市民のための名古屋市会を! Ver.3.0

一人の名古屋市民が「地域委員会制度」「減税日本」に対する疑問をまとめるサイトです。(since 2011/3/3)

むちゃくちゃだし、人の道に反する。

 ブログの更新が滞ってしまいました。
 いよいよ河村市長の改選が間近に迫る中、最後の市会も開催され、4年間に及ぶ河村市政、いや、河村騒動への審判がやって来ようとしています。

 そんな中、市会の動きが俄然騒がしくなっています。河村市長の与党である減税日本ゴヤが市会第一会派から陥落し、第二会派である自民党と同数と成りました。河村市長改選を前に、現在日本ナゴヤからの離脱者が相次ぎ、あたかも「減税日本崩壊」の様相ですが、この模様を記す前にちょっとした小ネタからご紹介しましょう。

稚拙な公募フォーム

 市長の改選は4月21日が投開票と成ります。これにあわせて守山区の市議会議員補選が行われます。( 参照

 これに対して減税日本日本維新の会が候補者の公募を行っています。

 減税日本: http://genzeinippon.com/news/%E5%90%8D%E5%8F%A4%E5%B1%8B%E5%B8%82%E4%BC%9A%E8%AD%B0%E5%93%A1%E8%A3%9C%E6%AC%A0%E9%81%B8%E6%8C%99%EF%BC%88%E5%AE%88%E5%B1%B1%E5%8C%BA%EF%BC%89%E5%80%99%E8%A3%9C%E8%80%85%E5%85%AC%E5%8B%9F

 日本維新の会: http://j-ishin.jp/k-nagoya/
 日本維新の会: http://j-ishin.jp/k-nagoya2/


 チラッと見ただけで、政党の性質というか、質が判るというものです。

 そもそも減税日本のこの入力フォーム形式はおかしい。

 インターネットという仕組みでは、こういった入力フォームに投稿して送信する情報というものは、途中で第三者が参照可能なのです。その為にSSLという仕組みが広く使われ、入力情報についての暗号化・秘匿化を行うようになっています。
 https://www.verisign.co.jp/ssl/first/basic.html

 そうした措置が取られていないこの減税日本の「候補者公募」入力フォームでは、氏名や生年月日、住所から学歴などに至るまで、情報がダダ漏れになる可能性があります。そしてそもそも、ここに入力した個人情報がどのような扱いを受けるのかの説明もありません。(余計なことかもしれませんが、最後の「最終確認(必須)」の「上記の内容で申し込みます」って何でしょうかね?

「申し込みます」?

 市議会解散請求の署名簿を流用したり流出させたり、そのリコール運動の受任者名簿を勝手に選挙に利用したりと。個人情報保護の意識、遵法精神に乏しい減税日本ならではの稚拙な公募方法です。

 多分、こんな入力フォームに易々と自分の個人情報を入力するようなレベルの人間では、名古屋市の市議は務まりません。つまり、務まらないようなレベルの人間しか応募しないという事になりそうです。逆に言えば、応募してきたような人物では務まらないであろうし、務まるような人間はこんな仕組みでは応募できない。

 河村氏お得意の制度的矛盾、ジレンマに陥っていますね。(高度な公募試験?)

沈み行く泥舟

 さて、その減税日本名古屋市会内会派、減税日本ゴヤですが。完全に崩壊が進んでいます。2月26日に済藤市議が会派離脱を表明し、減税日本新政会 ― この名前も、3月1日付をもって「新政会」に変わって、減税日本から名実共に離脱したようです( 参照 ) ― に合流 ( 参照 )

 続いて2月28日にうさみいく愛市議が離党、離団し、1人会派を結成 ( 参照 )

 更に続いて3月1日には片桐栄子市議が離団し、リコール選挙の改選によって28人の勢力で結成された減税日本ゴヤは、ついに残り18人となり、第二会派である自民党と並び、単独第一会派(比較第一党)の座から陥落する事となった。

 これで守山区の補選で自民党議席を獲得することになれば、逆転する。

 まだ他にも河村市長の政策や減税日本執行部のあり方に疑問を持っている者はいる。そういう人物が続いて離脱することになれば、早晩第一党の座は譲り渡すことになるだろう。

 まあ、そもそも第一会派とは言いながらも。「議運離脱宣言」ですでに会派としては自爆してしまっているので、第一会派であろうと第二会派であろうと変わりは無いのかもしれませんが。


 この三人には三人それぞれの考えがあっての行動で、間近に迫った市長選との関連は薄いように思えます。

 実は、河村市長は市長としては既に「詰んで」います。

 よしんば改選で二期目を努めることになっても、碌なビジョンも無く、政策もありません。もし、そんな物があったにしても、市職員から完全に遊離した河村市長がそういった政策を進めようとしても不可能でしょう。
 それは先のトリプル選挙で大村知事と打ち出した「中京都構想」がさっぱり具体化しない事を見れば容易に推測できます。

 トリプル選挙後の河村市政は、結局「寝たまま」の2年間と言えるのではないでしょうか。

 今度の改選で河村市長が当選することになれば、この2年の停滞があと4年続くことになるのでしょう。現在、名古屋は中長期の経済政策や地域振興策、街づくりの整備計画も持っていません。国においてはアベノミクスの積極財政を進め、復興と防災を軸とした経済刺激策が策定されようとしています。しかし、この流れに「河村流減税政策=歳出削減政策」を進める名古屋は乗る事ができません。

 「名古屋は日本で一番目に不況を脱出した街」どころか、「経済的地盤沈下日本一」になるかもしれません。

 つまり、河村流政策は、すでにこの4年間で手詰まりになり、地域委員会にしても減税政策にしても、そして議会改革にしても、その破綻が明確になっています。

 改選によってもう4年間、河村氏が市長を務めるということは、この破綻が誰の目にも明らかになるということなのでしょう。

 そうであれば、本来なら改選するより前に。つまり、出たボロが今の程度の内に市長の座を降りた方が身の為と言えそうです。まあ、けしてそんな声には耳を貸さないでしょうが。そして、こういった先行きが読めるようなら、こんな隘路には陥っていないという、ここでも河村氏お得意の制度的矛盾、ジレンマが見られます。

 また、これが大切なのでしょうが、こういった河村市長の問題。当ブログで散々言っているところの「河村市長の嘘」「河村市長の無能」が、減税日本ゴヤの市議の目にも明確に映ったのだろうという事です。
 「市民目線」と言われた減税日本ゴヤの市議が、市会に乗り込んで、実際に河村市長の近くに居て、その政策、政治的手腕を見てきて、「ついていけない」と判断したのです。

 そして、そういった感覚は名古屋市内の一般の市民にも広まっているのでしょうし、最近のマスコミの論調も徐々に冷静さを取り戻して、河村市長の実体を見ようとしているように感じます。

 未整備で放置された公園。減税政策のために予算削減されて進まない、学校や市営住宅などの公共施設の整備、改修。東北の復興が進まない中、仮設住宅に住んでいる人々がいる中で、数百億もかけて名古屋城天守閣を木造化するという構想と、それが「名古屋のプライドになる」という倒錯。 ― もし、これが実現化したならば、「平成の頃、名古屋の人々は。東北の復興が進まない中で、自分の街のお城の木造化に数百億かけた」と語り継がれることでしょう。この言葉が、河村市長の言うような誇らしげな響きを含むものなのでしょうか。 ― 

 河村市長を「選挙モンスター」とマスコミは呼びますが、そう呼ぶ事自体が幻想を強化します。トリプル選挙の際に獲得した66万票という得票は、市長選挙としての河村氏の得票とは思えません。リコール運動によって、その時の嘘も含め、過剰に批判された議会に対する反対票も加わっての数字でしょう。実際に、その直後の市議改選では減税の獲得票はググッと下がっています(274,459票(減税系無所属候補含む))し、先の衆議院選挙における名古屋市内の減税日本の獲得票は、最早破滅的とも言えました。(あの時、河村氏が衆議院に転進しなかった事がいよいよ河村氏「詰み」に拍車をかけています)
 すでに河村氏のマジック(おお!穏当な表現)はバレています。

 ご本人は市長改選に絶大の自身を持っているようですが、実はそれほど票は伸びないかもしれない。そもそも、市長選挙投票率すら伸びないかもしれません。

 つまり、河村市長の落選すら有り得ると、私は思っています。

論理的矛盾、論理的帰結

 実は、済藤市議、うさみ市議の離党にはちょっと興味深い話が漏れ伝わってきています。

 済藤市議とうさみ市議の離党は、この順番で行われていますが、実はうさみ市議の離党の方が先に表明されていたようなのです。

 うさみ市議が離党の意志を示して、即座に河村市長はうさみ市議を市長室に呼んだようです。そこで厳しく離党の翻意を促したようですが、うさみ市議の意向は翻らなかった。

 そこに済藤市議も離党するという一報が入り、入れ替わるように済藤市議が市長室に呼ばれたようです。そこで済藤市議は河村市長に様々意見を述べたようです。その片鱗はブログの記載でもうかがえます。

減税日本ゴヤ内で発生する数々の不祥事、その対応、また不透明な団運営、情報共有、政策決定に至るまでのわかりにくいプロセスなど、市民が期待する政治とかけ離れていると思うことが日に日に多くなってまいりました。

ご報告 | サイトーのブログ

 減税政策の比率、10%から7%、5%への経緯。河合市議への対応から「議運離脱宣言」。署名簿流用/流出問題。更に衆議院議員選挙直前の河村氏の迷走等々。河村市長や減税日本の行った不透明さや説明不足は、市民、有権者や彼ら減税日本ゴヤの市議たちも軽視するものだったと言えるでしょう。この済藤市議の感覚は理解できます。

 そして、済藤市議は即座に離団、新政会に合流するという発表が行われました。

 実は、この時、うさみ市議もその意向は河村市長に明確に伝え、離脱の決意は固まっていたようです。

 しかし、河村市長が受取ったうさみ市議の意向は、河村市長から減税日本ゴヤの市議には伝わっていなかったようです。済藤市議の引越しの直後に、うさみ市議が引越しを行うことを減税日本ゴヤの市議たちは把握していなかったようなのです。

 済藤市議から指摘された「不透明な団運営、情報共有、政策決定に至るまでのわかりにくいプロセス」という問題を、当の議員離脱において、図らずも繰り返す事と成ったのです。

河村市長は1日午前、相次ぐ離脱の動きに「むちゃくちゃだし、人の道に反する。既存勢力を打ち破ってほしいと、市議会解散の署名運動をやってくれた人たちへの裏切りになる」と記者団に語った。

http://www.chunichi.co.jp/s/article/2013030190143827.html

 「人の道に反する」とはまた酷い人格攻撃では無いだろうか?

 そもそも民主党の国会議員としての付託を投げ出して市長に転進し。約束を反故にして、民主党を離れて自分の政党を作り。単にトリプル選挙をせんが為だけに、その市長の座も投げ出し、更に、党自体も石原前都知事の言うがまま解散しようとする。

 その度毎に支援者の期待を裏切り続け、ろくに説明もしない。むちゃくちゃをし続けて来たのは誰か?

 人の道に反していたのは、いったい誰なんだろうか。