市民のための名古屋市会を! Ver.3.0

一人の名古屋市民が「地域委員会制度」「減税日本」に対する疑問をまとめるサイトです。(since 2011/3/3)

いきすぎた競争原理

いきすぎた競争原理

 文書交通費使い放題で政党助成金まで貰っていた国会議員から、政令指定としての市長となってずっと「税金で食ってきた」方*1には判らないかもしれませんが、世間は多分、完全に「行き過ぎた競争原理」によって破壊されています。

 それは、ちょっと商店街を通ってみれば判ります。
 鈍い、学生議員のお姉さんは、おっさんとこういったシャッター通りを通っても特に「責任」は感じないのでしょうが。こういったシャッター通りを作り、その生活を壊したのも、政治の力であることを自覚した方が良い。

 新自由主義的競争原理に晒されすぎて、誰もが他人を思いやる余裕を失っている。

 子どもたちは級友を思いやる余裕を失って、お互いに干渉することすらしなくなる。これでは「イジメ」という関係性すら築くことはできない。「イジメ」が無い事は勿論良い事かも知れないが、子どもたちの思考に、こういった身体を通った苦悩が無くなる。こういった身体性の欠如がやがてどのような結果を招くか、想像すると恐ろしくなる。

 労働者にこそ新自由主義の競争原理は激烈に影響をもたらす。
 労働者は生産性を追及されるあまり、それぞれが定められた責任の範囲を埋めるだけで手一杯となる。仕事などというものは、その成果物に対して全員が時にゼネラルに、そして夫々がスペシャリストとして関るから「やりがい」が生まれる。こういった複眼的な目配せが、その一部に関るだけの事であったにしても成果物への「愛」を育み、こういった製品に対する「愛情」こそが製品に品質をもたらす。*2
 昨今の製品にはこういった製作者たちの愛情を感じられない商品があまりに多い。

 そして、この不毛な生産性の追及は労働者自身をも精神的に追い込んでいる。


 ここに、労働組合も政党もコミットせず、彼等は彼等の目の前の問題だけで手一杯だ。

 学校の先生は、生徒よりも書類と顔を突き合せる時間の方が多く、生徒に心を砕くよりも、上司や管理者を思ってばかりいる。

 こうやって、人々は人々を排除して、同時に自分をも排除される。

 自由主義の原始的原理は、個人の自由なのだろうが、これは単なる相互干渉の後退という形で実現された。

 これは、一面、良い事であるように思えるかもしれないが、母親までが、自分の子どもに対する干渉を後退させてゆき、やがてネグレクトにまで至る。
 そして、その母親自身も社会から排除された孤独を感じ、相談する相手を見失う。

 昨年の暮れ、オウム事件の逃亡犯が警察に自首をしひょうとしても警察に取り合って貰えなかったという笑い話にもならない出来事があった。これも、警察という行政組織の効率追求と人員の不足*3が根底にあるのかもしれない。

 小泉―竹中改革から進められて来た、新自由主義的改革と、そこで行われてきた生産性と効率化の追求。それは、今、この日本の社会に、教育に、産業に、そして行政に、重い澱となってこびりつき、あちらこちらで機能不全を引き起こしている。*4

文藝春秋選挙予測

 月刊誌「文藝春秋」が「政界激震の選挙予測」という記事を載せている。ここでもタイトルの横に配された写真は大阪の橋下市長で、リードには「橋下・石原新党は解散選挙にどんな影響を及ぼすか。驚愕の結果が予測された」と打たれている。

 ちなみに「赤坂太郎*5」の解散の読みは、三月、六月、九月に訪れるとしている。その中で、三月は選挙制度改革や消費税増税の関連法案が審議されない状態であるので難しいだろう。九月は民主党自民党も党首選を控えるために、与野党対立よりも党内闘争に関心が移る。六月が一番可能性が高い。
 そうすると、会期末は6月21日という事になるが、18・19日にメキシコでG20首脳会議が行われ、20日に帰国しても会期末まで1日で解散に持ち込むのは難しい。会期を延長して、7月下旬から8月に解散というのは現実味を帯びているという事であった。

 この中での情勢分析。

愛知1区

B- 民主 吉田 統彦 現1
B- 自民 熊田 裕通
B+ 減税 佐藤 夕子 現1
幸福 堀田 利恵

2区

C 民主 古川 元久 現5
C 自民   ?  
共産 黒田 二郎
A 減税 河村たかし? 元5
幸福 石田  昭

3区

B+ 民主 近藤 昭一 現5
B- 自民 池田 佳隆

4区

B+ 民主 牧  義夫 現4
B- 自民 工藤 彰三
共産 西田 敏子
幸福 山本 純子

5区

A 民主 赤松 広隆 現7
C 自民   ?  

 本文の中でのコメント。

 特に、河村氏は、国政復帰に強い意欲をみせており、民主党古川元久国家戦略相の二区から出馬する公算大と言われています。仮に河村氏が出馬すれば、古川氏は落選危機に陥ります。一区では、河村氏の元秘書で同じく減税日本佐藤夕子氏も議席をとりそうな勢いです。しかし最近、河村・古川両者の間に調整が入り、河村氏が一区に回る話もあるようです。

 結局、「減税日本」に対する情勢分析としては、名古屋市内のこの2議席比例代表での1議席程度で、全国的に3議席までしか得られないだろうということでした。
 この見立ては私とも共通します。

 また、ここで触れられている古川氏との調整という話も興味深く。その結果はじき出される佐藤氏の処遇も興味深いですね。

 また、河村氏が国政転進という事になれば、市長選が行われます。どうせ、この総選挙と日程を合わせてくるでしょうから、河村氏の影響(というよりも、テレビタックルの影響)が市長選挙に影響を及ぼす事でしょう。



http://www.asahi.com/national/update/0213/OSK201202130052.html

*1:別に「誰」とは言っていませんよ。それに年間の給与を800万円にしたにしても、経費は使い放題なのですから、活動には支障ないですよね。あの東京行きは経費ですよね。大阪行きまで経費じゃないだろうね。ありゃあ、私費だよね。仕事の内容から言うと、800万円でもまだ高い。さらに後ろ側からお金がジャラジャラ入っていくんだから、せめてその儲けの法人税ぐらい名古屋市に入れなさいよ、と。いぇ、別に「誰」の事を言っているわけではありません。

*2:この辺りの職業人の心根は、人生で一度も「何かを生み出した事がないまま、還暦を迎えた」ような御仁には判るまい。

*3:ここを、当初「人員の削減」と書いたが、警察は削減されていないだろう。逆に増員されている筈だ。問題は、警察が取り扱うべき課題が社会において拡大しているという事にある。所謂「体感治安の悪化問題」はまた別の新自由主義社会の病理である。

*4:生産性の過剰な追求、効率化の行き過ぎた要求が、人間をスポイルしている。 人は、人と相対することで自分自身を定義する。男は女を、女は男を見ることで、その性差を意識するのではないか?だとすると、高度に進化した文明が、退廃していく際に、性差の別を見失うという指摘は ―ギボン、ローゼンベルグ荀子等― このような機序のなせる業なのかもしれない。

*5:複数の政治記者が書く匿名のコラム、同誌の「丸の内コンフィデンシャル」が財界、「霞ヶ関〜」が官界、そしてこのコラムが政界となっている。所謂、戦後社会の「鉄のトライアングル」ゴシップの一画。