市民のための名古屋市会を! Ver.3.0

一人の名古屋市民が「地域委員会制度」「減税日本」に対する疑問をまとめるサイトです。(since 2011/3/3)

東区矢田学区地域委員会

 6月30日に東区の矢田学区で地域委員会の制度説明会が開かれました。これに参加させていただいて、なぜ矢田学区が地域委員会を行おうとしたか、そして実際に今制度で実施されようとしている地域委員会についての問題点や、矢田学区の人々から出された言葉などもご紹介したいと思います。

 その前に、この週末、幾つか情報が寄せられたのですが(今週は、にぎやかな事になりそうな予感です)その中で書ける数少ないものの内「表」の話題の二つを指摘しておきたいと思います。

名古屋市土地開発公社

 今定例会の議案外質問で、外郭団体である名古屋市土地開発公社の所有する「塩漬け土地」の「なごやサイエンスパークBゾーン」について、大学誘致を断念し、売却、損失の確定を図るとの市の答弁がありました。
 この事案だけでも損失確定されれば、およそ164億円に上る損失を計上する事になりますが、土地開発公社は他の土地も含めると382億円ほどの含み損を抱えているようです。

 なごやサイエンスパーク ようやく大学誘致を断念・売却検討 : 市民オンブズマン 事務局日誌

 このような制度の損失処理の為に国は「第三セクター等改革推進債(三セク債)」という制度を設けていますが、この期限は平成25年度末までで、今後のスケジュールを考えると、ひょっとすると間に合わないのではないかと思えるほどタイトとなっています。

 腹立たしいのは次の文章です。

"2009年 名古屋市長選挙候補予定者アンケート"

 2009年4月7日の日付になっている文書ですが、ここで河村市長は「別紙1『塩漬け土地』問題に関して」として、①「市長就任後、速やかに対策に乗り出す」②「『土地開発公社』の(略)実態を調査し、結果を全面公開する」③「『検討委員会』を作って対応する」と明確に回答している。

 速やかには対策されていないし、実態調査も、その結果の全面公開もされていない。そして、「検討委員会」も作られていない。

 これらの事柄が、この発言の通り行われていれば今頃やきもきする必要はなかった。

 全部、河村市長の口から出任せで行政が後手にまわっている。(AIJは投資すると言ってしなかったので詐欺で捕まったんですよね。市長はやるといった事をやらなくても捕まらない。税金で食っている人は極楽ですわな、これは)

6月27日総務環境委員会審議

 この動画をご覧戴きたい。たった5分弱の動画ですが、この6月27日の総務環境委員会の審議の模様です。

 今定例会は本当に低調で、この委員会に付議された条例改正案はたったの一件です。(いかに、河村市長が国政にばかり目を向けて市政に関心を無くしているかを表していると思いますが。それはこの際おきます)

 総務環境委員会の委員長である減税日本ゴヤの湯川市議は、いわゆる「ノルマンディー上陸作戦」に関する問題で不適切であった事を認め、今後は公正中立に委員長職を果たすと謝罪した筈です。

 その舌の根も乾かない27日の審議がこれです。

 「名古屋市情報あんしん条例」という条例があります。( 参照 )「同条例施行細則」( 参照 )

 (実は、この件は「河村マニフェスト」とも関連するのですが、それもこの際横においておきます)

 法律が改正された事を受けて、この条例もそれに対して整理すると言うだけの改正案ですので、その部分だけは特段問題はないでしょう。しかし、6月7日に名古屋市では、情報公開請求した人物の個人情報を記録したUSBメモリーを紛失し、それらの情報を漏洩させたと言う事案が発生しました。その際、USBメモリを暗号化していればUSBメモリを無くしても情報の漏洩は無かったかもしれません。
 また、こういった場合、情報を暗号化するのは常識的な対策です。

 つまり、この事案は「同条例施行細則」の第29条に違反している疑いがあるのです。(ここには暗号化は明記してありませんが、そう要請していることは明白です)

 そして、このように施行細則が定められていても、それが実際の現場で反映されていないのであれば、条例改正をしても意味が無い。もっというと「守られないような規則なら形式だけ決めたって意味が無い」という事になります。

 もちろん、市当局としてはこういった事を議会に持ち出して欲しくないので、事務方が委員長にメモを渡して質問を遮りますが、湯川委員長がこの質問が改正部分と関係ないと断じた根拠はなんでしょうか?
 答えられますか?

 というよりも、そもそも湯川委員長は条例改正部分と、この委員の質問の趣旨や、この条例と条例施行細則について理解しているのでしょうか。

 とてもそうは見えません。

 河村市長は「市議は素人で十分」と言いますが、素人の市議ばかりになって喜ぶのは市当局の職員だけです。市議会を市民の手に取り戻す為にも、資質のある人々による議会を構成する必要があります。

東区矢田学区地域委員会発起人会制度説明会

 6月30日に東区の大幸神社社務所で矢田学区の地域委員会発起人が集まって、市の職員から制度説明を聞くという会合が開かれました。

 この開催に対して、N元市議やM女史の関与があり、減税日本や河村氏の関与があるのでは?とある方から要請を受けて会合に参加する事になりました。

 そうしたところこの危惧は全くの誤解で、地域の方々もM女史も完全に「反河村」であって、さながら会合自体が「反河村」の様相を呈していたことをご報告させていただきます。

 参加者の声を拾うと、「これで苦労して地域委員会をやったところで300万円(同学区の地域予算額)が降りる前に河村さんが国政に行ってしまって、次の市長がハンコを押さなかったらお金がもらえないというような事はないだろうね」

 いわく「この制度で、選挙なんてするのがそもそもおかしい」

 いわく「選挙で幾らかかるのですか?(当局から約150万円ほどの見込みですと回答が有り)300万円の地域予算に、150万円の選挙費用をかけるなんて馬鹿げている」

 などなど。地域委員会の、特に選挙に対する違和感と河村市長に対する不信感は根深いものを感じました。

 実は、この矢田学区は名前の通り、矢田川に面した住宅地で、元々は田んぼや畑があった土地ですので、家と家の間を狭い路地が縫うように走っています。その為、夜間は暗い道もあり、昼も家々について見通しが悪く、空き巣被害などが多く発生しているようです。実際に市のまとめる「生活環境指標」でも刑法犯罪認知件数は区内で最高となっています。(東区自体が認知件数が少ないという事情もありますので、当地区が特別治安が酷いわけではありません、為念)

 そのために、地域の方々は「街路灯」か「防犯カメラ」の設置を考えてみるようです。また、防災の要請から「災害井戸」を設置して、いざという時の生活雑水の確保を考えていらっしゃるようです。

 つまり、やはり前回のエントリーで書いたように、地域の人々にとっては、わざわざ地域委員会で「議論」なんてしなくても、今回の地域予算である300万円程度であれば、その使途は「当たり」がついています。

 矢田学区の方々の意見も、「300万円の補助金をもらう為に、めんどうな準備会や、選挙や、(形式的に)地域委員会の開催を行って、この現在の課題に補助金を貰おう」という意図が明白でした。こういうハッキリした態度というのは、ある意味非常に清々しいほどです。

 しかし、例えば、「防犯カメラ」についても、設置した後の所有権は市のものであるのか、地域の例えば学区連協の所有物となるのか。その維持費用の負担は誰がするのか。といった課題も有ります。

 そして、特に選挙の実施までは、市や区の関与は必要であろうと思います。

 今回本来であれば、全市展開と言う事で各区2地区実施する為に、市や区からは人的支援が行えないとなっていた筈です。(その他の理由があることは承知しています)
 ところが32地区のはずが7地区になってしまった。

 前回、8地区でのモデル実施では、市や区から地域委員会の開催時に平均で9人ほどの職員が関与しています。地域委員会の開催時点では、こいった準備会の方々の運営で行えば宜しいかもしれません。しかし、選挙までの期間は、市や区の職員が、責任をもって関与しなければ危うい問題も発生しかねないので、ここは積極的な関与を希望します。

 実は、この矢田学区の地域委員会の開催については、さきほど記述したN元市議の問題が大きく関っているようです。このN元市議の問題を解決しようとしている自治会とM女史が、その組織力で地域課題の解決の為に地域予算を得ようとしているようです。

 実は、このN元市議自身、非常にこの地域で大きな問題を残した方のようですが*1減税日本の候補として名前が上がったそうですね。県議として昭和区の候補となりかけましたが、佐藤夕子代議士が(あの!)加藤キクエ候補を強く推したが為になくなり、その後守山区の候補にも名前が上がりましたが、野田候補の為に目がなくなりました。

 最後は河村代表が「北名古屋市でどうだ」と進言したそうですが、本人が名古屋市内を望んだ為に不調に終わったそうです。

 その後、地元でここには書けないような酷い事をしたようです。実は、このN元市議については、市議会を追われた経緯はN元市議が悪いのではなく「嵌められた」といったような観測も主張されたのですが、後々のこの行状を見ると、当時の議会の方が真っ当な判断をしたと思えます。

 そころで、この問題では地元は本当に困っているようです。この解決に減税日本は手を貸してくれませんかね?(N元市議の所在をご存知の方はご一報ください)



 念の為に申し上げておきますが。
 この件について、このN元市議の姓名をコメント欄に記述された方のコメントは削除させていただきます。

*1:過去形ではなく、現在進行形の問題のようです。