に誤解を与えないような議論をすること、絶対に中立公平にやられよ」という条件があったと主張し、内容が公正中立であったのかと疑義を提示しています。

 それに対して他の委員が、そもそもまだ正式な議事録はできていない。それらは理事会で精査してから議論されるべきではないかと指摘される。

 そもそも、この議事録を読むと、最初に小委員会の委員長が議題にしていたのは「来年度予算要求の内容等について」というものであって、全会派一致して予算要求をしていくことは前提で話している筈だ。

 議事録が確定もしていない中で、議事進行が公正中立でなかったと主張しても根拠が無い。まったく無駄な議論であると言う意外にない。

 しばらく、この議論の模様を引いてみよう。

 山田:個人攻撃という点があったのかどうかも含めての、そこは(引用者注記:議事録に残すには不穏当な表現について)隠されるべきなのかと思うが、市政に関係のない事柄に関して、ある特定の会派のみを攻撃、攻撃という言い方はおかしいが、そういうことが適していたのか適していなかったのか、検証をしていき、今後のルール作りに生かしていった方が良い。

 (略:5ページほど)

 T:伺いたいのですが、運営方法にのっとってやったという風に認識しているが、何か外れたようなことがあったのですか。

 山田:あったと認識している。具体的にここで申し上げたほうがいいですか。

 T:そういう話は理事会の場では幹事長から一切されていない。そんな話が今日ここででてくるのは意外だったので。

 K:いずれにしても、開催する前にも、今言った政党性を出さないように、横井委員の話の中にもきちんと議会便りということで、議会の中で起こったことを発表するという、議会側はそうすると。ただし、市民の人の意見は、それはダメですと言いながらも答弁しないといけない。そのときに少し外れたことがあったかもしれないし、そのくらいの許容範囲はないと。そうしないと市民も来なくなっちゃう。

 山田:少し外れた質問をされて、減税に対して。それに対して答弁をしたが、会を仕切られている方にもっと深いことをしゃべれという話をされて、うちの方が聞かれていないので結構ですと言ったが、議会報告だからちゃんとしゃべった方がいいというやりとりがあった。それをさらに第三者の方のブログで書かれていたので、そこまでは、議会報告会なのかとちょっと思ったので、ルール整理をしていただきたい。

 議会運営委員長(小委員会の委員ではない、傍聴していた):私のことをいわれているので説明したい。

 委員長:ご当人といわれるので、どうぞ。

 議会運営委員長:解散リコール署名の質問が出た時の私の捌き方がおかしいということだが、ケーブルテレビで一部始終が流れているのでそれを見ておかしいと思われる方が何人かおられるということなんだろうけれど、リコール署名の話が出たことは事実で、議会の活動かとおっしゃられたが、議会の中で起きていた事実は事実なので、その事実まではきちんと説明されたらと余語さんに聞いた。説明されますかと。もし余語さんがこれはちょっとというのなら私も考えたが、本人が話しますとおっしゃっられたので、ではお願いしますと。で、ご説明をされた。その後、必要以上に聞いてきたから、私としても余語さんに今議会運営理事会でやっていますということをご説明した方がいいのではと言った。そしたら聞かれていませんからお答えをしませんと言ったことは事実。それを聞いて正直僕が怒ってそんな言い方はないと周辺にもらしたことも事実。それがネットに出たということは知らない。余語さんがお答えにならないから、私は議運の委員長として余語さんが言うべきことを申し上げた。何かというと、受任者名簿の件については理事会で協議しているから、のちのち報告ができるようにさせていただきますということで議会を代表して答えた。それがもしルールにのっとっていない、一部の政党を我々側が主体的に攻撃したというのなら大問題だからそのような席でやってもらわないといけない。私は委員長として公正に仕切らせていただいたと思っている。質問された方にもう止めてちょうだいとまで言っている。全部テレビで流れている。

 山田:参加しているので全部知っているし、何回もビデオを拝見させてもらっているし、ここの議事録拝見していると、定例会に関係のないこと及び政党に関ることに関しては、そのような質問は止めてくださいというようなことを議事運営でされるべきと議論されていて、よって中立性が担保される。リコール署名、受任者名簿については理事会で話し合われているとしても、全く定例会に関係ないことだし、政党の話なので、今後このようなことをルール整理する必要があるのでは。

 議会報告会の各議員の会話まで報じる「第三者の方のブログ」なるものがあるのかと思いますが、まあ、・・・・・ここの事ですね。
 当社の優秀な調査員が集めた情報でアレコレ書いていますが、それは議運委員長の所管事項ではないでしょう。そりゃ当然です。

 この記事ですね。請願への対応から見えてきたもの - 市長のための市会ではなく、市民のための名古屋市会を! Ver.2.0

 その模様が放送されたテレビの動画もリンクされています。
 委員長が議論を打ち切って助け舟を出しているように見えますが、これが「特定会派(減税日本ゴヤ)に対する攻撃」というのであれば、「第三者の方のブログ」はさしずめ「虐殺行為」ですかね?

 ちょっと話を戻しますが、小委員会の委員長が議題にしていたのは「来年度予算要求の内容等について」というものであって、予算要求をしていくことは既に全会一致で決まっている、内容について問題があれば議論の対象でしょうが、その問題、つまり議会報告会の内容を議事録として確定させるのは理事会の役目で、この小委員会の委員が現場に参加したり、テレビの放映で見たりしたことを論拠に話しても仕方が無い。(フォーマルな議論は、理事会という制度的な基盤の上に立ったところが提示する「議事録」を起点にしなければできないという簡単な原則が何故判らないのだろうか?)

 以上の様に、ここでの山田市議の発言は根拠が無い発言という事になる。なので「ヨシローメモの 一の(2)で「山田委員は〜議会報告会について、議会運営委員長の司会進行が不適切で公正中立な議会報告会運営が為されなかったと指摘した。しかし、そのような事実はなく」と断じられているのである。

 ここで論点の2である議会報告会の予算要求を阻止する為に、議会報告会は公正中立に行われたかという論点が提示されて、山田市議は敢え無く撃沈されている。

 論点の3:議会報告会は公正中立に行われたか。


 さて、この議論の中で、山田市議、減税日本ゴヤは議会報告会開催阻止/予算化阻止に向けて、論陣を張り続けましたが、その中でその目論見を崩すだけではなく、とんでもない矛盾を露呈させてしまっています。

 本当に、「嘘」を言い続ければどんどん「嘘」を大きくしていかなければならない。

 その大切な話の前に、今までの議論を順を変えて復習してみましょう。

 論点の2:議会報告会は公費によって開催されるべきか否か

 <開催されるべきではない!何故なら河村代表がそう言っているから!>
 <そして、よく見てみると>

 論点の3:6月2日の議会報告会は公正中立になされたか

 <議会報告会は公正中立では無かったじゃない!>
 <自分たち減税日本ゴヤだけがリコール署名や受任者名簿で攻撃されたわ!>

 「けれど、そんな事実はないし、そもそも議会報告会を全会一致で予算要望する事はすでに決まったことなんだよ。」

 <なら、せめて議会改革推進会議の小委員会の議論は公開されるべきよ!>
 論点の1:議会改革推進会議の小委員会は公開されるべきか否か

 「?議論を公開する事と、議会報告会の開催問題や中身にどういう意味があるんでしょ?」

 私はこういう論争者が大好きです。負けたことが無いから!

 ちょうど、私の弟がこの手合いで、子供の頃一時期、論争という事になるとこういやってどんどん論点をずらして行きました。そして私はそういう手合いには絶対に論争で勝って来ました!(必勝法のポイントは後述)

 <6月2日の議会報告会は酷くなかったですか、私たち減税日本ゴヤだけリコール署名で攻撃されて、受任者名簿の話まで持ち出されて、不公平です。こんな不公平な議会報告会なら、公費なんかで開催されるべきでは有りません。そう思いませんか!>

 と言っているんでしょうね。

 しかし、結局これらの主張は根拠が示されませんでした。
 逆に、根拠もなく「不公正な仕切りをした」と言われた方が迷惑だろうと思いますが、謝罪はないようです。

 ・・・・正直、何がしたいかサッパリ判りませんね。
 さて、それではこの議論の中で出てきた大問題について指摘しましょう。

それは政党の問題か?(E/9)

 もう一度、山田市議の小委員会での発言を見てみましょう。上の引用部分の最後です。

 「リコール署名、受任者名簿については理事会で話し合われているとしても、全く定例会に関係ないことだし、政党の話なので、今後このようなことをルール整理する必要があるのでは
 と言っていますね。

 また、先ほど後述するとした「ヨシローメモ」に対する減税日本ゴヤの回答に次のような記述が有ります。

 6月2日の千種区の議会報告会にて、議会運営委員会の委員長であるふじた和秀議員が、司会進行役となった。参加者の一人が「リコール署名簿」の使用に関して質問をしたところ、政党に関わることであったが市民の方からの質問には誠意を持って答えようと我が会派の余語幹事長が答えた。
 しかし、ふじた委員長はさらに訊かれていない「受任者名簿」についても答えるように余語幹事長に促した。「質問されていないので答えません」と余語幹事長は応じたが、「リコール署名簿、受任者名簿に関しても理事会で議論している」などふじた委員長は会場で発言された。
 議事録には以上のやりとりの内、最後のふじた委員長が「受任者名簿」について言及されたところのみ残っているが、言われた本人である余語幹事長の証言、および、第三者のブログにて2人の間で交わされた会話が記されているため、ふじた委員長が「訊かれていない受任者名簿について話すよう促した」とされる事実が示されている。
 そうであるならば、税金を使う上で条件とされていた「市政に関係のない政党に関する事項等を問うような質問は控える。」から逸脱した可能性もあるのではないか。その事に関して、やはり検証してルール整備をきちんと行う必要があるのではないか。

 本論の前に、この回答の一文について、少々触れます。
 1)この「第三者のブログ」は当ブログの事らしいが、当ブログを根拠に何を語ろうと言うの?そんな事を根拠に正式の委員会で「議運委員長の議会報告会の司会進行は公正中立では無かった」と主張したの?
 非公開で良かったですね。
 もし、批判されたふじた委員長が、言われるような事があれば今後、議会報告会の開催に支障を来たす事になり、議運委員長を辞職しなければならなくなる。実際に、小委員会の議事録でもそう語っている。
 しかし、結局根拠がなかったのであるから謝罪するのが当然だろう。

 2)その何の根拠も権威もない当ブログですが、減税日本ゴヤ余語幹事長が「質問されていないので答えません」という呆れた態度で応じたこと事実として示されている。こりゃ凄い!

 3)文中「政党に関わることであったが市民の方からの質問には誠意を持って答えようと我が会派の余語幹事長が答えた」と言うように、逸脱した事であっても「市民の方からの質問には誠意を持って答えよう」としたのである。つまり、市民からの質問には少々の逸脱でも許容しているじゃない。議論終了ですね。

 さて、本論としてはこの一部「政党に関わることであったが」という部分である。上の小委員会での山田市議の発言とあわせると、受任者名簿の問題は政党の問題であると断じているように見える。

 減税日本は5月17日にコメントを提示しています。
 減税日本はネットワーク河村市長の一部だそうです - 市長のための市会ではなく、市民のための名古屋市会を! Ver.2.0

ネットワーク河村市長と減税日本は別団体ではないか。受任者登録ハガキ下部の文言の「第三者」にあたるのではないか。

 ネットワーク河村市長は、当時の河村支援団体( 河村サポーターズなど)がリコール活動にはじまり、市議会議員候補者擁立などを通して、名古屋市政の改革を目指した活動の総称である。減税日本はその活動の中から生まれた下部組織であり、ネットワーク河村市長の一部であると言える。

 また、その以前(5月7日)に 「受任者名簿を使う根拠について」というコメントも出しています。
 日本政治の中空構造 - 市長のための市会ではなく、市民のための名古屋市会を! Ver.2.0

 この中でその根拠が「市政改革に資する行為の範疇であれば問題ないと考える」とあります。またハガキにも「名古屋市政改革活動の目的に限定して」とあります。*1

 その受任者名簿について、この小委員会で山田委員は「政党の話」と回避するわけですね。いったいどちらなのですか?

 もう、これ以上醜い言い逃れは、本当にみっともない。
 山田市議は自分が確認もしないまま自ら受任者名簿を利用した事を認めてしまっているだけに、この「嘘」に乗らなければならなくなっているのだろう。
 もっとシンプルに、事実に立脚し、自分の不明を恥じて早めに詫びれば簡単なのに。
 山田市議 受任者名簿使用に関して - Togetter

@minna_inoue 受任者名簿の使用は、リコール請求代表責任者の方から許可を頂いております。その他の名簿に関しては、減税日本事務局は関与しておりません。お問い合わせ等ございましたら、減税日本事務局までご連絡くださいませ。
yamadamana2011 2011/03/20 13:48:54

 また、上の5月17日のコメントで「減税日本はネットワーク河村市長の下部組織である」と恐るべき詭弁を弄していますが。山田市議自身のツイッターの発言に次のようなものが残っていますね。

@akira_mori0120 リコール署名請求団体「ネットワーク河村市長」と減税日本別団体ですまた説明責任を果たすうえで最適の人物がネットワーク河村市長におります。公開質問状などをいただければ、きちんとご説明いたします。
yamadamana2011 2011/03/20 20:00:07

https://twitter.com/yamadamana2011/status/49424977333731329

 こうやって「議会改革推進会議の小委員会は公開すべきか否か」と言う議論の背景をこの6月定例会の後半の名古屋市会の動きと照らし合わせて見てみると、議会報告会やリコール署名簿、受任者名簿の利用という問題が背景にあることが判ってきます。

 そして、そういった論点をどんどんずらして議論の場から、つまり、「問題解決のための議論」から逃避し、「議論の為の議論」に逃げ込む人を私は何人も見てきていますし、必ず「勝って」きました。簡単なのです。議論の場で論点をずらす人は、この本当の問題解決から目を逸らしているだけですから、こちらはその問題をじっと見つめ続け、追求し続ければ良いだけです。
 至極当たり前でしょ?
 先方が本当の問題から目を逸らし、思考を逸らしている間に、こちらはその問題に対して有利に運ぶように幾らでも努力ができます。
 何度でも言います。

 真実に向き合うには、勇気が必要なのではなく、単純に謙虚であれば良い - 市長のための市会ではなく、市民のための名古屋市会を! Ver.2.0

 「真実に向き合うには、勇気が必要なのではなく、単純に謙虚であれば良い」


*1:大慌てで書いておくが、だからといって流用は肯定できない。罰則はないが個人情報保護法の法の趣旨は完全に逸脱している。ハガキには「上記団体以外の第三者に開示提供せず」と明記されている。ネットワーク河村市長の下部団体に減税日本があったという話は聞いた事がないし、そのような説明も無かった。更にリコール署名簿流出の際には減税日本の代表である河村代表は、請求代表者や収集主体のネットワーク河村市長の責任であると逃げたではないか。