市民のための名古屋市会を! Ver.3.0

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「ストップ・アンド・シンク(一旦止めて、考えよう)」ではなく。

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「ストップ・アンド・シンク(一旦止めて、考えよう)」ではなく。

 名古屋市会は明日(11月20日)から11月定例会に入るが、それを前にすでに荒れはじめている。

 このイメージは本日(11月19日)の中日新聞の記事だ。

 名古屋市当局はこの11月定例会に敬老パスの制度改正を諮るつもりだったようだ。
 その案とは敬老パスの負担金の倍増。

 ところが土壇場になって、市当局はこの改正案の提出を見送った。

 この間の事情を自民党の横井市議がブログに掲載している。
 横井利明オフィシャルブログ:敬老パスに関する所管事務調査、前日になって中止

 そもそも2年前の「事業仕分け」に市長が「敬老パス」を掛けた。
 それを受けて市民判定員は「見直し判定」を下したのである。

 その時にも河村市長は「敬老パスは堅持します」と後になって言っていた。堅持するなら「事業仕分け」に提示した意味が無い。市民判定員の判断を蔑ろにするものだろうし、そもそも市民判定員による事業仕分け固執したのは河村市長だったはずで、やっていることがテンでバラバラだ。

 市長は「敬老パスは堅持します」と言っていたが、その「裏」で社会福祉審議会には敬老パスのあり方について取りまとめるように指示を出していた。ここでも言っている事とやっていることがバラバラだ。

 そしてその審議会が出した答申が「負担金の引き上げは避けられない」というものだった。それを受けて健康福祉局が「負担金を現行の2倍に引き上げる」という改正案をまとめた。

 そして、議会に対しても事前説明にあたっていたようだ。

 ところがここで河村市長は突然「私は上げんほうがいいと思う」と言い出した。

 市長が了承していない制度改正案を議会に掛けても無駄だろう。議会が議論してもその議論を無視して市長が「上げんほうがいい」と言うのであれば議論が無駄になる。


 新聞の記事には民主党の鵜飼市議の談話が載っている。

(負担金の導入が議論された十年前)あの時は議会と市が未明まで議論した。当時の市長は逃げなかった。河村さんのように「みなさん、議論してちょ」じゃ、市長の責任を果たしていない。

 横井市議もブログで次のように言われている。

 河村市長の決められない政治が露呈しただけだと考えている。元々、社会福祉審議会に諮問しておきながら、いざ負担金引上げの答申結果が出ると決断ができない。こういった姿勢なら、はじめから社会福祉審議会に諮問などしなければよかったのである。河村市政誕生以来、行財政改革が停滞するなど、事業の見直し議論が一向に進まない背景には、まさに制度改正から逃げる市長の姿がある。


 先の9月議会においても「弥富相生山線」の工事再開が市会の委員会で採択されようとしていた。副市長も工事再開を約し、減税日本ゴヤまで天白区民の意見に押されるかのように工事再開に賛意を表したのだ。
 ところが、議会から市長に対する意見書を提出する段階で減税日本ゴヤは態度を翻す。

 In Front of Your Nose - 市長のための市会ではなく、市民のための名古屋市会を! Ver.2.0

 議会の正副委員長会議において、この翻意の経緯説明を求められた土木交通委員会副委員長の減税日本ゴヤ、浅井市議は「察してください」と激昂し、机に書類をたたきつけて会議を中座したそうだ。
 事情はどうあれ正副委員長会議を途中退席する行為は職務放棄に他ならない。浅井氏は委員会の副委員長を解任されて替わりに林市議が副委員長となった。
 http://www.city.nagoya.jp/shikai/page/0000010625.html

 河村市長が言うように、「弥富相生山線」の工事の賛否について、住民投票で決めるのであればとっとと住民投票をすればいいのだ。二度目の市長選挙におけるマニフェスト住民投票を明記していたのに、その準備を怠っていたのは河村市長自身ではないか。 *1


 この「弥富相生山線」や「木曽川水系導水路事業」など、河村市長は様々な事業をストップさせてきた。いわく「ストップ・アンド・シンク」(STOP AND THINK = 一旦止めて、考えよう)というわけだ。

 ところがこれが酷くなって最近では「ストップ・オブ・シンキング」(STOP OF THINKING = 思考停止)になっている。

 何も進んでない。

 看板政策であるはずの「減税10%」にしても「市民税10%減税検討プロジェクトチーム」は解散してしまった。「ストップ・オブ・シンキング(思考停止)」になってしまったのだろう。地域委員会も「ストップ・オブ・シンキング(思考停止)」なら、減災や防災についても何か進んだという話を聞かない。

 このまま「ストップ・オブ・シンキング(思考停止)」の、何も決められない名古屋市政が続くのだろう。



次期総合計画

 そういった中で、この先5年間の総合計画を策定するために「次期総合計画」に対する市民意見が募集されている。
 名古屋市:名古屋市総合計画2018策定までの流れ(市政情報)

11月30日(土)からは各区で順次「タウンミーティング」も開かれる模様だ。
 名古屋市:名古屋市次期総合計画タウンミーティング(市政情報)


 また名古屋工業大学と連携し、インターネット上でタウンミーティングを展開している。

 名古屋市:次期総合計画インターネット版タウンミーティング(市政情報)

 「前向き、あるいは建設的な発言を多く行った」方に感謝状だそうなので、私はもらえそうに無い。そもそも感謝状のために発言しようという気も無いけれども。

 実はこの「次期総合計画」には2つの本質的な問題が含まれている。
 今は言わない。(「次期総合計画」が出来上がってから改めて論考するつもりだ)

 こういった「タウンミーティング」や「インターネット上でのタウンミーティング」で様々な意見に触れることは私も興味深いところだが、この2つの本質的な問題のために「次期総合計画は名古屋の街に資するのか」との問いには悲観的に成らざるを得ない。

 この「次期総合計画」が策定されるまでに、この「本質的な2つの問題」を打破するようなブレークスルーが起こることを期待している。


*1:そして何より、この問題について天白区民の意向を無視して問題を深刻化させているのが、減税日本ゴヤからコンサルタント料だか、シンクタンク代金だかを数百万だの一千万だのせしめようとしたと噂される小島敏郎氏(+日本政策学校)というのはなんとも味わい深い。