市民のための名古屋市会を! Ver.3.0

一人の名古屋市民が「地域委員会制度」「減税日本」に対する疑問をまとめるサイトです。(since 2011/3/3)

法を歪めるものの挑戦

 まったく同情する。*1
 司法試験9回失敗はダテじゃないね。

 減税日本党首の河村たかし氏の法律解釈は滅茶苦茶です。

 本日の名古屋市長定例記者会見。
 名古屋市の公式サイトが中継する一部ではなく、政務にも関わる二部を含めて放送するスターキャットの放送を見ました。

 まず、びっくりした事が、中村孝道市議の問題に関して、中村市議が告発した状況であるとか、告発状自体は見ていないのだそうですね。
 いったいどうやってこの問題を終息させようとするのでしょうか?
 それとも、どうでも良いの?

 そして、膝下の減税日本から公費の不正が続出している状況を見て「それでも議員報酬800万円は可能なのですか」という記者の質問に対して、河村市長は「錦見さんは800万ではありませんでしたからね」と回答しました。

 こういう論理性の欠如こそ時間の無駄だ。

 錦見元県議は1400万円程度の年報酬であったが、選挙費用などを考えると事務所運営が苦しかったとして公費の不正請求に手を付けた。800万円であれば同等の活動を行うことはできなかったということなんだろう。
 つまり、回答になっていない。
 1400万円ほどを(河村氏は1600万円という認識のようだが)もらっていた県議でも苦しいという議員報酬について、ではそれでも800万円でよいのか。
 結局、回答していない。

 そして、その議員報酬800万円について語った部分を音声だけ切り取った。
 そして聞き起こしをしてみました。

 この音声を聞く前に、事実関係をいくつか確認しておいてください。

 1.市議の報酬800万円は生活給ではない、政務調査費は第二給与ではない
 まず、市議の報酬は「売り上げ」であって、ここから公租公課をはじめ、すべての経費、社会保障費等が引かれる。
 事務所を設置するものは、その経費もここから賄うこととなる。(一部は政務調査費で補われる)
 政務調査費の600万円(月額50万円)を全額執行しようとすると、公租公課と社会保障費を引いた報酬の「手取り」額の大部分を支払う必要に迫られる。
 地方議員にとって政務調査費は第二の報酬などではなく、執行するために自らの報酬を削る必要がある。

 生活費として800万円を満額受け取るためには、政務調査費をほとんど執行しないようにする必要がある。そう!ちょうど、減税日本ゴヤ市議団の団長、園田春夫市議のように!
 所属名古屋市議の政務調査費使用状況について(10/26更新) | 減税日本

 2.公職の候補者等の寄附の禁止
 次、公職選挙法第199条の2によって、公職の候補者(つまり、国会議員、県会議員、市会議員など)は自らの選挙区において寄附行為を禁止されている。買収となるのだから当たり前だ。
 なので、地元の夏祭りなどでも寄附を行うことは違法行為となる。
 (判例:平成9年4月7日、最高裁第二小法廷、平成12年11月20日最高裁第三小法廷)*2

 名古屋市の市議は地元の夏祭りに寄附などはしない。(名古屋市民もそんなものを要求するような人は居ない)よって、こういった寄附行為によって名古屋市の市議の活動費が消尽されているとする議論はまったくの無駄である。

 ちなみに別の問題として、河村たかし氏は平成4年に衆議院に初当選している。

 3.公務員の告発義務
 公務員は告発義務を有する。
 刑事訴訟法第239条第2項に「官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない」
 この「職務を行うことにより」という文言は自ら行う職務だけを指すのではなく、一般的には「職務の執行に際し」と解釈し、職務の立場にあった際に、違法行為に遭遇した場合には告発を行う義務を負う。

 4.政治資金パーティーを行え?
 この会見で河村氏は政治資金パーティーを行えと言っている。自分も行うのだからこういったパーティーを否定することはできないのだろう。しかし、政治資金パーティーについては批判もあり、政治資金規正法で規制されており誰でも彼でも開けるというものでもない。
 そもそも減税日本ゴヤの市議の中でこのようなパーティーが開ける者が何人居るのだろうか?そして、政治資金パーティーが開けなければ、満足な政治活動が行えないとするのであれば、それは「庶民」と言えるのだろうか?
 河村氏は自身がテレビ芸人としての人気を持っているだけで、完全に感覚が麻痺しているのではないだろうか。

 ちなみに減税日本に合流した(しようとした?)小泉俊明衆議院議員議員会館会議室で政治資金パーティーを開いた事で有名である。

 河村氏は、続発する公費不正請求について、個々人の正義感の問題と言っている。しかし、こういった会見を聞くと、ご本人の「正義感」がだいぶ曲がっている事が判る。こういった得手勝手な「正義感」が社会を混乱させる。

 得手勝手な理屈が遵法精神を棄損する。

 リコール署名簿流用、流出問題。そして今般、中村孝道市議の手元からその写しが現れた。これは減税日本の公表している報告書と食い違っている。

 リコール署名簿の問題で、真っ先に考えるべきは公共の法益と、署名者の法益で有ったはずだ。しかし河村氏はこういった原則論につかず、党利党略、私利私欲に走った。
 減税日本所属の市議、県議に遵法精神を軽んじる者達が生まれても、それは当然の帰結だ。中心人物の河村氏自身に遵法精神が無いのであるから。

 こんな人物を中心に据え、信奉していれば、私利私欲のために法を曲げることを厭わない団体となっても不思議ではない。

 この「市長記者会見」がその一端を示す。

<聞き起こし>

生活費で800万ならできるんです。

800万だけではないですよ。
政務調査費で別に600万あるんですよ。これ年間に、これ市民の皆さん。
800万で生活できないというんだったら名古屋市民どうなるんですか、これ皆さん。

800万以上ある方みえますか?あると思うけど。

子ども二三人おって、800万以下の人はメチャメチャ仰山おります、これ。

それでだめだと言う論理はおかしいでしょ、これ。生活費は。
だけど何があるかいうと、盆踊りやなんかでご祝儀を取るのを止めていただきたい。これは。
いかんですよ、今は、違反ですから。これやっては。

私も長いことやってますから、そういう場面に遭遇したことは正直言っていっくらでもありますけど、わたし断ってきましたけどね。こんな払えないって。

次から呼ばれなかったことはいくらでもあります。正直言いまして。
ただ、どこがどうということを証拠を持っとるわけではありません。

僕が言ってることは証拠になります。
なので、こんなところで言ってはいけませんので言いませんけど。

それからもう一つ。
まあ、市会議員さんやっぱり大変な人のほうが立派ですからね。

いろんな会合に出て地元のいろんな声を吸い上げていくのが仕事ですから。
いろんな会合に出るとね。お膳を出されるんですは、これが。


ほんで、五千円が一万円がと取られるわけ。そこで。
だけど実際は箸を付けるか付けんかぐらいなんですよ。注いで回ったり話を聞いたりせなならんで。

まあ、ああいうことも政務調査費で出せんわけですよ。
そういうお金を。

そこで800万を食い込んじゃうわけ、これが。
だから、まあ、市民の皆さんにお願いしたいことは。

まず、あの何にも出さんご祝儀は違法ですから。絶対に取らんでおいてほしい。これ。
もう一つは、そのお膳だけ出して実費だゆうことになりますけど

そりゃ、箸も付けるか付けんかぐらいだから。
まあ、ああいうのもね。市会議員さんが、まあ、市会議員さんに限りませんけど、

この、止めてあげて欲しい。
800万はちゃんと生活費で残るように。
していただければ、それはそれでやっていけますよ。それは。

それであと必要な政治的な経費については、
苦しいけど、良い政治をやってちょこっとでも市民の皆さんから献金なりパーティーやってね、そのお金で政治を続けていく。

というのが、これが政治のあるべき姿です。
そういうものじゃないですか政治というのは。

そういう姿に変えていこうという名古屋の挑戦なんです。これは。

 こんな自分勝手で、法を歪めた、名古屋を作ってはいけない。


*1:追記:これは「河村氏に振り回される、減税日本関係者、名古屋市当局者には同情する」という意味です。

*2:公職選挙法第249条の2、公職の候補者等の寄附の制限違反の規定によりますと、「懲役若しくは禁固又は」「罰金に処する」とされております。同法第252条、選挙犯罪による処刑者に対する選挙権及び被選挙権の停止、第1項、「罰金の刑に処せられた者は、その裁判が確定した日から5年間」、第2項、「禁錮以上の刑に処せられた者は、その裁判が確定した日から刑の執行を終わるまでの間」「及びその後5年間又はその裁判が確定した日から刑の執行を受けることがなくなるまでの間、この法律に規定する選挙権及び被選挙権を有しない」とありますので、議員としての身分は失うことになります。