市民のための名古屋市会を! Ver.3.0

一人の名古屋市民が「地域委員会制度」「減税日本」に対する疑問をまとめるサイトです。(since 2011/3/3)

1,147億円のインパクト

 今回もある方からの投書を元に構成した。(名古屋市政の駆け込み寺の趣がありますね)

 表題にトンデモない数字が出てきているが、これはひょっとすると河村市長がドブに捨てる事になる金額かもしれない。もう、平針里山や西部医療センターの比ではない。相生山の道路をぶっ壊そうが、減税で意味も無い金をばら撒こうが、いっそ名古屋城の木造化や1000メートルタワーを建てても良いから(その方が言うには)河村市長が辞めてくれないと、これぐらいの金が吹っ飛ぶことになるのではないかと危惧されている。

 どういう事か。


 ご存知のようにリニア中央新幹線が2015年着工と決まり、東京から名古屋までの計画区間ではすでに動きが出ている。
 (実際には2013年9月19日にスタートの合図が打たれたそうだ
 愛知県の路線概要(資料:JR東海) | 日経 xTECH(クロステック) )

 JR東海は各工区の工程の目途を公表している。
 http://company.jr-central.co.jp/company/others/assessment/document1408/index.html
 http://search.jr-central.co.jp/search?access=p&entqr=0&sort=date%3AD%3AL%3Ad1&output=xml_no_dtd&ie=Shift_JIS&btnG=%8C%9F%8D%F5&client=company&btnG.y=7&q=%8DH%8E%96%8Cv%89%E6+3-1+%8DH%8E%96%88%CA%92u&numgm=5&filter=0&btnG.x=31&ud=1&site=default&oe=Shift_JIS&proxystylesheet=company&ip=180.196.225.12&start=10
 こっちで参照した方が分かりやすいようだ。
 (というか、私もどれが正か良く判らない所がある)

 こうした資料から、東京、川崎、愛知の各工区の工程予想を並べてみる。
 それがこの図である。(最新のデータを拾えていない可能性はある)
-

 これを見てみるとおおよその工程は11年の辺りで終息しているのが分かる。
 そして、各工程が行儀よく並んでいる様子も見て取れる。

 こうして並べてみると、一か所だけ異様な空白が有ることが分かる。
 そう、愛知県の「G地区」ここだけが着工8年目まで空白とされている。


 これはどこか。愛知県の「地下駅」言わずと知れたリニア中央新幹線のGOALである「名古屋駅地区」である。


 その方は名古屋の動きが鈍すぎて、このままでは名古屋市のせいで、リニアの開業が遅れるのではないかと心配されている。

 「とてもじゃないが、名古屋市名駅地区に対する態度を見ていると、リニアが来ることに対する危機感や切迫感を感じない」という事だ。

 例えば、川崎市の対応はどうか。
 リニア中央新幹線計画に関する地質調査等の市有地における実施に伴う許可申請書の提出について 平成24年6月18日 まちづくり委員会資料
 まちづくり委員会資料 陳情の審査(視察) 平成26年7月18日

 と、非常に活発、具体的であることが分かる。


 岐阜県中間駅となった中津川市はどうか。
 リニア中央新幹線 | 中津川市公式ウェブサイト

 活発どころか、「リニア中央新幹線駅市」とでも名前を替えそうな勢いであることが分かる。




 名古屋はどうか。
 対応する「住宅都市局都心開発部リニア関連・名駅周辺まちづくり推進室」が設置されたのは、やっと本年度になってからである。
 名古屋市:住宅都市局リニア関連都心開発部リニア関連・名駅周辺開発推進課(市政情報)

 そこへの増員も8名に過ぎない。(栄公共空間を含む増員)
 平成26年度組織改正・定員の概要について 平成26年2月6日プレスリリース

 
 更に、この方が危惧すのは、今回の「総合計画2018」だ。
 この中でリニア関連の具体的施策が謳われているのは「施策32 世界の主要都市としてふさわしい都心機能・交流機能を高めます」だ。
 都市像4 魅力と活力にあふれるまち|名古屋市総合計画2018(分割版)


 ここで指標として掲げられているのは
 「1.世界の主要都市として交流が活発に行われていると思う市民の割合」
 「2.中部国際空港の国際線旅客便就航都市数」
 「3.名古屋港の総取扱貨物量」


 もう一つは「施策38観光・コンベンションの振興と情報発信により交流を促します」だ。

 ここで指標として挙げられているのは
 「4.観光総消費」
 「5.国際会議の年間開催件数」
 「6.観光客の満足度」

 この指標を通番にしてみるが、
 1,6は単なるアンケートだ
 2,3,4,5 は名古屋市は側面となる事業ではないのか。

 名古屋市がリーダーシップを持ってリニア開業に向けどのような都市を実現しようとするのか、何も見えてこない。ではない。そんな陳腐な表現では正確ではない。

 この総合計画では「リニアが来ようと、名古屋市は何もしませんよ。皆さん頑張ってください」と言っているようにしか見えない。

 それでいて「名古屋市駅周辺まちづくり構想懇談会」
 名古屋市:名古屋駅周辺まちづくり構想懇談会(市政情報)

 がまとめた「構想案」
 めざすはスーパーターミナル・ナゴヤ

 における「プロジェクト調整会議」の建て付けは名古屋市が中核となるつもりでいる。

 わざわざ「地元まちづくり団体」と別に、枠の外に「名古屋駅周辺地区のまちづくりに関する団体」を置いて、「行政が主導し、着実に取り組むことにより、民間・地元の動きをけん引!!」と大書されているが、



その牽引の姿がこんなスケジュール感だ。



 すべては「検討、策定」いまだに餅すら絵に描けていないありさまだ。




 今、名古屋の政策はすべてこれだ。












 なごや交通まちづくりプランにおいても当面は「検討」だらけ。


 名古屋で「かんこうしときます」は「何もしません」に等しい


 河村市長も「かんこうします」というが、実際何もしていない。


 結局、河村市長は2期までしかやらないのだろうか?

 2016年の改選で3期(考えようによっては4期)に至るので、多選禁止を言っていた市長なら、立候補しないのだろうか。その為に様々な施策について、2016年まで手つかずで置いておいて、放置しよう、ネグレクトしようというつもりなのだろうか。

 そうすると、この2年間はリニア工事についても、名古屋市は他の工区から遅れるのではないだろうか。

 もし、こうした調整が不調に終わり、名古屋のせいでリニア開業が1年でも遅れたら。

 東京ー名古屋間のリニア中央新幹線の総工費はおよそ5兆5235億円と聞く。1年遅延して、その金利負担が2%と仮定すると、1,147億円の負担となる。
 (私は金額どうこうより、歴史に名が残ると思いますがね、墓に鎖がかかるかもしれない。そうすると、河村市長の敬愛する宗春並の扱いを受けるという事になるのだろうか)

 平針里山、西部医療センター、弥富相生山線、グズグズと決められない河村市政。

 リニア開業に対する名古屋市の事業負担分について、こんな姿勢で臨むのであれば、いっそ2016年と言わずに、即座に市長の椅子を投げ出した方が良い。
    あ、それが決められるようなら問題はないのか。






















追記(11月10日):

リニア着工向け住民説明会 名古屋新駅で移転対象70棟

リニア中央新幹線着工に向けた住民向け説明会が8日、新駅ができる名古屋市中村区であった。JR東海は、名駅地下の新駅建設に伴い、移転が必要となる地上の建物が駅周辺で約70棟に及び、登記簿上の地権者は約120人と説明。ルートが地下を通ることで補償の対象となる駅周辺の地権者は約560人とした。

 愛知県内の大半のルートは補償が不要な地下40メートル超だが、今の名駅と地下で交差するリニア新駅は、乗り換えの便利さを考え深さ約30メートルの予定。地上での土地や建物の所有者、居住者は補償対象になる。また、新駅建設は地上から掘削するため、名駅周辺の東西の土地を取得する必要がある。

 懸案の名駅周辺の用地買収について、JR東海名古屋市と調整中。説明会でJRの担当者は「責任は我々が負う」としつつ、「リニア計画は国家プロジェクト。地元自治体に業務の一部を委託させていただき進めたい」と話した。(朝日新聞デジタル 2014年11月9日19時01分)

http://www.asahi.com/articles/ASGC86451GC8OIPE00J.html