市民のための名古屋市会を! Ver.3.0

一人の名古屋市民が「地域委員会制度」「減税日本」に対する疑問をまとめるサイトです。(since 2011/3/3)

ユダは誰か―則竹氏を刺したのは誰か?

 さて、その則竹市議の問題なのだが、一連の事後処理に、チト喉に引っかかる問題がある。それを事実と、私が聞いた噂話と、推測を混ぜたタイムテーブルを書いて検証してみたい。


昨年の12月(本人弁):費用弁償として名古屋市が支出し、法務局に供託されていた金員を則竹市議本人が引出す。

昨年の12月(本人弁):事業の為の資金などに使用(本来、彼の受取るべきお金なので、一般の報道で使われる「流用」と言う表現は相応しくないかもしれない)

本年1月頃(噂話):則竹市議本人から地元支援者に借財の申し出、費用弁償の供託金を使用したことも告白

 一説には、この頃既に河村市長の耳にもこの話が入っていたとか。則竹市議自身が河村市長へ、このお金の処理について相談に行ったというような話が入っているが真偽は不明。

 また、別の話ではGW中、河村代表は入院していたが、その病室に減税日本ゴヤの市議を呼び様々な話をしていた、則竹市議も呼ばれていたがこのような話が出ていたそぶりが無い。河村代表はこの段階では知らなかったのではという観測もある、真偽は不明。


3月下旬:菅政権への批判が激しくなり、小沢一郎氏自身が菅政権倒閣への動きを開始。これを受けて野党自民党も会期末の不信任決議案提出に弾みがつき、菅内閣の倒閣、総選挙との観測も流れ始めた。

5月6日:菅首相中部電力浜岡原子力発電所の全面停止要請
ここで一気に菅政権倒閣の動きは弾みをなくす。しかし、小沢氏は力押しを進める。

5月13日:小沢氏、内閣不信任案の同調を求める署名集めに着手。当時小沢グループは約90人の議席を押さえている事から、この動きが本格化すれば倒閣、民主党は分裂必至であるため、総選挙の可能性が見えてきた。

5月31日30日:河村市長、減税日本ゴヤ市議団の中で、浅井市議を「仲良し係」に任命。

追記(6月13日):ご指摘を戴きました、ありがとうございます。浅井市議が「仲良し係」に任命されたのは、30日の市議団会議においてであって、31日はその報道がなされた日付でした。訂正させていただきます。しかし、論旨については却って強化こそすれ、否定するものではないと判断いたします。

 ここまでが、直前までのタイムテーブルです。何を突然「菅政権」の動きまで記述したかと奇異に感じられるかも知れませんが、以前から河村市長は、元々の「夢」である「総理の座」を諦めていないと言われています。最近の著書でもわざわざ「消費税4%」と総理になった際の公約を明言しています(やれやれ)。

 また、愛知2区において、次期解散時には河村市長が衆議院小選挙区に立つ。との情報がめぐり、対する現職代議士の後援者に緊張が走りました。
 ちょっと面白いのが、そもそもの河村市長の選挙区である愛知1区を禅譲された佐藤夕子代議士(民主党から無所属になって、今回の不信任案に賛成票を投じています、怖いものなし)が、2区に対する必死の工作を続けているとの観測もあります。というのも、現職の巻き返し、または、反河村の愛知6区補選のような大同団結が実現すると、河村市長が2区からのお国替え立候補を諦めて、1区から返り咲き立候補を表明し、自身の議席が無くなる為、必死になっているのだと言われています。閑話休題

 この河村市長が愛知2区から国政へ返り咲き。という風評を押さえて考えてみると、この5月31日、唐突な感のあった浅井市議への「仲良し係」就任もなんとなく納得がゆくのです。

6月1日:小沢派会合。会合には71名の出席しか得られず、不信任の成立が危ぶまれる。

6月1日:則竹市議。費用弁償の「流用」を記者(読売)から質問される。この段階では「妻の口座に移した」と回答。使用(流用)は否定。

6月2日:則竹市議。費用弁償の使用(流用)を認める記者会見開催。

6月2日:菅政権に対する不信任案提出。しかし、鳩山、原口が離反。小沢派は自由投票に。

 「はい、ここでテープ止めて!」まさにそんな気分なんですが。私が引っかかるのが則竹市議の1日と2日の発言の食い違い。1日の発言では「お金はある」という回答になっていて、2日にはそれが翻ります。一時的にでもお金を補填しておいて、残高証明書でも提示すれば、「お金はある」と言い逃れられるわけですし、法的にも何も問題ないわけです。
 くどいようですが、費用弁償は本来市議が受取るべきお金で、その処理を市議本人がどうしようと合法です。公約で「費用弁償を受取っていない」と言ったからには、市議の職を解かれた段階でそのお金を名古屋市に寄付、返還できれば良いだけのことで、その間の一時流用は、信義の問題は残るものの法的には何も問題はありません。また、それこそブログで「親の事業運営のために、一時お借りします」とでも明言されれば、市民に対する説明責任も果たされて、当時以上に「お金にきれいな則竹市議」「親孝行な則竹市議」ぐらい言われていたんじゃないんですか?

 しかし、1日にお金はできなかった。補填する宛が外れた?
 2日になって私的使用を認める。また、会見の前に河村市長と面談したことも認めている。

 さあ、1日の段階で、則竹市議がお金を補填するに当たって、宛にしていた相手は誰だったのでしょうか。しかし、結局その人はお金を貸してはくれなかった。

 河村市長は則竹市議と会って、この件を打ち明けられたときに、全部本当の事を話しなさい。と言ったそうな。これを聞くと、河村市長は「嘘はつかない立派な人間」という事になるのだろうか。

 1日の報道の動きも、様々に言われている。

 一説には、減税日本ゴヤ市議団の中に「ユダ」が居るという話もあります。具体的に誰とかまで耳にしていますがあまりに根拠が薄弱なのでここには書きません。

 則竹市議がすべてをぶちまけた2日の会見と言うタイミングも絶妙です。この日は菅首相へ不信任案が提出され、総選挙がかかっているこのニュースによって、則竹市議の話題は見事にローカルニュースになりました。

 ここで「もしもの未来」について考えてみましょう。もしも、ここで内閣不信任案が、小沢派の離反で可決されていれば、衆議院は解散となっていたことでしょう。則竹市議のニュースは1,2週間もすれば、この解散と小沢−鳩山−原口が、自民党の一部を糾合する「救国政権」の話題でいっぱいになったことでしょう。そして、その「救国政権」に河村市長が愛知2区から立てば、世間の目はもうそちらに釘付けとなることでしょう。
 逆に、則竹市議のこの問題が表ざたにならない場合、この解散総選挙の時期に破裂するかもしれない。その場合、河村市長の国政復帰の足枷になる可能性も有った。

 しかし、実はどんな場合でも、則竹市議を助けようと思えば、助けることもできた筈だと考えられます。補填しておけば良いのだから。

 これをしなかった誰かは、結局則竹市議の手腕自体に、存在自体に、これ以上必要ないとの烙印を押してしまったということなんでしょう。

 ところで、5月31日に、今回のことをまるで予め見越していたかのうように任命された浅井市議、「仲良し係」は、減税日本ゴヤ市議団団長代理と決定されたそうですね。本当に、絶妙のタイミングで、河村市長の先見の明には脱帽です。