大震災から1年
あの大震災から1年になります。
あの言葉を失う光景から一年。
まったく無力を感じる以外になかった。
松岡正剛は日本の文化を「フラジャイル」と定義し、
これらの天災すらも受入れて、
柔軟に呑み込む日本の文化の強靭さを見出しました。
あれほどの災難と、
それ以降の失政、行政の後手、
そして、そもそもの人間の無力にすら、
耐えて、新しい息吹を模索する人々の力が、
この正剛の「フラジャイル」の芽なのだろうか。
そのような事を思いますが。
しかし、やはり言葉を失います。
この一年、これは神戸の時もそうでしたが、
このような時に、そこまで酷い事ができるのか。
そんな人間の姿も垣間見られました。
そのような話もこのブログに書こうかと思いましたが、
止める事にします。
ただ、こういった災害すら商売にする、
電話屋のハゲと、
怪しげな尼さんは、
やはり<人間の屑>であると思います。
人間の社会は、常にこういった<屑>を生み出します。
そして思います。
こういった<屑>をも排除しない (勿論、称揚などできませんが)
節度ある態度で共存する社会、
その柔軟性 ―しなやかさ― こそが、
日本の文化を支える「フラジャイル」なんだと。
名古屋おもてなし武将隊 ―ネグレクトされた英雄
話題を替えさせてください。
河村市長の市政を「くさし」ます。(いつものように)
「名古屋おもてなし武将隊」の件です。
武将隊5人これにて御免
2010年の名古屋開府400年を記念して結成され、各地のご当地武将ブームの先駆けとなった「名古屋おもてなし武将隊」のメンバー5人が、今月末で武将隊を離れることになった。
(略)
武将隊は09年秋、市の雇用対策として、求職中の劇団員やフリーターら10人で結成。名古屋城で披露する演舞などが歴史好きの女性「歴女」らの人気を集め、昨年4月にはCDデビューもしていた。ただ、武将隊の維持に使われてきた国の補助金が今年度で打ち切られることから、市は新年度予算を今年度の9000万円から5500万円に縮小。メンバーの報酬は、月給から名古屋城などでのイベントの出演料に限られることになる。
http://chubu.yomiuri.co.jp/news_top/120308_3.htm
記事にもあるように武将隊は国の補助金(「ふるさと雇用再生特別基金事業」)によって賄われていた。雇用対策事業だったわけだが、見事な効果を収め名古屋城の平成22年度の入場者数を対前年比22%増の156万人に押し上げた。
更に、DVDや関連グッズ、愛知県の特産品をフューチャーした商品開発、広報など、その経済効果は27億円とも言われていた。
名古屋おもてなし武将隊、経済効果27億円のパフォーマンス | BARKS
つまり、雇用対策費を受けなければ成らなかったフリーターやニート、または売れない俳優といった若者を、しっかりとプロデュースすることで「きっちりと売れる」コンテンツに創り替えたという意味で、見事な成功事例であるといってもいいだろうと思う。
ここまで育てた彼らもさることながら、彼らを生み出し運営してきたノウハウも、この名古屋における宝だと思う。(同じように、フィギュアの浅田真央選手と同様に、山田コーチや大須スケート場も宝だろう)
◎名古屋おもてなし武将隊について(平成23年8月22日 市長定例記者会見)
(記者) 名古屋の観光という意味で、「名古屋おもてなし武将隊」が、来年3月以降は予算が付かないということになるのですが、「名古屋おもてなし武将隊」というところで、市長はこの後どうしていきたいとか、そういった考えがあれば、教えていただけますか。
(市長) ほんだで、わしも、皆さんあれだけ頑張ってやらっした人ですからね。「何ぞ考えないかんぞ」ということは、市長室にしょっちゅう言っとります。だけど、今のところ、どうなったかな。
(当局:市民経済局で、今、考えています。)
(市長) 市民経済局でね。ぜひ。やっぱり、武将そのものが名古屋まつりとあそこ(名古屋城)だけでしょう。
ほんだで、わしがよく言っとるのは、新幹線の降り口ぐらいに、ずらっと局長ぐらいが30分ぐらい、みんな「私は財政局長の何々です」と言って。ほんで、豊臣秀吉とか。ヤマトタケルは市民経済局長が「やってもええ」と言っとりましたけれど、もう1人武将を入れまして、ヤマトタケル、それから三英傑で、新幹線を降りてきたところで、「ようこそ名古屋へ」ということを15分ぐらいストップモーションを2回やって、これなんかやると。
ただ、そういうことで、全体的な、「名古屋おもてなし武将隊」だけじゃない、「武将都市ナゴヤ」というのですか。雰囲気を盛り上げるのも1つじゃないかということは、盛んに言わせていただいておりますけれど、今のところネグレクトされております。しかし、これも楽しいんでないかと思います。
確かに三英傑がね、名古屋まつりだけでしょう、集中的なイベントとすると。ほんだで、わしも、市役所の上がってくる階段のとこぐらいには、美大か何かに言って、四英傑にして、ヤマトタケルも入れて、草薙(くさなぎ)の剣(つるぎ)を持ってもらって。それなんかはみんな、別に、「飾っておくでタダでどうだ」と言って、作ってくれんかね。と思うんですよ、私。
岐阜は、賛否あるようですけれど、岐阜市に降りると金ぴかの信長がありますわね。ああいうふうに金かけるのもあれですけれど、美大、それから美術クラブなんかありますので、みんなで作ってもらって、階段の踊り場なんかに置いといたらどうだとかいうことで。
「名古屋おもてなし武将隊」というものを盛り上げるということは1つの案でして、ぜひ「名古屋おもてなし武将隊」の皆さんには、そのご労苦に応えるために、引き続きやっていただけるために、今ちょっと市民経済局といろいろ考えとるところです。
http://www.city.nagoya.jp/mayor/page/0000026769.html
本当に河村市長は「今ちょっと市民経済局といろいろ考え」たのだろうか?
これは結局「市民経済局」に、つまりはお役人に「丸投げ」したというだけなのではないだろうか。
実は、武将隊についてはその成功を受けて、今後の事について市議会でも再三話題にしている。(一部)
http://www.gijiroku.jp/gikai/cgi-bin/WWWframeNittei.exe?USR=nagoya&PWD=&A=frameNittei&XM=000100000000000&L=1&S=15&Y=%95%bd%90%ac23%94%4e&B=-1&T=-1&T0=70&O=1&P1=&P2=&P3=&P=1&K=5&N=18&W1=%95%90%8f%ab%91%e0&W2=&W3=&W4=&DU=1
http://www.gijiroku.jp/gikai/cgi-bin/WWWframeNittei.exe?USR=nagoya&PWD=&A=frameNittei&XM=000100000000000&L=1&S=15&Y=%95%bd%90%ac23%94%4e&B=-1&T=-1&T0=70&O=1&P1=&P2=&P3=&P=1&K=4&N=10&W1=%95%90%8f%ab%91%e0&W2=&W3=&W4=&DU=1
この定例会での河村市長の回答、さらに上の記者会見での回答を見て思うことは。
本当に補助金が切れた後の武将隊の事について、何か考えているのだろうかと言うことである。記者会見でも連想ゲームの様に「新幹線の降り口で」どうとか「金ぴかの信長」がこうとか言っているばかりで、「 そのご労苦に応えるために、引き続きやっていただけるために」という回答には思えない。
定例会における発言なども「酒飲み」だとか「歴史」だとか、自分の興味のある事にしか頭を回していない気がする。
どこまでも他人を思いやるということがない。まったく8歳程度の子どもだ。
次の展開も不明なまま、せっかく育て上げた人材、そしてコンテンツをみすみす失う名古屋。
まったく、河村たかしという人物は、
無能な人物、
経営能力の無い人物という以外にない。
と、いうど〜しようもない名古屋の行政はほかっておいて、若い彼等には次の展開があるようだ。
演劇ユニット SCANP<スキャンプ>オフィシャルブログ「SCANP WAY」powered by Ameba
是非、彼等が成功する事で、財政的に厳しくなった「名古屋おもてなし武将隊」にも、応募者が殺到し、厳しい条件でも次の成功が為されれば良いがと思う。(それがまったく他人任せの ―つまりは彼等の犠牲の上での― 都合の良い願いだろうとは思うけれども)
最後に、
あの大震災から1年になります。
やはり、何も言うことができません。
ただ、亡くなられた方々の魂が安らかにと、
今も、被災地で明日が見えない人々に、
希望の光が灯りますようにと、
祈るだけです。