市民のための名古屋市会を! Ver.3.0

一人の名古屋市民が「地域委員会制度」「減税日本」に対する疑問をまとめるサイトです。(since 2011/3/3)

リチャード・クーさんの本を読んでみた(後編)

$市長のための市会ではなく、市民のための名古屋市会を!-市政会2回チラシ2リチャード・クーさんの本を読んでみた(後編)

 リチャード・クーさんの本を読んでの最後に、同書からの引用ではなく、そもそもの元となった河村市長の本会議答弁について、逐次的に見ていきたいと思う。

 河村市長の市会内における発言は、議事録が取られていることを意識しているとは思えないほど不用意でいい加減な代物になっている。緊張感の欠けた状態になっているんだろう。しかし、そうやって弛緩しているからこそ本音も透けて見える。この4年間の議事録は永く残し、是非医学的見地からの研究を待ちたいものだと思う。

(名古屋市会議事録【平成22年11月定例会】11月30日−29号)

◎市長(河村たかし君)
 まず、減税をしながら臨財債がふえてどうだという話ですけど、
 この話はずっと何遍も繰り返して議論をしてまいりましたが、借金だというふうに、ギリシャ国債と一緒にしてしまって、こういうのはやっぱり間違いなんですよね。

 酒飲みが酒を飲む理由を並べ立てたのが「日本全国酒飲み音頭」で、酒飲みは酒を飲むためにはどんなにずるい理屈でも並べ立てるものです。それが滑稽なわけですが。
 私の知り合いに、ATMと「ららら、無人君〜♪」(古いね)を混同している者が居ました。夜の街に遊びに出る前に、いつもああいった類の自動機から幾らかの金を調達して来ていました。
 あっちこっちから「つまみ」まくっていました。すっかり姿を見ませんが。今頃は金利返済訴訟でへんてこな事務所に引っかかっていなければ良いんですけど。

 こうやってお金にルーズな人間も借金に色々な理屈をつけて自己正当化させていきます。「若いうちの借金は財産だ」とかね。

 しかしまあ、借金は借金ですね。こんな簡単な理屈は無い。その私の知り合いが金融会社からお金を借りればそれは借金。金融会社にとって、その借金は債権だあるし、経済学的に言うと全体の財は確かに増えているのだけれども、そんな事は関係ない。そもそも論点の範疇に入れれば議論が混乱するだけ。(「今」の財は増えている「返済」の時点での財は減る)

 逆にいうと、河村市長は一般的に議論をしようという態度は無い。質問や反論に対して、誤魔化しと論点のすり替えをしているだけ。しかしこれも滑稽なのは、論点のすり替えなどで誤魔化せるのは、こういった対論や議論までで、市長としては実際の執行者として現実を動かさなければならなくなる。そうすると、想定もしていないような「現実の重み」に突き当たる。
 「クオリティライフ21」における日立からの遅延損害金訴訟や、里山開発における訴訟は、こういった現実に向き合って来なかった報いが現れてきているのだろう。
 残念ながら、本当に銀行で借りる人がいないんですわ、今、日本の社会で。
 その場合は貯蓄投資バランスに従って政府が使うと、その金を。

 「貯蓄投資バランス」、「マクロバランス」とも言われますし、「IS−バランス」ともいいます。イメージとして経済指標の分析の結果を、このIS−バランスに当て嵌めて説明するというような事はあると思うのですが、別にこれに「従って」政策を展開するということではないんじゃないかと思うんですけどね。

 また、これも常々気になっていたんですが、銀行からお金を借りる人が居ないから政府とか地方がお金を借りるんですか?銀行のために政府や地方自治体があるわけでもないですよね。
 それが国債であり、地方債であるので、現実に名古屋の市債の利息を払って大変だ、大変だと言いますけど、その利息をもらっておる人はほとんど実は日本の銀行なので、その銀行はだれに利息を払っておるかといったら、実は預金者である国民に払っておるわけですね。

 これも指摘されていますが。確かに名古屋の市債を引き受けているのは国内の資本であるらしい。しかし、だからといって無尽蔵に引き受けられるものではない。
 逆に、地方銀行にとって地方債への偏重が注目されているという話もある。

 また、こうやって国民が利息を受け取っているのはそれで良いんですが、受け取っている国民は名古屋の市民とは限らない。
 名古屋の市債が過大に積みあがって、その金利が上昇してくれば、名古屋の財がみすみす名古屋市外に流れていくという構図になる。 
 ですから、その構造が違いますので、ここはよほど気をつけてやらないと、僕も、日本の経済がこれだけいかぬようになったのには、これを形式的に名古屋の市債は借金だ、借金だと言って、どんどん市が独自にお金を使えなくなっていくと。
 そのお金はどこへ行ったかといったら、実は全部国債に回るわけなんですわ。銀行に余っちゃっているから。どんどん東京一極集中が進んでいってしまうと。

 国債に回るかどうかはおくにしても、国債に回るとなぜ「東京一極集中」になるんでしょうかね?一般に、国の予算は都市から地方への再配分機能が高いわけで、国債にお金が回ればそれは東京には一極集中せずに地方に回される筈です。
 名古屋も同様に「国に吸い上げられている」と常々言っているのにね。

 なんとなくここでも「国=東京」というような、「税金を持っていくのは税務署の職員」みたいな非常に幼稚な認識を感じてしまうのですけど。
これのデススパイラルは、これは皆さんのせいじゃないですよ、国が考え方を間違えておりますので、ここのところを変更しない限り、本当に庶民の生活は苦しくなるし、それから、東京と地方の格差は進んでいくということでございますので、単に数字だけで見るのは間違いだし、やっぱりこんなときに、税収が減ったときに起債を減らしてしまったら、即死になっちゃいますよね、名古屋の経済は。

 まず、「減税と臨財債」という話題であるならば、それは「財政規律の問題」を取り上げているんだと頭の中で受け取りますよね?ませんか?ませんかもしれませんね。それが「床屋政談/居酒屋政談」の話で。どんどん連想ゲームのように無責任な話を続けていくので楽しい事には違いありません。時間つぶしの方法としても、まあ、ありでしょう。しかし、市会の本会議でコレをやられると、時間の無駄、経費の無駄。つまりは市民の税金の無駄なんですね。

 何時のまにやら「財政規律の問題」が「東京一極集中」の問題になり。良く見ると具体的な話や、根拠のある話が一切ないまま話が終了しています。この回答を聞いている時間全てが無駄ということになりますね。

 面白いのが、どうも減税日本ゴヤは会派丸ごと、この河村文化を継承しているみたいですね。つまり、討議といってもテーマであるとか論点を意識しないまま、それぞれが勝手に連想ゲームの様に「政治(っぽい)談義」を繰り返していく。
 つまり、市議会の会派内で延々「床屋政談/居酒屋政談」を繰り広げていくということです。ですからいつまで経っても会派としての政治的メッセージを打ち出すことができないんでしょうな。壮大な時間の無駄です。― それを賄うのは市民の税金ですけど ―
 そこら辺のところはぜひお考えをいただかないといかぬと思っています。
 ということでございまして、あと、この辺は余り言わんでもいいか。僕の意見では信用ならぬと言うなら、リチャード・クーさんの本をぜひ読んでいただきたい、そんなふうに思います。

 ということで、河村市長にも是非、リチャード・クーさんの本を読んでいただきたいものだと思います。


「政治における討論」の例として

猪瀬直樹さんと平松邦夫 さんの大阪市水道局職員の給料を巡るツイートやりとり
を見てみてください。大阪市の水道局職員給与が高いのではという指摘に、データの評価が行われ、事実の摘出があります。(更に、その値が高いか低いかという価値観の議論はさておいて)

更に人件費削減のアイディアや大阪特有の府市協議へのアプローチ等が取り上げられています。

ここで、価値観の相違を基盤にした「給与の高低」にこだわっても議論が実らないことを見越した猪瀬氏も中々の論客ということでしょう。
(更に、そのツイートについて平松氏が述べたことがここにある)


本日のおまけ:
 ・「親河村市長」で動いている団体が、たとえば、「ハトの会」「新生名古屋政策研究会」「税理士による河村サポーターズ」「河村たかしと名古屋を考える会」「居酒屋政談くらぶ」「河村サポーターズ」そして「ナゴヤ庶民連」というように幾つかあるのならば。「反河村市長」の団体(?)も、私が扇動している「ActAgainstKawamura!」とか「日本研究会」とか「名古屋 市会改革 検証会」とか「河村ポーターズ」とか、「インターネットワーク河村」とか、「Regime change from KAWAMURA(声をあげる名古屋市民の会)」とか色々あります。(「反河村」の集団名がウケ狙いなのはなんとも)
 そういえば、HPを作るという話もあったのですが、どこかの会派同様たち消えていますね・・・・。
 まったく、アレっきり動いていない人もありますけど。まあ、仕方がない。

 それでも、幾人かは確かに動いてはいるのですが、「河村市長と減税日本周辺に災いを為す者」とみなされているようです。(午前2時ごろになると、胸に何か杭を打ち込まれるような気分になるのですが何故ですかね?(嘘))

 いままで、違法行為を暴かれた市議や県議の、その違法行為も我々の所為にされています。
 そんな中で、この度の守山区野添川の周辺への浸水では、減税日本の野田県議の農場が被害に遭われてお見舞い申し上げますが。既に書いたようにこの浸水は上部にある大広見池という大きな池が決壊した事が原因と考えられます。

 で、この池を決壊させたのが私らだって話がまことしやかに語られているそうなんですが。ダイナマイトか何かで?・・・おいおい。

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