減税日本ナゴヤ政務活動費に係る不当利得返還請求事件(令和4年(行ウ)第36号) 結審
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追記(2024-03-31):文書中「補助参加人」とは何かという質問を頂いた。
この訴訟は、住民である私が原告となり、名古屋市に「不当に支払ったお金を返金してもらいなさい」という裁判で、被告は名古屋市長河村たかしとなっている。
私が「不当に支払った」「名古屋市の支払いは不当だった」と言ってみても、その釈明は実際にそのお金を使った議会会派「減税日本ナゴヤ」が行うことになる。被告である名古屋市がお金を使った経緯、事情を知るとは限らないからだ。議会会派「減税日本ナゴヤ」としても、裁判の結論によっては支払われた政務活動費の返金を申し立てられる可能性があるわけで、私の提訴が無効であると抗弁する権利がある。
そうした意味で被告である名古屋市と、減税日本ナゴヤの利害は一致しており、補助参加人として訴訟に参加して、共同して原告である私の主張に対抗することになる。
ちなみに、一般的に「返還請求」は、返還請求している方、つまり「金返せ」と言っている方が、主張の立証をする必要がある。しかし、議会における政務活動費の実態について、外部の者が事情を知りうることは少ない上に、その支出が公費の消費であるという公共性の高いものである事などから、説明責任、立証責任は政務活動費を使った議員、会派の方が負うべきであるという判例が示されていて、この訴訟においても一審判決の「判断の枠組み」において、同様の基準が示されている。
も一つちなみにですが。この訴訟のために政務活動費に関連する判例を集めており、こうした立証責任の所在など判例を根拠にする必要がありますので、必要であれば情報共有させていただきます。
7月26日に、表題の減税日本ナゴヤに対する政務活動費返還請求についての地裁審理が結審した。判決言渡し予定は9月14日となる。
1.今までの経緯
(1)減税日本ナゴヤにおける政務活動費の支出について、広報費の政務活動費比率が100%であるなど、疑義があり、特に名東区の浅井康正市議(当時、以下同様)が配布したとされる広報紙について、名東区の複数の市民より「見ていない」との報告が上がったことなどから、浅井康正市議に問い合わせなどをかけてみても回答が得られなかった。
減税日本ナゴヤの政務活動費支出について(2021-12-07)
ichi-nagoyajin.hatenablog.com
(2)その為、特にこの浅井康正市議の広報費113万2,065円について、返還を求める「職員措置請求」(住民監査請求)を行った。
職員措置請求書(2022-01-13)
ichi-nagoyajin.hatenablog.com
監査結果(2022-03-10)
ichi-nagoyajin.hatenablog.com
(3)監査結果は現状を追認するだけのものだったが、その根拠となる水野プランニングがポスティング作業を再委託した株式会社ポトスの作業代金「領収書」については監査結果として開示されなかった。
また、監査の中で水野プランニング提出のA4版領収書の記載「両面印刷」とA4版チラシの様態(片面印刷)が食い違っているにも関わらず、監査において一切言及されておらず、監査の実効性を疑わせるものだった。
故に、住民訴訟を提起した。
河村たかしセクハラ?/政務活動費返還訴訟(2022-11-16)
ichi-nagoyajin.hatenablog.com
事件名及び番号:名古屋市会減税日本ナゴヤ政務活動費に係る不当利得返還請求事件(令和4年(行ウ)第36号)
(4)公判において、住民監査で提出されたという水野プランニング宛て株式会社ポトスの「領収書」が提示されたが、様態として領収書の体を為しておらず、裁判所より「領収書(控)」ではなく、「領収書」を提出するようにと要請された。
しかし、被告補助参加人「減税日本ナゴヤ」からは「領収書」の提出はなされなかった。
補助参加人「減税日本ナゴヤ」から提出された、ポスティング代金の支払いを示す根拠とされる証拠
2022/8/12提出 丙4号証、水野プランニング宛て、株式会社ポトス発行「領収書(控)」写し
2022/9/20提出 丙12号証、水野プランニング宛て、株式会社ポトス発行「受領証明書」(令和4年9月5日作成)
2023/1/25提出 丙13号証、水野プランニング宛て、株式会社ポトス発行「入金伝票」写し
政務活動費返還住民訴訟に“ジャベリン”登場(2023-03-17)
ichi-nagoyajin.hatenablog.com
3月23日政務活動費返還住民訴訟(2023-03-23 )
ichi-nagoyajin.hatenablog.com
(5)補助参考人「減税日本ナゴヤ」において、水野プランニングからの再委託先支払いを立証する意志が見られないとして、尾張瀬戸税務署に水野プランニングの当該「売上」における経費報告等の資料を要求するなどの「調査嘱託」および、裁判所から直接「水野プランニング」「株式会社ポトス」に対して、これら支出を明かす書類の提出を求める「文書送付嘱託」を申し出、このうち水野プランニングに対して印刷業務の再委託を明かす書類の提出を求める「文書送付嘱託」が実行された。
さて、水野プランニングからはどのような書類が提出されたか。
原告である私が「文書送付嘱託」を行ったために、裁判所に送付された書類は必要に応じて原告側証拠として提出するそうで、次回期日となる7月26日の第7回公判に甲号証として提出されました。
名古屋地方裁判所(剣持亮裁判長)はこれらの提出と、それに付随する私の意見書(ほとんど「求釈明」、以下に掲載)によって、結審とされました。
判決言渡し予定は9月14日となります。
2.水野プランニングより提出された書類と、原告準備書面(5)
以下、原告準備書面(5)をそのまま掲載します。
関連証拠書類は画像イメージで掲載します。
必要に応じて、コメントをこの文字色で色付けして付けます。
(不明点とかありましたら、コメント欄にでもご投稿下さい)
頭書事件について、次のとおり主張します。
第1 前回公判以降の出来事、並びに提出証拠の説明
令和5年6月8日に開かれた前回(第6回)公判以降の出来事、並びに提出証拠の説明について。
1.送付嘱託について
令和5年3月28日、名古屋地方裁判所から水野プランニングこと水野昇氏(以下、水野昇氏と表記)に対して「送付嘱託書」(甲第29号証)が送付された。
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<>上記「送付嘱託書」に対する回答として、水野昇氏より令和5年5月1日付 「送付書」及び2020年7月20日付「御見積書 写し」(受注番号 V858006-1)及び2020年7月20日付「請求書 写し」 及び2020年7月26日付「納品書 写し」(甲第30号証)が裁判所に提出された(以下「送付資料1」)。裁判所受付は令和5年5月2日。
<><>令和5年6月8日の前回公判において、上記「送付資料1」に添付された「御見積書」などはA3版(甲第2号証)について言及されているだけで、A4版(甲第4号証)について言及されていないとの被告代理人等の指摘を受け、裁判所より水野昇氏に対して架電にて確認を行った。
これに対して令和5年6月13日付「送付書」及び2020年7月29日付「御見積書 写し」(受注番号 V863602-1)及び2020年7月29日付「請求書 写し」及び2020年8月1日付「納品書 写し」(甲第31号証)が裁判所に提出された(以下「送付資料2」)。裁判所受付は6月13日。
<><><>
その際、水野昇氏より名古屋地方裁判所民事第9部岡村東子裁判所書記官に対して補足説明があり、その要旨は「本日提出した見積書には、支払方法が『NP掛け払い』となっており、これは受注後、請求書を発行し、代金が支払われたことを確認してから納品するものである。
よって、本件に関する領収書はないが、納品書を発行しているということは、代金が支払われたということを意味するものであるので、補足する」とのことであった。(甲第32号証)
事実関係は以上であるが、これらの内、いくつか矛盾、疑問点があるので以下、釈明を求める。
第2.求釈明
1.減税日本ナゴヤ団長(当時)浅井康正氏は令和4年1月24日付住民監査請求(3監特第45号)に係る調査において、3の質問(2)へ「広報紙の印刷は、領収書に記載されている通り(この部分、黒塗りされており不明)がしております。」と回答している。(甲第16号証-3)
この場合、「領収書」とは「甲第2号証」及び「甲第4号証」の水野プランニング発行、減税日本ナゴヤ浅井康正市議(当時)宛のものを指すことは明白で、他に印刷業者を表す表記等はないことから、水野プランニングにおいて印刷が行われたものと解する以外無い。しかし今般、水野プランニングより印刷業務も第三者へ再委託されたとする資料が提出された、この不整合の釈明を求める。
2.補助参加人準備書面(2)の第一、1の(3)において「配布残部380枚は発注者である浅井の元に届けられた」とされていますが、今般の納品書にそのような記載がない理由について釈明を求める。
3.裁判所は送付嘱託書で「同業者(印刷の下請け業者)から受領した領収書及びこれらに類する文書」の送付を明白に求めている(甲第29号証)にも関わらず、領収書を提出しない理由について釈明を求める。
4.水野昇氏は「支払方法が『NP掛け払い』となっており、これは受注後、請求書を発行し、代金が支払われたことを確認してから納品するものである。」(甲第32号証)と説明されていますが、代金支払い後に納品されるのは「前払い」であって「掛け払い」とは言わない。例としてインターネット上で印刷を請け負う株式会社ウェーブによる「NP掛け払い」の説明を「甲第33号証」としてお示ししますが、ここには「NP掛け払いとは、法人・個人事業主のお客様を対象にした後払い(掛売り・請求書払い)の決済サービスです。
株式会社ネットプロテクションズ様の提供する「NP掛け払いサービス」を介して、弊社にて購入いただいた商品のお支払いを、ご利用月の翌月末までにネットプロテクションズ様指定の銀行口座または、コンビニの払込票でお支払いいただきます。」(甲第33号証)と明記されています。説明の齟齬について釈明を求める。
以下のリンクより引用
https://www.wave-inc.co.jp/guide/pay_np.html
5.また、同説明には「請求書は同梱されずに後日ネットプロテクションズ様より送付されます」(甲第33号証)とされています、決済業者である「ネットプロテクションズ」発行による「請求書」をお示しください。
6.また、 同説明には「領収書について」として「銀行振込の場合は、銀行での振込票(ご利用明細)/通帳の記載を領収証の代わりとしてご利用ください。
コンビニ支払いの場合は、受領書兼領収書(払込票控え)をご利用ください。」(甲第33号証)と記載されています。決済業者であるネットプロテクションズ宛の「銀行での振込票」または「通帳の記載」。コンビニ支払いをされたのであれば受領書兼領収書(払込票控え)をお示しください。
7.これら領収書となる資料を紛失した場合などでも、「NP掛け払い」を運営する「株式会社ネットプロテクションズホールディングス (Net Protections Holdings, Inc.)」のサイトにおける「NP掛け払いFAQ」(甲第34号証)によれば「領収書を紛失または、上記以外の領収書をご希望の場合は、以下のご注意事項をご確認の上、問い合わせフォームからお問い合わせください。
弊社にて着金確認ができている場合に限り、領収書発行を承ります。
当日のお支払いなど、弊社での着金確認ができていない場合、発行予約は対応しておりません。
領収書はPDFファイルをメール送付いたします。(郵送・但し書き変更は不可)」とのことであり、「銀行振込時の振込明細書」または「コンビニエンスストア払込票についている受領書兼領収書」または上記再発行依頼を行い、領収書が発行されるとの説明があります。よって6月13日に水野昇氏が裁判所書記官に口頭によって補足説明した「本件に関する領収書はない」との主張には事実誤認があります。領収書の提出か、事実の釈明を求めます。
以下のリンクより引用
https://faq.np-kakebarai.com/hc/ja
8.そもそも民法第486条「受取証書の交付請求等」の規定により、「弁済をする者は、弁済と引換えに、弁済を受領する者に対して受取証書の交付を請求することができる。」のであり、領収書が得られない取引などありえない。
9.6月13日の水野昇氏の補足説明「代金が支払われたことを確認してから納品するものである。」との説明が正しいとすると、「納品書」が発行される納品時には代金の支払いは終わっていることとなっている、しかしそうすると「送付資料1」及び「送付資料2」の「納品書」に記載されている「支払方法:NP掛け払い/ご納品後、別途送付される請求書に従ってお支払い下さい。」との記述は水野昇氏の説明とは矛盾する。釈明を求める。
10.「送付資料2」(甲第31号証)に付随する資料について、「送り状品名」が「浅井康正6月号」となっている。釈明を求めます。
11.「ポトスのポスティングサービス」(甲第35号証)によれば、「ポスティングする日」は「ポトス発行の週(隔週の水~土)」であるが、補助参加人提出の「名東区・長久手市エリア地区別部数表」(丙第5、6号証)によれば、「A32ツ折り」は8月6日(木曜日)「A4」は8月27日(木曜日)となっており、3週間の間があり、曜日も違う釈明を求める。
12.水野プランニングから配布を再委託された株式会社ポトスについては社名を明らかにしているが、印刷を再委託した会社については「送付資料1」「送付資料2」において社名を明らかにしていない。この理由について釈明を求める。
13.「送付資料1」及び「送付資料2」の「御見積書」「請求書」「納品書」の様態を見ると、「請求書」は「御見積書」と同時に発行され、「納品書」はそれから数日後に発行されている。つまり、見積をとり「御見積書」「請求書」発行後に、上記「NP掛け払い」を使い、代金の支払いよりも先に納品を受け、その印刷物の様態についてクレームを入れ、発注をキャンセルし、納品物と同時に送られてきた「納品書」を手元に残し、納品物だけ返品した場合、代金支払いをしなくても、「御見積書」「請求書」「納品書」を受領することができる。よって、これらの資料が代金支払いを証明するとする主張は成立しない。
第3.結語
以上のように水野プランニングこと水野昇氏に宛てた送付嘱託によって回答を受けた「送付資料1」及び「送付資料2」によって印刷業務の再委託の事実、印刷を行った事実は何ら立証されていない。
水野プランニングより印刷業務、配布業務の再委託を行ったのであれば、法人税法上( 法人税法150条の2、同施行規則59,60 )保管義務が課せられている、これら業務の再委託を証明する「領収書」を示すだけであるにも関わらず、上記のような事実と異なる「補足説明」まで行い「領収書」の提示を拒む理由について、疑念が湧きます。
水野プランニングこと水野昇氏において、明らかな事実を提示される意志がなく、発注者である補助参加人「減税日本ナゴヤ」に水野昇氏への協力を促す意志が無いとすれば、原告が令和5年2月9日に申立た尾張瀬戸税務署に対する水野プランニングの本件事項に係る売上申告、並びに原価、経費の申告、及びそれらに係る修正申告の全履歴を開示する調査嘱託を実行し、令和5年6月8日の「証拠申出書」に記載した関係者4名の出廷を求め、「本件広報紙の版下作成、印刷、配布の実態」及び「その他被告及び補助参加人主張事実全般」について、事実の追求をされんことを希望いたします。
以上のように、そもそも本件に係る広報紙について、その印刷の事実、配布の事実が明らかにされない以上、その様態によって議論すべき政務活動費の按分率についての検討は空疎な議論であり、今次準備書面では意見を保留させていただきます。
3.補足
今回の準備書面(5)において、尾張瀬戸税務署に対する調査嘱託や関係者4名の出廷を求めておりましたが、結審となりました。結局水野プランニングが再委託したとする印刷業務、配布業務について、明確な支払い根拠は示されておりません。また、原告においては印刷、配布が事実と認識できない広報紙の政務活動費按分率について、「今次準備書面では意見を保留」したままで有ることを申し添えておきます。
地裁審理が結審した。判決言渡し予定は9月14日となります。
付記:上記甲第16号証-3において浅井市議(当時)は「仲介手数料は発生しておらず」と明記している。つまり、これら印刷物の代価についても、水野プランニング請求と同額が記載されているはずで、このように黒塗りにするのは主張の一貫性がない。
また、補助参加人代理人小島敏郎弁護士は主張の中で水野プランニングが利益を上げても問題ないとする主張をされている。これはつまり同書における浅井市議の主張が異なり、水野プランニングが仲介手数料を得ている事を前提とするような主張であるが、この不整合についても釈明を求めたかった。