市民のための名古屋市会を! Ver.3.0

一人の名古屋市民が「地域委員会制度」「減税日本」に対する疑問をまとめるサイトです。(since 2011/3/3)

河村市政における中日新聞の責任

加熱する名古屋市市長選挙だが、やはり河村たかしの「人気」は手堅いようで、他の候補に対して頭一つ抜けているようだ。そうした「空気」を感じてか、最近の河村たかしツイッターにも、あのヘンテコな名古屋弁もどきが戻ってきている。

河村たかしは「舐められる」という表現をよく使うが、彼は人と人の関係における礼節や相互尊重といったものには理解が及ばず、子どものような表層的なプライドにこだわる。そうした河村たかし有権者、市民、あるいはマスコミを小馬鹿にして、自身のプライドを満足させるのが、あのヘンテコな名古屋弁であって、ああいった態度で「ちょうらかして」おけば、有権者、市民、そして一部マスコミはごまかせる。「ちょろい世の中」と思っているという現れだろう。あのヘンテコ名古屋弁には、礼節や相互尊重、市長として説明責任を果たそうという姿勢など微塵も見られない。それでも「ちょろい」者たちには効果があるのだろう。

それはともかく、これで河村たかしの多選4期目という目が見えてきているわけだが、今年は衆議院の解散が控えている。早ければゴールデンウィーク明け、遅くとも任期満了の10月には衆議院が解散され、総選挙が行われる。

一部では、河村たかしは今度こそ国政転身するのではないかという観測がある。市長選挙を間近に控えたインタビュー記事で、国政への関心を聞かれた河村たかしは、それを否定しなかった。名古屋市長選挙が目前であるのに、国政への関心を否定しないということは、本当に国政転身が視野にあるということで、それが間近に迫っていれば、市長職をなげうって国政転身する可能性もある。特に、河村たかしが立候補するであろう愛知一区において、ちょっとした政治スキャンダルが起きていれば*1、いよいよ国政転身への名分として使われる可能性もある。

まさかとは思うが、ここまで批判された中でも、平気で「多選は5期から」などと4期目(事実は5期だろ)、多選立候補をするのであるから、厚顔にもその市長の椅子を捨てて国政転身する可能性は否定しきれない。

その傍証として、2009年から続いていた日立との訴訟を、市長選挙直前に和解に持ち込んだ事や、自身が執着していたSLや名古屋城の木造化に付いても、半ば諦めたかのように熱意が無くなっていると言われている。

f:id:ichi-nagoyajin:20210328193734j:plain
B6機関車の現況

掲載している写真は、その河村SL計画の一つである、名古屋市科学館にあった、B6機関車の現在の姿だそうだ。子どもたちを楽しませていたB6機関車が、このような姿で、再組み上げの予算も付けられずに居るのは、なんとも痛ましい。

また、名古屋城についても文化庁の復元検討委員会に復元案を提出すると言っているが、内堀の埋蔵物などの調査を進めれば10年以上の遅延が見込まれるなど、河村たかし本人が完成した木造天守を見られそうもないことなどから、一気に熱意を失ったようだ。

結局、かれは自分がやりたいこと、興味があることだけしか考えない、わがまま勝手な子どもでしかない。まったく、72歳にもなって、その興味の対象が「SL」だの「お城」だのとは、知性を疑うが、そうした興味があることにすら熱意を失ったということは、名古屋市長の席に対する執着も無くなり、散らかすだけ散らかした名古屋市政を傍目に、国政復帰の可能性があるのであれば、そちらを選択するというのは至極自然なことであるように思われる。

しかし、あいちトリエンナーレで「言いがかり」のような政治アピールを行い、コロナ対策で、日本全国、どこでも県と市、国の連携を深める中で、政令指定都市の市長が、県の知事を「リコール」するなどという騒動を起こして、あまつさえそのリコール署名簿が偽造されていたなどという前代未聞の事件にまで発展した。それでも「僕は被害者」と逃げ回る。

f:id:ichi-nagoyajin:20210328195351j:plain
「僕は被害者」 河村たかし

そんなわがまま勝手な河村たかしが、名古屋市市長選挙において、まだ他の候補に頭一つリードなどという現状は、名古屋市民がよほどオメデタイのか。

名古屋市民がオメデタイのかもしれないが、名古屋市民は事実を伝えられていないとすれば、そうした誤った情報から、誤った選択をした名古屋市民だけを責められない。名古屋市民に誤った情報を伝えた、伝え続けた地元のブロック紙中日新聞の責任は厳しく追求されるだろう。

特に、ここまで河村たかしを現市長として庇ってきた中日新聞にとっても、数ヶ月で河村たかし名古屋市長の椅子を蹴って国政に転身したのであれば、市民の目は厳しいものになるだろう。

f:id:ichi-nagoyajin:20210328193812j:plain
3月17日 中日新聞

これは、3月17日の中日新聞に掲載された記事だ。この記事中「国会議員年金について、辞退すると寄付とみなされ法に抵触する」という記述は、河村たかしの反論なのだろうか、中日新聞として事実確認をとった記述なのだろうか。これだけを読むと「国会議員年金は法に触れるから河村市長は受け取っているのに過ぎない。それなのに横井議員が『誹謗』した」とも読めてしまう。河村たかしがこの「抗議文」を出したことは事実であろうが、その記載内容について、ファクトチェックする義務は中日新聞には無いのか


「請求しないことで結果として辞退した場合、公職選挙法上の寄附禁止には抵触しない」(第171回国会 衆議院 総務委員会 第1号 平成21年1月13日)とする政府見解がある。

kokkai.ndl.go.jp


つまり、河村たかしの言い立てこそが虚偽であり、そうした横井市議の正当な批判を「客観的事実に反する誹謗」とすることこそ、客観的事実に反する「誹謗」である。

河村たかしは、客観的事実*2を示しているのか?

中日新聞は客観的事実に即したファクトチェックの義務があり、この記事はそれを怠っている。

さらに、3月27日の「社説」だ。

f:id:ichi-nagoyajin:20210328193905j:plain

名古屋市長選挙について述べた「社説」だが、事実を基盤としない社説など、単なる寝言以上のものではない。いつまでも名古屋市民が寝言に金を払い続けると思っていたら、大きな誤りだ。

当該の社説にこうある。

市長は2011年の市議会リコールで集め、自らの政治団体が管理する約3万4千人の「受任者名簿」のデータを今回のリコールで活動団体に提供したことを認めている。

この約3万4千人の「受任者名簿」を管理している団体は「ネットワーク河村市長」であるが、「政治団体」ではない。その届出はされていない。

単なる任意団体であれば、個人情報保護法の規制を受ける。よしんば「政治活動」であるとしても、「第三者に提供せず」と収集された受任者の名簿を、偽造署名を捏造した団体に提供したという事実は、個人情報保護法で認められた約3万4千人の受任者たちの自己コントロール権を侵害する行為であることは明白だ。

社説では

市長は「(選挙と)関係ない」のひとことで片付けず、自身の言動や市民からの疑問について丁寧に説明したうえで選挙にのぞんでほしい。

などと語っているが、中日新聞こそ「市長の発言である」などと片付けず、自身の紙面に掲載した事柄について、それが事実であるか、客観的根拠を持っているか、責任を持って記事を構成するべきではないのか。そうでなければ「月刊Hanada」 や 「夕刊フジ」などと同列とみなされても致し方なく、名古屋市民から見放されると覚悟するべきだ。

なぜ、日本全国で、デフレ期に行うべき経済政策として、経済学的に完全に間違っている、地方自治体における「減税政策」なるものが続いているのか、中日新聞は、減税の費用として消えた約800億円の内、少なからぬ責任がある。

ichi-nagoyajin.hatenablog.com

ここで、河村たかしが多選当選すればまだ良いだろう。しかし早晩、その市長の座を蹴って国政転身したら、またはこの4期目4年の間に、様々な河村市政のボロが顕になった時、その河村たかしとともに、批判の矢面に立つのは、提灯を付け続けた中日新聞であると心得るべきだ。

いまこそ、責任を果たせ。


*1:なんでも、捕まった元スタッフというのは前科があったようで、件の衆議院議員には「身体検査」が甘かったという批判はあるものの、代議士自身に及ぶような事態にはならないようだ

*2:辞退し寄付とみなされ法に触れた判例