・小牧市立図書館問題
・「鳥久」問題の本当の問題
・スクープ!? うちわネタ!
小牧市立図書館問題
本題に入る前に。
ツイッターで私をフォローしてくださっている方々はご存知だと思いますが、私は佐賀県武雄市のいわゆる「ツタヤ図書館」「武雄市モデル図書館」に対して懐疑的な立場を取っています。「武雄市モデル図書館」は行政への民間企業の参画モデルとも捉えられていますが、完全に行き過ぎです。そしてこの取り組みは将来的に「公共図書館」を破壊する事に繋がります。
すでに、武雄市図書館では幾つかの要素が破壊されています。
小牧市にこの「武雄市モデル図書館」を導入するという話を聞き、小牧市の市民の方と意見交換を致しました。思った以上に状況は進んでいるようです。
当ブログとしても「小牧市立図書館問題 特設サイト」を開設しました。
小牧市立図書館問題インデックス
また、11月9日には小牧市ラピオでシンポジウムが開かれます。
ご興味のある方は是非ご参加ください。
「鳥久」問題の本当の問題
納屋橋の「鳥久」取り壊しの問題は河村市政の姿を象徴している。
10月27日の市長会見でもこの話題が出たようだ
――名古屋市中村区の堀川沿い、納屋橋近くにある「鳥久」の古い建物を解体しようと、所有者が工事に必要な許可を申請しましたが、市長は保留しています。
長年、ああいうたぶん江戸時代の建物ですから。頼山陽も訪れたであろう建物を守って頂いて大変ありがたい。まずは、感謝申し上げたい。
(略)料理屋の尾張の庶民が集まったところもうない。最後の一個。頼むで壊さんでほしい。頼んで聞いて欲しいと。
憲法の29条3項にありますけど、私有財産は正当な補償のもと、これを公共のために用いることができるとある。正当な補償もやらさせてもらうし、名古屋のために残してほしい。
納屋橋には堀川にも毎年70億近く、市の税金だけじゃなく全体でかかっている。納屋橋の色んなことにはようけ税金かけとる、そういうの無駄にせんようにね。
まさに欠くことの出来ない決定的な財産です。本物のですから。(略)
得月楼(戦前、料亭だった当時の名)。堀川の水に月が浮かんだということでこの名前。これを決定的なきっかけにして屋台も復活して、伏見、納屋橋、柳橋。名古屋城にも船で行けるようにして。川床料理できればいい。
とにかく残してほしい。規制緩和も申請するだわ。特区かなんかの。とにかく残してほしい。懇願しとる次第です。
――判断の保留はこのまま続けると。
はい。
――説得できるまで保留するのですか。
そういうことです。
http://www.asahi.com/articles/CMTW1410272400001.html
のちに述べたい事とも関連するので少々長く引用しました。
この会見で河村市長は「建物を守って頂いて大変ありがたい。まずは、感謝申し上げたい」と感謝し「頼むで壊さんでほしい。頼んで聞いて欲しい」と懇願し「正当な補償」をと言っている。ならば「鳥久」さんが困惑するような金額ではなく、ちゃんと「正当な補償」を提示すれば良いのではないだろうか。
「鳥久」さんと隣接する建物の間には市有地が有り(事実上、「鳥久」さんの裏(後述)に繋がる私道)、この市有地の払い下げを受けて10階建てのマンションにするつもりであったものが、河村市長が市有地の払い下げも止めたために計画が縮小となって9階建てのマンションになったそうだ。
この市有地払い下げの停止は嫌がらせに近い物であり「感謝」を口にして「頼む」と懇願する者がする行為だろうか?
なんでも河村市長はここに示したような「チラシ」を配っているそうだ。
私にこのチラシを見せてくれた人は「酷いチラシだ」「なぜ、市長の名前でこんな事が出来るんだ」と憤っておられましたが、この文章を読んだ私は別のところで怒りがこみ上げました。ここに「十州楼」という名前があります。
北区の大曽根にあった料亭で、相撲の名古屋場所などで相撲取りやひいき筋がにぎやかに宴会を開いたり、粋筋が三味線や太鼓を楽しんだり。本当に風情がある建物、そして一角でした。ところが今では更地です。
東区の古出来町、下町の河村市長であれば、納屋橋の「鳥久」よりも「十州楼」は馴染みがあるのではないのか?
なんちゃって名古屋っ子だから、知りもしないし、馴染みも無いか。
あの「十州楼」をみすみす潰しておいて、今更「鳥久」の所有者を虐めるとは、いったいどうした了見なんだろう。
このバランスの悪さ、一貫性の無さはどうしたことなんだろうか。
河村市長のチラシに昔の鳥久、得月楼の「絵」が載っています。それと現在の写真も。
昔の「絵」をよく見ると木造の3階建てである事が判ります。ところが現在の写真では2階建てに見えます。
これは私が撮った「鳥久」の今の姿です。つい先日(26日)に撮影しました。
これを見ると1階部分が増設された堀川ののり面と遊歩道で埋められている様子が判ります。(このすき間に入るために前述の私道があったようです)河村市長は「堀川の水に月が浮かんだ」と詩的な事を言っていますが、1階部分はこのように「地下」になってしまい、2階にしても間に遊歩道が設置されています。すでに往時の面影は無くなっています。そうした面影を含めて、壊し、のり面を強化しなければ堀川の管理ができないのでしょう。ここをもう一度壊して「船で行けるようにして。川床料理ができればいい」と言うのですかね?
思い付きで話を進めるために全てがチグハグではないでしょうか。
上に示した縦長の写真では、堀川の水が緑色に戻っている様子が伺えます。透明度は完全にゼロという感じですね。川面に白い泡が見えるのは「エアレーション」高濃度の酸素を通して少しでも浄化できればという取り組みです。
しかし、はやり今の堀川は汚い。臭い。
河村市長になってからの堀川は汚くて臭いです。
これはその鳥久の向かい側にある「ゴンドラ」の様子です。
桟橋には人は居ません。ゴンドラに乗船しているのはスタッフと関係者のようで、盛んに周囲の人々にアピールしては納屋橋を行ったり来たりしていましたが、乗ろうとする人は(私が見ていた限りでは)居ませんでした。
それは今の堀川が汚くて臭いからです。
河村市長になってからの堀川が汚くて臭いからです。
なぜ河村市長になってからの堀川が汚くて臭いのか、堀川の導水事業が平成22年3月22日の段階で止まったからです。
周辺市町の水利権をお借りして木曽川の水を「0.4トン/秒」流させていただいたのが堀川導水事業でした。しかし周辺市町はこのままではこの事業への協力ができないとしています。
なぜ、周辺市町が堀川導水事業に協力してくれないのか、それは名古屋市が、河村市長が「名古屋は水が余っとるで徳山の水を引く導水路はいらん」と「木曽川導水路事業」から撤退すると宣言したからです。
すでに「徳山ダム」は出来上がっており、水を引こうと引くまいと505億円は名古屋市の負担となります。今更「木曽川導水路事業」から撤退しても名古屋市に利するところはありません。*1
「名古屋は水が余っとる」と事業を撤退しておいて、それでいて「堀川に水を引きたいから、木曽川の水利権を継続的に貸してくれ」と言われて、貸す人はいません。
ろくな補償もせずに「頼むから」「まさに欠くことの出来ない決定的な財産です。本物のですから」などといわれたところで、私有財産を提供して建物の保存に同意しなければならないのだろうか?
勝手な事を言って堀川の浄化を破壊して、その臭い堀川に「月を浮かべて川床料理」?
まったく、チグハグだ。統合されるべき認識が失調しているとしか思えない。
河村市長になってからの堀川は汚くて臭い。
その為に堀川の遊覧船事業にも客が来ないし堀川周辺の店舗も川の魅力を利用できない。今年の夏などは、ちょっといや〜な匂いが戻ってきていた。導水事業を実施していた頃は改善もされていたし、魚や亀が泳ぐ姿も観察できたというのに。
「鳥久」に無理強いしてその建物を保存するよりも、もっと納屋橋全体、堀川流域全体の価値を高める政策を打てる筈だ。これこそ政治の仕事、市長の権限事項ではないのか。
つまり、堀川の導水事業を再開する事。
それには簡単だ、木曽川導水路事業を正常化して、水利権1.7トン/秒を確保し、その内の幾分かを堀川導水事業に振り分ければ良い。名古屋市の水利権の振り分けだからすぐにでも可能だ。
「鳥久」で個人の権利を侵害し、
「木曽川導水路事業」で周辺市町の権利を侵害し、
「弥富相生山線」で周辺住民の権利を侵害している。
それが河村市政の姿であり、本当の問題だ。
追記(11月11日):
こういった記事が。
中村遊郭・長寿庵 (愛知県名古屋市) - 新日本DEEP案内
スクープ!? うちわネタ!
さて、国会周辺では「うちわ」が流行っているようですが、
さすが、流行に敏感な方が。
(まだボカシを入れておきます)
本当にこの方には子どもたちが世界に通用するかとか言う前に、
ご自分が社会に通用するかどうかを考えて欲しいものです。
(つまり、英語より前に母国語、法律より前に常識を習うべきでしょうね)
詳しい事はもう書くスペースが無くなりましたね、各マスコミの「根性」に期待いたします。
*1:一説には年間の負担金、1.9億円を支払わず、減税財源にしたいから導水事業から一時的に撤退しただけで、河村市長は自分が市長を辞めたら(国政に復帰した後は)事業を再開すれば良いとしているという噂もある