市民のための名古屋市会を! Ver.3.0

一人の名古屋市民が「地域委員会制度」「減税日本」に対する疑問をまとめるサイトです。(since 2011/3/3)

錦見県議辞職

 8月9日の中日新聞朝刊一面に「政調費不正取得か」と減税日本、天白区選出の錦見県議の前秘書が告発をしたとスクープが掲載された。

 告発の内容は、この前秘書が県に提出する政務調査費の届出書類を作成する際に、錦見県議から指示を受けて、別の秘書への支払いを水増しし、公金を過大に受けたというものであった。
 これが事実であれば、当然公金の詐取となり刑事罰の対象となる。


 この報道を受けて錦見県議自身が午後4時から記者会見を開き、自らの辞職を表明した。(辞表はすでに議長に提出したもよう)

 過大請求の恣意性、違法性は否定して、事実関係を調査する、過剰に受け取ったお金については返金するとしている。

 結果として県議のバッチを取ってしまったのだから、刑事罰の捜査についてはストップがかかるのだろう。(警察や一部検察が違法性を追求しようとしても、最終的な司法判断で、県議の地位を失っているという「社会的制裁」の重要性を重く見て、不起訴というような判断が出てしまえば、捜査が無駄になる)

 先般の河合市議の騒動のように、無駄に騒ぎが長引けば、野次馬的には(そしてマスコミ的には)面白いが、減税日本としての痛手は大きくなるだろう。幕引きを急いだ感がある。

 こういった議員特権や公金、税金の扱い方を批判して人気を博したはずの減税日本河村たかしではあるが、八年来の弟子でもある市議団の団長であった則竹氏自身が費用弁償の利用が発覚し辞職して以来、薬事法違反事例が延べで3件、さらに河合市議の問題と、すっかりスキャンダル慣れしてしまって、ここで下手に無罪を主張するよりは、とっとと罪を認めて議員バッチをはずし、騒ぎを鎮めた方が得策と判断したのだろう。

 河村氏自身は外遊中だが、報道を受けて即刻弁護士を錦見県議の元に派遣し、議員辞職を軸に善後策を練ったらしい。

 実は私は錦見県議とは県議選の前に会い、意見交換をしている。

 選挙直前に錦見氏がネット中継を行ったことを、私が「事前運動ではないか」と指摘して、錦見氏から会いたいという要請を受けて会ったものである。

 会見では様々な話題が出たが、彼自身の減税日本からの立候補を翻意させることはできなかった。

 ただ、選挙戦の際に、彼は議員報酬については800万円という公約はしていない。

 また、天白区においてこまめに市民集会を開いていた。これには天白区選出の鈴木市議や、現在では新政会に移った堀田市議も参加していた。(新政会に分離以降は堀田市議は参加していない)
 この鈴木市議も減税日本ゴヤ分離の騒動の際には、一旦は会派離脱しかけたのであるから、天白区の減税日本の風向きは、当初から独特の物が有ったといえる。(はっきり言いましょう、河村市長に対する信頼感の声など聞こえなかった)

 更に、PFIの勉強会であるとか、錦見県議の事務所で行われたインターン生のミーティングに参加することになったりと様々に状況を見てきた。

 私としては、どこかのタイミングで県における減税日本の分裂を主導してくれるか、議員報酬議論において、河村氏の主張する議員報酬がいかに非現実的なものであるか、当事者として声を挙げてくれないかと期待していた。

 当初から、減税日本河村たかしと一定の距離を置き、独自に動いていたその一端が、この参議院選挙における「鈴木かん 100時間生放送」という活動になったのだろう。

 http://nishikimi.com/?p=2111

 私には選挙のお祭り化の一つであって、学生気質が抜けない無駄な行為にしか見えませんでしたけどね。


 結果として、その錦見県議の下からスキャンダルが噴出して、けれどもその影響が1日程度で終息してしまえば、減税日本河村たかしとしてのダメージは最小で済んだということになるのだろう。人の噂も75日と言われるが、この話題は30日もすればきれいさっぱり忘れ去られるような気がする。
 こうやってダメージを最小にとどめて、議員報酬議論などで煩い行動をしていた錦見県議を辞めさせることは、党運営自体が非常に楽になる。


 私はこのブログの題名に「名古屋市会」を置くとともに、河村問題を探る上で、敢えて愛知県議会を無視してきました。人に言わせると「名古屋市会議員選挙に落選した落ちこぼれ」で構成されたのが減税日本の県議だそうで、市会議員よりも言動に問題があるそうですが、敢えて無視をしてきました。(というか、本当に接していると気持ちが悪い事例が多い)批判するにも足らない。

 その一例がこれでしょう。
 http://atj-aichi.jp/
 【魚拓】日本一愛知の会 マニフェスト | 日本一愛知の会

 今回の錦見県議の辞職についての説明どころか、会派の紹介自体が無い!

 市民、県民に一切情報を提供しようという姿勢が無いとしか言いようが無いですね。
 こちらが団長である安藤県議のサイトですが、こちらにも情報は無い。
 http://www.andou-masahiko.jp/

 そしてこちらが当ブログでもお馴染みの減税日本幹事長の広沢県議のサイトとなる。
 広沢 一郎 - 元 愛知県議会議員

 もう一つおまけですが。
 これが減税日本副代表の8月10日 12:39のツイートです。
 https://twitter.com/udakosei/status/366041127834488834


 もう、他人事いうか、興味すらないのでしょうかね?

 名古屋市会リコール運動の際に、河村市長の一派は「名古屋市の市会議員は何もしていない」という批判を浴びせていました。実際にはちゃんと仕事をしていたのにです。*1何も怠業と指摘できるような事柄はありませんでした。敢えていうと、リコール運動をしていた人たちが、議事録も読まない、市会の傍聴にも参加しない、つまり見ていなかっただけに過ぎません。

 しかし、減税日本の県議について、こうやってじっくり見、動向を追うと「何もしていない」という言葉がキッチリと嵌ります。
 中には県議会本会議における質問を行ったという行動をアピールしている人もいますが、私から見ると単なる作文発表会という以外に無い。それでどんな県政マターを解決したのでしょうね?

 とにもかくにも。この錦見県議の問題は、公党として機能していない*2減税日本という存在の異常性と、党首としての河村たかし氏の怠惰さを表していると思います。
 結果として、報酬議論を求めた錦見県議と、河村氏はこの件で何回ぐらい協議したのでしょうね?
 また、政務調査費、公費の問題について減税日本はどの程度所属議員を教育しているのでしょうか。というよりも、そもそも所属議員はちゃんと教育されているのでしょうかね。
 党首としての河村たかし氏は、これら市議、県議に対してどのような教育をしているのか、具体的に知りたいものです。

 このブログでここのところ確認のために問いを投げかけていますけれども、河村氏の政治塾の参加者や誰でもいいですよ、地方議員の職責について、明確に答えられる人は居ませんか?
 この問いに答えられないのに、市議や県議っておかしいですよね。

 河村氏は「人生行き詰ったら選挙に出ろ」と煽り立てていました。その結果がこれです。「ラーメン屋はノウハウがあるから大変だ、選挙なら間違って受かることもある」と言っていましたが、間違って受かった後は、どうすれば良いのでしょうか。

 結果として、何をやりたいか、何ができるか、どうしたらいいか、どうすべきか。何もわからないままの議員(河村氏はこれを「庶民目線の議員」とでも言うのでしょうか)が大量発生しているのが名古屋の現状です。

 まったく無免許の子どもが自動車レースに参加しているようなものです。事故も続発するでしょうし、レギュレーションの違反も当たり前のように起きています。
 そういえば、つい先日もこんな事例がありましたね。
 名古屋市会議員としての遵法精神の在り方と議会品位について - 市長のための市会ではなく、市民のための名古屋市会を! Ver.2.0
 http://yugawa-nagoya.jp/2013/07/04/6th/
 これは実はマスコミとしては「おいしい」状況だと思いませんか?

 ちょっと穿ればいくらでも問題は出てきます。というよりも、その前に、彼らに触れると法的問題の以前に、単純な疑問に突き当たる事でしょう。

 これは 「おいしい」状況ですよ。

(と、湯川市議のブログを見ていると、また面白い記事がありますね。
 http://yugawa-nagoya.jp/2013/08/09/0809/

 「知っていました!?」 と、「条例制定」と「決算審議」について語っておられますが、その中身が云々ではなくて、そもそものこの二つの事柄について「はじめて聞いた、びっくりした」というような記事になっていますね。
 すでに市議になられて2年半、今更、そんな感想を述べられる「市議」にびっくりです。)


 さて、問題の核心である河村市長は週明けに外遊から帰って来るようです。
 自派の県議が公金の不正取得で議員バッチを外しているということになれば、本来はオオゴトのはずですが、河合市議の時とは違って騒動がほぼ1日で終息してしまっているので、帰国会見では少々神妙な顔をして頭を下げる程度で終わりにしてしまうのでしょう。

 そして、また海外で見聞きした適当なネタで居酒屋政談を行うのでしょう。

 さて・・・・



追記(8月12日16:16):
 驚きの*3ニュースが飛び込んできた。

減税日本」、政調費で不正か 名古屋市議団幹事長が水増し

 河村たかし名古屋市長率いる政治団体減税日本」の名古屋市議団幹事長中村孝道市議(56)が、元事務所職員の人件費を水増しして報告し、政務調査費を不正に受給していた疑いがあることが12日、関係者への取材で明らかになった。藤田和秀同市議会議長は、減税市議団に27日までに調査し、結果を報告するよう指示した。

 中村市議は取材に対し、「見解の相違で不正はない。報告書を精査したい」と否定している。

 減税日本をめぐっては、所属する錦見輔元愛知県議が、政務調査費の会計報告で元秘書の給与を実際に支払った額より90万円程度水増ししていたことが9日に判明し、県議を辞職したばかり。

http://www.47news.jp/CN/201308/CN2013081201001622.html


*1:この部分はオーバートークか。確かに何も仕事をしていない人も居た。しかし議会総体としては責務を果たしてきたのであるし、こういう怠惰な議員だけに着目して全体がそうであるかのように決め付けた議論は行き過ぎだっただろう。

*2:つまり、県民、市民のための活動を「何もしていない」

*3:しらじらしい?