小牧市図書館問題
本年の4月26日に小牧市の山下市長が小牧市に新型図書館を設立するとの意向を発表した。
そう!あの「武雄市モデル」「CCC図書館」がこの愛知県の小牧市にできるというのである。
この問題に注目していたところ、本日(13日)「小牧の図書館を考える会」が発足されるとの事で、その会合に参加させていただいた。
小牧市の中央図書館は昭和53年(1985年)に建てられている。それ以降市域の拡大とともに、味岡分室、東部分室、北里分室、絵本図書館が増設されたが、中央図書館そのものには手を付けられなかった。参照
2008年に新図書館基本構想が策定され、30億円で駅西A街区に新設が決まった。
その後、駅前ビル「ラピオ」のテナント撤退を受け、建物の補強工事1600万円をかけてラピオ内に図書館を移築すると発表(2010年、中野前市長)
2011年、現市長山下市長が誕生し、ラピオ移築案を撤回。
2014年4月26日に突如「武雄モデル」導入を新聞紙上で発表。
その直前4月13日には「市民と市長のタウンミーティング」が開かれており、その席上「新図書館の計画を民間委託で行うという計画はあるのか」と質問が有り、それに山下市長は「何も決まっていません。今後検討します」と回答していたそうだ。
そのまた前日である4月12日には「議会報告会と市民の意見を聴く会」(味岡市民センター)において同様の質問が市民から上がり、出席した議員からは「新図書館については白紙です。何も決まっていないし、私たちも知りません」という回答が有った。
ところがこの新聞発表があり、それに続く6月議会に「武雄モデル」に準じた図書館建設関連の条例が突如提出さて採択された(賛成25、反対3)「民間業者に設計から参入させるアドバイザリー費用」として210万円、基本設計4680万円の予算も可決された。
小牧市も総合計画「基本構想」を策定して各事業を進めている。
http://www.city.komaki.aichi.jp/sogokeikaku/gaiyo/10176/5579/index.html
その中で「4.教育文化 基本施策17生涯学習」の中に新図書館の検討は「新小牧市立図書館基本計画」によると明記されている。
"第6次小牧市総合計画 第4章"
"新小牧市立図書館基本計画 21年3月"
一般的で現代的な「ふつう」の図書館の姿しか見えない。逆に言うと「武雄モデル」と整合が取れているとは思えない(後述)。
http://www.library.komaki.aichi.jp/f-topics18.html
このページを見ると、新小牧市立図書館建設について21年以降、パブリックコメントも取っていないし市民との意見交換会も開かれていないように伺える。
(パブリックコメントの受付は21年3月2日まで、意見交換会は21年2月8日に一般市民25名の参加を得て開かれているだけに見える)
今日の会合でPPPの試みとして名古屋市緑区のユメリア/徳重図書館の例が報告されていました。図書館だけではない複合施設の建設とはいえ、市民の意向を聞く機会を設けている姿が判ります。
会合にはいわゆる「箱モノ行政は要らない」という図書館の新設自体に反対される方から、「図書館をよく利用する立場として市民に利用しやすい図書館を希望する」と新設には賛成されている方までいらっしゃいましたが、皆さんの思いは「この市長の新設図書館の計画はあまりに唐突、あまりに拙速である」というものだろうと思います。
特に、それが様々に問題を抱えた「武雄モデル」「CCC図書館」であれば尚更だろうと思われます。一般の市民にとって「武雄モデル」などあまり一般的とは思えませんし、それを設置するように希望している市民が居るとも思えません。
(またぞろマスコミが「武雄モデル」の一方的な情報を流して、その表面的な形から賛成する人々は出てくるのでしょうけど)
http://www.city.komaki.aichi.jp/shogaigakushu/library/011049.html
業務委託プロポーザルが行われている、この中で「建設の基本コンセプト」という言葉が使われているが、これはいったいどのような根拠を持ったものなのか?
「新小牧市立図書館建設アドバイザリー業務」仕様書 には 参照
「建設の基本コンセプトに基づき、小牧駅西の新たな魅力のスポットとしてふさわしい図書館の機能及び空間について提案する内容を盛り込んだ資料を作成すること」という文言がある。
審査委員会における「CCC・TRC共同事業体(最優秀者)」に対する意見は
「建設の基本コンセプトに合致した具体的かつ魅力的な企画提案内容が評価できる」とある。参照
ところが「新小牧市立図書館建設基本計画」の31ページ目には
イ 新聞・雑誌コーナー
新聞約 10 紙、雑誌約 200 種、とします。バックナンバーとして1年分を保存します。ウ 視聴覚コーナー
新小牧市立図書館基本計画 21年3月
CD、ビデオ、DVD 等 25,000 点配架します。
とある。
これは現在の「武雄モデル」では実施できていない上に、問題とされている。これが「建設の基本コンセプトに合致」しているとはにわかには信じられない。
雑誌について
武雄市図書館には雑誌が600タイトルあるといわれるが、図書館には30タイトル程度しかおいていない。確かに、最新の雑誌は図書館で読めるがバックナンバーが無い。図書館に雑誌があるというのは、バックナンバーも合わせた形であることが重要であるため、図書館の雑誌のタイトル数をのばすべきであると言う糸賀教授のコメントはもっともなものであった。糸賀教授がマガジンカフェと命名した理由がよくわかった。
“武雄市図書館の検証”についてのバトルを通して浮かび上がった課題 |
武雄市図書館が開館前にDVDを大量除籍 「館内併設のTSUTAYAに配慮?」との疑問の声に武雄市は否定 | ハフポスト
果たしてこの「建設の基本コンセプト」というものは「 新小牧市立図書館基本計画」とどの程度合致しているのだろうか?
また、「CCC・TRC共同事業体」が提出した提案の中身とは?
そもそも市民に対するヒアリングが21年以降為されていない現状で、いったいどういった「建設の基本コンセプト」が構築できるというのだろうか?
それは市民の意見を容れたものではないのではないのか?
11月9日(13:30〜)には「ラピオあさひホール」において、この会主催の図書館シンポジウムが開かれるそうだ。
ご興味のある方は是非。
http://ameblo.jp/aoiumitosora7/entry-11925406456.html
「武雄モデル」関連リンク:
武雄新図書館構想 問題点のまとめのまとめ - Togetter
新武雄市図書館はコスト削減になっていない - デクノスティック
武雄市図書館を取り上げたNHK番組を見た学校司書さんの感想 - Togetter
03:武雄市図書館 - 佐賀県武雄市の問題について:takeoproblem
ちょっと面白いものも見つけてしまった。
http://globis.jp/2543
このインタビューでCCC増田社長は
実際には本のレンタル屋だ。要するに「図書館なんてものはない」と(会場笑)。名前は図書館だが、本のレンタル屋だ。
と発言し、批判を受けた。
その為釈明をし、この発言も
要するに「(ステレオタイプなレンタル屋もないし、)図書館なんてものはない」と。名前は図書館だが、(使われている仕組みの側面で見れば、さながら)本のレンタル屋だ。
と補足をしている。
http://web.archive.org/web/20130827083119/http://www.globis.jp/2543
(2013年8月27日段階の掲載文 / web archive)
このヒトは本質的に何を批判されたのか判っていないようだ。この「守破離」の捉え方もヘンテコですしね。まあ、余分な事なのでここではその程度で。
弥富相生山線問題住民意向調査
弥富相生山線問題の住民意向調査が行われた。
午前中に午後から工事中断を求める住民代表を集め、午後夜には工事再開を求める近隣住民の意見を聞くと、二部構成になっていた。対立する住民を分けて集めるところにも、この問題の難しさを感じずには居られない。
(午前/午後 ではなく 午後/夜 の二部構成でした、
ご指摘をいただきましたので修正いたします。)
市会議員はオブザーバーとして傍聴を認められたようだ。
しかし、この場は住民の意見を聞く場であって、当然の事に市会議員が意見を言ってみたり、片方に肩入れするような事はあってはならないだろう。
ところがこの場に現れたのが減税日本ナゴヤの湯川議員であり、なんと湯川議員、工事中断派の発表を聞いて「拍手」を送ったそうなのだ。
この「お花畑」の人物にとっては、地域住民の真剣な課題解決の場も、どこかの学習発表会と何ら変わらないのだろう。
この問題を思うと悲しくなる。
広く衆知を結集すれば、より良い政治が実現できるという大衆型民主主義が誤りだと思えてきてしまう。(この大衆型民主主義を支えるためにも、商用利用されない、公的機関が図書館を設置して、住民の情報へのアクセス権を担保する必要があるのだが/その「権利」が正常に活用されているかどうかは甚だ疑問がある)
というのは、先週末にある方と話をしたのだ。その方は「相生山の道路は作っちゃいけない」とおっしゃった。そこで私は「現地にいかれた事はありますか?」と聞いたところ「今年もホタルを見に行った」と言われた、続けて「名古屋市の中にあんな自然が有るんだ、あの自然を守らなければダメだよ」と。
もうお気付きの方もおみえかもしれないけれども、この方は弥富相生山線の問題をご存じない。この方の認識は誤っていて、道路はすでに大方出来上がっているのだ。道路が開通しても「あの自然」は守られる。
その為に今まで、29億円もの過大な予算をかけて半隧道としたのだから。
ホタルの生息地、自然な里山はそのままに、その足の下に道路が「すでに通っている」のだ。
平成26年3月12日土木交通委員会(弥富相生山線問題) - 市長のための市会ではなく、市民のための名古屋市会を! Ver.2.0
弥富相生山線、里山に道路を通すべきか否か。という議論を持ち出すと、たいていの人は森林を伐採し、里山を切り拓いて道路を通すことを想像する。そう「想像」なのだ。
弥富相生山線の実態はそれとは異なる。
減税日本ナゴヤがばら撒いたチラシのように、勝手な「想像/妄想」から、実際の行政、政治を歪めてしまう実例がここにもあるのではないだろうか。
「思い」が有れば何でも書いても良いのか?
この週末、河村事務所に減税日本ナゴヤの議員が非常招集されたそうだ。
台風も近づき、連休という事もあり地域行事も目白押しの中、全議員(といっても、15名に)招集がかかった。
話題は件の「チラシ」の件で、河村代表は相当にご立腹だったようで、事情を聴取した後は「政治は戦いなんだから」とか「庶民革命を完成させなくちゃいかん」などと2時間ほどの会合の間、一方的にまくしたてていたそうだ。
そして、ここがミソなんですが。
最終的な結論は明日(14日)の市議団の団会議で対応を決めるように指示が有ったそうだ。
代表として、方針の打ち出しも、その論理的裏付けを与える事も無く。一年生議員の市議団にもう一度集まって「対応を話し合え」と言ったって、結局先週末(10日)以上のものは出てくるものではないでしょうに。
ここで、減税日本をネタに「思い」が有れば何でも書いていいのか!
と、耳にした「酷い話」を書こうとしたけれど、あまりに酷過ぎるし、字数もオーバーしているので削除しました。
チラシ「存在が問われる地方議員」について その1 - 市長のための市会ではなく、市民のための名古屋市会を! Ver.2.0
チラシ「存在が問われる地方議員」について その2 - 市長のための市会ではなく、市民のための名古屋市会を! Ver.2.0
チラシ「存在が問われる地方議員」について その3 - 市長のための市会ではなく、市民のための名古屋市会を! Ver.2.0
追記:
13日の読売新聞にチラシ問題、更にそれに続く鹿島団長のブログ記事に対する総務環境委員会での「糾弾決議」について、記事になったようだ。
その旨の連絡とイメージが送られてきた。