市民のための名古屋市会を! Ver.3.0

一人の名古屋市民が「地域委員会制度」「減税日本」に対する疑問をまとめるサイトです。(since 2011/3/3)

名古屋市民の皆さん、河村市長が改革派市長だなんて、勘違いしてはいけませんよ

某所で投稿したら消されたようなので、ここに再度書きます。
名古屋市民の皆さん、河村市長が改革派市長だなんて、勘違いしてはいけませんよ。

市長給与については、2億4千万円安くしたと言っていますが、ここに、市長が要求して新設した秘書(年間経費1千万円弱、河村氏以前の市長は設置しなかった)と、民間登用特命課長級職員2名の経費が含まれていません。本来、これらは市長本人か、既存の市の組織を活用すべき事柄であって、河村氏固有の余計な経費です。名古屋市の市長には、このような特別な秘書など付けなくても、市長室という既存の組織があり、優秀な職員が職務に当たっているわけで、なぜわざわざ別に秘書がいるのか意味が判らないところです。

それに、8年間で2億4千万円も市民に返したと言っていますが、2011年のトリプル選挙。― なぜ、市議会リコールに追い込んだのに市長まで辞任するんだと批判された市長選挙。― あの選挙で4億円ほど余分に経費がかかっていると言われています。と、すれば残り1億6千万円まだツケが残っていますよ。さらにその上に日立に賠償として支払わなければならない約4億円があるわけで、市民の税金を無駄にしていないなんてけして胸の張れる8年とは言えないでしょう。(日立に対する4億円の話題を出すと恫喝されるそうなので今日はこの辺にしておきますが)

また、議員報酬について。

そもそも議員報酬の議論というのは、議会改革が元々のテーマなのではないのですか?
議会を改革するために、それなら報酬を市民並みにするという論理構成だった筈です。

そこでお伺いしたいのですが、そもそもなぜ議会改革するべきなのでしょうか。

2つ有ると思います。

一つは、議会が市民の意向を汲んで、調査や議決、条例制定などを行う事。より民意を行政に反映させる事でしょう。

もう一つは議会が不正を行わないようにという事でしょう。

私が全く分からないのは、なぜ議員報酬が半減すれば、こうした機能が強化できると思うのでしょうか?
まったく論理が繋がっていないのではありませんかね?

議員には市民との「同質性」が必要だ。と河村市長は言いますが、そうでしょうか?議員には市民との同質性、とともに、市当局の行政運営や予算執行を監視するという、市職員との同質性も必要です。名古屋市の職員というのは優秀ですよ。石を投げれば名大卒に当たります(本当に投げないで下さいよ)そんな「エリート」と時には喧々諤々の議論を行わなければならない、その為には十分なスキルが必要なのは明白です。(そして、「市民と同質」の減税日本ゴヤの市議が、職員に歯が立たないのを見れば、十分納得できるはずです)

最初、2009年の河村マニフェストでは議員報酬は10%カットが謳われていました。

これは、当時の経済状況を鑑みて、歳出削減の為にという事で、縮小均衡論であり、合成の誤謬を起こす誤った判断なんですが、まあ、それはよろしい。歳出も削減するのだから、議員も報酬を10%削減して我慢していますよという「ポーズ」を示すという事なら理解できます。そして、現に議会は独自に、報酬の10%削減を実行しました。

その他、海外視察に批判があったり、費用弁償を廃止したり、議員年金を廃止したり。いわゆる「特権」といわれたものはほとんど廃止されましたね。これは全国的な趨勢でした。現在どうなんでしょう、議論があるのは政務活動費の個人情報公開ぐらいのもので、これも本当に公開が良いのか、政務活動費を公開することで、調査対象の当局に調査の動向が漏れてしまうという危惧もある。(河村氏がさんざん持ち出すロサンゼルスの事例、他国の全く制度も慣習も違う事例を比較しても意味がないのは承知で言うのですが、カリフォルニア州には法律で各都市の人口と市会議員の数が定められていて、ロサンゼルス市の市会議員は確かに15人です。しかし、この15人はそれぞれ20人のスタッフを雇い入れていて、議会内を含めて市内に3箇所の事務所を設置しているそうです。つまり、報酬は高くは無いが、経費は潤沢に使われているという事です。ちなみに、なぜ米国の事例を引き合いに出しますかね?成功している事例なら見習うべきですけど、米国の都市議会の在り方なんか参考にできますか?デトロイトの例を理解していないんですかね)

こうした政務活動費を私的流用したり、その他良からぬ事を地方議員が行わないように、議員報酬を半減するのですか?

逆じゃありません?

十分な報酬があれば、まだ防げた不正を、報酬を半減化することで起こしてしまった。
将に、この6年間で起きた減税日本ゴヤの市議の不正は、こうした報酬半減が引き起こした、セコくて倹しい。恥ずかしいような不正だったではないですか。

もう一度言いますよ、この6年で起きた名古屋市会内の不正と言われるものは、議員報酬半減によって、減税日本ゴヤの議員によって引き起こされた不正ばかりだったわけです。

議員の不正を防止するためには、勿論、監視と十分な情報公開が必要ですが、それに加えて真っ当な報酬を与えるという事も必要だというのが、この6年間の結論なのではないのですか。(今、こういったセコい違反が起きていないのは、減税日本ゴヤの市議にも真っ当な議員報酬が渡されているからではないのですかね?)

さて、議会改革が目指すべき目的はより市民の意向を汲む議会となる事でしょう。
では、こうした方向に河村市長は何をしましたか?

実は、河村市長は素晴らしい条例を公布しています。「名古屋市議会基本条例」と言います。
(作ったのは議会自身ですけどね、条例の公布は市長の権限ですから)

この第4条にこうあります。

名古屋市議会基本条例 第4条

議会は、市民の多様な意見を把握し、議会活動に反映させるとともに、市民が議会の活動に参加する機会を確保するように努める。また、議会活動に関する情報を市民に公開し、市民に対する説明責任を果たす。

その為に、第4項にこうあります。

第4条 4 議会は、議会報告会を開催し、議会活動に関する情報を積極的に公開するとともに、市民の意見を把握して、議会活動に市民の意見を反映させる。

名古屋市議会基本条例

素晴らしい規定ですね。まさに、議会改革が目指すべき市民意見の反映を明文化したものです。
では、この議会報告会、どうなったのでしょうか。

実は開かれていません。
河村市長は議会報告会に予算を付けないのです。

条文には「議会は、議会報告会を開催し」とあります。「議会報告会」の開催主体は「議会」です。

 では、「議会」とはなんでしょうか。
 これは憲法の93条に規程されています。(日本国憲法93条)「地方公共団体には、法律に定めるところにより、その議事機関として議会を設置する。」

 つまり、憲法によって、地方公共団体名古屋市)は議会を設置しなければならないし、議会基本条例に基づいてその議会が議会報告会を開催しなければならない。以上の法理は明白で単純です。河村市長が議会報告会に予算を付けないという状態は、議会基本条例に反していることは明白です。(残念ながら罰則規定はありません。しかし法益を侵害されているのは市民です)

本来議会改革が目指すべき、議会の健全化、活性化。その為の活動を河村氏はしていない。

私が河村市長は改革派などではないという所以です。

そもそも議会改革というのは、トップに掲げるような公約ではありません。

議会の機能を食堂に例えるなら。議会本来の機能は、おいしい食事を安全に、適正な価格で提供する事でしょう。この中で議会改革というのは、「厨房の掃除」だろうと思います。安全で衛生的な食事を提供するためには、厨房の掃除、衛生は重要です、しかし、だからといって何時までも厨房の掃除ばかりをしているのは異常でしょう。お客さんが来店して、オーダーがたくさん入ったのにそれをそっちのけで厨房の土間をブラシで洗っていたら正気を疑われます。

また、ついでに政務活動費は食堂で言えば何に当たるでしょうか?
私は食器や机、椅子などの備品費に当たるのではないかと思います。
確かに、異様に華美なもの、高価なものを出されては戸惑います、しかし料理にはおのずとその格に合った什器という物があると思います。

ついでのついでに、議会をこうした食堂で例えた場合、議員報酬は何に当たるでしょう。
当然のことながら、調理者や給仕の報酬となるでしょう。

こうしたスタッフの報酬が安い食堂の方が安心して入れるものですか?
どうでしょうね?


また、ちょっと驚く事ですが、減税日本ゴヤは議員報酬800万円を主張しています。
それが引き上げられた現在、彼等はその報酬を受け取らない、寄付などに回すと明言しています。しかし、そうした積み立てや、寄付の実績が報告されていません。彼等のホームページをみても、そうした処分については一言も書かれていないのです。

減税日本ナゴヤ市議団
(参照:8/19 所属市議の除籍に関する経緯説明会開催 | 減税日本

追記:減税日本は熊本に寄付をしたという指摘がありました。
確かに熊本の震災に対して寄付をしています。
議員報酬増額分および募金活動等による募金を義援金として熊本県に寄付いたしました。 | お知らせ | 減税日本ナゴヤ市議団

しかしそれは 2016年6月の1回だけで、継続的に為されているわけではありません。
また「別途検討します」について、1年近くアナウンスはありません。

お知らせ | 減税日本ナゴヤ市議団


また、現在、中区選出の減税日本ゴヤ市議は佐藤あつし氏です。
彼は前回選挙では県議でした。県議として、報酬800万円を超える部分については受取らず、寄付等を行う、という当時の広沢幹事長の呼びかけに1年目は寄付を行ったようです。しかし、2年目以降は報酬を受け取っています。そして、その期間にお家まで新築されているのです。

2016-06-26 減税日本と言う政党についての、ちょっと驚くべき事柄。

ここで注意しておくのは、私は佐藤元県議が県議として報酬を受け取った事は批判していません。
また、彼が家を建てるのもそりゃ自由でしょう。余計なお世話という物です。

しかし、県議として800万円をこえた報酬について受け取っていた佐藤元県議を、その後、中区の補選に公認して、市議として市議団に入れる。それで佐藤元県議が「議員報酬800万円を求めています」と言われて、信じる事が出来るのでしょうか?

減税日本として、この行動と公認の間の論理的整合性をどう保っているのでしょうか。

また、当ブログの読者の方ならよくご存じのように、名古屋市会が報酬半減を全会一致で議決した時に、それを最後まで阻止しようとしたのは他ならない河村市長その人です。

 「真・庶民革命」特設ページ

議員報酬半減を実現したのは、後に河村代表から疎まれて決別した、当時の減税日本幹部たちです。その最大の抵抗勢力は河村代表本人だったのです。これなども、昨年、議員報酬議論の結果、河村市長本人が議会リコールを行うと言っておきながら、途中からリコール運動を止めようとした行動とも重なりますね。

名古屋市民の皆さん、河村市長が改革派市長だなんて、勘違いしてはいけませんよ。



追記:
河村市長が反原発脱原発だと思うのも勘違いです。
奥さんは反原発脱原発がお好きなようですが、「シェールガスがどんどん採れる」というような事をおっしゃる程度のご理解で。
なぜシェールガスはカベにぶつかっているのか | 資源・エネルギー | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
とても、まじめにエネルギー問題を議論できるレベルではありません。

河村市長が反原発脱原発にどれほど熱心か。
傍証をお示ししましょう。


ここに有る図は河村市長が名古屋市当局内に設置したプロジェクトチームの活動状況です。
○は市長参加で開かれた会合。
×は市長不参加の会合です。
この中で反原発脱原発に関連するのは「放射線に関する庁内勉強会」ぐらいです。
(反原発脱原発の勉強会、近隣原発からの放射性物質漏えい対策や、あれほど騒いでいたハザードマップ対応、または公約の「名古屋市営火力発電所」や再生可能エネルギーの拡大対応など、一切ありません)
そして、その会合に市長は一度も参加していません。
市長は一度も参加していません。
また、2012年12月以来開かれていません。

追記:
それよりなにより、河村マニフェストには「脱原発」も「反原発」も謳われていない。
そもそも「原発」という文字すら無い。という指摘をいただきました。

河村市長が「脱原発・反原発」に尽力するなんてことを宣伝している人はまったく根拠のない事をおっしゃっているとしか言いようがありません。

平成29年 市長選挙 第1次確定マニュフェスト