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歴史に学ぶとは

本日の中日新聞
歴史に「愚」を学ぶ時 と題して、盧溝橋事件からの日本の中国支配、そして第二次世界大戦に至る歴史の誤りを指摘している。
歴史認識としては確かにこの社説のとおりだが、この社説は大切な事を見落としているし、そうした意味でこの社説もまた「愚」を繰り返しているようにみえる。
日本は第二次世界大戦における敗戦以降、幾つもの敗戦を繰り返している(バブルの崩壊と、それからの復帰の遅れ、あるいは未だに復帰できていないこと。東北における震災によって起こった東京電力原発事故)。第二次世界大戦における敗戦については、その責任追及もされているし、反省も行われた、しかしそれ以降の敗戦については十分検証がされていない。
東京電力原発事故は、東京電力と、原子力に関する規制庁を統合してしまって、ブレーキを捨ててアクセルだけにしてしまった「愚」が指摘できる。
バブル崩壊とそれ以降一向に回復しない日本経済については「負け」を「負け」と認めていない事が最大の「愚」であろう。「負け」を認めなければ「反省」も「原因追求」も起こらない。
原子力に関する規制庁を統合して、ブレーキを車から投げ捨てた「愚」も突き詰めれば経済的要因だろう。
いわく、均衡財政論を満足させるために、省庁を統廃合して行政改革を進め「スリムな行政」を実現させる。というわけだ。車の重量を気にして、ブレーキを投げ捨てたのだ。
行政を縮小する。公共セクタのお金を縮小させれば民間の金が増えるなどというのは、小学生レベルの誤りだ。経済とは配分ではない、循環なのであって、公共セクタにおける循環の量を減らせば、全体の循環も縮小する。
お陰で日本は、日本経済は世界経済の中で「一人負け」を続けている。

欧州からは「日本だけが勝手にどんどん貧しくなっている」ように見えている - エストニア共和国より愛をこめて

ついに中国企業が日本に工場を作り進出してきている。

ファーウェイ、年内にも日本国内に大型工場を新設―中国企業では初 - iPhone Mania

「以前は日本の人件費の高さを理由として進出に踏み切れていませんでしたが、中国の2016年製造業部門の平均賃金は、2005年当時の約3倍の水準にまで達し、日本の人件費との差が縮小したため、現在は日本の割高感が薄れています。」
こうした傾向はまだ続くだろう。
何故ならば、日本人は「負けた」と思っておらず、反省するどころか、「生産性を高めるために(海外から労働力を輸入するなどして)人件費を引き下げる努力をするべきだ」というバカな議論をしているからだ。(答えは逆だ。人件費の引き上げ、労働分配率の引き上げこそ、国内需要を起爆させる鍵であり、生産性(付加価値)を高める要素である。そして、こうした付加価値=高い労働分配率を実現できない無能な経営者こそ、市場原理によって淘汰すべきなのだ)

京大名誉教授が警鐘、「学力の低下が日本を貧しくする!」 | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)

ただでさえ減速している日本経済に対して、その原動力となるべき教育から原資を抜き去っている。義務教育における教員の疲弊(人員配分の劣化)と、大学教育の環境の悪化(研究者が1年契約などで地位が安定せず、研究に集中できない現状)を続けていれば、やがてこの国は滅びる。
敗戦は、半世紀前より以降にも現出していたのであって、反省すべき材料は歴史の中だけでなく、いま目の前にもある。
目の前の大問題に無自覚なまま、空念仏のように「歴史の教訓」を垂れるとすれば、これほど愚かしいことはない。
縮小均衡論を反省せよ。
全ての労働の、労働分配率を拡大させよ。
とりあえずは、「最低賃金1500円」を実現させることだ。

追記:

https://twitter.com/dqnchild2/status/882703603357540352

笑えない。