市民のための名古屋市会を! Ver.3.0

一人の名古屋市民が「地域委員会制度」「減税日本」に対する疑問をまとめるサイトです。(since 2011/3/3)

リコール署名簿流出問題における三宅県議の判断

 昨日に続いて、リコール署名簿流出問題で、今もなお進行中の事柄を書き留めておきたいと思う。
 
 話を整理してみると、
① 昨年名古屋で議会解散を求める市民の請求署名が行われた。
② 市議会とは、市の行政をチェックする存在であって、市の行政について、執行責任者は市長である。本来議会からチェックを受ける市長が、チェックする議会について定数を削減したり、報酬を下げると言う事は、自分に対するチェック機関を弱体化させるというあからさまな民主主義の破壊であり、二元代表制の否定である。制度的に市長が議会を解散できないことが民主主義を守るためであるのだが、そんな大前提すらも打ち消されたまま、実質的に市長が扇動する市議会解散請求の署名運動は行われた。
③ 実質的には市長が扇動する署名簿収集活動であったが、法的には市民の代表である請求代表者によって署名簿収集は行われたことになった。けれども、請求代表者はほとんど実効的な活動をしないまま、市長と、その個人事務所である河村事務所が管理運営する形で署名簿収集は進められることになる。
④ 解散請求の署名は紆余曲折を経ながらも法的に成立し、議会は解散した。
⑤ 解散を受けた議会選挙において、各区の候補に「リコール署名簿を買わないか」という怪しげな電話が入るようになる。この頃から、リコール署名簿が本来の目的を離れて使用され、所有されているのではないかという噂が立ち始める。
⑥ 某候補がマスコミ取材にリコール署名簿の選挙利用を公言。
⑦ 数人の市民に市議候補の推薦ハガキが届く、そのハガキに記載されていた住所が通常使用していた住所表記ではなく、リコール署名簿記載時にだけ使用した表現であったので、このハガキがリコール署名簿から得た個人情報によって作成された疑いが起こる。
⑧ リコール署名簿の選挙流用が報道される(4月)。
⑨ 河村市長は流用は法的に問題ないと説明。ネットワーク河村市長はコピーや電子データは存在しないと名言(4月)。
⑩ 河村市長は実質的に一切調査していない。
⑪ 河村市長、リコール署名簿の調査について、請求代表者に指示したと名言(9月)。
⑫ リコール署名簿と見られる名簿が流出。
⑬ 河村市長、河村事務所にも電子化したリコール署名簿が存在した事を認める(9月)。
⑭ 請求代表者、ネットワーク河村市長代表鈴木望。共に流出についての正式な市民へのコメントなし。注意喚起なし、謝罪なし。
⑮ 名古屋市会9月定例会において、この流出した名簿が、昨年のリコールにおける署名簿であろうとの見解を選挙管理委員会が認める。


 このような背景事情の中で、今回の問題が発生している。

 ⑫の「流出」をもう少し詳しく見ると、リコール署名簿は電子化された状態(PDFファイル)で、約5,000ファイルになる。これらを数個の書庫ファイル(LZH形式の圧縮ファイル)に分けて、誰でも利用できるようなファイル共有サイトにアップロード(インターネットのサーバ側にファイルを送る事)されていた。
 このアドレスを知った者なら、誰でも匿名のままこれらのファイルがダウンロード(インターネットのサーバからファイルを自分のパソコンに取り込むこと)できる。

 つまり、このファイル共有サイトのアドレスは広く知られてはならないし、そこに置かれた(アップロードされた)ファイルについては一刻も早く削除をしてもらうことが、個人情報の流出を防ぐ手立てとなる。

 流出騒動の当日。このアドレスが山田市議のブログに設置されたコメント欄に投稿された。同様のアドレスが当ブログのコメント欄にも投稿された。

 本日、三宅県議と私が電話で話した中で、山田市議は、コメント欄に投稿されたアドレス等のコメントを削除するときに、情報を保存していなかったと言う。

 私もブログの投稿については削除したが、そのコメント及び投稿情報は全て保存してある。(この情報から、投稿者が山田市議のブログから当ブログに来訪してきている事もわかる)

 山田市議のブログにあるアドレスは削除され、当ブログに書かれたアドレスも削除されたが、実は、この情報自体は既に拡散している。2箇所に書き込みをした人物が、書き込みを2箇所だけでとめるという保証は無く、あちこちに情報を拡散させているだろうという事は容易に想像がつく。本当の対策は、一刻も早くファイル共有サイトのファイルを削除する事なんだが、削除される様子はなかった。

 事ある毎に、このファイルを削除するように、言える範囲には注意喚起をしたつもりだ。

 そのような中に中日新聞があたかも流出が過去の事であるかのような表現をしたために、それは誤報であり、今も流出状態は続いているので、市民は注意が必要であると当ブログ上で注意喚起をしていたという次第である。

 そのような中、減税日本の市議が設置した掲示板に拡散の一端が行き着く。

 そして、それを不注意にもメーテレが報道してしまい、不特定多数の人々がこの市議の掲示板から目的ファイルのアドレスを知り、多分、大量にダウンロードされたということだろう。



 当該ファイルは複数有ると言った。その内のいくつかはファイル共有サイトから削除されている。今では一部のファイルが残っているのみである。

 私は、これは請求代表者か河村事務所が、県警と相談の上で処理したのであって、その結果がやっと出て当該ファイルが削除されたのかと思った。

 ところが違うらしいのである。

 或る市民が今回の問題を受けて、止むに止まれずこのファイル共有サイトに「不正利用の報告」という通告をして、その結果削除されたのではないかと言うのである。その方は確かに、一部ファイルについて誤って通告した可能性を認めていらっしゃり、それが現状と符合する。この方の言われる事が正しければ、早晩、当該サイトより対象ファイルが全て削除されるはずであり、その後にオペレーションの様子を保存した画像を公表するつもりだ。

 この話を聞いたときには、県警だとか、責任者だとか右往左往せずに、自分で直接ファイル共有サイトに通告するという、言われてみればシンプルな選択肢に気が付かなかった自分に反省しました。人間、慌てると判断を誤りますね。

 この事情は、先ほど知らされたのであって、昼ごろに私が三宅県議と話したときには、私は三宅県議か河村事務所、またはその意を受けた県警がファイルを削除したにも関わらず、どこかで手違いがあって、一部のファイルが削除されずに残ったものと、追加の作業を促すために焦って電話をしたという次第である。

 え?三宅県議の事務所にはいくら電話をかけても誰も出ないって?今日は、緊急でしたから携帯電話に直接かけました。え?三宅県議の携帯電話の番号を良く知っていたなって?「知ることが私の機能ですから」

 さて、この電話のやり取りで三宅県議は奇異な事を言っていた。電話におけるやり取りなので、どうせ言った、言わないの話に成りそうであるが。県警を巻き込んで非常に重要な問題があるのでそれについて指摘しておきたい。

 三宅県議の携帯に電話して(勿論、名前を言った後の第一声は「今、電話で話してよろしいですか?」でしたよ)上に言ったように、ファイル共有サイトに置かれたファイルの一部が削除されていない事を告げると、「削除しないように指示したんだけど」と言われた。どういうことかと言うと、上に書いたように、山田市議が投稿欄を削除してしまったので、投稿者を特定する証拠が無くなったそうなのである。なので、今回の投稿については削除しないようにと指示したと言うのである。

 私は、それは今回の掲示板に投稿されたアドレスの事ですよね、それなら、削除しなくても非表示にするとかも出来るので、とりあえずファイル共有サイトの署名簿そのものについては残らず削除するようにしてください。と言ったわけだ。つまり、三宅県議は掲示板に投稿されたアドレスの件と、そのアドレスに置かれた署名簿ファイルそのものの違いがお分かりになっていない。

 どうも、話が食い違うので、ご理解いただけないなら警察にお聞きいただいてもいいので、確認だけしてください。とも申し添えました。

 「あなたも詳しいかもしれないけれども、私たちも警察などの専門家に相談して対応しているのですから問題ないはずですよ」というようなことも言われました。「問題があるのなら警察に言ってください」というようなことを言われるので、判りました、三宅県議が相談された県警の担当者の方が誰か教えてください。と申し上げ、その県警の担当者に一部ファイルが残っている事を伝えたかったのですが、その「担当者」の名前は教えていただけませんでした。

 謙虚さを微塵も感じることが出来なかった上に、直ぐに話題が「自分は何も悪いことはしていない」という三宅県議自身の責任を回避するような論点ばかり気にされていた。私は三宅県議の責任なんてあの場合は横において話したつもりで、とりあえず一刻も早くファイルを削除して欲しかっただけなんですけど。どうにも論点が定まらないと、電話を切りました、。

 2〜3分の電話ですが。「無能」「無責任」と断じるに充分でしたね。

 ちょっと話を整理するために対応しなければならない事を箇条書きに書き出して見ましょう。

 A.流出ファイル自体を消す事。
 B.市議の掲示板に記載された流出ファイルを示すアドレスを見られなくすること。
 ’A.流出ファイルをアップロードした人物を特定する事。
 ’B.掲示板にアドレスを書いた人物を特定する事。


 つまり、今、対応すべきは2つあり、ひとつは流出ファイルそのもの(A,’A)で、もうひとつはその流出ファイルを示すアドレス(B,’B)となっている。

 あの段階で、メーテレ掲示板の存在(B)自体を報じてしまったために、大量の人物がアドレスを知る事となり、流出ファイル(A)が拡散していた。

 しかし、三宅県議は「証拠保全のために、投稿は消すなと指示をした」と明言された。

 この指示は絶対に間違っています。

 証拠保全としてならば、その「ソースコード」を保持すればいいのであって、既にそれは私も保存しています。ちゃんと警察に届け出ているのならば、警察も保存しているであろうと思われます。
 (Remote Host: 122.XX.XX.61.XX.XXXXnet.ne.jp, Time: 1315986087:一部伏字処理しておきます、私にはこの投稿者は署名簿自体をアップローダに上げた人物とは異なるという推測をするからです)というような記述が投稿者の特定につながります。

 また、状況によっては非表示状態にして、不特定多数の人物がアドレスを知る事を防ぐ事もできます。(上記Bは、削除しなくても満足できる)

 三宅県議の行動は、市民の個人情報の流出拡散を放置して、それよりも投稿者の特定を優先するという判断となっています。更に言うならば、この両者は別に選択の問題ではなく、正しくインターネットの知識を持っている者であれば両立できることは明白であり、そうであれば、メーテレの報道以降いたずらに市民の個人情報流出拡散を放置した事になります。

 もしも、電話の会話で三宅県議が言われたように、愛知県警が投稿を保存するように指示したのだとすれば、県警の判断も誤っていると言わなければなりません。この辺り、マスコミによるしっかりとした検証をお願いしたいと思います。


 マスコミに望む今回の事例における調査対象。

 1)ファイル共有サイトに置かれた署名簿は、結果的に第三者が通告をしても削除が適うものであった。このアドレスは山田市議のブログに投稿されたものと同じである。つまり、このファイルの存在はすでに一週間以上前から承知している事になる。愛知県警、請求代表者、河村事務所は、このファイルの削除についてどのように行動したか。また、その理由。

 2)市議の掲示板にアドレスが投稿されて、その事実が報道された。それ以降、この投稿について、愛知県警、請求代表者、河村事務所は、どのような行動を起こすつもりでいたのか、また、その理由。

 いったい、誰の判断ミスで市民の個人情報の拡散が長時間に渡って放置されたのか。

 最後に強調しておきますが、ファイル共有サイトに置かれたファイルは、或る市民の行動によって消えるという事になり、これで拡散は一旦は収まるかに見えます。しかし、このように流出した情報は本質的に削除することはできません。つまり、問題は過去形にはできません。市民に適切な注意喚起と、責任主体の責任ある行動を望みます。

§4 アドレス
§5 「怪文書

 は、また後日書きます。