市民のための名古屋市会を! Ver.3.0

一人の名古屋市民が「地域委員会制度」「減税日本」に対する疑問をまとめるサイトです。(since 2011/3/3)

「1兆円硬貨」の話

「ほかの議員に嫌われ、無視された議員時代のむなしさに比べたら考えてきたことが話せるんだからうれしいね」河村たかし談 2009年6月24日

チーム橋下

 「激動!橋下維新」として橋下氏の下に参集したブレーンについて産経ニュースが取り上げている。http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/120203/waf12020309010004-n1.htm

 堺屋太一氏、上山信一氏、山田宏前杉並区長に中田宏横浜市長新自由主義的な政治指向ではあるのでしょうがなかなか多士済々。凄い陣容となりました。

 そもそも橋下氏本人には強い政治的指向を感じません。彼自身はイデオロギーや政治理念というものはないのではないか、本来、ノンポリなのではないかと思えてしまいます。

どうして君は友だちがいないのか (14歳の世渡り術)

どうして君は友だちがいないのか (14歳の世渡り術)

 彼は自分の著書でも子どもたちに「強い者を見つけてその庇護の下に入れ」と人間関係の中でのサバイバル術を伝授しています。こういったあり方を「スネオ主義*1」と言うらしいのですが、ここには正義であるとか自分の主張といったものよりも、生存を優先する小動物的な、小心者の悲しいサバイバル術を感じてしまいます。
 (そんなに自分を曲げてまで生きて、何が面白いんでしょうね?というのが私の主観)
 ただ、こういう人というのは確かに居ます。

 強いヒト、リーダーシップを発揮するヒト。または仕切りたがるヒトなどに追従するだけではなく、その場の雰囲気を壊さない、ということで「場の空気」といったものにも追従する人は多いように思います。
 例えば職場でランチをとろうとする時に「どこそこの店へ行きましょう」と仕切らずに「今日はなんとなく、軽く行きたいですね」とか本質を外す発言をしつつ場の空気を読むようなヒトです。

 橋下氏の「大阪都構想」なんて、将にこれで、中身は最初、なんとでも取れたわけです。ランチに行こうという時に「今日はなんとなく、軽く行きたいですね」と言っているに等しい風向きを見るだけの「政策(?)」だったわけです。
 そして、その大阪都構想について「大阪都は将来的には道州制に移行するためのステップです」というように今になって発言がズレてきています。つまり、これらのブレーンの中の誰か、イニシアチブをとるようなヒトが「都構想よりも道州制」と議論に変化を付けてきたのでしょう。

追記:これでは?と、情報を頂きました。
平成23年12月15日付けの関西経済同友会提示
"橋下徹 次期大阪市長に望む"です。

更に追記:
大阪維新の会と関西経済同友会との「気になる」関係 : 橋下さん、ひどない!?☆橋下さんにひとこと言いたいプロジェクト☆
大阪維新の会関西経済同友会との「気になる」関係」という記事がある。
経済同友会が「自主憲法の制定、日米同盟の強化、現代版教育勅語の制定」などを求めているとすると、たちあがれ日本の平沼さんなんかと近いわけで、この関係で東京都の石原知事閣下が近づいたとも思える。
 つまり、「橋下」という空洞があるので、こういった人たちは「自分の政策が現実化できる」と参集しているのかもしれません。

 しかし、確かにこれだけの人々が周囲に集まっていれば、「維新政治塾」も豊富な講座が設定できるでしょうね。

河村さんは?

 翻って我等が河村たかし名古屋市長ですが、一般のニュースでも「埋没」の模様が取りざたされていますね。いままで、河村市長の元からは、様々なブレーンが離れていっていますが、いよいよ「盟友」と言っていた大村知事とも袂を分かつと言うことになるのでしょうか。

 まあ、100%聞き入れないことを見越して「良い事」をお教えしましょう。なぜ河村市長の元からは人が離れるのか、そしてヒトを集めるにはどうすれば良いか。

 河村市長は「我」が強すぎるのでしょうね。何でも「オレがオレが」(あ、一人称は「ワシ」ですから「ワシがワシが」ですか)では人は入り込めません。
 また、事ここに来て、まだ「減税政策」に固執しますか?
 あまりにあからさまな「ばら撒き」はそんなに長く通用しません。また、言っちゃ悪いですが、大都市圏というのはホワイトカラーが多いわけで、比較的高学歴な方々が多いということになります。こういった層に向けて、いつまでもそんな底の浅い「ばら撒き政策」で釣ろうとしても無理ですよ。残念な事に、この件に関してはあの石原慎太郎東京都知事で<すら>看過した訳で、風向きは既に逆風になっていると思ったほうが良いです。

 その石原都知事が、様々な批判を浴びて再選を期した時に、佐々淳行氏が出した本がこの本だそうです。実際に選挙戦でも「反省してよね!だけどやっぱり石原慎太郎」というようなキャッチフレーズを使ったらしいですね。

 つまり、ここで様々な事に反省をして、反対者の意見でも様々聞き入れていくという姿勢が必要なんでしょうね。

 具体的にはちょうど「議決取消訴訟の控訴」という問題がありますね。あそこまでハッキリとした敗訴は無いのであって、高裁に上告しても判決は覆りようはありません。ここはしっかりと判決を受け止めて、両条例について正常化させた方が良いのではないでしょうかね?

 河村市長にこういった度量と、現状認識力が残っているかが問題ですが。
 (そして、私は残っていない、今後もぬかるみに足を踏み入れていくだろうと見ていますが)

 そういった中で「市債は借金ではない」というような妄言を、そろそろ店じまいにしておかないと、本当に国政に戻っても、また誰も相手をしてくれなくなりますよ。

「税金よりも国債発行で歳入を」という河村理論

 近著「復興増税の罠」でも「国債も税金も国の財源になるが、自由意志で買うのと強制的に取られるのと、どちらがいいだろうか」(p.90) と歳入を税で賄うよりも、国債で賄った方が良いという理論が展開されている。
 例の、日本政策学校における講演でも同じような事を言っていた。

復興増税の罠 (小学館101新書)

復興増税の罠 (小学館101新書)

 ちなみに、経済学は本当に色々な理論があるので、税収を放棄して、全てを国債発行で賄うべしと言うような事を言っている経済学者が居ないかと色々と調べてみたが(やはり)居なかった。これなんぞも恥をかきますので、早めに引っ込めておいたほうが良いですよ。

 しかし、こんな話を追いかけていて面白い話にぶつかったのでご紹介したい。「1兆円硬貨」の話だ。

「1兆円硬貨」の話

 日本のお金には2種類あって、お札には「日本銀行券」という印刷がしてある事からも判るように、日本銀行が発行している。それでは硬貨はというと実は硬貨の発行権は日銀ではなく、政府にある。政府が独自の判断で硬貨を発行しても良いのだ。(根拠法 http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S62/S62HO042.html )

 なのでこのような論考が可能となる。
 http://www.rieti.go.jp/jp/columns/a01_0292.html

 1億2千万人に100万円ずつ「ばら撒け」ば、120兆円の通貨供給となるのでデフレは根絶されて一挙にインフレが発生するかもしれません。そうなれば貨幣価値が下がるのでより一層消費が刺激されます。(ただ、そうなると金利が上がるので国債に係る金利も上がり、財政の硬直性は高まります*2 )

 確かに、究極の劇薬で、絵に書いたような「ヘリコプター・マネー」なので危険は危険です。更に、こういった政策は一度やってしまうと際限が無くなる可能性があります。

 ただ、この逆の事を日本政府はやっていたのです。
 そして、その事について、私は誰あろう河村たかし衆議院議員と話し合った事があります。
 あれは確か一期目ですから、まだ平成の6年か7年でしたよね。北区は黒川の区役所講堂で、衆議院議員河村たかしの国政ミーティングが開かれていたのです。河村たかし衆議院議員は、選挙地盤で月一回の国政ミーティング開催を公約に選挙戦を戦っていました。そして、それをちゃんと守っていました(どこかの守山区選出の市会議員、誰か、確か富口とか言う名前の市会議員とは違って、公約を守って会合を開いていたのです)

 その席で私は「電電公社の民営化に伴って、政府が旧電電公社の公社債電話加入権)をどのように処理するのか、河村代議士はどう思われます?」と伺いました。
 今でも鮮明に覚えています。あの時、河村代議士は「これは難しい問題で大きな問題」「痛いところを突かれた質問」「もうしばらくしたら具体的な事が言えるかもしれない、今は言えない。言えるようになったら必ず報告します」と回答された。

 で、その回答の事は立ち消えになって、実際に電話加入権については「無し」と言うことになってしまった。NTTについては、NTT株の公開においても、政府は国民からカネを巻き上げるような事をやってしまったが、この電話加入権のもみ消しは凄かった。

 なにせ、国民のほぼ全部から総額4兆6千億円巻き上げたのですから。

 これは、結局国民から、日本の市場から4兆6千億円の財が一瞬で消えたということと同義です。昭和の頃あちこちで見た「電話金融」というのは、この「電話加入権」を質草としてお金を融通する事でした。それほど流通性のあった債権がある日突然紙くずになった訳ですから、こりゃ凄い。国家と言うのはつくづく信用できません。

 4兆6千億円消す事ができるのですから、一瞬で作り出すこともできるはずです。

 つまり、「一兆円玉」というのは極端でしょうが、「一万円硬貨」を作って全国民1億2千万人に4枚ずつ配るのです。そうすると、4万円×1億2千万人で、4兆8千億円が市中に出回ります。この程度であればデフレを程ほどに解消してくれるのではないかと思うのですけどね。
 なにせ、電話加入権で国民から巻き上げた通貨供給を、デフレ局面の今リカバリーさせるだけなのですから、整合性は取れていません?

 取れていないでしょうかね?


追記:やはり、大阪維新の会・橋下市長の動きはよほど気になるようですね。

橋下大阪市長:「河村市長と政策協議」 会談で確認

 地域政党減税日本」を率いる河村たかし名古屋市長と大阪維新の会代表の橋下徹大阪市長3日夜、大阪市内で会談し、次期衆院選に向けて政策協議を進めることを確認した。河村市長が掲げる「減税」については橋下市長が慎重な姿勢のため、共通の政策課題にするかどうかは国と地方の社会システムを議論した後、改めて検討することにした。月1回程度のペースで協議を続け、5月をめどに連携のあり方について結論をまとめる。

 会談は河村市長が申し入れ、約3時間行われた。関係者によると、橋下市長は「いろいろな報道があるが、河村市長のことを決して嫌ってはいません」と述べた。河村市長は「地元では今後も減税を言うが、国政で言うかどうかは協議していきたい」と話したという。【福島祥】

毎日新聞 2012年2月4日 1時54分(最終更新 2月4日 2時52分)

http://mainichi.jp/select/seiji/news/20120204k0000m010115000c.html

読売の記事は踏み込んでいるな。

橋下氏の批判受け入れ、河村氏が減税施策棚上げ

 次期衆院選で候補者擁立を目指す地域政党大阪維新の会代表の橋下徹大阪市長と、減税日本代表の河村たかし名古屋市長が3日、大阪市内で会談し、国政での連携を図るため、河村氏が減税施策をいったん棚上げすることを確認した。

 河村氏は市民税の恒久減税などを訴えてきたが、国政の政策づくりに着手した橋下氏が「減税の旗を降ろすか、何かの調整がないと一緒になれない」と減税に批判的な姿勢を示したため、河村氏側が妥協した形だ。

 会談は、関係修復を図るため、河村氏から申し入れた。河村氏は会談後、「減税か増税かは社会全体のシステムをつくってから考える。(連携は)互いの政策を確認してから判断する」と述べ、大都市制度や教育委員会制度などについて、互いの政党が公約を明確にした後に連携を判断する意向を示した。(2012年2月4日01時06分 読売新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20120204-OYT1T00070.htm

 そもそも市民税10%減税は
 消費税1%減税を市に置き換えての政策でしたよね。

追記:朝日新聞の報じ方はまた一風味わいぶかい

橋下・河村両氏が連携めぐり会談、減税議論は先送りに 2012年2月4日8時13分

 大阪維新の会代表の橋下徹大阪市長減税日本代表の河村たかし名古屋市長は3日夜、大阪市内で会談し、今後の連携のあり方について議論した。両氏は国の行財政の仕組みや地方分権などの社会システムの改革を優先し、国税の増減税はその後議論することで合意。減税論者の河村氏が橋下氏の唱える抜本改革に譲歩した形となった。

 両氏をめぐっては、河村氏が次の衆院選に向け「減税日本」として公認候補を公募し、維新の会との連携に意欲を示す一方、橋下氏が2日、ツイッターで「今の段階で増税か減税かを政治家が意見表明するのはナンセンス」と批判。「(減税、増税は)一番最後の話」と述べていた。

 河村氏は会談後、「橋下氏と合意した事項」として、どういう社会システムを作るか考える▽役人ができない大転換を考える▽橋下氏は河村氏を嫌いではない▽国政は互いに何をするかを決めた後(に協議)▽月に1回くらい連絡を取る▽増税か減税かは社会システムを考えた後(に検討)▽民間にお金が回る社会を作る――と書いたメモを読み上げた。

 河村氏は「減税には色んな形がある。肉屋のおやじが冷蔵庫を変える時に補助をするのは設備投資減税だ」と主張。衆院選での減税の争点化について「社会システムを変えてから」とし、事実上、看板としてきた「減税」議論を先送りする考えを示した。

http://www.asahi.com/politics/update/0204/OSK201202030217.html


*1:マンガ、ドラえもんに出てくる「スネオ」はジャイアンというガキ大将の庇護の下に安全に生活を送ります

*2:この理屈がわからない減税日本のお友達は経済学を勉強しようね