え?嘘を言うなよ、武雄市図書館にはもっとCDやDVDが置かれているよ。
蔦屋書店 武雄市図書館 佐賀県 武雄市 - TSUTAYA 店舗情報 - 店舗検索 には
音楽は約3万、映画は約4万タイトルの厳選された上質な商品を揃えております。
また、コンシェルジュがお客様の知的好奇心を満たすような、
蔦屋書店 武雄市図書館 佐賀県 武雄市 - TSUTAYA 店舗情報 - 店舗検索
新しい本・音楽・映画との出会いをサポート致します。
と書かれているよ。
と、言われるかもしれません。
しかし、この音楽約3万点、映画は約4万タイトルと言われるのは、蔦谷書店レンタルショップの在庫の事なんです。勿論、視聴にはレンタル料金がかかります。
館内に視聴覚機器が準備されているようですが、そういった機材を使って館内で見るためにも、一旦貸出しをしなければならないそうです。勿論、有料です。
(後述する「おかしくないか?武雄市図書館」もご参照ください)
純粋に「武雄市図書館」の在庫(視聴、貸出しは無料)は約300点弱しかありません。
もともと武雄市図書館にはCDやDVDが少なかったの?
とお思いかもしれませんが、実は武雄市図書館がツタヤ方式を導入した際に、大量のCDやDVDを除籍(廃棄)しているのです。
[武雄市] H26-02-28 武市教文生第157号 武雄市図書館・歴史資料館の改修にあたって廃棄された蔵書・視聴覚資料の一覧.pdf - Google ドライブ
151ページあるPDFファイルですが、ここに
ビデオ、1468点。CD、1322点。DVD、464点の除籍リストがあります。その総数、3254点。
DVDの中には「ロード オブ・ザ リング」や「パイレーツ・オブ・カリビアン」なども含まれています。
http://www1.saga-s.co.jp/news/saga.0.2671722.article.html
武雄市図書館が開館前にDVDを大量除籍 「館内併設のTSUTAYAに配慮?」との疑問の声に武雄市は否定 | ハフポスト
現在、小牧市立図書館本館にはカセット、2351点。CD、3406点。ビデオ、1909点。DVD、2000点の資料があるそうです。(平成26年3月31日現在)
統計|小牧市立図書館
「新小牧市立図書館建設基本計画」には次のような記載があります。
3 各機能の面積と配置計画
新小牧市立図書館建設基本計画書 (31ページ)
(2) 地域館機能
(略)
ウ 視聴覚コーナー
CD、ビデオ、DVD 等 25,000 点配架します。視聴席は(音響・映像兼用)10 台、一部は複数席にします。音漏れや、画面への他の利用者からの視線にも配慮します。
上記のように、現在の本館資料点数は約1万点です(カセット含み、9666点)
新館建設にあたり、およそ2.5倍の在庫補強を行わなければなりません。
しかし、それが公共図書館の資料ではなく、有償のレンタルショップの商品として提供されるとしたら、それは公共図書館と言えるのでしょうか?
そして何より。
今ある小牧市図書館所蔵の資料について、除籍(廃棄)されないように願わずには居られません。
これは小牧市民の、まだ生まれていない将来の市民も含めた、みんなの共有財産である筈だからです。
(平成26年10月29日)
おかしくないか?武雄市図書館
武雄市図書館では併設する蔦谷書店レンタルショップで借りたCDやDVD。または蔦谷書店で購入したCDやDVDについて、図書館に設置された視聴覚機器を利用してその場で見たり聞いたりする事が出来るようです。
この件について「私が自分のCDやDVDを武雄市図書館に持ち込んで、視聴機材を貸してくださいと言ったら借りられますか?」と伺ったところ「そういったお持込には対応しておりません」との事だった。そりゃそうだろう。
私的なCD、DVDの視聴を公共の機材を使って行う事は原則禁止だろう。それは判る。*1
では、個人が企業である蔦谷書店レンタルショップから、商行為として借り出したCDやDVDを視聴するというのは私的な行為ではないのか?個人がそれを行う事が禁じられて、なぜ一私企業が恒常的に、さも当然のように図書館の公共の機材を使用する(または顧客に使用させる)ことが許されているのか。これは自治体の一私企業に対する、便宜供与ではないのだろうか?
呆れた事にこうした行為が、まるで「良いこと」であるかのように喧伝されている。
武雄市図書館に87%が満足、年中無休が好評 | リセマム
この記事に次のような記載があります。
満足している内容は、1位「年中無休になった」、2位「9〜21時間延長」、3位「販売用が館内で楽しめる」(略)
武雄市図書館に87%が満足、年中無休が好評 | リセマム
たとえてみれば、あなたの街にCDショップが有ったとして、その店先の歩道上に、市が無料のCDプレイヤーを設置してくれるとします。それは確かに便利でしょう。CDプレイヤーだけではなく椅子も用意して屋根も付いていればもっと便利だ。
しかし、市などの地方自治体が、特定の店舗や企業にこんな便宜をはからう行為は、利用者の便利をいう以前にケジメがない行為で、異様な事ではないでしょうか?
追記(2014年10月1日):
少々以前、2013年4月15日付の日経ITPro に次のような記事が掲載されていた。
VHSが中心だった映像作品2600枚を4万5000枚に、CDも1600枚から3万枚に増やした(ただし、このラインアップは主に有料レンタル)。
http://www.nikkeibp.co.jp/article/matome/20130415/347565/?ST=it&P=1
当初この記事は次のようなものだった。
VHSが中心だった映像作品2600枚を4万5000枚に、CDも1600枚から3万枚に増やした(雑誌にしろCDしろ、パッケージを無料で借りられる恩恵は図書館ならではである)。
http://www.nikkeibp.co.jp/article/matome/20130415/347565/?ST=it&P=1
事実誤認を指摘する投書等で修正された模様だ。
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*1:公共施設内で踊りのけいこを行うような場合、私的なCDを公共機材で視聴する事になるだろう。DVDを権利者の承諾の下、公共施設において視聴するような事もあるだろう。これらの場合は受益者が多数であり、公共的であると見做せるから可能なのだろう。しかし、個人が図書館の視聴覚機材で個人的に視聴を行うのは、受益者が個人に留まるので正当な行為とはいえない