市民のための名古屋市会を! Ver.3.0

一人の名古屋市民が「地域委員会制度」「減税日本」に対する疑問をまとめるサイトです。(since 2011/3/3)

天白区説明会

 9月14日、午後6時から天白区役所講堂において行われた、減税日本による「所属議員の不祥事に関する経緯説明会」に行ってきました。

 開始時点、6時における参加者は43名。その内数名は減税日本のHPを作成していたり、選挙において街宣車や音響機器を納めている、いわゆる「出入り業者」の方々。
 また、数名は当ブログでおなじみの「ナゴヤ庶民連」の方々で、天白区の住民は30名を切っていたように見受けられた。(その後、10名ほど増えましたが)

 錦見県議は、堀田市議(後に会派が分かれてからは不参加)や鈴木市議と天白区内でタウンミーティングを開いており、私もそれに参加したことがあるので、そこでお顔を拝見した人も数名見えました。

 なんにせよ、皆さん「受任者」に送られたハガキによって参加しているようで、質問の際にも「リコール運動から参加していますが」という前置きを置かれる方も多かった。


 河合市議の問題を扱った緑区の際にはもう少々来場者もあったようで、それに比べると市民の注目も冷めているようです。そもそも錦見氏本人が辞めてしまっている。つまり、蹴りがついた。
 更に言うと、普通の市民は、このたび重なる不祥事で減税日本河村たかし自身に蹴りがついていると看做したという事なんでしょう。

 最初に河村代表から話がありましたが、錦見氏の問題については適当に、その後は減税や地域委員会、議員報酬の6億円で中学生医療費が云々と、なんとかの一つ覚えのワンパタントークの連続で、聞き飽きた人間にはウンザリ、はじめて聞くヒトにも問題と関係ないだろうという感じでした。(この件については後ほど触れます)

 その後、事実関係の報告が広沢幹事長からあり、安藤県議団団長からは県議団としての謝罪と本人からのメッセージの代読がありました。

 まあ、このあたりは常識的な式次第。

 その後に質疑応答になるわけですが、ここで出てくる質問や意見はやはり受任者、リコール運動を手伝ったというぐらいですから、厳しいものでも基本的に減税日本の考え方や河村氏に肯定的な意見が多かった。

 中には錦見氏の代わりに誰が天白の県議になるんだ。というような意見も出ていた。

 なんでも、こういった不祥事でリコールや減税日本が目指した民主主義の芽をつぶしてはいけないらしい。


 ・・・・・ 笑わせるな!

 こういった受任者や減税日本支援者、河村信者が現実に目を瞑り、河村氏のあおったような陰謀論的議会の姿や、悪の組織的市当局の姿を信じてしまったがためにリコール運動という、全くの「無駄」が行われ、市民の少なからぬ公費が消尽してしまったのである。

 彼らの質問における事実誤認。

 「減税日本はなぜ、党員を募集しないのか。党員を公職者だけにしている」
 一般の市民でも党員になろうと思えばなれる。

 「減税日本コンプライアンスを見直すというが、減税日本自体に党規約が無い」
 ある。

 党員募集 | 減税日本
 http://genzeinippon.com/touin.pdf

 結局、彼らのような支援者にまで党員募集の件や党規約の説明がなされていないという事で、そもそも政党として活動をしようとしているのだろうか?はなはだ疑問だ。

 こういった事は、ちょっと電話をかけて確認すれば済む話だろう。知らない支援者も調べようとしない問題があるが、それ以上に知らせる努力を怠っている減税日本にも問題がある。

 ある支援者は「名古屋市にはまだ解決すべき問題がある、それは名古屋市の職員による天下りである」と大きな顔で語っていたが、このお方は元某市の市議でありながら名古屋市天下り対策をご存じないらしい。「名古屋ルール」として位置づけて表面上、批判されるような「天下り」を無くしたとするのは河村市長自身だ。
 この支援者の方は、河村代表の施策に対して批判していたのだろうか?*1

 結局、受任者にしても、彼の「ナゴヤ庶民連」と同程度の方々だという事だ。

 支援者であるにも関わらず、党規の存在を知らない、党員の募集を知らない。候補者選定の経緯も知らない、そして河村代表の進めた施策も知らない。

 なんら事実に基づいて考えていない。

 そりゃ無理もない。河村氏の発言自体が事実から乖離しているのだから。
 河村氏が口癖のように話す「減税実施しているのはナゴヤだけですから」

 嘘だ。

 沖縄に金武町という町がある。ここでは町民税が10%減税、それも恒久化されている。
 http://www.town.kin.okinawa.jp/site/view/index.jsp

 本当の日本における「減税の聖地」はここなんだろう。*2

 いわく「選挙による地域委員会もナゴヤだけ」

 嘘だ。

 今回実施された7地区は住民によって選挙と推薦を選択してもらった、そして全ての地域で推薦方式となっている。選挙を実施した地域は一つもない。
 つまり、「選挙による」地域委員会は地域住民から否定されているのだ。

 (理由は二つある。1.そもそも「300万円の地域予算に、150万円の選挙費用をかけるなんて馬鹿げている」つまり、制度設計の甘さ。2.地域に選挙を持ち込んで亀裂を生みたくない。河村氏の常識の無さ。幼稚さ)


 いわく「議員報酬半減で生み出された6億円で、お金に色はついていませんが、中学生の医療費を無料にした」

 嘘だ。

 6億円の予算で行われた事は「子ども医療費助成制度」の「通院部分を小6から中3へ拡充した」事であり、「子ども医療費助成制度」自体はおよそ80億円の事業予算がかかっている。
 もうこの段階で河村氏の市長としての施策に対するボリューム感が狂っているとしか言いようがない。
 事実の提示 - 市長のための市会ではなく、市民のための名古屋市会を! Ver.2.0

 そして最近では、このトークはそれこそ成り立たないだろう。

 こうやって数々の問題を生み出してきた議員報酬半減で生んだ6億円、それをSLの客車を買うだのなんだのと、消尽しようとしていたのは河村氏ではないか。(4億円+移送費らしいけれど)

 つまりなんだ、 この二つの話をくっつけると、お金に色は付いていませんけど。
 子どもたちの医療費を無料にするよりも、SLの客車の方が大切なのか?


 このように見てくると。
 河村代表のこういったいい加減で事実と乖離した話*3を、うんうんと聞いている*4時点で、すでにこの参加者たちは事実から乖離した、酔っ払ったような政治漫談レベルの話に興じているだけといえる。*5

 そんな事は家の中か演芸場、または居酒屋でやっていただいて、現実の政治には持ち込まないで頂きたい。

 彼らの事実誤認が、あのリコール運動も生んでしまったのではないのか。

 あの時、河村氏のあおった数々の発言について、少し事実関係を調べる気持ちがあれば、リコール運動など成立しなかったのではないのか。

 事実に立脚しない政治は単なる空論であり、妄想よりも始末に悪い。

 それを名古屋市内に振りまいているのが河村代表であり、そんな組織が全うに成立できるわけがない。減税日本の所属市議、県議が現実に立脚したいのであれば、この河村代表から離脱することが、現実に回帰する最初の一歩となる。


 名古屋市においては「市民税10%減税検討プロジェクトチーム」があった。
 しかしそれは既に解散している。

 解散させたのは誰か? 河村市長だ。

 河村市長自身が、10%減税について実現を模索していない証拠がこれだ。

 減税日本の市議県議の諸君はこれで良いのか?
 市民、県民に嘘を言い続けるのか?

 
 河村代表は「政務調査費の調査権限は市長にない」と言っていた。

 嘘です。

 あります。そもそも市の支出を執行する執行権者は市長です。
 (県の場合は知事です)

 その首長が執行に対して調査する権利がないなどありえない。
 河村氏の社会人としての法的常識を疑う。(個人情報保護法の理解もいい加減であれば、こういう地方自治法の理解もいい加減。こんな人物が市長になれるわけがない。河村氏は市長というよりも、医療におけるケーシー高峰師匠に近い存在なんだろう。単なる政治家風芸人に過ぎない)

 その証拠はここにある。
 裁判所判例Watch - アーカイブ(平成19年4月 - 仙台高等裁判所)
 平成18(行コ)20「政務調査費返還履行請求控訴事件」平成19年4月26日(仙台高等裁判所

 政務調整費としての支出は適正でなければならず 政務調査費については 収支報告書の提出, 会計帳簿の調整,領収書等の整理保管が議員に義務付けられていることからすると,議員が政務調査費として支出したものが本件使途基準等(弘前市議会政務調査費の交付に関する条例施行規則 使途基準:引用者補足)に照らして適正なものであるか否かについては,公金たる政務調査費を交付する者の審査を受けることが予定されているものといわざるを得ない。なるほど,本件条例(弘前市議会政務調査費の交付に関する条例:引用者補足)や本件規則(弘前市議会政務調査費の交付に関する条例施行規則:引用者補足)には,市長の調査権限を定めた規定がないことは控訴人の主張するとおりであるが,公金を管理する者として,その公金の支出が適正であったか否かを審査し得ることは当然である。また,会計帳簿の調整や領収書等の整理保管を義務付けていることからすると,それらによって支出が適正か否かを調査することは議員や議会の自律性を侵害するものとはいえない。

 判例によって「政務調査費の調査権限は市長にある」とされているのであり、河村代表の発言は知らずに言っているのであれば不勉強であり、知って言っているのであれば嘘である。

 そして最後に三つ。

 本日の質疑の中で河村代表は奇異な発言をしていた。

 「自分も2回選挙に落ちています。浪人したわけですが、その時、会社を30社ほど回って各社から一万円貰って、月に30万円ぐらいになりましたが、これを活動費に当てました。こうやって誠心誠意政治をやっていれば資金援助してくれる人は居る」

 こんな発言を聞いて、うなずいている減税日本の市議や県議が居たら頭を打っている。

 これはテレビに出る前、新進党日本新党直前の河村氏の姿なのだから、テレビ芸人としての人気ではない。では、河村氏は彼が言うように30社もこつこつ回って支援をお願いしたのか。

 当時の河村氏を知る人物に確認した。
 「そんなことがあるわけが無い、河村にそんなコツコツとした努力は逆さに振っても出てこない」
 「それは、保守系無所属として、宏池会から支援を貰って、そのつながりでどこかの法人会からの支援を受けたんだ。その法人会の会員が30社有ったんだろう」

 「そもそもそれが自民党の姿で、それからはじき出された恨みから、自民党を恨んでいる。そのくせ、今更そんな法人献金を減税議員に『見習え』とばかりに話すなんて、どういう感覚しているんだ?」との事でした。

 常々「野次は議会の華」「民主主義の華」と言われる河村氏ですから、最後の30分ほどは野次り倒していましたが、そのせいか、河村代表はじっと目を瞑り、腕を組んでいましたね。寝ていたのかね。

 そういえば、最初に前段に並んだ広沢幹事長やら安藤県議団長、鈴木市議団幹事長が並んで謝罪の頭を下げる際、河村代表だけ頭を下げずにぼ〜っと突っ立っていましたね。
 不思議な光景でした。



追記:
 会場で質問されましたが。
 錦見氏が政治資金パーティーの会費を政務調査費で落としていたという件。
 政務調査費の請求書のコピーが掲載されている。

 9/14、天白区区役所で開かれた減税日本の錦見たすく問題説明会におけるリクエスト | 榎沢利彦のブログ

 収受者は「河村たかし政策研ナオコ
(一部判読不明の為、誤認があるかもしれません)

 そもそも庶民革命でなぜ「政治資金パティー」を開くのか?
 河村代表は自分の言うように、自分がコツコツ企業周りでもして法人献金集めれば良いんじゃないのか?

 それとも、今は誠心誠意政治活動をしていないから資金は集まらないのか?

 河村氏のやっている事は革命でもなんでもない。
 単なる従来型の政治の劣化コピーでしかないのだ。



 

*1:減税日本の市議、県議の諸君。この方は有名なので皆さんもご存知だろう。彼はその昔フロックで議員バッチをつけてしまった。それ以来政治屋選挙屋として生きている。言ってみれば彼が君たちの「先輩」であり、君たちの将来の姿かもしれない。これで良いのか?

*2:減税を肯定しているわけではない

*3:漫談だ、政治漫談なのだ

*4:本当の政治の話であると思ってしまう

*5:TVタックルの番組で語られるような話を、現実の政治に持ち込んでいるともいえるかも