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密室の中で進む建設計画

 この記事には一部「Culture Convenience Club Co.,Ltd.」の著作物が含まれています。

 著作権法は第32条で次のように定めています。

(引用)
第三十二条  公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。

 小牧市自治基本条例には次の規定があります。

(市民の権利)
第6条 2 市民は、市政について知る権利があります。

小牧市自治基本条例 平成27年4月1日施行)

 また、「現在の新図書館建設計画に関する住民投票条例」(平成27年 小牧市条例第37号)には次の規定があります。

(情報公開)
第9条 市長は、住民投票の適正な執行を確保するため、市民が適切な情報に基づいて判断できるよう必要な情報提供を行うものとする。

 つまり、小牧市における新図書館建設計画に対して、その住民投票がより適切であるためには、市民に適切な情報公開が必要であるとされている訳です。(条例では主体者は市長となっていますが、市長がその義務をネグレクトしているような場合、それを補う情報を開示することは同条例の精神に適うものである事は自明である)

 以上のような公益性があり、公正な慣行(一体性を損なわない等)に配慮し、正当な範囲(批評のため必要最小限と批評者本人が認める範囲)で行われる「引用」については、著作権法によって規制されない。

 現在の図書館計画はおよそ次のように進んでいます。
 この内、住民意向の聴収等を緑色で示してみました。

H18.4 小牧市図書館建設基金創設
H18 小牧市図書館意向調査 図書館に関するアンケート調査報告書
H19.7 小牧市立図書館整備計画委員会 設置(以降 委員会審議7回)
   
H20.1 小牧市立図書館建設に関するパブリックコメント
H20.1 小牧市立図書館建設に関する意見交換会(中部公民館)
H20.3 小牧市立図書館建設基本構想 策定
  小牧駅周辺整備計画 策定
H20.11 市内福祉団体(10団体)にヒアリング 開催
H21.1 図書館サポーターから意見聴取
   
H21.2〜3 小牧市立図書館建設に関するパブリックコメント
H21.2.8 小牧市立図書館建設に関する意見交換会(中部公民館)
H21.3. 小牧市立図書館建設基本計画 策定
H21.3.17 小牧市立図書館整備計画委員会より意見書
   
H26.4 教育委員会図書館協議会、基本計画の一部見直し(直轄から官民連携)に同意
   
H26.5.1 教育委員会事務局 新図書館建設推進室 設置
   
H26.7.1 小牧市立図書館建設アドバイザリー業務委託プロポーザル(募集開始)
   
H26.8.26 小牧市立図書館建設アドバイザリー業務受託者の決定の公表
  連携民間業者(将来指定管理候補者)CCC・TRC共同事業体
   
H26.10.9 小牧市立図書館建設設計業務プロポーザル(募集開始)
   
H27.1.8 小牧市立図書館建設設計業務受託者の決定の公表
   
H27.7 基本設計について、議員、教育委員会、建設検討会議、図書館協議会、図書館ボランティアに意見聴取
   
H27.8.17〜9.15 小牧市立図書館建設基本設計案に関するパブリックコメント


 一見して明白なのは、平成21年3月の「新小牧市立図書館建設基本計画」(以下「基本計画」)までは数回にわたる丹念な住民意向の聴収が行われているにも関わらず、平成26年に官民連携方針が打ち出されて以降はそれがパッタリと行われていないという事です。


 特に重要なのは、平成26年8月の「連携民間業者(将来指定管理候補)」の選定と、それ以降行われた「建設基本設計」です。

 平成21年の「基本計画」には、各施設の面積まで具体的な仕様が定められていました。そしてそれは、この数回にわたる住民意向の聴収から積み上げられた仕様です。

 しかし、現在小牧市が提示している「建設基本設計」はこの「基本計画」に準じていません。連携民間業者の提案に沿った設計になっているようです。

(「基本計画」には「ブックマウンテン」も「吹き抜け」もうたわれていません)


 では、民間連携業者はどのような提案をしているのか。
 「アドバイザリー業務委託プロポーザル」の際に、当該の民間業者が提出されたという提案書について、小牧市に情報公開を行いました*1。以下がその「一部」です。(画像をクリックしていただくと拡大します。拡大してもあまり意味はありませんが)


















 まったく情報が開示されていません。

 内容について開示されていなくて、これで「市民に説明した」「市民の声を聴いた」と言えるのでしょうか。



 また、住民説明会で小牧市は建設費の増大について、

建設費の高騰によるものと説明していますが、それまで基本計画に沿って概算していた図書館建設費、34億円が、現在の42億に増大した背景に、

この平成26年8月の民間連携業者からの提案に沿うよう、建設仕様を変更したからという疑念は晴れません。





 当然ながら、小牧市当局はこの疑念について、それを払拭する情報を提示していません。



 密室の中で進む新小牧市図書館計画を一旦止めて、「基本計画」に立ち返った図書館建設の議論を、市民に開かれた場で再開していただきたいと思います。

(平成27年9月24日 公開)


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*1:これはどなたでも可能です。小牧市役所へ行って既定の手続きを取られればどなたでも同じ資料を手に入れることができます