市民のための名古屋市会を! Ver.3.0

一人の名古屋市民が「地域委員会制度」「減税日本」に対する疑問をまとめるサイトです。(since 2011/3/3)

正調「火祭り」(平成23年度政務調査費公表)

政務調査費祭り開催

 この月曜日(7月2日)に政務調査費の公表が行われ、名古屋市会でも愛知県議会でも鉢の巣を突いた様な騒ぎが起きている。
 さっそく中日新聞が「減税市議、政調費で漫画」と あの! 河合市議の顔写真(それもカラー!)まで添えて報道している。経済誌を買ったとされる領収書に記載された書店では、その経済誌は扱っていないそうだ。もしも虚偽であるならば、そんな虚偽はゆるされるべきではないだろう。金銭の多寡の問題ではない、信用性の問題だ。
 そもそも当ブログで「最低市議」とマークされる河合市議だが(下には下がいて、後ほどじっくり批判させていただきますが、河合市議には当ブログは「辞めなさい」とまでは言っていません。この下に当ブログが「辞めるべき」と断じる市議が、減税日本ゴヤにはまだ二人います。後述)
 この河合市議は、そもそもが名港議会での報酬受け取り、その名港議会の議長の名刺を勝手に作って配って歩いたという事例。更に、3.11追悼特別議会の欠席に、まだ解決していない女性を同伴しての委員視察。
 議会開催中は居るのか居ないのか判りませんし、いったい市議としてどういった仕事をしたのかサッパリ判りませんが、こういった下らないスキャンダルだけは名前がよく出ますね。


 本日の中日新聞はなかなか面白い構成になっています。
 こういった11年度政調費について「使わず返還1億5000万円余」と、政調費自体の執行額が少ない事を市民版で報じています。

 「『減税日本』最多73%」とも見出しが打たれています。


 この紙面に書かれている「市議会2011年度政務調査費の会派別収支」の表を、私なりに拡張してみました。それがこのイメージです。
 また、フラッシュ化したイメージがこちらです。 会派別政務調査費使途分類.swf 直

 紙面に掲載された値の支出別構成比と、議員一人当たりの金額を算出してみました。

 こうやって見てみると、共産党の「人件費」と「公報費」の構成比率が高い事。逆に、公明党減税日本ゴヤの「公報費」構成比率が低い事。
 そして、圧倒的に減税日本ゴヤの支出金額(執行率)が低い事が目立ちます。


 この件については既にこのブログでこうなるだろうとお伝えしています。
 日本政治の中空構造 - 市長のための市会ではなく、市民のための名古屋市会を! Ver.2.0

 その時にも書きましたが「政務調査費の執行が少なければ、それだけ税金の使用が抑えられたのだから良い事だ」というのは本末転倒の議論です。政務調査費の執行が「抑制すべき税金の無駄な支出である」というのであれば、政務調査費という制度自体を無くせばいい。そして、そもそもそういった政務調査費によって活動するような市議会議員自体も無くせば良い。もっと極端にいうならば議会も解散すればいい。

 もっと言おう。

 国や地方自治体が税金を集めて事業を行う事が悪い事であるのなら、国も地方自治体も解散すればいい。税金も「減税10%」なんて眠たい中途半端な事を言わずに、「100%減税」無税にして、国や地方自治体の行っていた公共事業はすべて寄附やボランティアで賄う「本当の民主主義」でも作ってみればいい。
 そんな事が妄想じみた絵空事であることは明白だ。
 誰しも、税の負担は重荷だけれど、税によって賄われる行政事業は必要であると思っている。問題はその負担の仕方と程度(金額や比率)だろう。そういった意味でも河村流減税論には根拠が無いことは明白だ。


 話を戻そう。

 政務調査費は「議員がどの程度仕事をしたか」を計る尺度ともいえる。
 公明党が公報費の比率が低く、返還率も高い理由は、独特で強力な支援者組織があるからと考えられる。減税日本ゴヤはその公明党よりも執行比率が低いということは、いかに仕事をしなかったかということだ。
 浅井団長は「一年生議員ばかりで先輩がおらず、有効に使えなかった」といっているが、このデータに含まれる初期の頃は則竹前団長が居た筈であり、さらにこのデータを集約した際には(使えないとはいえ)佐藤代議士の事務所からO秘書を入れている。
 そもそも、市議としての仕事をしようとすれば、幾らでも使いようがあるのが政務調査費だ。先輩がおらず有効に使えなかったのではなく、制度的な問題で「使わなかった」というのが実態に即している。

 と、その本質的議論に入る前に2点指摘しておこう。

 本日の河合議員の不適切支出を初め、減税日本に関しては、市議、県議ともにとんでもない政務調査費の支出がみられる。公費意識の欠如というよりも、そもそも彼等には公共性、公益性といった概念がないのかもしれない。それは、代表である河村氏譲りなのだろうか。*1

 しかし、政務調査費の不適切使用に関しては、ある例外を除いて(フフフ)こういった*2政治屋」に決定的な鉄槌を下すことはできない。この河合市議もそうだが、その他の市議や県議も、今後指摘されるだろう不適切な事柄について、どんどん修正申告してしまえば逃げ切れる。(150万円手元にあるのなら、ポンと払えば、それでおしまいだ)

 しかし、こういった外形的な執行の不足は糊塗できない。

 そもそも減税日本ゴヤが市議として仕事をする気があるのかどうか、後ほど述べる制度的な欠陥も含めてどう回答するか。

市民に平気で「嘘」を言う減税日本ゴヤの市議

 次に、減税日本ゴヤは選挙の際に「政務調査費については個人で公開する」と言っている。選挙公報には則竹前団長冨口議員が明記している。

 冨口議員の選挙公報「5 政務調査費は個人公開します 現在の公開と合わせて議員個人の説明責任を果たします」と言っています。言っていますね(大切な事なので二度言いました)「あたりまえです!」とまで言っています。

 さあ、約束を果たしてください。参照

 冨口議員だけではない筈です。
 すべての議員が「政務調査費の個人公開」を約束している筈です*3。なぜなら、河村市長の2009年マニフェストに「政務調査費の個人支給」及び、その情報公開があったからです。制度改正は手付かずですが、個人による情報公開はできるはずです。
 
 さあ、約束を果たしてください。参照

 愛知県の政務調査費データに関しては電子化された情報が提供されるようだ。しかし、名古屋市政務調査費についてはすべて「紙ベース」で全会派のデータを得ようとすれば、その経費だけで約20万円が要るらしい。執行が4割りに満たない減税日本ゴヤのデータだけでも数万円に上る。彼等が約束を少しでも守る気があるのであれば、これらの経費は要らなくなるかもしれない。

 とっとと、約束を果たしてください。

 政務調査費について、中身の議論はあまり意味が無いと思っていた。
 *4 

 問題は、彼等がその情報についてどのように公表して、この公約を果たすかに着目していた。結果、やはり約束は果たされず、彼等の公約に対する軽視がまた一つ露になっただけである。

 嘘つき市議は要らない。

 ここで嘘の公約を掲げている冨口市議と、低率執行の立役者とも言える山田市議は、今までの行状から市民に平気で嘘を言います。実際に、私は両者に明白な嘘を言われました。
 委員会日程をすっ飛ばして、意味もなく尖閣諸島に視察旅行に向かう、中村孝道市議や、それに付き合った林、荒川市議は市議としてよりも社会人としてどうかと思います。
 言葉の使い方一つまともにできない園田市議(あえなく3ヶ月で副幹事長解任)やこの河合市議も社会人として失格でしょう。
 しかし、市民の付託を受けた市議であるから、その付託した市民の投票行動を尊重して私は「辞めなさい」とまでは言っていません。(あの!三宅県議や東県議にも言っていない)
 しかし、冨口市議と山田市議は辞めるべきです。

 何故なら、あなた方が得た付託は、その「嘘」で構成されたものであるからです。
 市民に明白な「嘘」を付くのは市議失格です。

政務調査費未執行の本当の問題

 さて、では本論に移る。先ほど述べたように、本日の中日新聞市民版は興味深い構成になっている。この政務調査費の隣は「市議所得560万円減」という市議の所得公表に伴うデータを掲載していた。

 実は、以前記述したように、現在の制度をみると、議員一人につき月額50万円まで支給される政務調査費を全額利用しようとすれば、その按分率からおおよそ25万円ほどの自費支出が必要となる。

 ここに示したデータは現在現役の某名古屋市議に提示された「議員報酬明細」である。名古屋市がこの議員に送金した差し引き支給金額は「341,690円」であり、ここから国民年金保険料と国民健康保険料を支払うと、残る可処分所得はほぼ25万円程ということになる。

 現在の「報酬800万円」という制度での月額可処分所得は25万円となり、その額は政務調査費50万円を執行しようとする際の自費負担分にたまたま等しくなっている。つまり、この額は報酬でもなければ給与でもない。実態的には市議はまったくの無報酬で、800万円に関しては政務調査費の自費負担分の別渡しでしかない。

 地域に分け入って市政の調査をしたり、他地域に出かけていって(当然、女性など同伴せず)各地の制度などを検分したり。各種セミナーや勉強会に参加したり、市議として地域の住民、後援者に市政報告を行ったり、それを郵便などで知らせたり。

 こういった活動をする為の、月額50万円の政務調査費と、その自費負担分である25万円。これは報酬800万円の今、丁度バランスしてしまっている。

 現在の名古屋の市議は霞でも食べているのだろうか。

 河村市長は制度設計が下手だ。地域委員会も制度設計がガタガタであるし、寄附制度や市民市役所、中京都構想も尾張名古屋共和国も制度設計などできていない。
 そもそも自身の減税日本という政党自体、制度設計の破綻が垣間見える。
 (市議選で一所懸命活動した者が市議となって報酬800万円、その市議選挙で落選して県議選に鞍替えした者が1400万円貰うシステムってどうです?)

 この現在の市議報酬800万円も何も考えていない。単なる思い付きでしかない。

 そして、その単なる思い付きが、今、確実に名古屋市政を、そして名古屋を蝕んでいる。

 「多くの市民が、マスコミや街宣カーのマイクを通じて聞かされる『名古屋の市会議員の報酬2400万!』『名古屋市議は任期4年毎に退職金がもらえる!』などという、河村たかし名古屋市長の誇張や虚言を、鵜呑みにしてしまったこと。一方で、国民心理として、公職にある者は清貧であるべきとする想いや、他人が安定した収入を得ているように見えることに嫉妬心や嫌悪感を感ずる側面があるのも、一因であろう」

 これは前市会議員である梅村麻美子氏の文章にある一節である。
 「政令指定都市 名古屋市における市議会のボランティア化がもたらすもの 名古屋大学法学部 研究生 梅村麻美子」

 梅村氏は現在、名古屋大学の研究生として地方自治の研究をされているらしい、その中でこのポピュリズムにまみれた「市議報酬800万円」が名古屋市政や名古屋市自体を蝕み、毀損していく事を指摘されている。また、河村市長が言っているように「外国では地方議員はボランティア」という発言が真実かどうか調査されている。

 この調査によれば、そのような事実はなく、あったにせよ様々な制度のうえで可能であるだけで、河村市長のいうような乱暴な「ボランティア化」が謀られれば地方議会は機能不全に陥る。

 この一文を読むと、選挙制度の異常性を感じずに居られない。これほどの資質を備えた市議を落選に追い込み、倍近い得票数で議席を獲得した人物は「浅井団長の腰ぎんちゃく(ある減税日本ゴヤの市議が私に語った表現)」となって存在が見えない。

 リコール以降の名古屋の政治状況、そしてそれを煽ったマスコミの行動が如何に異常で危ういものであるか。大げさでなく、この異常行動が国家規模で行われた結果が、先の大戦であると思える。まさに傾国のポピュリズムといえる。

 まず、虚偽は要らない。
 そして、政治は事実を根拠にしなければならない。

 河村市長は「外国では地方議会はボランティア」と言われるのであれば、その証拠を提示していただきたい。*5

 報酬800万には根拠はない。そして確実に市政を毀損していく。(こんな状態で、有意な人材が市議になるわけが無い)

 議員定数の削減もやはり議会を毀損させ弱体化させる議論だ。結局、それらの主張は「議員は特権で楽な生活をしている」という事実に基づかない推測を根拠にしているに過ぎない。現実に見たわけでもない、古い三流小説の陳腐な筋立てをなぞっているだけだろう。このような現実のデータはそれらの憶測が、単なる僻みか、妬みからくる劣情である事を示しているのではないか。そしてそのような劣悪な感情に阿る言葉が、河村市長のアジテートであり、その劣悪な言葉*6を、評価もせずに紙面や電波に乗せたマスコミにも多大な責任がある。


 本日、本文に加えられなかったが、とても面白かった記事がこちら。
 大阪維新・減税日本 現場レベルで進む「平成の薩長同盟」

 〜東京・大阪・名古屋による地方連合の連携が計画的に進んでいる〜今回は、その現状を探るため、ひとりのキーパーソンを取材した。

 キーパーソンとは、古くは減税日本代表で河村たかし名古屋市長の支持者として減税日本の立ち上げ以前から深く関わっている三宅功(みやけ いさお)愛知県議(名古屋市名東区・1期)。三宅氏は、現在、大阪維新の会の維新政治塾の塾生(愛知県29名)のひとりである。

 おもいっきりコーヒーを吹き出しました。
 しかし、読めば読むほど中身が無い記事ですね。
 対象に中身が無いので仕方が無いけど。

追記:考えてみれば、上で述べた危うく無責任なマスコミの報道の見本とも言えるかもしれないね。
 記事中「現行制度上の「奇跡」と言える名古屋市議会リコール運動でも10人の代表請求人の代表者を務めた。」とあるが、請求代表者の代表(?)として、その後の署名簿流出問題について、市民に一切説明も謝罪もしていないという事実について、この記者自身はどのように感じているのだろうか。
 それともそんな基本情報すら調査取材せずに、この記事を書き飛ばしたのだろうか?
 こういった無責任な言葉の積み重ねが、現実を歪めていくように思われる。

 多分、記者子には言い分があるのだろうが、イノセントなその立ち位置自体が一番危うい。


*1:しかし、公益性や公共性が疑われる元衆議院議員で現市長って。本当に名古屋市民はこんな人物をまた国政に送るの?

*2:公共性を欠如させ、そのくせ議員になるという、はっきり言って私利私欲にまみれた

*3:私は北区ですので田山市議と園田市議が口頭で「政務調査費の完全公開」を確約した言葉を聞いています

*4:山田市議は必死で削減したようですが、削減してもあまり意味はないのですよ、逆に異常に削減されている今の状態が却って問題なのです。ほっほっほ、ひっかかったな小娘。

*5:減税政策を支持する「正しい経済理論」とやらも何を指して言っているのか示す義務があるだろう。

*6:もっとハッキリいえば、「嘘」