市民のための名古屋市会を! Ver.3.0

一人の名古屋市民が「地域委員会制度」「減税日本」に対する疑問をまとめるサイトです。(since 2011/3/3)

減税日本ナゴヤの政務活動費支出について

 
 現在、国会では「文通費」(文書通信交通滞在費)を日割りにするという議論が行われているようだ。全くくだらない。いい加減、この国は「アレが無駄、これが無駄」というような「さもしい」態度を改めないか。

 公務員の給与が高いと、その引き下げを喜ぶバカも居るが、公務員給与も、この社会の中の消費の原資で、その給与を引き下げることで市中の消費も引き下げられ、結果として自分たちの所得も引き下げられる。公務員給与を引き下げたところで、民間の給与が上がったり、税金が安くなったりはしない。歳出のどの程度が人件費か見てみればいい。

 公務員給与は最低賃金や中小企業の給与基準にも成っている、それを引き下げていくと、民間の給与水準も下げられていく。民間の給与も引き下げられると、さらに公務員の給与を引き下げろと騒ぐ。見事なまでに日本は、所得が低く貧しい国になったが、それはこうした「さもしい」縮小均衡の循環が引き起こした結果と心得るべきだ。
 
 このブログでは度々触れている "Allegory of the long spoons" のたとえ。

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 他人のものを引き下げようとする「さもしい心」が、自分自身を追い込み、社会を地獄に落としていく。

 それにだ。こんな事にわざわざ時間を削ぐのは頭が悪すぎる。もっと議論すべきことはいくらでもあるはずだろう。以前にも言ったが、「議会改革」を掲げるような議員に票を入れるな。特に議員でもない者が外野から「議会改革が必要です」と訴えるのは、笑い話でしか無い。議員にとって「議会改革」とは、例えば「ラーメン屋」で言えば「厨房をきれいにしましょう」というようなものだ。確かに、ラーメン屋の厨房が清潔であることはありがたいことだが、それは当たり前の前提であって、わざわざ声を大にして訴えることではない。「ウチの厨房はきれいですよ」とラーメン屋が宣伝したら、客が増えると思っているのか?

 「議会改革が必要です」「働きやすい厨房にしましょう」というのなら、実際に厨房に立ってみなければ分からない。勝手に外から眺めてアレコレ口出ししても、本当に効率が良いのかわからないはずだ。つまり、実態もよく知らない事柄に、「俺に任せろ」とばかりに口を出す人物というのは、信用のおけない、いい加減な自信過剰でしかなく、そんな人物を議員に選んでもろくな働きをするはずがない。

 議員報酬も同じだ。名古屋市の議会。現在68名。この報酬1440万円を800万円にするというのが、河村減税日本の主張だが、年間640万円を68人分まとめると、4億3、520万円になる。確かにまとまったお金に見えるが、名古屋市の歳出は2兆円規模で、行政においては「箱物一つ5億円」という「相場観」があるようで、気の利いた議員であれば、任期4年の内に地元に引っ張ってくる何かの成果が5億円程度と言われている。68人がかりで5億円にも満たない金額を「ケチった」ところで、名古屋市の市政など変わりはしない。それを延々、もう12年このかた議論しているのであれば、それこそ無駄、無能もいいところだ。

 最近面白い言葉に出会った。

 「迷っている原因が値段なら買っておけ。選んだ理由が値段なら止めておけ」

 つまり、欲しい商品、面白いサービスがあって、しかし値段が理由で踏み切れないというのであれば、それは買っておくべきだ。その機能や利便性に惹かれているのだから、今少々無理をして高い代金を支払っても、そのイタイ支払い以降に機能や利便性を味わえるのであれば、その買い物は後悔しない。しかし、ある商品を選んだ理由が「安い」というだけなら、「安い」ものには「安い」だけの理由があり、機能や利便性に劣っているから、必ず後悔する。「安物」に手を出してはいけない。

 日本一の安物市長など最低だ。

 話を戻すと。国会で「文通費」があるように、地方議会でも「政務活動費」というものがある。河村は、これを「第二報酬」のように喧伝したが、国会議員の「文通費」と違って地方議員の「政務活動費」は領収書等の使途の明確化や、政策効果の按分率が求められている。特に、この按分率が理解されていない。(河村も分かっていなかった)

 例えば、地方議員が事務所を構えて、その用途が純粋な議員事務所であっても、一定程度は自分の後援会の活動に使うだろう。後援会の人が訪ねてきて、催し物の打ち合わせをするのであれば、それは後援会活動であり、公務ではないとみなされ、私費での負担が求められる。このように事務所であれば、だいたい2~3割程度は私費負担する事となっているようだ。(この辺り、名古屋市会はオンブズマンと長い訴訟を経て、それらの判例からおおよその基準が決められているようだ)

 チラシやパンフレットもそうで、後援会活動である「バス旅行」やら「観劇会のお知らせ」及び自身の名前などは公務から除外され、その印刷物の面積割合で私費負担が求められる。なのでチラシやパンフレットの類では100%公費負担ということは考えられない。

 名古屋市の市会議員は政務活動費を一ヶ月50万円認められているが、これをすべて使おうとすると、上記のように按分率7割の場合、約22万円私費を持ち出さなければならない。なので政務活動費を100%支出する、活動する議員は少ない。減税日本ゴヤの市議のなかには、途中開設していた事務所も閉鎖して、新聞代金だけ政務活動費に負担を求めていたものも居た。地方議員の政務活動費が「第二報酬」などとするのは大いなる誤りで、政務活動費を使って、市政活動を行っている議員ほど私費負担も大きくなっていく。

 さて、令和2年の政務活動費中、減税日本名東区選出の浅井康正市議が、¥737,319- と、¥394,746-の支出を公費負担率100%として届け出ていた。サイズが異なっていても同じ日に2種類のチラシを配布するとしていたり、その領収書の発行元が「水野プランニング」となっていれば、事態の究明をしたくなるのが人情です。

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領収書1
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領収書2

(はい、署名偽造追求クラスタの皆様、お待たせいたしました。大村知事リコール署名運動、並びにその署名偽造騒動で、渦中に居た蝶ネクタイおじさん、「山が売れた」でおなじみの、水野昇さんの登場です。(♪お鍋の中からポワッと))

 そこで、次のような「内容証明配達証明・公開質問状」を浅井康正市議に宛てて送りました。(なんかオンライン送達使ったら、文字が小さくなってしまったけど気にしない)

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公開質問状

公開質問状


貴殿ご提出の政務活動費支出報告添付の領収書中、令和2年8月6日付け水野プランニング発行の額面737,319円の領収書(広報印刷60,000枚、全戸配布59,620枚)及び同日付額面394,746円(印刷配布数同上)について、名東区の住民より配布実績が無いとの報告を受けております。適正な政務活動費の支出を期するため、上記広報の配布残、版下データ、版下作成経緯、下請け印刷所等への支払い明細、全戸配布した形態説明、アルバイト等を雇って配布したものなら、そのアルバイトに支払った労賃の領収書等の資料提示を求めます。
 本状送達後、2週間程度でご回答頂ますようお願い申し上げます。なお、当公開質問、ならびにご回答、及び添付資料等は公開されることをご承知おきください。以上


書留内容証明郵便物差し出し証明 令和3年9月8日

 まず、公費負担按分率が100%の広報となると、自分の名前も入れられない。選挙向けの「売名行為」とみなされるからだ。市政に関し、こうした選挙目的、後援会対策に当たらない広報となると、議会が発行している「議会だより」と同程度の党派性のない公平な様式にしなければならないとの見解もある。そのため、実際に配布した残があれば確認させていただき、それが無いのであれば印刷時の版下データでも良いから示してくれと言っている。

 次に、名東区に全戸配布(名東区に全戸配布すると確かに約6万戸になる)すると言っているが、複数の名東区在住の住民から「そのような物は見ていない」という証言を得ている。逆に「見た」という人が一人も居ない!

 そこで「全戸配布した形態説明」や実際に作ったのか怪しいので「下請け印刷所等への支払い明細」配布したアルバイトへの「労賃の領収書等」の資料提示を求めた。

 そうしたところ、帰ってきたのが次のような書面だ。

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回答書

令和3年9月18日
(私の名前)様
名古屋市会議員
浅井康正


公開質問状に対する回答


 政務活動費の使途、報告は規定を遵守し執行しております。
 貴殿よりご指摘のあった市政報告の配布について、水野プランニングに依頼し、水野プランニングから(株)ポトスに発注されております。
 ご理解の程よろしくお願い申し上げます。


 ・・・・ご理解できないので、名古屋市会議長 服部将也市議に宛てて、次のような要望書を送りました。

名古屋市会議長
服部 将也 様
令和3年11月19日


要望書


要望の趣旨


 名東区選出の浅井康正市議(減税日本ゴヤ所属:以下単に「浅井康正市議」とする)の政務活動費の支出について、以下に述べるような疑義が認められますので、議長におかれましては「名古屋市会政務活動費の交付に関する条例」第8条に定められたように、政務活動費の適正な運用を期すため、調査を行われんことを要望致します。


要望者


(私及び、「当該広報を見ていない」とする名東区在住の名古屋市民、ここでは具体的な氏名等は割愛、以下同じ)


疑義とする根拠


1)浅井康正市議は「市議団広報A3印刷代、 60,000枚、402,000円」及び「全戸配布、59,620枚、268,290円」として、その代金、737,319円を、令和2年(2020年)8月6日付け、水野プランニング発行の領収書を添え、按分率100%として、政務活動費を支出している。


2)更に、浅井康正市議は「市議団広報A4印刷代、 60,000枚、180,000円」及び「全戸配布、59,620枚、178,860円」として、代金、394,746円を、令和2年(2020年)8月6日付け、水野プランニング発行の領収書を添え、按分率100%として、政務活動費を支出している。


3)しかるに、名東区在住の (具体的な名前は割愛) は、8月に全戸配布されたとするA3版、A4版の市議団広報なるものを見ていない。


4)令和3年9月8日に、(具体的な私の氏名は割愛) が、浅井康正市議に対して、「広報の配布残、版下データ、版下作成経緯、下請け印刷所等への支払い明細、全戸配布した形態説明、アルバイト等を雇って配布したものなら、そのアルバイトに支払った労賃の領収書等の資料提示」を公開質問状として求めたところ。


5)浅井康正市議より令和3年9月18日に「水野プランニングに依頼し、水野プランニングから(株)ポトスに発注されております」との回答を得たが、この主張を裏付ける具体的根拠は示されなかった。


要望事項


1)(株)ポトスにおいて配布された事の分かる具体的根拠書類をお示し願いたい。特にどこに、いつ配布したか具体的にわかるようご調査願いたい。


2)浅井康正市議が直接(株)ポトスに依頼せず、水野プランニングを介在させた理由についてご確認願いたい。
(株)ポトスは浅井康正市議からの直接の依頼を断らないものと推測いたします、中間業者「水野プランニング」を介在させればマージンが発生しますが、直接発注すればマージンは発生せず、より安価に済むのではないでしょうか。公費の支出を1円でも削減すべきと主張されている減税日本であれば、そのように取り計らうべきであると愚行する次第です。今般、そうされなかった事情についてご調査願いたい。


3)配布したA3版、A4版市議団広報の配布残、または版下データ、及びその様態等をお示しいただいて、政務活動費負担按分率100%で配布するにふさわしいものであるかご調査願いたい。


以上調査され、政務活動費の適正な運用を期されんことを要望いたします。
以上

 さて、この要望書に対して、政務調査費の適正な支出に責任を負うものは、「各会派」とされているので、令和3年12月2日に名古屋市会議長名で減税日本ゴヤに対して「市民からの問い合わせに対しては、適切に対応するよう」(大意)との意見書を提出して、公開質問状提出者である私に対して、各質問、問い合わせに応えるよう指示されたとの報告を受けました。

 具体的にどのような書面を出されたのか、その写しはいただけないか。また、公開できないかと問い合わせましたが、上記のように文面の大意を伝えるにとどめ、書面そのものの提示、ならびに公開はできないとの事でした。

 さて、議長からの指示は12月2日だそうなので、今日でおおよそ1週間が経つ。後一週間ほど待とう。

 後一週間ほど待っても、上記公開質問状で要求した回答が得られない場合、「政務活動費の使途、報告は規定を遵守し執行」されていないとみなします。(ちなみに、この文章では、政務活動費の使途、報告は現行の規定に沿えば良いとしているわけだが、減税日本って、現在の規定では足りないと訴えていなかったか?)
 
 正当に支出されていない政務活動費について、名古屋市監査委員会に監査の申入を行います。*1

 令和2年8月といえば、水野プランニングの水野昇氏は、大村知事リコール署名収集で毎日のように活動されていた時期だ。街頭活動終了後には、収集作業を行ったボランティアたちに食事をおごるなどして「水野さん、金回りが良いね」と言われて「山が売れたんだ」と回答されていたと聞く。そんな最中、名東区の全戸(約6万戸)にチラシを配布するという業務を受注されるだろうか?。ポトスという業者に再発注されたのであれば、浅井康正市議が直接発注すれば、署名収集作業で忙しい水野昇氏の手を煩わせる必要もないし、安く上がるのではないのか?

 どうにも、腑に落ちない。話に信憑性がない。

 この令和2年8月6日の737,319円+394,746円=1,132,065円

 知事リコール署名収集期間、2ヶ月間の活動費、一ヶ月当たり50万円×2ヶ月で100万円を、減税日本から水野昇さんに支援しようとするじゃない。それを政務活動費から捻出しようとして、浅井康正市議側の事務手数料15%を載せると、115万円ってことになって、これだと実際の支出額に近似している。とても浅井康正市議の説明をこのまま素直に認めることはできない。

 ちなみに、もう一つの方法がある。この1,132,065円を、水野昇氏と協力して、山をもう一つ売るなり耳を揃えて返金し、この政務活動費の報告を取り下げる。そうすれば住民監査請求も棄却される以外ないだろうね。そっちの方が面倒がなくていい。
 
「ご理解の程よろしくお願い申し上げます」

追記:
某マスコミから問い合わせが入った。
どんどん使っていただいて結構です。
別に「引用」なんてしなくても、議会事務局に行けばオリジナルの資料にすぐ行き着くので、このブログのことなんか読んだこともない、オリジナルの「調査報道」の顔をして記事化したって私は別に怒りゃしません。というか、こうした事を書かないことに怒りを感じる。

住民監査請求を提出した際には市政記者クラブに投げ込みはしますけど、上に言うように浅井康正市議が請求を取り下げてしまう可能性もあります。そうしたら記事化はできなくなる?

記事にするなら(それも独自調査報道として!)今のうちかもしれない。

追記:
減税日本の政務活動費を見ていると面白いものが出てきた。

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鈴木孝之ポトス領収書

これは同じ減税日本の鈴木孝之市議に対する(株)ポトスの領収書だ。鈴木市議は水野氏を介さずにポトスに対してポスティングを依頼しているようだ。(これも按分率が100%であるが、それは別の議論となるだろう)



次回は、減税日本ゴヤの「病巣」について書きます。

また、名古屋城裁判は12月9日(木)16:30~
名古屋高等裁判所 10F

詳しくは、前回のエントリーをご覧ください。
ichi-nagoyajin.hatenablog.com


*1:住民監査請求は支出から1年以内でなければならない、この領収書の日付はすでに1年過ぎているが、監査請求がかけられる条件があるようだ、詳しくは後日