名古屋市会9月定例会が開かれました。
本来であれば様々な議題がある中で、更に2020年東京オリンピック開催が決定し、名古屋の都市計画にも少なからず影響もあるところなのでしょうが、今定例会における市長の議案説明ではそのようなビジョンは見られませんでした。
相も変わらぬ議員報酬議論が主要議題のようです。
市会議員の議員報酬を「下げて」名古屋の何が良くなるのか教えて欲しい。
こんなものは定見、哲学のない単なるパフォーマンスと政局の議論でしかない。
議会において議員報酬の議論に費やす時間があるのであれば、その他に議論すべき議題は幾らでもある。
そもそもそういった名古屋市の将来の姿が市長提案からは描けない。
名古屋市に対して明確なビジョンのないものが市長に居座り続けるというのは名古屋市にとっての不幸だ。10年後、20年後、そして100年後の名古屋市の住民は、この8年間の河村市政とその停滞をどう見るのだろうか。
SLの客車に熱中する姿は、まるでおもちゃ屋の店頭で駄々をこねる子どもの姿だ。
支援者の目にはこういった姿も「かわいい」*1と映るのだろうが。そういった事はせいぜい芸能の分野に留めておいていただきたい。少なからぬ人々の生活に影響を与える市政の場で、こういった個人的な好悪を持ち込むのはけじめがなさすぎる。
中村市議の問題も中途半端な状態が続く。
減税日本からは「議員辞職勧告」が出されたにも関わらず、市会会派としての減税日本ナゴヤには所属したままだ。かといって幹事長は降りるとしている。
中村市議はイノセントなのかギルティなのか?
議会が不透明であると訴えてきた人たちが、いま、一番不透明な行動をしている。
今週末の14日に天白区で「所属議員の不祥事に関する経緯説明会」というものをするらしい。
掲載したイメージは天白区の市民から「どう思う」と渡された、減税日本から送られてきたというハガキである。
ハガキには「受任者各位にお送りしています」と明白に書かれている。
その市民の方は「減税日本は受任者名簿を使わないと言っていたのではないの?」と疑問を持ったようだ。
彼ら、減税日本の説明では、受任者名簿やリコール署名簿を管理しているのは「ネットワーク河村市長」という任意団体(住所地は河村事務所)で、減税日本や減税日本ナゴヤはこの「ネットワーク河村市長」に依頼をして郵便物を送付してもらったりすることはできるという認識らしい。
なので、彼らの理論を援用すると、このハガキの送付を減税日本から「ネットワーク河村市長」に依頼し、「ネットワーク河村市長」が受任者に送付することが「名古屋市政改革」に適う事であると判断するならば受任者名簿を使って郵便の配布をすることができる。という事になるのだろう。
仄聞するところ、名古屋市内の住民にこの夏の参議院選挙において、減税日本候補のハガキが送られてきたそうだ。
彼らに言わせれば、参議院選挙も「名古屋市政改革活動」に関係するのだろう。
その内、壷か海産物の販売カタログが送られてくるかもしれない。「名古屋市政改革活動」の為だと言って。
こんな幼稚な言い訳が、広くこの社会で通用するかどうかはわからない。
と、当ブログでも散々批判してきたが、彼らは耳を貸さない。
ありがたい事です。
彼らが耳を貸さず、参議院選挙でハガキを送り、こうやって天白区の不特定多数にハガキを送っているために、だんだんと市民の中に違和感を感じる人が増えてきている。
彼らが当ブログの指摘事項などに耳を貸し、常識的な対応をしていたならこうはならなかった。そういった意味も含めて、当ブログとしてもこれ以上この「名古屋市政改革活動」の拡大解釈については議論しない。どんどん拡大利用をすればいい。
さて、このハガキには「減税日本 代表 河村たかし」名で「ご案内」が書かれている。この文章にいくつか違和感がある。
まず、この文章を読んでいると、薬事法違反を犯した直後の、減税日本、東ゆうこ県議の文章を思い出す。
2011年09月16日のブログ|市長のための市会ではなく、市民のための名古屋市会を!
同じようなメンタリティを持っていることが見てとれる。
この文章にはこうある。
このたびは、わが党に所属していた天白区選出 錦見輔愛知県議会議員の政務調査費不正受給問題で大変お騒がせをし、ご迷惑をおかけしましたことを、心よりお詫び申し上げます。
この文章の主、つまり「減税日本 代表 河村たかし」は何に対して「お詫び申し上げ」ているのか。「大変お騒がせをし」たことを詫びているのだ。
不正受給の法的な問題であるとか、公金に対する意識を問題としているわけではない。
その報道等で起きた「お騒がせ」を詫びているだけでしかない。
文章はこう続く。
今回の不祥事を重く受け止め、今一度、党のあり方を見直すとともに、各議員が公職者としての自覚を持って公務、政務に精進して参りますことをお約束致します。また、徹底した指導のもと、党としての信頼回復に努めて参ります。
おためごかしだ。
それで行われたことが政務調査費のいい加減な公表であるとするなら大笑いだ。
所属名古屋市議の政務調査費使用状況について(10/26更新) | 減税日本
彼らはそもそも「政務調査費の個人公開」を公約に市議になったはずで、その公約は守られていない。また、最近「政務調査費の使途基準に関する基本指針」も同ページに掲載を始めたようだが、これは平成20年のもので、彼らはそれを「改革」するために市議になったのではなかったのか?
自分たちが批判しようとしたものにすがっている姿はこっけいに映る。
そもそも「徹底した指導」と言っているが、そんなものが何時なされたのだろうか。「党のあり方を見直す」というが、誰がどこでそれをやっているのか?*2
何も見えてこない。
本質的に、減税日本の膿は明白ではないか。
一つお伺いしたい「今後、徹底的な指導」をされるという事らしいが、では、錦見県議に膿は河村代表は「指導」をしたことがあったのだろうか。
今までの、そして今でも続く代表のネグレクト、不作為、怠業が、そもそも現在の問題を引き起こしているのではないのか?
または逆だ。
河合問題を受けて、「減税日本」が公党として成立できるチャンスがあったのかもしれない、そこで「河村商店」を脱却し、公党として「減税日本」に衣替えをすることができたのかもしれない。しかし、河村氏は何もしなかった。
結果としてその不作為が錦見問題を引き起こした。
しかしその問題はまだ、火の手が上がる前に消し止められた。
何故か、膿が河村代表が日本に居なかったからではないのか?
ところが、その直後、類似した中村市議の問題ではここまで話がこじれている。
河村代表が日本に帰ってきた直後から、この問題の対応が迷走している。
河村代表の無能は既に明白だろう。
司法試験に9回落ちたのは良しとしよう、その後議員になって議員立法を68も作っておいて一つも形にならなかったというのは、その立法が客観的説得力を持たなかったからではないのか。
結局、彼の減税理論にしてもそうだが、客観性や根拠があやふや過ぎる、そして説得力がない。
自分の思い込みと主観的な歪みが認識できていないのか、意図して無視しているのか。
こういった態度では野党議員として無責任な批判を行っていたり、テレビに出て都合の良い事だけを言って、お茶の間の人気を得る事はできるだろうが、市長であるとか公党の代表として現実的に組織を引っ張っていく事はできない。
民主党は、彼を代表に立てなかった。代表選挙の推薦人に20人の代議士が集まらなかったというのは一つの見識だったのだろう。
さて、この文章は何の為に今回の「説明会」を行うとしているのだろうか。
「党としての信頼回復」である。
錦見県議に県政を付託した天白区民、有権者の希望や。
減税日本の県政に対する今後の展望などは何もないのだ。
この名古屋市内で「減税日本」という言葉に「信頼」を寄せるヒトがどの程度居るのだろうか?
居るとして、その「信頼」の根拠というのは何なのだろう。
そして「減税日本」を「信頼」をして、どのような事を目指そうというのだろうか。
少なくとも「よりより愛知県」であるとか、「名古屋市のため」であるようには、私には思えない。