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一人の名古屋市民が「地域委員会制度」「減税日本」に対する疑問をまとめるサイトです。(since 2011/3/3)

三宅県議敗訴

 昨日(6月27日)、名古屋市簡易裁判所で一つの判決が言い渡された。「平成23年(少コ)第478号」とされたこの訴訟は、減税日本三宅功県議と、彼の県議選の時の後援会事務局長であったO氏との間で争われた訴訟である。

 O氏は市議選の際、減税日本の選挙を手伝い、その後の県議選に三宅県議から請われて後援会事務局長として三宅県議の選挙を手伝う事になったそうである。

 O氏は内装業を生業としているので、そのノウハウを利用して選挙カーの看板やスピーカーの設置を自分で行い、三宅県議の経費支出を押さえるように計らった。
 選挙は大成功となり、めでたく三宅氏は当選し、県議となったわけである。その直後の4月12日、この看板の作成設置代金の請求書(約36万円)を持ってO氏は三宅県議を尋ねる。その際、選挙に使用した車についても譲って欲しいとの申し出があり、約20万円で車両についても譲る事になった。
 また、その際三宅県議は45万円を手持ちの金額として持っており、それをこれの代金として支払うとした。

 (看板代金と車両で約55万円、そこに45万円の手持ち金を支払う)

 その際三宅県議は、O氏が勤めた選挙カーの運転手代(公費による負担を受けられる、約10万円)が入るのだから、その約10万円と、この45万円で全額支払い済みとしてくれないかと交渉してきた。O氏としては運転手代金は自分が勤めた選挙運動に対して公費から支払われるお金で、それを根拠に値引きをするということは、なんだか候補者に公費が支払われるようで、けじめが無いと思った。
 また、看板工事も車両も、ほとんど購入代金のままで、手間賃などを考慮に入れれば持ち出しになることもあり、これ以上の減額については断った。

 後日、12日に受取った45万円の領収書と、車両の請求書(こちらも12日日付、金額は合意の通り、約20万円)を三宅県議の元に届けた。

 実は、選挙後。三宅県議の事務所ではひと騒動が巻き起こる。

 三宅県議は選挙スタッフをハローワークで募集したのである。

 この図はその時の「求人票」である。
 事業内容に「平成23年愛知県議会選挙をめざす、みやけ 功候補予定者の後援会事務所の一連の活動のお手伝い。社会貢献活動に興味のある60才以上の方対象の軽作業です。」とある。

 また、会社の特長には「河村たかし代表の減税日本の一員となり、大村ひであき代表の日本一愛知の会とも連携をとり、『庶民革命』を名古屋から愛知県、そして全国へ拡げる一役を担えます。」ときた。

 流石は「ミスター減税日本」と言われた、三宅功県議候補だけの事はあります。

 この求人票で応募してきた方の中には失業保険の給付を受けていた方も居ました。そういう方には「選挙期間中は失業保険を受けて、ボランティアで活動を手伝って欲しい、選挙後は必ず後援会スタッフとして雇うから。もしも、落選したら○○○(三宅県議が社長を勤める会社)で雇う」と、ほとんど「優位的立場を利用したボランティアの強制」とも取れるような形で働かせていた方もいたようです。

 幸い、県議選には受かり、数名のスタッフはそのまま選挙事務所から県会議員の事務員として雇われる事になりました。

 ところが、この約束は6月に突然破られます。三宅県議の語ったところによると、減税日本の議員は市議だけではなく、県議も報酬800万円で行う事となった、その為に事務所を維持できなくなったので閉鎖する。ついては、事務員は解雇する。というものだったそうです。

 通常の30日予告もなく、携帯電話に突然電話がかかってきて解雇を告げられた方々の気持ちを思うと切なくなります。



 この二つのイメージは、そこで解雇された方々が三宅県議に意見を集約して送った際の写しです。実はこの文章はマスコミにも伝えられていますが、そのマスコミは一行、一文字もこの問題を報じていません。

 「私はじめ皆さんは、この事務所での給料を充てにして生活しているのです。(略)明日から職場を失う人の立場になって考えれば、(略)昨年のリコール運動から関った者として、全幅の期待、信頼をしていた減税日本、その県会議員ともあろう方のする処置とは思えない

 「いきなりの携帯電話での解雇通告それも河村市長からの命令はないでしょう


 「『もし議員に当選できなくても、仕事はありますので、65歳までは必ず面倒をみます。』と言われ、本当に立派な方だと思い、(略)あの言葉はなんだったのでしょうか?(略)こんなごまかしをするとは思いもしませんでした


 「三宅さんが党首(河村たかし)からの命令で、年収800万でやってくれと頼まれたからといって、そもそも年収800万は、減税日本の当初からの公約であり(略)


 「面接の時に生活がかかっているのでフルで働かせて欲しいむねをお願いしました。その時は快く納得してもらえました。ところが働き出す直前(3日前)になって、週25時間程度と言われました。その時は多少の不満もありましたが(略)



 この中の幾人の方とは、私も直接お話を伺うことができました。皆さん、分別のある方々ばかりです。なぜ、このような方々が出たのか。

 あのリコール騒ぎを「正義の戦い」「民主主義の勝利」のように書き立てたマスコミにも責任の一端があると思えてなりません。

 更に、今年の5月には「減税日本県議報酬」についての中日新聞のアンケートに三宅県議は「800万円超過分の寄附を断念、または不賛同」として、県議報酬を全額受け取り、その理由として「事務所の職員の給与支払などあり、現状では無理」としている。彼らを解雇した理由が「報酬800万円」だったのではなかったのか?どこまでごまかすのだろう。そしてマスコミはどこまでその「嘘」を垂れ流すのだろうか。

 この三宅県議は人間として最低です。


 この一事をもって、県議などの公職に居ては駄目な人間であることは明白でしょう。

 O氏もそう思われたようです。

 その他の事もあり、O氏と三宅県議の間も疎遠になります。

 しかし、看板代金と車両の約55万円の内の約10万円が未払いです。これについて三宅県議に、内容証明を送り、そして低額少額訴訟を起しました。
 三宅県議は、この約10万円の低額少額訴訟のために、わざわざ弁護士を立てて簡易裁判所に本訴訟の手続をとり、そして、今回の訴訟となったわけです。

 三宅県議は弁護士を立て、自分では裁判所に足を踏み入れていませんが、原告のO氏は弁護士も立てず、ご自分ひとりで訴訟に対応しました。

 そもそも法律論として、こういった代金の請求などを行う訴訟の場合、支払義務の立証責任は請求する側にあります。そして立証は口約束や証人ではほとんど役に立ちません。請求書や領収書、納品書などの「紙」が説得力を持ちます。

 今回の訴訟の場合、三宅県議に支払い義務があることを立証する責任は原告のO氏の側にありました。そして、三宅県議の最大の武器は12日に支払ったお金に対する45万円の領収書です。O氏はうかつにもこの領収書に「内金」と書き漏らし、単に「街宣車及び選挙街宣車工事」と書いてしまっているのです。つまり、このままではこれらの「全額の領収書」を発行したように取られかねないのです。

 実際に、三宅県議の弁護士もここを突いてきました。

 多分、この一点だけを主張されていれば、三宅県議の勝ちになって居たでしょう。

 裁判の内容は、テレビやら映画でよく見るような、双方の弁護士が主張を法廷で行うのではなく、それぞれが文書で提示します。実際の裁判の場は、あのようなドラマティックなものではなく、非常に地味で事務的な空間です。

 それは兎も角、今回の場合文書はそれぞれ5通になっていますが、三宅県議の主張は非常に面白い。

 三宅県議の主張は非常に言葉が多いのですが、曖昧な部分が多く、また相矛盾する部分も多々見受けられました。
 O氏は毎回の書面で、こういった曖昧さや矛盾を問い合わせる形で指摘していったのです。どうも、O氏から文章が送られる度に、弁護士と三宅県議の間で議論が起こり、発言を取り繕うような場面も現れ始めました。そういった中で弁護士も職業的直感から、三宅県議の言っている事に疑問を感じたのではないかと思えてきました。

 最後の三宅県議側文書は、文書と同時に三宅県議の「陳述書」が提出されたのですが、この両者の内容が同じなのです。つまり、弁護士としては首を傾げながらも、ご本人がこういった意見を出せというから法廷に出しましたよ。と、言っているように見えました。

 三宅県議側には「45万円の領収書」という物証がある。O氏の側には減額で同意していないという主張しかない。一般的に、日本では口約束を尊重するために、こういった場合、弱い立場の人が不利になります。今回も将にそのような形になっています。

 三宅県議の発言の矛盾や曖昧さを追求はしましたが、どこまで原告であるO氏の発言の信頼性を見てくれるか、裁判としては不利な状況には違いありません。

 ところが、昨日、判事は三宅県議の主張を入れず、O氏の主張に信用を置いていただけたのです。

 非常にありがたいことです。

 三宅県議、減税日本、そして河村代表はこの判決を真摯に受け止め、選挙後の三宅事務所の実態について党として調査する義務があると思います。そして、有権者やリコール運動からの支援者に対してどのように申し開きをするか。真剣に再考すべきであろうと思います。これ以上被害者を作るべきではない。

 最後に示したのが三宅県議の「選挙運動費用収支報告書」です。

 ズラリと並んだ「無償労働」の中には、先ほどの意見書を書かれた方の名前も含まれています。そして、「85,000 寄附 ○○住空間研究所」というのが今回の原告であるO氏の会社になります。請求金額である約55万円と、支払った45万円、消費税を抜いて「85,000円」が収支として合わなくなったらしく、O氏に無断で「未払い金」を「寄附」としていた訳です。(法人名で「寄附」とするのも本来は問題)

 ところが、今回の提訴を受けてこの部分は削除された。
 ですので現在、三宅県議の「選挙運動費用収支報告書」を閲覧すると、この部分がごっそり消えています。

原告代表者 O氏の県政関係者並びに市政関係者向けコメント

 「本日、名古屋簡易裁判所より、当社と三宅県議の間で争われておりました代金支払訴訟について、当社勝訴という判決が示されました。
 当訴訟について、被告三宅県議の主張をつぶさに精査すれば、その発言の曖昧さ、矛盾が即座に露呈するところであり、発言の信用性に欠け、判決にもその結果が出たものと思っております。
 また、提訴後に政治資金収支報告書の修正を行い、事実の隠蔽を図ろうとしたり、途中論点とは関係のない他の県議からの私信である筈のFAXを証拠物件として提示したり。しかも、原告代表者に公費が支払われる理由から、被告の支払い金額の減額を主張するなど、被告三宅県議の遵法精神と常識を疑わせる事例には事欠きません。
 元々、原告代表者は、被告三宅県議の後援会事務局長という立場でありましたが、事務所スタッフへの対応、県議としての言動に疑問を抱き今回の提訴に踏み切りました。
 今回の訴訟について、様々な問い合わせには可能な限り対応させていただきますので、被告三宅県議の地元住民への対応という問題も含めて、広く有権者にお伝えいただければ幸いでございます。」



追記:情報をいただきました。
三宅県議は大阪市の橋下市長の展開する「維新の会」の愛知県支部の責任者になると支援者に報告しているそうです。


追記:毎日が報道しました。

選挙車工事代訴訟:県議に残金10万円の支払い命じる−−簡裁 /愛知
毎日新聞 2012年06月28日 地方版

 11年4年の県議選の選挙戦で使った車の看板工事代金などの一部が未払いだとして、三宅功県議(減税日本)の後援会事務局長だった男性が同県議を相手取り、残金の10万2250円の支払いを求めた訴訟で、名古屋簡裁の渡辺直紀裁判官は27日、同県議に全額の支払いを命じた。

 判決によると、男性は三宅県議が選挙で使用した車1台の看板工事を行い、当選後の11年4月12日、工事代36万2250円の支払いと別の車1台を19万円で譲り渡すことで県議と合意した。県議は45万円を支払ったが、残金を支払わなかった。

 訴訟で三宅県議側は支払いを45万円に減額することで合意したなどと主張したが、渡辺裁判官は「男性が合意したと認めるに足る証拠はない」と退けた。【高木香奈】

http://mainichi.jp/area/aichi/news/20120628ddlk23040218000c.html

選挙車工事代訴訟:県議に残金10万円の支払い命じる 三宅県議の話 /愛知
毎日新聞 2012年06月28日 地方版

◇判決は不当で戦う
 支払いは済んだが、昨年夏になって男性が突然請求してきた。判決は不当で徹底的に戦う。

http://mainichi.jp/area/aichi/news/20120628ddlk23040223000c.html