市民のための名古屋市会を! Ver.3.0

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11月定例会

名古屋市会11月定例会の本会議、個人質問が一通り終わった。

 市当局から提案された議題についての質疑は自民党からの1件だけで、残りはすべて議案外質問という、議会主導の議論と成り、市当局の施策の内容の無さを示した。


 一連の議事の中でも河村市長のトンチンカンさは際立っており、市長の決定力のなさ、ガバナンス=統治能力の無さが明確になってきている。

 市長選挙が行われたのは今年の4月であり、まだやっと半年を過ぎたところだ。
 こんな段階ですでに「死に体」の状態になっているのでは無いだろうか。


 今定例会の大きな話題になるだろうと目されていた「敬老パスの負担金値上げ」について、結果として改定案を市当局は提出できなかったわけだが、それに対して河村市長は負担金の倍増案について「知らなかった」などと回答していた。

 市の当局者は市長に説明をしたと言っているし、当局の役人が市長の意向も確認せずに改定案を提出する筈も無い。

 誰がどう考えても河村市長があまり深く考えもせずに改定案の議会提出に同意して、後から訂正しようとしてドタバタになった、その責任を当局者に押し付けようとしているとしか思えない。

 ドラマ「半沢直樹」で有名になった「部下の手柄は上司のもの、上司の失敗は部下の責任」とでもいったところだろうか。こんなトップの下で、組織が有効に機能する筈がない。すでに河村市長が「死に体」になっている理由だ。

 結局、一期目(途中、トリプル選の改選も含めて一期目と考える)には優秀な部下と機能する組織があった。それはそれまでの市長が作り上げた人材であり組織だったわけだ。
 その遺産で4年はもった。

 しかし、その4年の間に河村市長は数々の失敗を行い、それ以上の不作為を積上げてきた。一例として、すでにこのブログでは取り上げているが、河村市長は区役所に業務視察で訪れたことが無い。職員の業務を鼓舞しようなどという発想は頭から無い。

 結果として河村市長の機能は「野党の無責任なデマゴーグ」でしかなく、「テレビ芸人≒政治家風」でしかない。

 トークで語られる「中小企業の経営者」という発言も怪しいものだ。

 こんな組織運営(無責任、非決定)、経営感覚(廉価販売、オカルト経済学)では企業は即座に潰れるだろう。


 河村市長には組織を運営したり、ましてや作り上げるなどということはできない。それは彼が作り上げた「減税日本」という組織がどのような姿であるかを見れば一目瞭然だ。


 河村市長には政治思想や政治理念というものが無い。

 彼が語るこれら政治哲学的な話はマヤカシでしかない。

 つまり、政治家風芸人のネタ話程度でしかない。

 まじめに付き合う方が馬鹿げている。

 例えば昨今の「特定機密保護法」について河村市長は次のようなコメントを出しているようだ。

 河村市長は27日、「官僚支配の悪のりという感じ。国家の管理を強めるという根っこは増税マイナンバーと同じ」と指摘。「国の防衛はどえらい重要だが、本当の保守というのは個人の自由を強める方にいかなあかん」と話した。

http://www.asahi.com/articles/CMTW1311272400008.html

 彼の主張は「保守」ではない。
 「保守」や「伝統主義」が「個人の自由」と時に衝突することは明白だ。

 彼の主張は「戦後民主主義」それも「放蕩」といわれる「自由主義」でしかない。

 見事に「戦後民主主義」の「無責任」を体現した姿、発言ではないか。

 ここに「本当の保守」などという言葉をくっつけて誤魔化そうとするから馬脚が現れる。


 そういえば最近、ご自身の「減税論」を「正しい経済理論」とは言わなくなった。さすがに「バレた」と判ったのだろうかね。


 この敬老パス負担増問題で自民党の浅井議員から「市の職員はすべて補助職員であり、決定権者、執行者は市長自身なんですよ」と念を押されていた。


 地方自治体の組織を定義しているのは「地方自治法」であって、この法律に沿って市当局は作られており、市当局を取り巻く社会もこの法律を軸に、そして根拠として成立している。

 勿論、そこから給料を貰っている河村市長の焼酎の代金もこの法律を元としている。

 この法律の148条にこうある。
普通地方公共団体の長は、当該普通地方公共団体の事務を管理し及びこれを執行する」

 驚く事に「地方自治法」では首長以外のすべての職員は「補助機関」として定義されており、決定権、執行権が定められていない、与えられていない。


 市として行われる事務はすべて「名古屋市長 河村たかし」の名の下に執行される。


 ところが、河村市長は何も執行しようとしない、何も決定しようとしない。こんな事で名古屋市の行政がまともに「回る」わけが無い。

 この敬老パスの負担金増額問題でも、市長が決定も方針をリードする気も無いようだ。

 見事なまでに「ストップ オブ シンキング(思考停止)」になっている。


 前回定例会で問題となった天白区「弥富相生山線」の問題でもそうだ。

 やはり浅井議員とのやり取りでも話題に上り、4月の市長選挙で「市長選挙マニフェスト住民投票を加えたのは、その前に天白区の住民から住民投票の要望があったからだ」というような発言をしていた。

 議場では「住民投票を行う『責任』を住民に押し付けようとしている。」
 「天白区の住民の誰がそんな事を言ったのか。言っていない」と激しく野次が飛んでいた。

 いったい市長選の前に河村市長に「住民投票を求めた」という住民が誰であったのか説明をして欲しいものだ。そして、その一方の声だけに耳を傾けて、長年工事再開、正常化を訴えている住民の意向に耳を貸さない理由は何かも説明して欲しい。

 この偏りはあまりに異常だ。

 前定例会における「相生山問題」
 そして今定例会に掛かりそこなった「敬老パスの問題」

 更に、本丸ともいえる「減税」についても刻々と「旗を降ろす時」が迫ってきている。
 (この問題に関しては「詰めろ」が見えて来ている。時期が来ればすべてお話しよう)

 沈み行く「河村丸、減税号」からは乗員が次々と逃げ出してくる。

 本日の議論で自民党の丹羽議員が「減税日本の代表として責任を取られては如何か」と迫っていたが、本当に責任を取って代表を辞任するぐらいした方が良いのかもしれない。



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