市民のための名古屋市会を! Ver.3.0

一人の名古屋市民が「地域委員会制度」「減税日本」に対する疑問をまとめるサイトです。(since 2011/3/3)

政治家失格通告

 今朝から当ブログへのアクセスが上がっています。

 解体されようとしている納屋橋の「鳥久」に対して、本来許されるべき道路占有許可を出さないという不当な「嫌がらせ」を名古屋市の河村市長が行い、所有者の事業を妨害している問題で、当ブログは手作業による解体という「コロンブスの卵」的解決を申し上げた。つまり、河村市長が「歴史的な建物」に興味を持って事業の妨害をするのであれば、その価値を無くしてしまえば妨害する意味がなくなるので問題が解決するという事だ。

 たぶん所有者の方も同じことに気づかれて実際にそれが行われ始めた。
 http://www.asahi.com/articles/ASGCN3H4HGCNOIPE009.html
 http://www.chunichi.co.jp/s/article/2014112090120113.html

 その矢先に当の「鳥久」の建物が火災に遭い全焼してしまった。
 名古屋の堀川沿いの歴史ある建物、鳥久(得月楼)が全焼。22日未明 – 連載JP
 http://www.chunichi.co.jp/s/article/2014112290115957.html

 憶測好きの人の中には「鳥久」の建物の価値を無くして河村市長の思惑を覆そうとしている当ブログの主催者が「火をつけた」と思われる可能性もあるでしょう。
 あるいはこのブログで「犯行声明」でも期待されたのかもしれませんが明確にお答えします。

 私はそのような違法行為は行っておりません。

 念のため申し上げておきますが、11月21日(金曜日)の夜に某ミーティングに参加し、午後11時ごろからはその流れで参加者5人ほどと某所に行っておりました。そこを出たのが午前5時。始発電車を待つ参加者に付き合ってミスタードーナッツでコーヒーを飲みながら話しを続けていました。午前7時頃に「鳥久」の建物が火災に遭っているという連絡を受けて、帰宅の途中現場に駆け付けたという事で、私には「アリバイ」があります。

 ですので、私の居住地の近くで「鳥久を放火したのは●●(当ブログの主催者と思われている人物)」というような虚偽を噂でも流す者は、違法行為を形成し、場合によっては損害賠償の対象となる事もありますので念のため申し添えておきます。*1

 また、こんな事を言う筋合いではないかもしれませんが、不幸中の幸いとしてけが人などが出なくて良かったです。鳥久の方々、及び周辺の方々にはお見舞い申し上げます。

 さて、その鳥久問題で11月22日の中日新聞に一風変わった記事が載った。「鳥久解体問題」「『保存を確信』市長の謎」と題して、この問題における河村市長の不思議な対応をレポートしている。













 その一節にこうある。

 不可解なのは、保存に向けた交渉が不調に終わってもなお、市長が「建物が壊されるはずがない」と信じていたこと。「古い建築物を大事にする政策は正しい」という信念の強さ故か、相手の心情を読み誤っている。

 その他にも6月以降市長側からの働きかけが無い。河村市長が主体的にこの問題を解決しようとしていた動きが無い。つまりここでも河村市政にありがちな「ネグレクト」が発生していた事が分かる。これは相生山問題や木曽川導水路、国際展示場の問題でも同じだ。
 また、マスコミに報道してもらって世論を味方に付ければ建物保存はうまくいくと思っていた。という事は、裏を返せば「マスコミを使い、世論によって鳥久経営者に無理を飲ませようとしていた」という事で、メディアによる個人への不当な抑圧をもくろんでいたことになる。

 これなど、事実と異なるアジテーションを行い、議会を解散させた手法に似ている。

 さすがに各報道機関も、このような個人を「民衆の敵」に措定するようなバカな手段にのることは無かった。(そういう意味では、その世論を形成しようとしていた人々は不見識を恥じた方が良い)

 さて、引用にあるように今回の鳥久問題で露わになったのは河村市長の独特な「思い込みの強さ」「相手の心情を読み誤る」傾向である。


 実はつい最近このような経験をした。

 私は自転車で市内を移動することが多い。速度の出るロードバイクなので車道の左端を走る。よくある事だがウィンカーを点けずに左折する車があり、私の前を走っていたスクーターが巻き込まれそうになって急停車していた。
 私も左折した。左折した道路は渋滞しており、この車も停車していた。そこで私はその車の運転席側に回り、窓をノックして下げさせ、ウィンカーを出さなければ危ないと忠告した。
 ところがこの運転者はウィンカーは出していたと言うのである。
 ウィンカーのレバーを指してね。

 この運転手の態度は間違っている。

 この運転者が言うように、ウィンカーのレバーを倒したにも関わらず、ウィンカーが点灯しなかったのであれば、ウィンカーの球が切れているか、ヒューズが飛ぶなどの電装系の故障があったのだろう。

 普通の自家用車で、ウィンカーが正常に機能しているかどうか、運転席に座ったまま確認できる訳がないのであって、それを指摘されたのであれば確認するなり、その指摘を受け入れて謝るなりする以外に選択肢は無い筈だ。

 道路交通法で定められているのは、転舵の際に方向指示器のレバーを操作する事ではなく、方向指示器を点灯させることで、それが為されなければ道交法違反なのだ。

 後続して走っていた者が「ウィンカーが点灯していなかった」と指摘したならば、運転者はそれを否定する材料など持っていない筈だ。それでもその指摘を受け入れず、ウィンカーのレバーを操作したことで由としてしまう。これは誤りだ。

 こうした「主観への固着」(「脱中心化」できない)という傾向を持つ人は多い。


 「サリーとアンの実験」というものがある。
 被験者にこのような物語を見せる。
 これはサリーです、
 サリーはカゴを持っています。

 これはアンです、
 アンは箱を持っています。

 サリーはビー玉も持っています。
 サリーはビー玉をカゴに入れました。

 サリーが出かけます。

 アンはカゴからビー玉を取り出し、
 箱に移しました。

 サリーが帰って来ました。

 サリーがビー玉で遊びたいと思いました、サリーがビー玉を探すのはどこでしょうか?

 ここで「主観への固着」がある(脱中心化できない)被験者は、自分が「アンの行動」を見ているので「箱」と答えてしまうそうだ。被験者が「サリーの視点」に立つことができれば、サリーはビー玉がカゴの中にあると思っている事が理解できる。

 この最後の問いかけに正しく回答するためにはサリーの心を理解する必要がある。つまり第三者の「心の理論」を理解する必要があるのだ。
 他者の心情を理解できない者、「心の理論」を理解できない者は様々な軋轢を生むようだ。

 サリーとアンのテスト


 そうした中でこのような出来事もあった。

近藤市議、離党を決断 河村市長「しゃあない」

 地域政党減税日本」所属の近藤徳久名古屋市議(51)=東区、一期=が離党を決めた。代表の河村たかし市長は二十一日、記者団に「残念ですが、しゃあない。つらいけれど」と話し、離党を受け入れる考えを示した。
(略)
(2014年11月22日  中日新聞

http://www.chunichi.co.jp/article/aichi/20141122/CK2014112202000042.html

 この近藤市議の問題、減税日本の東区における市議擁立問題についてはすでに当ブログでお伝えしている。*2
 2014-09-04


 ここで注目したいのは河村市長の言葉だ。どこまで正確か、その前後が無いのか不明なので、確定的な事は言えないけれども、それでもこの言葉は今までの議論を踏まえると興味深い。
 つまり「残念ですが、しゃあない。つらいけれど」という3つの言葉の持つ意味と、そこに欠落してる大きなものが見えてくる。

 普通、党の代表者、公人として、自身の党から離脱者が相次ぐような場合には、「残念です、支援者に申し訳ない」などという発言があるのではと思う。ところがこの「残念ですが、しゃあない。つらいけれど」という言葉は見事に主観に固着している。「脱中心化」できていない。「(自分としては)残念ですが、(自分としては)しゃあない。(自分としては)つらいけれど

 
 思い起こしてみれば、河村市長という人物は為政者として有権者や市民の為を思って発言したことがあっただろうか?有権者や市民どころか、自分たちを支援してくれる支持者の事すら蔑ろにしているのではないか。いや、それどころか自分に付いてきてくれた減税日本ゴヤの市議の事すら考えなかった。それがこの近藤市議の顛末だろう。

 いやしくも為政者、政治家が「ひとの心」を理解できなくてそれが務まるものだろうか。

 中日新聞の今回の記事、市政キャップの署名も入ったこの記事は、中日新聞としての河村市長への明確な政治家失格通告なのではないだろうか。


追記:いまさっき遠くで大きな声が聞こえ、それが近づいてきました。
いわく
「私、河村たかし
育てていただいた皆様のために(不明)
税金を一円でも安くする(不明)
広沢一郎を応援してください。
河村、河村、河村たかし(略)」

という河村たかし5回に広沢一郎1回の「事前運動」宣伝車のようでした。

事前運動の適法性違法性も、
候補予定者と自分の名前のアンバランスも別にどうでもいいです。

しかし、訴求ポイントが
「税金を一円でも安くする」って。
もっと他に言葉があるだろうに。

有権者は1円の為に投票行動すると思っているのでしょうか。
どこまで「セコイ」のか。



追記:
 騒動に紛れて減税5%の効果検証(シミュレータ)についてHPに掲載されたようです。
 http://www.city.nagoya.jp/zaisei/page/0000059765.html

 一番下の「参考資料」というリンクがそれのようです。

 内容はともあれ、前回、21年のシミュレーションと比べると、表紙に若干の違いがあります。
 なんとなく、色々と意味深なものを感じてしまいます。


*1:こんな事を言わなければならないほど程度の低い者を相手にしていると思うと情けないですけどね。いったい永田町で何を習ってきたんだか

*2:本論とは異なるので欄外に書いておくが、記事にある「市長周辺」とは河村市長の奥さんになる。また、広沢幹事長の話として党の対応が語られているが、その党の対応とは別に河村事務所、または河村夫人からの働きかけがあったのは事実だろう。減税日本という政党が政党としての体を為さず、河村商店という個人商店のままだという証左だろう。